2022年1月31日月曜日

兼題「寒紅」

冬の朝紙とインクの匂ひ聞く
(2022年)大寒や変異に変化できぬまま
冬深し儚き命持て余し
電柱の寄り添ふ烏(からす)冬の風
田宮川上空旋回冬の鳥

NHK俳句 兼題「寒紅」
顧問 櫂未知子 部長 塚地武雅 部員 桜井紗季

宿題より
我が部屋に父のどてらが置ゐてあり   塚地武雅
添削 置いて(置きて)でよい
我が部屋に父のどてらが置いてあり

朝焼けに凛とたたずむ冬木立   いとうまい子
朝焼けは夏の季語 暁紅してはいかがか?
暁紅に凛とたたずむ冬木立

今回のお気に入り俳句
寒紅に恋の兆しをひとしずく   山上秋恵
寒紅やいつも真中(まなか)にゐる女   キートスばんじょうし

俳句 二歩目へ テーマ「素敵な色を見つけたい」
玄冬の川を見てゐることが旅   鳥居真里子

「四季には色がある」櫂未知子
春⇨青 青春
夏⇨朱 朱夏 
秋⇨白 白秋
冬⇨玄 玄冬
句の中に色を入れると鮮やかになり、景色が見えてくる。

俳句ドリル(一物仕立ていちぶつ)
寒鯉の◯◯◯◯◯◯◯△△△けり

寒鯉の跳ねし音のみ響きけり   塚地武雅
寒鯉の絵画の如くをりにけり   田中要次   
寒鯉の佐久より美味はなかりけり   いとうまい子
寒鯉の前に少女のとどまりぬ   マネージャー
添削後は赤字表記

2022年1月30日日曜日

伊月集 鶴 完成

ゾノとヒデ冬の伊予街道をラン
ロングライドよ「尻(ケツ)が痛い」と冬の砥部
酸味とキレの石鎚黒茶山眠る
隠れし酸味石鎚黒茶喉通過
冬の西条水の違ひでひとくさり

夏井いつき俳句チャンネル より
【夏井いつき50代の句集】「伊月集 鶴」がついに完成しました!

青き踏めマスクを鳩として放て   夏井いつき

Twitter より
下北ペダル@Qq9Qq9qqq
我が家に飛来した鶴。
クスッとなったり切なくなったり、いろんな種類の感情が沸き起こる。
冒頭の句がなにしろ凄い。
その一句で突如魔法をかけられ遍歴がはじまる。
最後の一句では泣いた。

梅沢富美男@umezawatomio
なっちゃん先生(夏井いつき)の伊月集 鶴が出ました!
見て見てみて!ここ!
僕のことを詠った俳句がのってます。
嬉しいなぁ。
ありがとうなっちゃん先生!

フルーツポンチ村上@fpmurakami
夏井いつき先生の第三句集『句集 伊月集 鶴』を拝読しました。
やはり僕は夏井先生の句が好きだ
しばらく眺めたくなる、
くうんと体をくねらせたくなる、
なぜそんなところを見ているんだとおかしくなる、
ロマンに溢れている、
たくさんの景色を見せてもらえた。
やはり毎日は美しくて面白い

2022年1月29日土曜日

肉まんで一句

冬深しあいむりびんぐいんざなう
北吹くやコロナ回避のMASK UP
傷ついたカラーコーンや冬の月
湯豆腐や亡父好みの橙と
寄鍋や飾り終えたる橙の

プレバト纏め 2022年1月27日
肉まんで一句

永世名人への道
村上健志
白鳥の波紋や御御籤(おみくじ)をひらく
(鮮やかな映像展開。言葉と言葉が花火を散らす。)

特待生昇格試験
立川志らく
冬の路地裏に昭和が捨ててある
(時代と物が見えてくる。)

中田喜子
肉饅どさどさ黄さんの手真っ赤
(現場証明、臨場感がある。色彩をイメージさせている。)

1位 瀧川鯉斗
肉まんやヘルメット脱ぎ手套(しゅとう)脱ぎ
添削(若さと勢いを出す。)
メット脱ぎ手套脱ぎ肉まんガブリ

2位 蛙亭イワクラ
かぶりつき天を仰げば冬の月
添削(何にかぶりついたのか?不明。天と仰げばは重複。)
かぶりつく肉まん天に冬の月

3位 勝俣州和
肉まんを分けあう夫婦冬日向
添削
肉まんを分けあう冬日向のベンチ

4位 岡田結実
冬の星あれはなんだろ肉まんだ
添削
肉まんのかたちの冬の星座どこ

次回のお題は「最終電車の表示」

2022年1月28日金曜日

冬扇

母ありて冬の海岸歩きたし
冬の靄スマホにかざすルーペかな
針に糸勘で通さん寒卵
コロナ禍に励むシャドウや寒ごやし
冬菫人知れず生き看取られず

一分季語ウンチク 「冬扇」

夏には扇は使うけれど冬に扇って
寒いのに使いませんよね。
「冬扇」とは薄く削った檜の板を
何枚も糸でより合わせた檜扇のことです。
昔公家が笏(しゃく)の代わりに用いたものだそうです。
笏というのは平安とかの絵に描かれているような
貴族が持っているこう棒のようなものがありますね。
あれを笏と言います。
その代わりになったのが「冬扇」です。
季語でいうこの「冬扇」冬になって
使われなくなった扇のことを指します。
いわゆる「夏炉冬扇」
夏の炉、夏に炉は使いません。
という熟語にもなっています。
この夏炉冬扇とは役に立たない無用なものの
代名詞ともなっています。
そんな普段使わない「冬扇」に
思いをかけてやることも俳句という季語が生きていく
システムの中の貢献?なのかもしれないですね。

