感情を押し付けられて雨蛙
感情のぶつかり合いや汗みどろ
あなたの思い押しつけないで葎(むぐら)
徳積み重ね徳もたらさん海霧
芳醇な千百株の薔薇の香
■あの本、読みました?
「人間失格」「走れメロス」昭和の文豪・太宰治が愛される理由
綿矢りさ 亀田誠治 菊池良 鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔P
「人間失格」の一文 太宰治著/新潮文庫
恥の多い生涯を送って来ました。
自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。
今年は昭和百年 三島由紀夫 志賀直哉 川端康成 石原慎太郎
芥川賞作家 綿矢りさは「それはスゴいみたいなファンなんで
ベタ褒めみたいな論文」太宰の文体にハマり小説を書くきっかけに
「文体というのもすごく身近な感じで書いてくれたので
これなら自分も気張らずに書いても小説というものが
出来あがるんだなと思って書くようになりました」
亀田誠治「とにかく僕はもう沼にハマっている(太宰の)全部が
愛おしくてしょうがない」ヒット曲誕生のウラに太宰文学が!
アゲインストが吹いてきてもちゃんと届けていくんだという
情熱と優しさが入っている小説
ヒット作「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」
著者 菊池良は太宰の文体の特徴を明かす
読み手を意識して語りかける(文体)というのが太宰の1番の特徴だと思います
綿矢りさ (太宰)本人の文章を読むよりも分かりやすく
個性が出てるからおもしろいなって思います
太宰治にハマった人々が語る深き太宰沼の世界
桜桃忌(6月19日)太宰が入水自殺を図り遺体が発見された日
死の前に発表した短編「桜桃」より命名
「すべてはここから…私の初読本」
・綿矢りさ 中学生で読んだ 高校生で再読して太宰治にハマった
太宰の文体を見て小説を書き始めた
そこで考え出したのは、道化でした。
それは、自分の、人間に対する最後の求愛でした。
自分は、人間を極度に恐れていながら、それでいて、
人間を、どうしても思い切れなかったらしいのです。
太宰作品によく出る「道化」の意味とは❓
・亀田誠治 姉に勧められた「人間失格」
主人公は「自分そのもの」 人生の黒未来を予測
「人間失格」の一文 太宰治著/新潮文庫
その生徒(姓はいま記憶していませんが、名は竹一といったかと覚えています)
その竹一は、れいに依って見学、自分たちは鉄棒の練習をさせられていました。
自分は、わざと出来るだけ厳粛な顔をして、鉄棒めがけて、えいっと叫んで
飛び、そのまま幅飛びのように前方へ飛んでしまって、砂地にドスンと
尻餅をつきました。すべて、計画的な失敗でした。果たして皆の大笑いになり、
自分の苦笑しながら起き上がってズボンの砂を払っていると、いつそこへ
来ていたのか、竹一が自分の背中をつつき、低い声でこう囁きました。
「ワザ。ワザ」自分は震撼しました。ワザと失敗したという事を、
人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。
自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上がるのを
眼前に見るような心地がして、わあっ!と叫んで発狂しそうな
気配を必死の力で押さえました。
アーティストとの関係にも影響
「仮面の告白」解説:中村文則の一文 三島由紀夫著/新潮文庫
あと敢えて言えば、「仮面の告白」の前年に発表された、三島が
否定したはずの太宰治、その「人間失格」の気配もまとっているように思う。
ケンカするほど仲が悪かった太宰治と三島由紀夫だが…
似たもの同士だからこそ一緒にされたらいやな二人
2人のアーティストから同時期に似たような作品が…
「卒業論文のテーマは太宰でした…」綿矢りさ
ドイツの詩人・シラーの詩を基にした「走れメロス」
フリードリヒ・フォン・シラーの詩「人質」
https://schubertiade.jp/houshi/buergschaft.htm
人を共感させる太宰のテクニックに感動
亀田誠治 自分が「走れメロス」になってしまう
鈴木保奈美 「走れメロス」は音読がおもしろい
「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」
著者 菊池良
もし太宰治が「カップ焼きそば」の作り方を書いたら
「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」の一文
神田桂一 菊池良著/宝島社文庫
焼きそば失格【第二の手記】
私は賭けに出て、最後の戸棚を開きました。
カップ焼きそばがありました。
カップ焼きそばはまずお湯を入れなければいけません。
私に立ちはだかったこの厳然たる事実は、
私を湯の沸騰へと向かわせました。
点線までを開け、かやくを振りかけて、お湯をかける。
そうれ、俺ならできる。自分で自分を鼓舞しながら、
私はお湯を注ぎ込みました。
私に湯切りをする資格があるでしょうか。
きっとあるのです。あるはずなのです。「許してくれ」
そう呟きながら、私はお湯を捨てました。
「斜陽」太宰治著/岩波文庫
戦後の混乱期に没落していく貴族階級の一家を描き
爆発的ブームを巻き起こした長編小説 綿矢りさが似ていると…
菊地良は文体の特徴は「読み手に語りかける」ところだと…
「これを知ったらきっと沼る!私と太宰」
「太宰の落書き」綿矢りさ
「佐藤春夫への手紙」亀田誠治
佐藤春夫 明治25年生まれ「洵情詩集」「田園の憂鬱」「晶子曼陀羅」
など 数多くの作品を世に送り出し一世を風靡した詩人・小説家
太宰の送った手紙は長さ4.1m
太宰治書簡佐藤春夫宛1936年1月28日(封筒欠 毛筆 巻紙[18.8cm×404.0cm])
https://yokoimoppo.hatenadiary.com/entry/20151220/1450599078
手紙を書くのが巧い
川端康成に怒って書いた手紙
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1607_13766.html
「人生の一冊!マイベスト太宰」
「ろまん燈籠」亀田誠治
戦争の厳しい検閲にも負けずに書いた小説
「ヴィヨンの妻」綿矢りさ
凛々しく、たくましい妻の姿が心に刺さる
「ここがスゴイ!心が震える一文」
亀田誠治
「正義と微笑」の一文 太宰治著/ゴマブックス
学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。
けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に
一つかみの砂金が残っているものだ。
亀田誠治の向上心の原点
綿矢りさ 笑える箇所の多い小説
「畜犬談―伊馬鵜平君に与えるー」の一文 太宰治著/ゴマブックス
こちらが何もせぬのに、突然わんといって噛みつくとはなんという無礼、
狂暴の仕草であろう。いかに畜生といえども許しがたい。
畜生ふびんのゆえをもって、人はこれを甘やかしているから
いけないのだ。容赦なく酷刑に処すべきである。
他の文豪と太宰の違いは… 綿矢りさ
リアルな描写なのにグロテスクじゃない文章 亀田誠治
愛おしくてしょうがない 亀田誠治
息継ぎみたいな文章 綿矢りさ
品格を感じる 明るい太宰と暗い太宰がいつも喧嘩している 綿矢りさ
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