風薫る重き言葉を軽々と
夏の霧煌めく主役射す後光
暑き日や背筋の伸びる言葉かな
クレマチス顔上げられん近過ぎた
ぶつかりあう視線の先の熱き日よ
■NHK俳句 第26回NHK全国俳句大会③
選者:西村和子 星野高士 堀田季何 司会:中川緑 取材:庄司浩平
題「出」
村上鞆彦選
紫陽花に雨の遠出となりにけり 幸田清子
(紫陽花を起点にしてそこから辿ってきた工程を振り返りながら
捉え直している そこがおもしろい 「紫陽花に」「雨の遠出と」
韻文ならではの用法 技術的に高い句 これは表現の句)
星野高士選
出稼ぎの夫(つま)も輪の中盆踊 山本薫風
(風土性があった 俳句は元々「もののあわれ」を詠む
夫婦の絆 一瞬の逢瀬 これからの生活
そういうものも加味した広がりのある句
「も」俳句的表現の「も」意味は考えなくてもよい 形式を整える「も」
この「も」はすごく効いている
西村和子選
玄関を出れば俳人秋高し 山本ふぢな
堀田季何選
窓ごとに馬が貌(かお)出す秋の風 坂本たか子
(季語との出会いをそのまま詠んでいるからしっくりいく)
インタビューした人
耕人を笑はせてゐるラジオかな 二階堂征治
(第15回大会自由題特選)
岸本尚毅選
かわらけの出でたる畑に種を蒔(ま)く 岩崎とし恵
小澤實選
声出すな蝉いま殻を脱ぐところ 鈴木美惠子
「声出すな」で気持ちも伝わるし瞬間性も生まれた
俳句の中に時間をどう詠む?
多くの人は動作の瞬間でないといけないと思い込んでいる
自分が何か認識した瞬間であればいい 堀田
よく失敗するのは「古歴」とか「初歴」で
「時の流れがありにけり」みたいなもの 星野
ダメということはない どううまく使うかが俳句のテーマ 星野
俳句を詠む時には現実の時の流れのどこを切り取っても
どのように詠むかが技 西村
■NHK短歌 第26回NHK全国短歌大会③
選者:俵万智 黒瀬珂瀾 大森静佳 MC:芳賀健太郎
題詠「出」
野口あや子選
出奔(しゅっぽん)とふ音も字面も小気味よく白き手すりにジーンズを干す
河野真南(まなみ)
俵万智選
出生前診断すすめる人あれど知らないという覚悟を選ぶ
中山あゆみ
(繊細な修辞のあっせんがある 冷静な観察眼が効いている 黒瀬
穂村弘氏が俵万智女史だから選んだ 短歌が望む形というものがある
この歌はそれをど真ん中に投げている ど真ん中さに俵さんを感じた
ど真ん中にひるまず投げた凄みがある 穂村 「覚悟を選ぶ」
いろいろな思いのしゅん巡や迷いが伝わる 大森
歌を作りながら自分を対話をして心を鎮めている 黒瀬)
小島なお選
世界一短い短詩世界一短い祈り出生届
澁戸(しぶと)なずむ
(事務的なものにポエティックに迫るのは出したい人の歌と感じた
歌に詠まれている詠み手の人生の重ね合わせ方で様々読み取ることができる
どちらに読んでも切実さは変わらない 表れているものは一部でも
その下にあるものは目に見えない形で歌に力を宿すことはある 短歌は既に
起きた事だけを書くわけではなくこうありたい自分を書いたり 現実から歌が
はみだすことがある 感情を純化させて結晶化させる役割もある 黒瀬)
佐伯裕子選
靴ずれを言い出せぬまま追いかけるあなたも夏も早足だから
芍薬
穂村弘選
検索をしてもなんにも出てこないそうそれでこそ初恋の人
大岩真理
内山晶太選
細く鳴く遊具ばかりの公園で出口をうしなっていた夕方
水沢穂波
題詠というのは凄く良い
題を心の中に投げ込んだ時の波紋を観察して詠む
・ことばのバトン
切ない恋がつぶれる悲鳴
林家たい平 落語家 ライトハイク協会理事
⇩
2時間は飲み放題で泣き放題
三田三郎(歌人)
単に酒が管を通過するだけなのに酔いという脳の自意識過剰
病院で治らない箇所を治すため居酒屋という闇医者へ行く
(酒は飲み過ぎないことにこしたことはないですね
飲まずにいられない人間に生まれた以上
飲酒道を邁進していきたいなと思っています)
Q.三田さん失恋した時は❓
2時間では済まないですね。2年ぐらいかかるかもしれない。
うまく行かないことが多かったんで今生は恋愛はいいかなって
三田さんの今生に祝福あれ❣
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