2022年1月27日木曜日

マザー・テレサ&アウレリウス&リチャード・バックの言葉

日脚伸ぶ鏡の中の黄昏よ
寒日和心身ともに黄昏て
しばれるや黄昏を舞う枯葉かな
冬の靄四つ葉マークは印籠か
祖谷渓の民家の軒の冬菜揺れ

マザー・テレサ 曰く
「傲慢でぶっきら棒で利己的になるのは、
 いともたやすいことです。
 でも私達は、もっと素晴らしいことの為に、
 創られているのです。」

アウレリウス 曰く
「他人の厚顔無恥に腹が立つとき、
 ただちに自らに問うてみよ。
 『恥知らずの人間が存在しないなんて、ありえるか?』
 答えは『ありえない』だろう。
 それならば、ありえぬことを求めるな。」

リチャード・バック 曰く
「夢が与えられる時には
 必ず実現する力も与えられる。」

2022年1月26日水曜日

第三回尻文字三角パス

振り下ろされた諸刃の剣白き息
冬の灯よ憎みきれない人たらし
真夜中の雪をまとった冬薔薇
白鳥と雪の共演夏井川
(トンガ海底噴火)津波来る止まぬアラート午前2時(無季句)

夏井いつき俳句チャンネル より
【第三回尻二字三角パス】
組長の「尻二字攻撃」に正人が苦戦!
今回は兼光氏が参加!(嬉々!)

いえこれが姉妹だなんて蚯蚓鳴く
なくなったものをかぞへてゐる寒夜   夏井いつき
ンやったら出てけや白息がくさい   家藤正人
最低の人です冬の蚊です   加根兼光
デスマスクの白き凸凹(でこぼこ)なる寒暮   夏井いつき

【第三回尻二字三角パス後編】
正人の反撃!組長の悲しい過去を掘り出す...!?

んぼぼブと排水口の呑むおでん   家藤正人
でんと置き新年会の瓶飛んで   加根兼光
ん、伝助おっかあ逃げた年の暮れ   夏井いつき
暮れる日の馬に鞭鳴るパオの秋   家藤正人
(秋つばめ包みのひとつに赤ん坊   黒田杏(もも)子)
呆れるの北風さんは服ぬいで   加根兼光

次回は「いで」の二音から始まる俳句に決定!

シャルル・ド・モンテスキュー 曰く
「偉大なことを成し遂げる人は、
 つねに大胆な冒険者である。」

2022年1月25日火曜日

題「言」

大旋回小さき冬鳥徒党組み
嚏(くさめ)せん風邪かコロナか悪寒あり
蠟梅の香に誘われて遠回り
嘘よりも非道な無言からっ風
ゆとりなき人生終える残り鷺

NHK短歌 題「言」
選者 大森静香 ゲスト 新井達矢 司会 有森也実

冒頭の短歌
ずっと味方でいてよ菜の花咲くなかを味方は愛の言葉ではない
大森静佳

新井達也氏の「痩女(やせおんな)」を見て詠まれた短歌。
まなざしは鳴咽(おえつ)しており死ののちも影きしきしとひとりを追って
大森静佳

今回のお気に入り
語尾に「の」をつける訛りを言うたびにわれは小さな陽だまりとなる
山形県酒田市 村上秀夫
悪口は面と向かって言いなさい道路で喧嘩する猫のように
群馬県前橋市 光峯霏々
花びらが口からあふれだすように何度も言った名前があった
東京都西東京市 小林礼步
言の葉に枯れ葉を交ぜて重くないことだけ喋る冬のファミレス
神奈川県横浜市 小俵鱚太
ロボットに殺さるるなら人間に殺されたしと兵士の言へり
岐阜県多治見市 野田孝夫

今読みたい愛の歌
元気でねと本気で言ったらその言葉が届いた感じに笑ってくれた   
永井祐
三十代くらいのやさしそうな男性がぼくの守護霊とおしえてもらう   
永井祐(新井達也氏のお好きな永井祐氏の短歌)

大森先生のポイントで改作!
今日のテーマは発想を情感で生かそう

(元歌)
植物は葉によって生き人もまた言の葉により生きて行くもの
改作ポイント①発想に体温を通わせよう
植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており○○のなかで

植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており空気のなかで
有森也実
植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており温もりのなかで
新井達矢
植物は葉に、にんげんは言の葉に生かされており冬陽のなかで
大森静香

ポイントの解説
実感を加える
生命感を出すために共に生きている実感を表現する

改作ポイント②発想を映像的に描こう
○○が葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る

ひまわりが葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る
有森也実
菜の花が葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る
新井達也
山茶花が葉のちからにて咲くようにわれに明るき言葉は茂る
大森静香

