2022年1月25日火曜日

題「言」

大旋回小さき冬鳥徒党組み
嚏(くさめ)せん風邪かコロナか悪寒あり
蠟梅の香に誘われて遠回り
嘘よりも非道な無言からっ風
ゆとりなき人生終える残り鷺

NHK短歌 題「言」
選者 大森静香 ゲスト 新井達矢 司会 有森也実

冒頭の短歌
ずっと味方でいてよ菜の花咲くなかを味方は愛の言葉ではない
大森静佳

新井達也氏の「痩女(やせおんな)」を見て詠まれた短歌。
まなざしは鳴咽(おえつ)しており死ののちも影きしきしとひとりを追って
大森静佳

今回のお気に入り
語尾に「の」をつける訛りを言うたびにわれは小さな陽だまりとなる
山形県酒田市 村上秀夫
悪口は面と向かって言いなさい道路で喧嘩する猫のように
群馬県前橋市 光峯霏々
花びらが口からあふれだすように何度も言った名前があった
東京都西東京市 小林礼步
言の葉に枯れ葉を交ぜて重くないことだけ喋る冬のファミレス
神奈川県横浜市 小俵鱚太
ロボットに殺さるるなら人間に殺されたしと兵士の言へり
岐阜県多治見市 野田孝夫

今読みたい愛の歌
元気でねと本気で言ったらその言葉が届いた感じに笑ってくれた   
永井祐
三十代くらいのやさしそうな男性がぼくの守護霊とおしえてもらう   
永井祐(新井達也氏のお好きな永井祐氏の短歌)

大森先生のポイントで改作!
今日のテーマは発想を情感で生かそう

(元歌)
植物は葉によって生き人もまた言の葉により生きて行くもの
改作ポイント①発想に体温を通わせよう
植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており○○のなかで

植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており空気のなかで
有森也実
植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており温もりのなかで
新井達矢
植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており冬陽のなかで
大森静香

ポイントの解説
実感を加える
生命感を出すために共に生きている実感を表現する

改作ポイント②発想を映像的に描こう
○○が葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る

ひまわりが葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る
有森也実
菜の花が葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る
新井達也
山茶花が葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る
大森静香

ポイントの解説
具体から「普遍」へつなげよう
姿や景色が目に浮かぶように描くことでおのずと普遍的なメッセージも届く

大森静佳さんの今日のメッセージ
「発想を情感で生かすには、実感で温かさを出そう」でした。

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