春の空洗濯物を巻き添えに
春の鮭髪真っ直ぐにたおやかに
黒北風(くろきた)や巧妙なスパム出現
しなやかに且つ雅やか春の雪
春の雪地を抗いて舞い上がる
■あの本、読みました?
200万部越え!成瀬シリーズ特集~著者・宮島未奈の創作ウラ話
宮島未奈 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P
羽毛田譲治 水本佑史 間室道子
成天「成瀬は天下を取りにいく」の一文 宮島未奈緒/新潮文庫刊
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
成信「成瀬は信じた道をいく」
成駆「成瀬は都を駆け抜ける」
シリーズ累計発刊部数210万部突破
シリーズついに完結!著者・宮島未奈が語った成瀬の魅力
完結作「成駆」について
「成瀬は都を駆け抜ける」の一文 宮島未奈緒/新潮社
「もしよかったら、私が所属する達磨研究会に遊びにきませんか」
「達磨研究会?」坪井氏が眉をひそめた。
そうなるだろうと想像したとおりである。
もっと女性受けするネーミングだったら良かったのだが、
仮にネーミングが良くても活動内容があれでは詐欺になってしまう。
「達磨の研究というと、
目の描き入れ方や転がりやすさを研究するのか?」
成瀬氏にまじまじと聞かれたら恥ずかしくなってきた。
「そ、そうではなくてですね、京大小説…というか、現代小説における
京都大学の表象について語る?などして、親睦を深める会です」
(中略)
「ちなみに、達磨というのは森見登美彦氏の作品に登場するアイテムから
取っています。お二人は森見氏の小説を読んだことがありますか?」
「兄弟のことが書いてあるって聞いて、高校の図書室で借りて
読んだことあるけど…成瀬は?」
「私は読んだことがない。どんな小説なんだ?」
「あっ、それならこれを貸します」
私は鞄から『夜は短し歩けよ乙女』の文庫本を取り出した。
久しぶりに読み返そうと思って持ち歩いていたのだ。
「ありがとう。達磨研究会の例会はいつだ?」
「来週の火曜日の十八時過ぎから、白川今出川の会長宅でやります」
「それまでに読んでおこう」「行くんだ」坪井氏がつぶやくように言う。
成瀬氏は黒髪の乙女に対してどのような感想を持つのだろう。
私は二人と連絡先を交換し、
期待と緊張が入り混じった気持ちでその場を離れた。
森見登美彦さんへの思い リスペクトを込めて描いた
お互いの扉を開け合っている
解説 森見登美彦
面白い小説というものは一行目から面白い。
―お前は何と言っているんだ?
と、読者に思わせることができれば「勝ち」である。
そもそも読者というものは小説を読むのを面倒くさいと思っている
(少なくとも私は面倒くさい)。だからこそ、
作者は気合いで勝たねばならない。一行目は生きるか死ぬかの
真剣勝負なのである。「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
一行目の勝負に勝ち、本作は天下を取りに行く。
とはいえ、さすがに変ではある。多くの読者は西武大津店なんて
知らないだろう。私だって浜大津アーカスしか
三宅香帆 宮島未奈
京大への「愛」と「憎」
京大生の成瀬あかりについて
成瀬あかりと京都 普段使いの京都を書きたい 宮島未奈
京都を極める 京都に対するメッセージ
成瀬あかりの両親像
「成瀬は都を駆け抜ける」の一文 宮島未奈緒/新潮社
美貴子の頭に嫌な記憶が蘇る。
二学期の終わりに行われた三者面談のことだ。
ストーブが入っていてもまだ寒い教室で
五十歳ぐらいの男性教師がにやにやしながら言葉を並べる。
「あかりさんは協調性がなさすぎます」
「夏休みの宿題、全部やることが目的になっていませんか」