ポイントの解説
具体から「普遍」へつなげよう
姿や景色が目に浮かぶように描くことでおのずと普遍的なメッセージも届く

大森静佳さんの今日のメッセージ
「発想を情感で生かすには、実感で温かさを出そう」でした。

2022年1月24日月曜日

兼題「今年・去年・去年今年」

晩冬の日本株佳き兆し見ん
インフレの準備始まる春を待つ
眠りへと冬花火の音聞きながら
キバナアマいつの間にやら咲き乱る
冬薔薇(そうび)時間をかけて咲きませう

NHK俳句 兼題「今年・去年・去年今年」
選者 岸本尚毅 ゲスト 桂三度 司会 中田喜子

冒頭の句
肘掛にわれの肘あり去年(こぞ)今年   岸本尚毅

俳句と想像力 今年・去年・去年今年

例句 高浜虚子
去年今年貫く棒の如きもの
去年今年一時か半か一つ打つ

今回のお気に入り
利根川の闇に音無く去年今年   星野清風
湖の島の祠に去年のもの   西村英雄
還暦の餅よくのびて今年かな 藤原涼
去年今年五山の鐘のゆるく打ち   渡辺啓子

岸本教官の俳句添削道場
猫よぎる素早く静かに去年今年
添削
猫よぎる素早く静か去年今年
添削
よぎる猫素早く静か去年今年

去年今年無言の父の痩せがまん   中田喜子
添削(何のやせ我慢かが解らない。)
嫁ぐ子に無言の父や去年今年

「世もすえ」とうしなう去年(こぞ)にとらわれず   桂三度
(昨年の干支の「牛」と今年の干支の「虎」を入れた句。
 素晴らしい俳句に拍手喝采してしまいました。)

去年は憂し今年は天下取らんとぞ   岸本尚毅

2022年1月23日日曜日

ねこ自慢の短歌

遊びなき人生歩み春を待つ
月冴ゆるゆとりあっての暮らしかな
金槌の町に響かん雪催(もよい)
ライナスへかける言葉や冬日向
ある人は人生ずっと冬日陰

「ねこ自慢」と言うTV番組で
下記の短歌が紹介されていました。

「置き去りにされた子猫が老猫と呼ばれる歳になる」
「でかい顔している猫だサイズ的意味でも慣用句的意味でも」
仁尾智氏の作品です。

愛に満ち溢れた短歌ですよね。
私もこんな俳句が詠めたならと思いながら
日々句作しています。
まだ、私には方向も色もありません。
そのうち出てくるのでしょうね。
ただ俳句に対し好みははっきりと出てきたようです。

2022年1月22日土曜日

太箸

冬三日月安心毛布手放さず
池田町雪がうっすら黒瓦
里山は雪を抱きて凍えをり
雪吊や抑制されて縛られて
寒月(かんげつ)や敷かれたレール降りられず

一分季語ウンチク 太箸
新年の季語。新年の食膳に用いられる
白木の太い箸のことを言います。
地域によっては「雑煮箸」とか「祝箸」
などとも言われるようです。
基本的には柳を多く使って作られるのだとか…。
この「太箸」には様々な傍題があります。
箸そのものだけではなく、箸を包んでいる
「箸包」や「箸紙」も、この季語の傍題となっています。
新年の縁起物、それをむき出しに置くのではなく
綺麗にして新年を寿ぐ気持ち、心遣いがあるようです。
「箸紙」には家族の名前などを各々の箸袋に
墨で書き込んで一年の無病息災と平穏無事を祈るそうです。
って、我が家では毎年これだけはやっています。

2022年1月21日金曜日

兼題「ラグビー」

蠟梅や隣から香のご挨拶
冬の朝茶葉を蒸らせんじっくりと
雪兎共鳴してもしなくても
探梅や魅かれあってもあわずとも
恋は塩いい塩梅を探す冬

NHK俳句 兼題「ラグビー」
選者 阪西敦子 ゲスト 大野均 司会 岸本葉子

冒頭の俳句
ラガーらの目に一瞬の空戻る   阪西敦子

季題あるがまま ラグビー
例題
ラガー等のそのかちうたのみじかけれ   横山白虹(はっこう)
(相手を思いやるスポーツならではの俳句)
ラグビーの多勢遅れて駆けり来る   山口誓子
(ボールを持ったものが主役のスポーツを詠んだ俳句)

今回のお気に入り
ラグビーのスクラム闇の潰しけり   久蔵久蔵
ラグビーの巨躯(きょく)しならせて芝を打つ   ぐ
(重さとスピードが伝わってくる俳句)
ラグビーのパス心臓を投げるごと   酒谷百合子
(自分を犠牲にしてもボールは繋げるというスポーツならではの俳句。)
ラグビーの大きな匂ひとすれ違ふ   渡辺一成

季題アップデート
スクラム(900㎏の衝撃)やラインアウト(3m以上の高さ)に
ついて教えてもらえました。
印象に残った試合の紹介をしてくださいました。
ラグビーの天辺(てっぺん)にあり眼(まなこ)に球(きゅう)   阪西敦子

最後に大野均氏に教えてもらったことは…。
「冷静な目線を持つ。
 冷静さが失われると人に迷惑をかける。
 仲間の為!チームの為!が全て!」

制約の多い競技ラグビーで培われた精神論に触れた気がしました。
ラグビーは精神の競技であることも痛感しました。
大野均氏の深い俳句の詠みにも驚かされました。
文武両道の方だとお見受けしました。素晴らしかった!

