2019年7月20日土曜日

打ち上げ花火で一句「帝王戦」

月輝きて 吾と夏の菊 末枯れ(すがれ)ゆく  
短夜や 踊り終わって イタリアン
嫌ことに 気づかぬ素振り 髪洗ふ
噴水や 長き語らい しっとりと
IT長者の 地方再生 バンガロー 

プレバト纏め 2019718

夏の俳句タイトル戦「炎帝戦」予選

出演者:梅沢富美男・東国原英夫・藤本敏史・村上健志・横尾渉
石田明・皆藤愛子・北山宏光・千賀健永・立川志らく・
千原ジュニア・パックン・松岡充・ミッツ マングローブ

打ち上げ花火で一句

1位 Kis-My-Ft2 千賀健永
黒き地の 正体は海 揚花火
(語順、言葉の選び方が良く考えられている。
「地」「海」両方が生きている。明暗も表現できている。)

2位 千原ジュニア
渋滞や 花火の映る ボンネット
(「映る」は説明の言葉になるが、
映像の言葉として使えている。)

3位 皆藤愛子
ラムネ瓶 浮かぶ未明の 五行川
(それぞれの言葉がお互いを邪魔していない。
 「五行」という3音で映像化できる。
3音の可能性を突き詰める。)
ラムネ瓶 浮かぶ未明の 川しずか

4位 立川志らく
花火果()て 襟裳の朱華(あか)き 灯火かな
(花火の後の光景を愛でるというのは日本人の美意識。
 「灯火」を詠嘆しているから、
この語順だと「花火」の比重が沈む。
 種類の違う灯を生かしつつ、花火を主役にする。)
襟裳岬の 灯火の朱華(あか)し 花火()

5位 NON STYLE 石田明
粒になるまで みとどける 菊花火
(「一物仕立て」にチャレンジしている。
 一は季語の事。17音全て使い季語のみを描写する技法。
 中七を言わなくても解るやり方がある。
 最後「を」を使う事で見届けていることが伝わる。)
菊花火の ほむらが粒と なるまでを

6位 パックン
新宿の 杜を球音 夏の星
(ありがちな内容。音を響かせる空間を作ると良い。
 夏の季語で「涼し」がある。
「球音」が「涼しき夜」に響いていく。)
新宿の 杜を球音 涼しき夜

7位 松岡充
涼風や 火薬のにほい 流れ髪
(この字面では正しく伝わらない。三段切れ。
 流れ髪が罪深い。時間情報を入れる。)
涼風や 火薬の匂ふ 夜の髪

8位 ミッツ・マングローブ
いたずらな背に 女王花()の 爪の後
(実態なのか比喩なのか?字面から読み取りにくい。
 「のこすかに」で比喩だと解らせる。)
女王花()薫る 背に爪の後を のこすかに

9位 Kis-My-Ft2 北山宏光
揚花火 揺らす扇の 三葵
(「花火」「扇」は季重なり。
花火が素晴らしいと愛でている事を
表現しているのであれば「揺らす」では伝わらない。)
花火あっぱれ かざす扇の 三葵

次回はいよいよ「炎帝戦」の本選です。
俳句に熱心に取り組んでいる人を出演させて欲しかったです。
タイトル戦はそのような位置づけにして欲しいものです。
一生懸命俳句に取り組んでいる人の出演を希望いたします。
前回から、村上健志さんがご自分の意見を言われています。
素晴らしいご意見に聞き耳を立てています。
一言一言が勉強になります。ありがとう村上健志さん!


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