2022年1月28日金曜日

冬扇

母ありて冬の海岸歩きたし
冬の靄スマホにかざすルーペかな
針に糸勘で通さん寒卵
コロナ禍に励むシャドウや寒ごやし
冬菫人知れず生き看取られず

一分季語ウンチク 「冬扇」

夏には扇は使うけれど冬に扇って
寒いのに使いませんよね。
「冬扇」とは薄く削った檜の板を
何枚も糸でより合わせた檜扇のことです。
昔公家が笏(しゃく)の代わりに用いたものだそうです。
笏というのは平安とかの絵に描かれているような
貴族が持っているこう棒のようなものがありますね。
あれを笏と言います。
その代わりになったのが「冬扇」です。
季語でいうこの「冬扇」冬になって
使われなくなった扇のことを指します。
いわゆる「夏炉冬扇」
夏の炉、夏に炉は使いません。
という熟語にもなっています。
この夏炉冬扇とは役に立たない無用なものの
代名詞ともなっています。
そんな普段使わない「冬扇」に
思いをかけてやることも俳句という季語が生きていく
システムの中の貢献?なのかもしれないですね。

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