2022年1月20日木曜日

題「踏む」

新らしきパソコン速し冬陽射し
原郷を訪ねた一歩冬の浜
春を待つノーバイアスのキックオフ
晩冬や暗き背景雪月花
点と点つなぐ人あり春隣

NHK短歌 題「踏む」
選者 佐佐木頼綱 ゲスト 潮田玲子 
司会 星野真里 レギュラー出演 カン・ハンナ

冒頭の短歌
希望とか呼ばれる前のものだろうペダルを踏めば頬を打つ風
佐佐木頼綱

今回のお気に入り
より深く踏みゆくペダル「月光」の影の音色を引き出すように
北海道札幌市 住吉和歌子
雪を踏む我と犬との足跡が散歩しながら追いかけてくる
山形県天童市 山口修
やや長くピアノのペダルを踏むような声をしていた初恋のころ
東京都立川市 雪柳
ルッキズムに脱いだヒールを投げつけて裸足のままで踏んばっている
東京都八王子市 澪那本気子
(ルッキズムとは外見至上主義のこと。)
朴の木の落ち葉踏みしむそういえば昨日は父の命日だった
岐阜県高山市 沙巴半

選者のお話 スポーツと日常
鍛錬のはるかかなたにいるはずの俺を迎えに一歩踏み出す
初瀬勇輔

頼綱さんの!短歌かかって来なさい!
題材は「潮田玲子さん」キーワードは「踏み出す」
◎潮垂るるフットワークで踏みこめばしぶきをあげるシャトル、わが夢
佐佐木頼綱
熱風に耐える花ありダブルスで羽根を飛ばしたロンドン五輪
ハンナ&真理

2022年1月19日水曜日

孫正義と有島武郎と文田聖二氏の言葉

冬林檎村で最後の羊飼い
雪岱の斧琴菊(よきこときく)や冬の宿
木蓮や片側だけに雪抱え
タナトスと不意に出会わん日脚伸ぶ
畳替え深呼吸せん目を閉じん

孫正義 曰く
「弱音は吐くものではない。呑み込むものである。」

有島武郎 曰く
「畏れることなく
 醜にも邪にもぶつかって見よう。
 その底に何があるか。
 もしその底に何もなかったら
 人生の可能性は否定されなければならない。」

文田聖二氏 曰く
「五感を刺激すると脳が喜ぶ。
 記憶やイメージが掻き立てられると脳が元気になる。
 人が本当に求めていることは、
 心が揺さぶられる感動と穏やかな心。」

2022年1月18日火曜日

白瀬矗と天風と菜根譚の言葉

シマエガナ雪の中をもすまし顔
冬日没(い)る湯煙浴びて背を丸め
丸窓や雪をもたげた竹の朝
窓の雪腰忘帯(ようぼうたい)の時流る
鐘氷るアデュカヌマブは記憶不可 

白瀬矗 曰く
「何とでも言え、
 世間の毀誉褒貶(きよほうへん)というものは、
 雲か霧のようなものだ。
 山が泰然としていれば、
 雲や霧が動いたとて、何ほどのことがあろう。
 やがて晴れる時が来るに違いない。」

中村天風 曰く
「心の態度が積極的になると、
 心の力が不可能を可能に逆転せしめる。」

菜根譚 曰く
「人の過失をとがめる人は、
 心を動かすごとに、それがすべて
 自分を傷つける刃物となる。」

2022年1月17日月曜日

ヘンリー・フォード&ルソー&ゴードンの言葉

湯豆腐を老いの初心者ふうふうと
冬の朝老いの進行深刻に
鎌鼬(かまいたち)忘るることは談志さえ
一月やぱなしと生きた日々回顧
悶々と新聞を待つ冬の朝

ヘンリー・フォード 曰く
「未来を考えない者に未来はない。」

ジャン=ジャック・ルソー 曰く
「なんと速やかに我々は
 この地上を過ぎて行くことだろう。
 人生の最初の四分の一は
 その使い道もわからないうちに過ぎ去り、
 最後の四分の一はまた
 その楽しさを味わえなくなってから過ぎて行く。
 しかもその間の期間の四分の三は、
 睡眠、労働、苦痛、束縛、
 あらゆる種類の苦しみによって費やされる。
 人生は短い。」

W・ゴードン 曰く
「およそ新しいものを作り出そうとするからには、
 一時的な曖昧さや無秩序は覚悟しなければならない。
 ところが人は、意味が確定した言葉と
 整然とした方法論の世界でぬくぬくとしたがる。」

