不機嫌なパソコン宥(なだ)め年賀状
冬の鳥雲なき空を悠々と
選択の自由奪わる声冴る
価値観を押し付けられし霜夜かな
歩むべき道を失う冬銀河
NHK短歌
題「眠り」
選者 大森静佳 ゲスト 長井短 司会 有森也実
冒頭句
やわらかなきみの寝顔を眠りたい寝顔のなかを岸まで泳ぐ
大森静佳
夫婦でリレーした短歌
(亀島)チョコレート
(長井)それよりおかき
(亀島)食べたいな
(長井)きつね色した
(亀島)君の鼻声 長井短&亀島一徳
長井短さんのお好きな一句
湖だいつか巨大なてのひらがきみ押し倒す力のことも
大森静佳
今回のお気に入り
鳩尾(みぞおち)へ伏せた文庫もぷかぷかときみの寝息の波にたゆたう
久藤さえ
明け方の夢を日記に書きとどめ現(うつつ)のことは何も記さず
梶田有紀子
今日は風明日は光に夫はなる永遠の眠りは退屈すぎて
桑原鶴代
母はもう兄と出会ったにちがいない私の夢から二人は消えた
小山睦美
冬眠の熊の寝姿おもひつつ手先が熊となるころねむる
加藤マスミ
今読みたい愛の歌
夜ごと君は先に眠れり眠剤の真っ白を飲みてあとを追ふなり
大口玲子(おおぐちりょうこ)
大森静佳のポイントで改作!
テーマ 訪れる感覚を楽しもう
(元歌)片栗粉誰入れたのか全身にとろりと眠気の回る午後あり
改作①疑問形を生かそう
全身にとろりと眠気の回る午後われに片栗粉を入れたのはだれ
改作②あえて「誰か」を登場させよう
眠い昼からだとろりと溶けてゆく○○に片栗粉をかけられて
眠い昼からだとろりと溶けてゆくバッハに片栗粉をかけられて
有森也実
眠い昼からだとろりと溶けてゆく留守に片栗粉をかけられて
長井短
眠い昼からだとろりと溶けてゆく天使に片栗粉をかけられて
大森静佳(見えない存在をあえて描く)
選者からのメッセージ
訪れる感覚を楽しむためには違う視点で自分を見てみよう
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