2021年12月6日月曜日

兼題「綿虫」

冬銀河抱き寄せられん厚き手で
寒落暉飛び降りるわよ受け止めて
冬の景言い出す勇気なくし散る
傷つけて傷つけられて冬夕焼
憧れた恋とは遠く冬の色

NHK俳句 兼題「綿虫」
選者 片山由美子 ゲスト 東直子 司会 武井壮

冒頭の句
綿虫の翅(はね)とはいへぬほどのもの   片山由美子

綿虫やつまさき立ちに見た未来   東直子

見直し「俳句の常識」動詞(の使い方)
一句に動詞はひとつが原則だが例外もある。
動詞はなくてもよい。

苺はや出しと妻いふうなづきぬ   森田峠
(3つの動詞が使われていて主語が全部違っている。)

この動詞〇or×?!
明日着(ちゃく)で林檎送ると知らせ来て
添削
明日着で林檎送るといふ知らせ

ビルは窓すべて灯(とも)して暦売る
添削(「暦売る」季語 その動詞が必要か否か)
暦売るすべて灯りてビルの窓

くるぶしを落葉に埋(うず)め山の道
添削(自然に埋まっている状況を詠んだ方が良い。
   他動詞、自動詞は明確に。)
くるぶしの落葉に埋まり山の道

今回のお気に入り
綿虫の飛びて日暮の早くなり   佐藤和子
綿虫や工事場にとぶ外国語   鈴木ひさみ
綿虫や庭の手入れはきりもなく   小嶋千代
指差してゐて見失ふ雪蛍   安藤美智代

「この動詞、成功してますか?」
傍(かたわら)に蝉の骸(むくろ)の凍(い)てにけり   武井壮
添削(場所を特定した方が良い。)
樹下(じゅか)になほ蝉の骸の凍(い)ててをり

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