2022年1月16日日曜日

となりのくみいんさん

冬深し選り好みする卵子かな
ミーちゃんの庭の蠟梅日向ぼこ
寒の内記憶に残るこくと味
厳冬やステルス値上げ懐かしく
寒波来る亡母の顔のしかめ面

夏井いつき俳句チャンネル より
【となりのくみいんさん】
突然訪れてきた組員さんをゲストにお迎え!
ゲストは河野しんじゆさん

草木零落すほくろの相談会   河野しんじゆ
香水や飛び立つやうに辞職せり   河野しんじゆ
特に光るのは月の夜の国旗たち   河野しんじゆ

俳句毛玉説!大きく頷きました。
私もです。
私にも俳句の色はありません。
というかいろんなものを詠んでいきたいと思っています。

2022年1月15日土曜日

冬麗戦 人生ゲームで一句

芸術は天の啓示か山眠る
冬の景老いの嗜みありてこそ
死に支度もう生き飽きた冬の月
水涸るや痛みの記憶また増えん
汚れたる晩節(ばんせつ)を生く冬ざるる

プレバト纏め 2022年1月13日 冬麗戦
人生ゲームで一句

1位 東国原英夫 
片襷(かただすき)硬し四日の身を通す

2位 千賀健永
地球史の恐竜遠し炬燵の夜

3位 森口瑤子
嚔(くしゃみ)してスペードの位置忘れたり

4位 千原ジュニア
雪吊や登校拒否の吾と祖母と

5位 梅沢富美男
冬旱地図から消えた村の数

6位 横尾渉
雪晴の転勤ミニマリストの棚
添削
もの少なき転勤雪晴の街へ

7位 小倉優子
裏濾す蕪やアドベントカレンダー
添削
離乳食煮てアドベントカレンダー
離乳食甘しアドベントカレンダー

8位 藤本敏史
あざ笑う鬼の顔ある歌留多かな
添削
あざ笑う鬼の絵赤き歌留多かな

9位 村上健志
寅の尾を目指す迷路よ年賀状
添削
寅の尾がゴール年賀状の迷路

10位 犬山紙子
箱の角亡き犬の毛や垂(しず)り雪
添削
亡き犬の毛が双六の箱の隅

下記はTVerより
11位 北山宏光 
ルーレット回せど止める炬燵猫
12位 立川志らく
顕微鏡の蠢めく人生ゲーム
13位 IKKO 
幸せの尺度疫禍のちゃんちゃんこ
14位 堀未央奈
駒進め人生を知る年始め

素晴らしかった!見ごたえ満点でした。
千原ジュニアさんと犬山紙子さんの作品に胸が熱くなりました。
思わず目頭が…。

2022年1月14日金曜日

振振(ぶりぶり)

冬尽くや痛みに勝てず不貞腐れ
冬深し罪の意識と共に生く
雪しまき生きる罪かつ記する罠
鏡餅転がり落ちん蜜柑かな
冬枯(ふゆがれ)を通じぬ言葉飛び交わん

一分季語ウンチク 振振(ぶりぶり)新年の季語

傍題に書いてある名前がまた音とかが凄くて
メインが「振振(ぶりぶり)」
傍題が「振振毬打(ぶりぶりぎっちょう)」
「玉振振(たまぶりぶり)」なんてあるわけです。
一体どこの小学校男子がふざけているのだという
感じがいたしますが、いったい何者かと申しますと
この「振振(ぶりぶり)」とは正月の飾り物のことです。
六角形または八角形の木槌の頭のような
形をしていて左右に球がはめ込まれて
長い紐がついているそうです。
元々は正月に子供が振り回したり
引きづり交わしていた木製のおもちゃが
元になっているそうです。
後々それが縁起物として
飾られるようになっていったとのことです。

2022年1月13日木曜日

題「肴」

迎春やクラブ磨かん鄭重に
新調の防寒グッズ老の春
日脚伸ぶ名詞に絡(から)む動詞あり
春待つや日々手を合わせニルヴァーナ
冬深し愛に準じて生きてきて

NHK短歌 題「肴」
選者田村元 ゲスト 平野ノラ レギュラー カン・ハンナ 司会 星野真里

冒頭の短歌
はんぺんがちくわの方へ流れ寄りわれは酔ひへと傾いてゆく   
田村元

お気に入りの入選歌
先程の虹を肴にひとり飲む盃の縁を光らせながら
東京都北区 土居文恵
今宵また肴となって出席のアイツは今年七回忌かな
神奈川県川崎市 和泉明宏
少しだけ仕事がうまくいった夜は驕らぬようにピリ辛メンマ
大阪府寝屋川市 今西富幸
真夜中の打ち明け話枝豆のひとつひとつを指に押し出し
奈良県大和郡山市 大津瑞貴

熱血!短歌ノック!
バーナーに炙られているエイヒレが己の舞を見せつけてくる
星野真里

潮風をおつまみにして缶ビール飲み干して待つ冬の夕焼
カン・ハンナ

ゲスト平野ノラさんの出した題「子」で一句
ママみたくふつうにテレビにでるのでもいいと言う子と分けるざる蕎麦
星野真里

前を見て走り続けた昨日ありバブ子の寝息明日を支える
カン・ハンナ(添削⇩)
前を見て走り続けた昨日あり明日はバブ子の寝息がひらく

選者の話
歌人、この一軒
勇亭(いさみてい)に酎(ちう)を嘗(な)めつつ相撲テレビ覗く如きはわれの歓楽
吉野秀雄

短歌 あなたならどうする?
居酒屋の隅で頬張るあげおろし○○○○○○○△△△△△△△

居酒屋の隅で頬張るあげおろし今は君よりビールがほしい
カン・ハンナ
居酒屋の隅で頬張るあげおろししもしもバブ子持って帰るね
平野ノラ
居酒屋の隅で頬張るあげおろしこぼしなさんなと亡き母の声 
星野真里
居酒屋の隅で頬張るあげおろしアゲアゲだつたころを思つて 
田村元

