2021年10月7日木曜日

ヘッセとロスキンとローリングの言葉

見落とされ踏まれそうです秋の草
やり場なき心ぶつけん秋黴雨(あきついり)
豪奢(ごうしゃ)を生きる人と泡黄金菊(あわこがねぎく)
歳重ねるも傷痕深く秋の声
秋晴れや手にはお気に入りの茶碗

ヘルマン・ヘッセ 曰く
「人生に対抗する最善の武器は
 勇気とわがままと忍耐です。
 勇気はあなたを強くします。
 わがままは冗談を言わせます。
 忍耐は落ちつきを与えます。」

レオ・ロスキン 曰く
「弱き人こそ薄情である。
 本当の優しさは強き人にしか期待できない。」

J・K・ローリング  曰く
「どんな人かを知りたかったら、
 その人が下の立場にあたる人を
 どう扱うかを見れば分かる。」

2021年10月6日水曜日

正岡子規のこぼれ話

澄む秋や消えることなき蟠り
爽籟(そうらい)達観致したく候
人生は苦渋とみたり秋北斗
秋旱焦燥感に煽られて
さりげない仕草でみせる秋意かな

夏井いつき俳句チャンネル
【正岡子規こぼれ話】病床で子規が見たかったものとは?

正岡子規は明治35年9月19日に亡くなっています。
明治35年5月から「病牀六尺」という文章を書き始めました。

その中のエピソード
5月26日記述
「病に寐(ふし)てより既に六、七年車に載せられて
 一年に両三度出ることも一昨年以来全く出来なくなりて
 ずんずんと変って行く東京の有様は僅かに新聞で読み
 来る人に聞くばかりのことで何を見たいと思ふても
 最早我が力に及ばなくなった。そこで自分の見た事の
 ないものでちょっと見たいと思ふ物を挙げると…。」
と、言ってリストを作っています。

正岡子規の好奇心の強さが伺えます。
この文章は亡くなる1年3か月前に記されたものです。
活動写真・自転車の競争及び曲乗・動物園の獅子及び駝鳥・
浅草水族館・浅草花屋敷の狒(ひひ)及び獺(かわうそ)・
見付の取除け跡・丸の内の楠公の像・自働電話及び紅色郵便箱・
ビアホール・女剣舞及び洋式演劇・鰕(えび)茶袴の運動会

内藤鳴雪は子規の学校の寮の舎監さんで
当時学生だった子規の弟子になった人。

妄想で考えたからこそ楽しめたのかもしれないと塾長。
コロナ磨年の現在の状況に近いものがあると正人さん。
その通りだと頷きました。

2021年10月5日火曜日

題「仕事」

独りぼち秋の夕日を追いかけん
鷹匠の見つめる先や秋高し
偏りを投影させて月の暈
人生は神の意のまま星月夜
誤魔化すも分相応の老いの秋

NHK短歌 題「仕事」
選者 田村元 ゲスト 黒沢かずこ 司会 星野真里

冒頭句
サラリーマンは太鼓持ちではないけれどときをり持ちて叩くことあり 
田村元

今週のお気に入り
出張のホテルの風呂は目が暇でシャンプーボトルの裏を五度読む
千葉県千葉市 芍薬
部屋中に手作りの花咲きみだれ一輪五円の母の内職
岐阜県多治見市 野田孝夫
水出しのパックが容器の中で浮くまだ馴染めない九月のオフィス
大分県大分市 梅鶏

類想類句ばかりな気がしました。

熱血!短歌ノック!
何をして遊ぶ?2233日目の業務內容
星野真里
添削
何をして遊ぼうか?2233日目の業務內容

仕事するあなたの肩も夜なれば柔らかくなりそういえば秋
カン・ハンナ
添削
仕事するあなたの肩も夜気(やき)のなか柔らかくなりそういえば秋

黒沢かずこさんの出題「ラジオ」
今日もまだ寝込む体を基地として電波信号受けたる鼓膜
星野真里
添削(詰め込み過ぎ。)
今日もまだ微熱で横になりながら鼓膜で触れる電波信号

ラジオからささやく声が秋雨の夜に溶け込み眠りに落ちる
カン・ハンナ
添削(主語が変わっている。)
ラジオからささやく声が秋雨の夜に溶け込み眠りに誘う

選者の話「歌人、この一軒」
ひらがなでものを思ふは吾一人英語さんざめくバスに揺れゆく 
河野裕子

短歌 あなたならどうする?
つゆ少し付けてもり蕎麦啜るとき□□

つゆ少し付けてもり蕎麦啜るとき君を忘れる勢いがつく
カン・ハンナ

つゆ少し付けてもり蕎麦啜るとき残りの蕎麦を見ながら食べる 
黒沢かずこ

つゆ少し付けてもり蕎麦啜るときずるずるずると弾むひらがな
星野真里

つゆ少し付けてもり蕎麦啜るときずずつと師走が近づいてくる 
田村元

星野真里さんの短歌が大好きです。
背伸びせず等身大で経験を詠っておられるから…。

2021年10月4日月曜日

兼題「夜長」

通り雨めく恋に憧れ秋を舞う
信頼も覚悟もなしの夜長かな
やまじ風生暖かく頬に髪   
園児よりでっかくなったコスモスよ   
コスモスや園児隠してゆらゆらと   

NHK俳句 兼題「夜長」
選者 片山由美子 ゲスト 平田俊子 司会 武井壮

冒頭句
長き夜をひとりのために使ひけり   片山由美子

平田俊子女史の朗読
「音信不通」
何か怒ってるの ?
それとも病気
または旅行中
ひょっとして監獄
もしや手足を縛られている
電話が故障ということもある
のんびりお風呂に入っているか
眠りっぱなしということも
でなけりゃ
わたしのことなんて
とっくに忘れたのだろう
でも
そもそも誰かいたのだろうか
内緒でこの世に棲んでるわたしに
電話をかけてくる人が
いるとすればおかあさん
あるいは大家さん
もしくは探偵
ひょっとしていたずら
または何かのセールスの人
それとも
遠い日の自分