「運動会で優勝しても一人だけ喜んでいませんでした」
あかりの言動に苦言を呈されることは過去にもあった。
いつも美貴子は適当にかわしてきたが、
その担任の指摘はあまりに陰湿だった。
「お母さんからもちゃんと言ってあげてくださいよ」
ひとつひとつに反論したいところだが、相手が考えを改めるとは思えない。
美貴子はただ一言、ぽつりと言った。「そういう子なので」
教室に沈黙が流れる。担任は美貴子の言葉の続きを
待っているようだったが、これ以上何も言いようがない。
隣に座るあかりも無表情のまま担任の顔を見ている。
「わかりました」担任はわざとらしく息を吐き、面談を締めくくった。
思い出したらムカムカしてきた。あのときは諦めてしまったけれど、
もっとあかりの味方をしてあげられたらよかった。
成瀬あかりの両親像
成瀬あかりの成長
「成瀬は都を駆け抜ける」の一文 宮島未奈緒/新潮社
「しかし、坪井はまだ失恋から立ち直れていないのだと推測できる。
わたしだって大事な人間と離れ離れになるつらさは知っているからな」
「成瀬は都を駆け抜ける」の一文 宮島未奈緒/新潮社
成瀬さんは手紙を受け取り、封を開けた。
便せんにはかぼちゃのイラストがごろごろ並んでいる。
「親愛なるあなたへ」「声出さなくていいから!」書き出しから
恥ずかしすぎて強めに突っ込んでしまったが、成瀬さんは
「黙読でいいんだな」と納得した様子で便せんに目を落とした。
「今年の春に京都に来たけれど、あまり成瀬さんと会えずに残念でした」
「成瀬さんがお忙しいのはわかりますが、
もうちょっと会ってお話ししたかったです」
「僕の気持ちはあの日からずっと変わっていません」
「成瀬さんは僕のことをどう思っていますか」
俺の記憶が正しければ、そんなことを書いていた。
成瀬さんは二枚目の手紙を読み終えて、顔をあげた。
「西浦は、わたしにとって大切な存在だ」
俺はへなへなとしゃがみこんでしまった。
目の奥が熱くなったのを感じて、あわてて両手で顔を覆う。
「よかった…」涙を拭いながら手をはずすと、
成瀬さんも目線を合わせてくれていた。
身をかがめて向かい合う俺たちを通行人がじろじろ見ているけれど、
あの手紙を読まれた俺に恥ずかしいものなどなかった。
「西浦がここまで私に会いたがっていたなんて知らなかった。
今から三十分ぐらい鴨川沿いを歩かないか」
「成瀬は都を駆け抜ける」の一文 宮島未奈緒/新潮社
いつものおれならラーメンもごはんも一瞬で飲み込んでしまうけれど、
成瀬さんと同じようにゆっくり食べた。
ごはんの自然の甘みが口の中で溶けていくようだった。
西川貴教
滋賀県への愛について
宮島さんの印象
シリーズ完結について
宮島さんへのメッセージ
宮島未奈
西川貴教氏は未来の県知事と呼ばれているとか…。
勿論、滋賀県は大津だけではない…。
ラストは琵琶湖へ
琵琶湖湖水の湖西線
京都府の山科駅から滋賀県の琵琶湖西岸を経由し近江塩津駅(長浜市)を結ぶ、
JR西日本の鉄道路線(営業キロ74.1km)。
琵琶湖疎水
明治期に琵琶湖と京都を結んだ運河事業 3~6びわ湖疎水船が運航
「成瀬は都を駆け抜ける」の一文 宮島未奈緒/新潮社
吉嶺さんからもたらされる成瀬情報を浴びるうち、自分が大津の空気に
チューニングされていくのがわかる。このまちには成瀬がいるのだ。
故郷は場所じゃなく人。間室道子
作家デビューと今後 宮島未奈
私は成瀬を書くのは楽しくない
楽しかったら四巻も五巻も書きます
宮島さんには読者と一緒に駆け抜いて欲しいと思っています。間室道子
間室道子さま❣最高でした。
やはり読み込んでいらっしゃる方のコメントの説得力は違います。
一言一言聞き惚れてしまいました。
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