2022年1月12日水曜日

兼題「探梅」

願いごとなくなるようにと初詣
ときめくなときめかせるな冬の靄(もや)
しなやかに生きて生きたし隙間風
伸びやかに思いのままに冬の空
雲なき空にそびえ立つ初富士よ

NHK俳句 兼題「探梅(たんばい)」
選者 片山由美子 ゲスト 加納虹輝 司会 武井壮

冒頭の俳句
探梅や仰げば雲に茜さす   片山由美子

フェンシングあるあるを句にしてくださいました。
しなりたる剣に固さや冬の星   片山由美子

見直し 俳句の常識 「固有名詞」
例句
夕立(ゆだち)過ぐ黒髪奈保町歌姫町   片山由美子

この固有名詞〇or×
×夕暮やゴッホゐさうな麦畑
(発想が陳腐。)
〇阿蘇山をひとめぐりして鳥帰る
(雄大な風景が見えてくる。)
×湖の白鳥オデットかオディールか
(「白鳥の湖」を知らない人にはわからない。)

お気に入りの入選句
梅は春の季語。 探梅は冬の季語。季節探しの季語。
探梅や一輪で良しあれば良し   須田真弓
谷川の瀬音(せおと)と別れ探梅行(こう)   持田育司
二人ゐて一人のごとし梅探る   中井一雄

この常識破り、成功していますか?!
固有名詞で一句
浅草寺冬紅葉より紅(あか)き塔   武井壮
添削(語順を変え安定感を出した方が良い。)
冬紅葉より塔紅き浅草寺

フェンシングには集中力、瞬間力が必要です。
また、伝統を引き継いでいます。
という点に関し俳句とフェンシングには近しいものがある。
と、纏められていました。

2022年1月11日火曜日

兼題「雑煮」

冬深む愛は石ころつまづいて 
寒ざらへ奇跡追い越せ飛び越えろ
寒晴れや遊び心のある時間
春を待つずっと我慢の日々続く
冬銀河今夜は三つ見えました

ギュッと!四国 夏井いつきの俳句道場
兼題「雑煮」

◆ギュッと!特選
鰹(かつお)節にほふ雑煮の朝にゐる    亀田かつおぶし

◆放送で紹介された「秀作」
猫舌の子のお椀(わん)からつぐ雑煮   マレット
椀(わん)に入(い)る焼き餅じゅっと鳴く雑煮   梨西瓜
どんぶりでがっつく雑煮餅五つ   小藤たみよ

◆今月の添削
晴れの日の雑煮の中の静謐(せいひつ)や    ピアニシモ
添削
晴れの日の雑煮や椀といふ静謐

雑煮好き餡(あん)が残りし鍋の底   戦後生まれZ
添削
餡雑煮の餡の残れる鍋の底

まず人参の花びらを美(は)し雑煮   たま
添削(新年の季語「雑煮」を先にもってくると「人参」の主張を少し押さえられる。)
雑煮美(は)しまず人参の花びらを

弱き歯の父に刻みし雑煮膳   加田紗智
添削(「し」は過去の助動詞なので、今、刻んでいるのであれば「刻める」)
○○○○〇父に刻める雑煮餅

私のお気に入り
この朝のしづけさが佳(よ)し雑煮食ふ   かねつき走流
雑煮祝(ほ)ぐ四ヶ月目の病院食   げばげば
花かつを二つかみ盛る雑煮椀   じょいふるとしちゃん
山険し豆腐あふるる雑煮かな   すずさん
削り節湯気にへらへら雑煮椀   どいつ薔芭
口論に勝ちたる妻の雑煮喰(く)ふ   加良太知
着弾は領海のそと雑煮食う   灰頭徨鴉
嫁ぎても慣れてたまるか餡(あん)雑煮   坐花酔月
家風など持たぬ二人や雑煮食(た)ぶ   彩汀
論客に芋茎雑煮は見つめられ   三泊みなと
海鮮の雑煮に引かれ再婚す   妹のりこ
雑煮より始まる父の母自慢   比々き

素敵な俳句との出会いNHK松山放送局様 ありがとうございました❣
勉強させてもらいました…。(禮❣)

参照:https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/ 

2022年1月10日月曜日

屠蘇

冬行くや記憶紡ぎて未来へと
大きさよ使い勝手よ春を待つ
参拾八は社会とけんか春隣
新陳代謝するカプセルの晩冬
寒月や細胞のごと日々変化

一分季語ウンチク 屠蘇
お正月みんな集まってお屠蘇をいただく
あの「屠蘇」です。
歳時記的な解説としては年頭のお祝いに飲む薬酒。
くすり酒のことなのだそうです。
屠蘇散、屠蘇延命散などと言ったものもありますが
そう言ったものをお屠蘇のお酒の中に溶かし込んで
いただくというところもあります。
このお屠蘇という行事は元々宮中から民間に
広まったものだそうです。
今ではすっかり日本人にとっての
お正月の風景として今もいきづいています。
本来は年少のものから順に飲むと
これ子供心になんかお酒の匂いがふっと鼻に香ってきて
うわってなったような事もあったのではないでしょうか。
えー飲ませすぎるのも大変なことに
なりますのであくまで儀式なので、
一年の無病息災を願ってほんの少しだけ
お屠蘇を楽しんでみてはいかがでしょうか❓

