冬の水形失ひ揺らぎをり
夾纈(きょうけち)技法蘇る鳥ならひ
蒼き空交喙鳥(いすか)真冬に子育てす
松のタネくちばし違え啄ばまん
青森の松ぼっくりを食む交喙鳥
■NHK俳句 兼題「猫の恋」
選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣
年間テーマ「俳句のコリをほぐします」
・今週のテーマ「描写」
どうしたら物事をうまく描けるか 俳句の肝
①
蘭鋳の爆発寸前のかたち 奥坂まや
蘭鋳:夏の季語 少し破調 中七から下五へ句またがり
ツボポイント
物事をうまく描くには4つのステップがある
1
物事をよく見る 俳句で「見る」というのは五感全て
2
ハッとする本質を見つける
3
諦めない
4
ハッとした瞬間を詠む
夏の夜遅く、暑中見舞いを書いている
A 夜遅く暑中見舞いを描きにけり
暑中見舞い 夏の季語
B 仕事終へ子どもに暑中見舞い書く
「子どもに」という相手が出てきます
「仕事終え」という状況も加えられている
しかし状況の報告の息を超えられていない
C 子へ宛てて暑中見舞いを急ぎ書く
「急ぎ」作者の状況に目を向け動きを加えている まだ状況説明のまま
D ひさびさに子へ手紙書く夜の秋
具体的な言葉を外し 「夜の秋」夏の季語に変えた
「ひさびざに」距離感が出ている
E 子へ宛てて長き手紙や夜の秋
「久々」より「長い」手紙の方が多く語れるじゃないか
長い手紙は間隔が空いている事と手紙の長さ両方描ける
F 頼もしき子へものを書く夜の秋
子を「頼もしき子」へ ある程度大きいし離れて暮らしている事もわかる
G子へものを書けば寂しく夜の秋
「自分」を描写 距離感も感じられる
H 子へものをあと幾度書く夜の秋
発見が入る
②
子へものを書けば遺書めく夜の秋 西村和子
A~Hがほぼ含まれている ポイントはよく見る
「子どもにものを書いていること」をさらに見続ける
描写しながら想像していかないと 疑問が答えになって出てきそう 柴田
フォーカスする所を変えている 所がポイント 庄司
ツボポイント
物事をハッとするまで諦めずによく見る
・実践 うさぎを描写した句を詠もう!
寝ていても耳は起きてるうさぎかな 柴田英嗣
添削 寝ていても耳起きているうさぎかな
一噛みの静かな怒りうさぎかな 庄司浩平
「怒り」と「かな」の余情がけんかしてしまう か行の韻を踏む
添削 一噛みの静かな怒りうさぎなる
一噛みの静かな怒り飼兎(かいうさぎ)
見てゐないやうで見てゐる兎の目 飯島晴子
まとめ 俳句とはものも心もよく見ること
・今週の兼題「猫の恋」特選六句発表 (猫盛る 猫の契)
宇宙探査船の帰還猫の恋 小林さおきち
(二物衝撃 闇の奥に目標がある)
私 ついてくるな私は恋猫ではない 丹下京子
夜半の叫び恋の猫ならよいのだが Junimond
ファシズムの吹き荒れる街猫の恋 小島ただし
カタカナデ書カレタ詩歌猫ノ恋 加藤幸龍
トルソーの並ぶ倉庫や猫の恋 須藤縦横(たてよこ)
・柴田・庄司の歩み
見て見て見てとにかく見てまいります 柴田
観察だ!よく見よう うさぎも見ている。たぶん。
■NHK短歌 テーマ「手」
選者:横山未来子 生徒:菊池銀河と横田真子 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「三十一音で扉が開く」
・表記を工夫しよう
口癖がかすかに聴こゆ「ぬくたいわ」亡き叔父の白きダウンを着れば
菊池銀河
「」も表記の工夫の一つ
短歌は五七五七七の五句からできているが一行につなげて書くのが基本
電話口でおっ、て言って前みたいにおっ、て言って言って言ってよ
東直子「青卵」
読点を効果的に使った歌 読点、句読点はOK
句読点
間を置いたり息継ぎのようなニュアンスを表す際に使う
空間にこゑの影あり そのこゑを浴びしわれらに震へとどめて
横山未来子「とく来りませ」
空白
リズムの上で少し間を置きたいときや場面を展開する時に使う
ソウデシ‘ュ’と言つてしまつて(気づかれた?)生徒の顔がいくつか上がる
大松達知「ゆりかごのうた」
記号や空白はそれぞれ効果が違うものなので
自分の短歌にあうものを選んで使うと表現の幅が広がる
・入選六首 テーマ「手」
やけどして手を流水で冷やす時 わたし自分が大事なんだな
佐藤てお
一席 私 僕たちの手は星だから近そうで余りに果てしない距離がある
ナカムラロボ
私 手(た)折られた花の水にはザラメ糖ひとりよがりの優しさもある
玖嶋(くしま)さくら
通りから玄関までの二三段お隣さんも手摺がついた
竹村哲男
手術終(お)へぐにやぐにやのからだ支へられああ生きてゐる春の日の中
林路子
司書の手が棚を辿れば本の背は連なりやわらかな波になる
常田瑛子
・「手」をテーマに詠む!
躊躇せず手を握り合えた幼少期いつから君に触れたくなったか?
菊池銀河 添削
ためらわず手を握り合えた幼少期いつから君に触れたくなったか?
横山未来子先生 銀河さんの短歌は発想が自由!
歌人の道 レベルアップ⤴
言葉を詰め込みすぎるので初めて読む人にもわかりやすい作品にしよう!
雨の窓揺られて指で描いたあとにこちゃんなのに泣いて見えたの
横田真子 添削
揺られつつ指で描いたにこちゃんは泣いて見えたの雨の車窓に
真子さんの短歌
身近な素材から感動を素直に表している!
歌人の道 レベルアップ⤴
助詞の使い方や言葉の流れを意識してみよう!
・ことばのバトン
あなたが見たのと同じ月を見る
細川はな(子規庵宇宙の会)
⇩
やる気ゼロ家でゴロゴロ本でも読むか
柳下恭平(書店主)
月見たら本でも読むかなあって思った後の一句…。
本はリハーサル 本を読めば疑似体験ができる
エンターテインメントだけじゃなくて実用的なことも全部できる
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