猫の恋ずっと変わらず好きは好き
三度目の目覚まし時計止め朝寝
春の朝身体鍛える待ち時間
オープンを待つ男たち牡丹雪
団体レッスン独りぼちぶらんこ
■NHK俳句 兼題「牛乳」
選者:高野ムツオ ゲスト:北大路翼 石田郷子
古坂大魔王 かわにしなつき 司会:柴田英嗣
年間テーマ「語ろう!俳句」
①
くちびるに牛乳の膜霜来るか 北大路翼
②
👑寒灯や牛乳の期限見えぬふり 古坂大魔王
③
牛乳に若草の香のありにけり 石田郷子
④
牛乳は喉へ薄氷(うすらい)は海へ 高野ムツオ
⑤
生姜湯や牛乳の白遅れ咲く かわにしなつき
高野ムツオ
どんな言葉でも季語でもしっかりした俳句になるので
そのことを心にしながら新しい俳句を作っていきたい
・特選三席発表 兼題「牛乳」
一席 雲の白牛乳の白初蝶来(はつちょうく) 花見鳥
(単純だけどキレのある良い句 雲の白だから春の雲 遠くに浮かんでいる
ゆったり動く雲 目の前にあるコップに入って静かな牛乳の白
その間を横切ってきたであろう目まぐるしく動く蝶の白
3つの白が一句の中にこんなにきちっと収まっている俳句はない
最後の初蝶来というこの止め方もとてもキレがあって
イメージを膨らませることができている)
二席 牛乳を噛めば甘くて春の雷 大岩真理
三席 春の日のきらきら牛乳のさらさら 堀雅一
その他の特選
牛乳を一舐めもせず恋の猫 佐々木隆
底に陽を畜(た)めて春待つ牛乳瓶 沢唯果
牛乳をグイグイ飲んで雪合戦 古谷敏光
受験子に牛乳瓶の朝の音 奥田誠
朝霧の牛乳色を牛乳来 木原泰紀
牛乳のびんの底にも日永かな 楢山孝明
■NHK短歌 テーマ「ふと立ち止まったこと」
選者:木下龍也 ゲスト:吉川宏志 司会:尾崎世界観
年間テーマ「“伝える”短歌
“伝わる”短歌」
時代的にははやい時代 歩き続けたり
走り続けたりしなければならないが
短歌のタネに気付く人は立ち止まる人
・入選九首 テーマ「ふと立ち止まったこと」
アルバムの解体つづくリビングに亡き父母がまた笑って出てくる
忽滑谷(ぬかりや)三枝子
餃子の皮閉じながらふと思ったり人の口まだ塞いだことない
石田恵子
その人は焼き鳥屋へとゴールデン・レトリバーごと入つていつた
岡本恵
三席 灰色の空の一等地を買った気分で缶コーヒーを飲み干す
十条坂(のぼる)
一席 ホチキスの針補えばその針を押し続けたるバネのあること
富見井(とみい)高志
二席 道というより虹だった育休を一年取ると言えた日の帰路
冨尾大地
蟹の名はガニとかならず濁るからこの世にただの蟹などいない
トミト・モチメリ
(連濁:2つの語が結びついて1語になるとき
後ろの語の語頭の清音が濁音に変化する)
二人してカメラの前で固くなるラーメン鉢の喜の字みたいに
野分のわ(囍:双喜紋)
赤信号のあなたはなんかきんぴらのごぼうを定規で測って切りそう
黒木智栄美
・“伝える”短歌
“伝わる”短歌 木下流短歌の育て方
紅が葉を去るまでの短さにばかり目は向く父と過ごせば
⇩紅葉が赤くなっている状態を見て綺麗だと思うのが通常の状態
(面会時間が)15分なんだという考えを持った途端に
紅葉の短さに目が向く 木下
美しいし何か寂しい いいなと思いました 吉川
川の幅よりも短い腕だからふたりおのずと上流で会う
⇩上流に行けば行くほど川幅は狭くなっていて下に行くほど広い
(下流)で会うとお互い届かない 上流である2人の過去にさかのぼって
話をすれば すぐに手が届く位置にいられる 木下
確かに親としゃべっているときは過去の話をすることが多い
過去の話をしないと話が持たないときがある
それを「上流で会う」と表現したのが良い
時間が空間に変わっている 吉川
またひとつずつ渡し合う束ねても束ねてもなお足りない花を
⇩吉川さんから見ても15分お父様から見ても15分 会えばお互いに
15分を渡し合うことになる これはずっと満足することはない
実際の花は束ねると大きくなるので「足りる」ということがある
時間の花のような感じなのでそれはずっと足りない 木下
時間は束ねられない 日常から飛翔している感じがすごい 吉川
特に二首目は名歌 吉川
この世そのものが面会時間にて電車の窓をよぎる紅梅 吉川宏志
(この世全体が短い面会時間のようなもの
窓から紅梅が過ぎていくのも一瞬)
実際どうやって作っているのだろうと気になっていた
言葉から始める 絵や映像を想像して言葉にする 木下
最初に五七や五七五のフレーズが直感的に頭に浮かぶ
それを大事にして周りと作っていく 吉川
僕は直感があまりない
覚えている風景を思い浮かべて言葉に直していく 木下
直感の部分を大事にした方がいいなと思う
良い直感をしているのに自分で消してしまう人がいる 吉川
過去の作って歌がハードルになっている感覚がある
自己模範を避けながら道幅が狭まっている気がする 木下
あまり自己模範を気にしなくても良い 自分にとって
大事なテーマは何回もやってしまう 夕焼けの美しい雲があって
何回も書きたくなる
・ことばのバトン
あるがまま生きる歓び画廊にて
清水篤(ギャラリーオーナー)
⇩
喰らわれている鹿と目が合う
ひらりさ(文筆家)
親指ではりたおすように撫でる犬すべての既読を失った夜
十和田有(ひらりさ) 流刑 より
とらわれていたもの(感情)から自由になれる感じ
生産的な クヨクヨ悩んでいたことが 創作になるというのが
すごくお得な感じがしてPositiveになれる感じはする
ひとりひとりが生きている感じが句に出ている
(ことばのバトンから命の営みを感じ取ったひらりささま)
第4週年間テーマ「私の宮沢賢治」
4月選者 土岐友浩 選 テーマ「色」
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