2022年1月9日日曜日

尻二字三角パス発表会第二回

冬の鳥川面回遊見定めん 
青き空飛び交う鳥や休みなく
好みあり餡餅雑煮自己主張
窓越しの冬三日月に満たされて
奈良美智の涙を見たり寒の内

夏井いつき俳句チャンネル
【第二回尻二字三角パス発表回】
次回のゼロ番句の尻二字は「んぼ」!? より

鱒鮨の割り箸小さし母の家   ローゼン千津

家の亀逃げて秋雨に濡れる
家猫にさせて十年春深し
家柄が何だというの神の旅
家出したと言えない生姜湯はあまい
家出した理由は言えぬまま寒暮(かんぼ)
家なき子に傷ある桃の良く匂ふ
「家なき子」って変なタイトル長き夜
家藤正人俳句仮面になれぬ夏
言えた義理なんて抜かすな根深汁
YesNo枕五等の福引す
イエメンの瓦礫静けし小鳥来る
イエスより西暦動き出す寒夜(かんや)
イエスって言ってしまった秋なんで
イエローのネイル落とした爪と月
いえいえと婆の言ひ合ふ菊日和
いえこれが姉妹だなんて蚯蚓鳴く
遺影かがぐる傍聴席のアロハシャツ
胃へカメラ沈む進捗(しんちょく)すさまじき

2022年1月8日土曜日

カーテンを開けた瞬間で一句

餅焼くやトルソー鍛えまた鍛え
あるがまま生きる姿よ初星よ
年新た愛されるより愛したく
初霞与えるよりも与えたし
落つる音響く中庭しづり雪

プレバト纏め 2022年1月6日
カーテンを開けた瞬間で一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
縫い初めの楽屋朝日は母にさす
(映像だけで思いを伝えている。)

永世名人への道
横尾渉
凍空の窓をゴンドラ紅茶の香
添削
窓を拭くゴンドラ凍空の紅茶

森口瑤子
昨夜(よべ)よりも痩せたる母や日向ぼこ
添削(「昨夜(さくや・ゆうべ) 」とすれば 「も」 は要らなくなる。
   「も」は無い方がよい。
昨夜(さくや)より痩せしか日向ぼこの母

1位 福田麻貴
冬天よ母を泣かせて来る街か
(「よ」は詠嘆して呼び掛けた言葉。
 「か」は自嘲、深い溜息。「街」で都会であることが解る。)

2位 大久保佳代子
日溜りで辿る僅かな年賀状
添削(「辿る」は読み手に残しておく部分。)
日溜りに広ぐ僅かな年賀状

3位 筧利夫
東雲の空に眺めし初漁の
添削
初漁や東雲の空はればれと

4位 渋谷凪咲
瞼をも突き抜け照らす冬の朝
添削(散文的。「朝日」を入れると「照らす」は不要。)
瞼貫く冬の朝日の眩しさよ

来週は「冬麗戦」開幕!楽しみでなりませぬ…。

2022年1月7日金曜日

湯川秀樹と山頭火と石坂浩二の言葉

春永やこなからの満足を知る
初景色いつしか絶えん近未来
新しき暦へ記するスケジュール
取り留めも無き言葉冬に集めん
生きようとする人見つむ注連の内

湯川秀樹 曰く
「一日、生きることは、一歩、進むことでありたい。」

種田山頭火 曰く
「『あきらめ』ということほど
 言い易くして行い難いことはない。」

石坂浩二 曰く
「僕は勉強の仕方だけ知っていれば、 
 世の中って何とでもなると思うんです。」

2022年1月6日木曜日

夏井いつきのよみ旅!in・宮城・気仙沼 後編

特番やニュースに飢えるお正月
冬の鳥川底目掛けまっしぐら
冬鳥やSwayきかせん急降下
お正月大言壮語(たいげんそうご)のたまわん
初空へ創造の道ポコアポコ

夏井いつきのよみ旅!in・宮城・気仙沼 後編
俳句のテーマ これまでの10年orこれからの10年

熨斗だけが残るコンビニ春の地震(なゐ)   小野寺和人
長き夜浮き玉作る感謝込め   小野寺睦子
もっけだや橋に朝ドラ気嵐よ   小梨いわほ
福光(ふっこう)は長き月日のともしびかな   菅原弘
波受けど土手に咲いてる秋明菊   小野寺桂子
気嵐やおかえりモネの港町   小松俊浩
ばばばばば十年経ったらなおばばば   小野寺美恵子

一本の冬あたたかきマイクかな   夏井いつき

精神を病んだものを美化するのはいかがなものでしょうか?
一生懸命精神を保っている人間にとっては最悪の作品だったのでは?
懸命に強く生きた者をないがしろにした作品だったのでは?
みんな必死に災害を乗り越え生きたのに…。
病んだ者が正しいかのような価値観はおかしいと思いました。
病んで当然!それは優しさとは違うと思います。
病んで人を傷つけても良いということにはなりません。

2022年1月5日水曜日

歳時記食堂

冬の道背中丸めてゆふまぐれ
諳んじる(そらんじる)万葉集や冬の波
目に力入れて餅つき青き空
積雪や腰引き渡るかずら橋
干菜汁目を閉じ香り吸い込まん

NHK俳句「歳時記食堂」~おいしい俳句召し上がれ~新年
女将 宇多喜代子 若女将 小林聡美 
常連客 ビビル大木 本日の客 夢枕獏

一品目 からすみ餅
餅焼いて食ふや男を交へずに   桂信子
(餅が冬の季語)
今日よりの働く顔とむきあへり   桂信子
たてよこに富士伸びてゐる夏野かな   桂信子

二品目 寄せ鍋
おなべはあたたかい
我が家の箸でいただく   住宅顕信(すみたくけんしん)

若さとはこんな淋しい春なのか
気の抜けたサイダーが僕の人生
若さとはこんな淋しい春なのか
ずぶぬれて犬ころ
気の抜けたサイダーが僕の人生
若さとはこんな淋しい春なのか   住宅顕信   

