2021年12月20日月曜日

兼題「枯れ野」

息とめて面相筆の描く冬
神帰月(かみきづき)鉄線描で描く心
匙加減してもされても雪見月
建設的選択をなす仲冬
札束で頬を張る人冬ざるる

NHK俳句 
俳句と想像力 兼題「枯れ野」
選者 岸本尚毅 ゲスト 立川こはる 司会 中田喜子

冒頭句
枯野人バナナを出して子をあやす   岸本尚毅

むさゝびの小鳥はみ居る枯野哉   与謝蕪村
(残酷な俳句。
 むさゝびは冬、小鳥は秋、枯野は冬の季語)

今回のお気に入り
青い海夜に現れ枯野かな   入澤大陸(小学校4年生)
海黒くうねる岬の枯野かな   堀内照美
スナフキン真似て枯野をハーモニカ   上田一樹
「花」の名の山羊は枯野の柵に棲み   内野悠

岸本教官の添削道場
枯野には大観覧車聳え立ち
添削(中田喜子添削 枯野なる)
枯野あり大観覧車聳え立ち

枯野ゆく白洲次郎のハンチング   中田喜子
添削(人物を大きく、目立たせるための添削。)
ハンチング枯野を白洲次郎かな

駆けくらの子らよどこ行く枯野かな   立川こはる
添削(解りやすく現代仮名遣いにした方が良い。)
駆けっこの子らよどこ行く大枯野(おおかれの)

季重なりを避ける必要はない。
主たる季語が確りしていれば問題はない。
伸び伸び作り仕上がりを見て季語が食い合っていれば捨てれば良い。
兼題はたしなみとして詠まなくてはならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