2026年2月9日月曜日

兼題「土」&テーマ「街」

隔てた格子相手を想う遍路道

春袷(あわせ)色香漂う華奢な線

(小村雪岱)春の雹泉鏡花と生きました

川柳しかと掴まん鳶の爪

密やかに今日を生く豌豆(えんどう)の花

 

NHK俳句 兼題「土」

選者:岸本尚毅 レギュラー:紅甘(ぐあま) 司会:柴田英嗣

年間テーマ「描写の工夫」今週のテーマ「土を描写する」

 

俳句のタネを育てましょう!

彼は朽ち土になってゆく透明さ   紅甘

⇩推敲(朽はそのもの)

土となる朽葉(くちは)の骨のごときもの

⇩推敲(人物との関わり)

土となる朽葉を拾ひ日に透かし

⇩推敲(時間の流れ)

の上の朽葉消えんとしつつあり

 

窮屈な句になってしまう時は詰め込まず

同じ材料で二句三句四句と作るのがポイント

 

・名句に学ぶ「土」の描写

阿波野青畝の土の名句鑑賞

畑打つや土よろこんでくだけけり   阿波野青畝(せいほ)

典型的擬人法 畑打つや:季語 「や」と「けり」切字

1句の中で一緒に使うものではない これは一つの例外

畑打つや土よろこびくだけけり 名人芸

「は」を入れることはできるが弱くなる

 

降る雪や明治は遠くになりにけり   中村草田男

主語①雪②明治 

 

・今週の特選句 今週の兼題「土」

出稼ぎや土をかき出す爪ブラシ   福原あさひ

(出稼ぎ:冬の季語)

笹舟に土筆を乗せる子もゐたり   遠藤一治(かずはる)

(ゐたり:文語表現 乗せる:口語表現 文語だと乗する)

水温む体重掛けて練る粘土   宮川礼子

(水温む:春の季語 取り合わせの句)

小社(こやしろ)の土俵の隅の霜くずれ   長谷川どのこ

(霜くずれ:冬の季語)

南無大師土佐の紫雲英(げんげ)の畔(あぜ)歩く   大村森美(もりよし)

(南無大師遍照金剛:遍路が唱える言葉 紫雲英:春の季語)

芳春(ほうしゅん)や食べたふりして土団子   角田千恵美

(芳春:春の季語)

 

・特選三席

一席 キャタピラの土を洗ふも年用意   檜垣幸雄(ゆきお)

(年用意:冬の季語 現場の心意気を感じる)

二席 管取れて降りるロビーや土匂ふ   品川雅史

(土匂ふ:春の季語)

三席 作業着に土や寒しと夫(つま)戻る   守山由美子

(戻ると帰るの発見 戻るには愛がある)

 

・みどころあり!の一句

春の土手遠くに人を寝転ばせ   星貴子

⇩推敲(一種の擬人法)

春の土手遠くに人の寝転んで

 

・紅甘のつぶやき

「あたり前の中にこそ個が宿る」

 

岸本尚毅先生のつぶやき

「作者はボケ 読者はツッコミ」

 

NHK短歌 テーマ「街」

選者:荻原裕幸 ゲスト:佐藤文香 司会:ヒコロヒー

年間テーマ「短歌は時代の波に乗って」

 

佐藤文香

表現しないでおけるのが俳句のいいところ

説明しないからこそその部分を読者が広げて味わえる

 

暫く雲になりたい白いセーターと冬のひかりを着て街をゆく

荻原裕幸

客観的なナルシシズム リズムを崩すところに

頭韻が効いているのがかっこいい 佐藤文香

 

・入選九首 テーマ「街」

二席 透明な傘から滴(したた)れる粒をひとつを見分けるように駅に立つ

木村英樹

あの街の夕日や雨も成分に含まれている実家のりんご

髙山准

一席 👑この街の中心だったスーパーのたこの入らぬたこ焼き思う

桑野豊

街中が冬のモードに包まれて半袖短パン恥ずかしくなる

冨尾なつ

恋人にならずに終わりそうな人とかじかむ冬を路チューで埋める

殿内佳丸

👑来週の可燃ごみに期待しましょうかと井戸端会議をしている七羽

北原直人

カレー屋のレシート見せて切り抜けるラブホテル街目撃情報

横浜J

君がいる街の天気をなんとなく見てしまうのを今日でやめよう

今井遼

三席 タクシーも愛も拾える街だからいいよ置いてきぼりにしたって

丹生暁子(にうあきこ)

 

・荻原流 詠み方指南

短歌を作り続けていくには

長く続けてきたから見えてきたものがある

10代の頃の短歌 30代の頃の短歌を紹介

 

陽に向けて十指暴きしことさへも遠き一つの罪科に数ふ

荻原裕幸 19歳の時の作品

やなせたかしさんの歌「手のひらを太陽に」

健やかさに向かって 真っすぐに

自分の気持ちを解放することができない10

 

十二色のいろえんぴつしかないぼくに五十五色のゆふぐれが来る

「見たものを写生しなさい」佐藤文香

実際の人生の中で丸くなっていくのではなく 表現の方が

先に丸くなって自分もそれに引っ張られていく

続けていく中でしか見えてこないこと

 

荻原裕幸先生からのメッセージ

自分に優しくしましょう のんびり構えてやっていけば

長い時間の中でいいものが見つかっていく 

 

短歌づくりのコツ

楽しめる環境で長く続けていくことで

技術が身につき良い作品が作れるようになる

 

平成の大街道でプリクラを撮ったわたしたちが通ります

佐藤文香

中学・高校と愛媛県松山市で育った 大街道が中心街にあたる

大街道商店街 愛媛県松山市

真っすぐさがいい 荻原裕幸

 

俳句で活躍しているのに どうして

詩の世界に踏み込んだのですか?荻原裕幸

 

俳句の世界の中に「詩」の部分 

格みたいなものが好きなんじゃないだろうか

「詩」という方を追求したらいいんじゃないか

と思うようになり現代詩を書くようになった 佐藤文香

ことばで感動するというと物語を読んで感動することが多い

物語でないものに感動するような 

それを私は「詩」と定義してたんじゃないか

私の好きな「詩」❝ことばから受ける衝動❞みたいなものは

どのジャンルにも転がっているんじゃないか 

 

わかれぎわ荻の穂の粒置き去りし愛妻家の影猫の尾が追う

ヒコロヒー

 

・ことばのバトン

やる気ゼロ家でゴロゴロ本でも読むか

柳下恭平(書店主)

のどをならしたネコとコタツで

藤岡善念(僧侶)

一緒に本読んでるイメージを書かせていただきました

昔経典が運ばれて来た時にネズミが

経典をかじらないようにネコを飼った

 

スタッフ全員僧侶 夜のお寺

入棺体験 死の解決

自分も死ぬんだ 愛する人も死ぬんだということで

向き合ってもらって何かを感じていただけたら

坊主バンド「新☆般若心経」

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