夢枕獏「縄文人は鍋が好きだった。」

三品目 葛湯
くず湯吹く姓を違へて四姉妹   結城あき
(葛湯が冬の季語)

若女将のお土産
隔てなく空たまわりてお正月   小林聡美

2022年1月4日火曜日

競馬のK君

降るように零れるように冬の空
初山河天にあまねく景色すら
冬の波揺蕩う光ゆらゆらと
老いの春点が線になりにけり
過疎の冬小さき命と向き合わん

夏井いつき俳句チャンネル
【競馬を研究する中学生】競馬のKくんと語る中山金杯の句
特別ゲスト 競馬のKくん(中学2年生)

金杯は荒れるか高き霜柱   可憐花童
(中山金杯はハンディキャップ 成績に関係して斤量
 斤量とは競走馬がレースに出走するときに背負う負担重量
 斤量が51キロの馬もいれば58キロの馬もいる。
 なので結構荒れやすい。)

パドックの湯気立つ馬糞にも淑気   多喰身・デラックス
(馬糞は競馬用語でボロって言う。それぐらいやる気が
 みなぎっているのかなって言うのを詠んだ句だと思う。)

有馬記念煽るサテンの勝負服   藤本花をり
(勝負服にはエアロタイプ・サテンタイプ・メッシュタイプ
 とかいろいろあります。)

珍名の馬あたたかな冬となる   いーなん
(オニャンコポン・ホープフルステークスG1レースに出ていた。
 アイアムハヤスギル・オヌシナニモノという珍名がドラマを作ることも…。)

演歌「祭り」響く有終の有馬記念   府中のトシ
(キタサンブラックは3~4年前に活躍した馬。
 ラストランが有馬記念だった。
 その有馬記念で馬主が歌手北島三郎だったんですけど
 演歌の「祭」を歌った。)

突き棒もて芝叩く裏方に雪   近江菫華
(馬場管理スタッフが競走馬が退場すると
 一瞬の間に出てきてめくれ上がったレース場の芝を整える。
 1600m戦で18頭が走ったとして約15000個の穴が開く。
 10分の間に穴を埋めている。まめな作業でもある。)

蜜柑つぶれ中山金杯終わる   そまり
(残念を通り越して悔しい気持ちが詠まれている。
 Kくんの心情とも重なっている。)

競馬のKくん!素晴らしかった。
次回のご出演が楽しみです。

中山競馬場 俳句大賞の入賞句は↓
https://jra.jp/special/2021nakayama_haiku/

2022年1月3日月曜日

渡辺水巴の俳句

祝箸名を書き入れて背を正し
松過ぎて今は昔ぞボヘミアン
三が日ボヘミアンなる山頭火
福寿草春を一緒に祝いませう
正座して墨をする手やしづり雪

渡辺水巴(すいは)の俳句

壷に咲いて奉書の白さ泰山木
団栗の己が落葉に埋れけり
日輪を送りて月の牡丹かな
紫陽花や白よりいでし浅みどり
殺される女口あけ菊人形
かたまつて薄き光の菫かな
父に似て白き団扇の身に添へる

渡辺水巴は渡辺省亭の長男。本名は義(よし)。
素晴らしい感性に唸っています。

http://gento575.blog71.fc2.com/blog-entry-770.html
http://www5c.biglobe.ne.jp/~n32e131/haiku/suiha.html

2022年1月2日日曜日

あなたが美しいのは

賀状にて生存確認してされて
あたたかき心受け取る祝月
福寿草今年の幸の多からん
賀状にて愛を届けて受け取りて
初御籤願い叶える年とせん

あなたが美しいのは   作詞:小椋佳

きっと初めての空を
飛ぶ鳥の心うるして
誰の胸にも
ひたすら待ち望む時があるはず
いつか心を隠す
重ね着をみんなはがして
迷いひとつもない
汗をかいてみたいはず

あなたが美しいのは
愛されようとする時でなく
あなたが美しのは
ただ愛そうとする時

きっと霧深い海に
沈ませた宝のように
誰の胸にも必ず
色あせぬ夢があるもの
いつか心の底に
輝きをひとつ見つけて
抱いて思いのまま
泣いて笑ってみたいもの

あなたが素晴らしいのは
愛されようとする時でなく
あなたが素晴らしいのは
ただ生きようとする時

あなたが美しいのは
愛されようとする時でなく
あなたが美しいのは
ただ愛そうとする時

あなたが素晴らしいのは
愛されようとする時でなく
あなたが素晴らしいのは
ただ生きようとする時

神田宏司さんの歌声に涙が止められません。
神田宏司さんに栄光あれ!

巨大な柑橘系の果物をいただきました。
なんと901gもありました!
内藤恵子先生ありがとう!
味はグレープフルーツみたいでした。



2022年1月1日土曜日

恭賀新春

あたたかき年を願ひて初陽かな
陽を浴びた歌よみ鳥の声響く
初茜山より海へ手を合わせ
初明り浴びて前進遍路道
初凪のぴんと張られたうつぼかな

恭賀新春

心豊かな1年となりますよう、
幸多き1年となりますようお祈りしています。
本年もよろしくお願い申し上げます。

2022年元旦 金箔金 壬寅

















ルイーザ・メイ・オルコット「雲の向こう側は、いつも青空。」