機織や古き旅館の乱れ箱   平田俊子
(機織=はたおり。キリギリスの別名。)

見直し「俳句の常識」今回のテーマは「助詞」
「も」の効果的な使い方
文月や六日常の夜には似ず   芭蕉

片岡由美子先生の説明
この句は七夕一夜前の日を詠んでいます。
本来は七夕の7月7日が特別な日です。
前日から普段とは違う気分になっているという句。
「六日は常の夜には似ず」であったら、
原句のような味わいは失われてしまっていた。
「も」が曲者。微妙な表現を醸し出している。

露草も露のちからの花ひらく   飯田龍太

片岡由美子先生の説明
この句は、「露草露のちからの花ひらく」と詠める。
「は」では表せないものを表現している。
「も」を使い曖昧にすることで
小さな露草の花でさえもと言ったものまで表現。
「は」では表し切れないものを「も」で表現した。

×店先の和菓子の色の春めきぬ
店先の和菓子の色春めきぬ

×長梅雨や櫛の通りもままならず
長梅雨や櫛の通りままならず

×秋天へ声の揃ひて木遣歌(きやりうた)
秋天へ声て木遣歌

今週のお気に入り
長き夜や目覚むる度に雨の音 福島県白河市 佐藤和子
百年の記憶をたどる夜長かな 静岡県富士宮市 後藤勝子(99歳)
亡き母を語れば長き夜となりぬ 兵庫県たつの市 田口早百合

武井壮さんの常識破りの句
黒葡萄黒き選(よ)りて掌に 武井壮
(「を」が効果的。画数の漢字が多くて
その重さが葡萄の重さをも表現している。)

選ばれた句は後藤勝子さん以外の句は
連想類句のように感じました。
あまり連想類句に目くじらは立てなくて良いのでは…。

2021年10月3日日曜日

無人駅の優秀句

秋の宙独り善がりのダンディズム
秋気迷惑危険なダンディズム
秋の風もてはやされるダンディズム
責任のない自由はない秋冷
真夜中の月自分を愛し歩む人

【大人の凡人あるある】
凡人を脱出した「無人駅」の優秀句を発表します
https://youtube.com/watch?v=dkO10NWK03s…

蜩を一時間半無人駅   映湖陶月
葛踏みてキセルのをとこ無人駅   A-no-hito
(季語が主役になっている。)
茸狩り終え百人の無人駅   石井一草
桜蘂降る世田谷に無人駅   多喰身デラックスa.k.a
夏蝶の糞干からびて無人駅   後藤佳子
門松のすくと立をり無人駅   平本漁水
煮大根の香が何処からか無人駅   おーちょー
蜩や出臍のごとく無人駅   あいちぷるうと
木の実落つ切符小箱へ無人駅   爽花
団栗とキツプを箱へ無人駅   Haruyo
万緑の小腸当たり無人駅   磐田小
猫じやらしじやらじやり砂利の無人駅   北藤詩旦

家藤正人さん一押し
野は焼けて阿蘇の余熱の無人駅   いさな歌鈴
塾長一押し
磯蟹を踏みたる朝の無人駅   染井つぐみ

2021年10月2日土曜日

秋のタイトル戦「金秋戦」

秋の川皿を持ち寄り食らわんか
骨董の美とはあわれと秋の声
使い込み日々成長とげる器かな(無季句)
山かぼちゃハイカラさんへ七変化
秋の声伊万里は鶴岡で探せ

プレバト纏め 2021年9月30日
秋のタイトル戦「金秋戦」
バッテリー切れ間近で一句

1位 北山宏光
スマホ死す画面に浮かぶ指紋と月
(おめでとう!あなたの等身大の俳句が大好きでした。
 楽しみにしています。頑張ってくださいね。)

2位 横尾渉
フリードリンク夜学子の電子辞書

3位 立川志らく
静かに文を破くふと秋蛍
提案(私はいっそ自由律を詠めばよいのにと思いました。)
静かに文を破く秋蛍ふっと
静かに文を破く秋蛍ほのと

4位 藤本敏史
まず雁の飛来を尋ね長電話
(最近、連想類句が多いような気がします。)

5位 村上健志
発電機運ぶ赤鬼村祭
(村上健志さんはお祭りがお好きみたい…。)

6位 梅沢富美男
龍淵に潜む充電切れスマホ
添削(「龍淵に潜む」は、中国の言葉「龍は春分に天に昇り、
   秋分に淵に潜む」に由来する秋の季語。)
真っ黒な液晶画面龍淵に

7位 東国原英夫
携带をタコ足充電夜学校
添削(今回の俳句にはがっかり…。発想を飛ばして欲しかった。)
タコ足充電夜学の携帯のとりどり

8位 中田喜子
秋雷や絶縁破壊長き闇
添削
秋雷や絶縁破壊の闇長し

9位 千原ジュニア
夜半の秋次子に授乳の妻ZZZ
添削
次子に乳あきの夜半なる妻ZZZ

10位 森口瑤子
秋蝉や仰向いてなほぎぎと鳴く
添削
仰向いてぎぎと鳴きけり秋の蝉

今回はちょっと期待外れでした…。
このお題では大きく詠めなかったのかも…。
発想を飛ばして欲しかった。

2021年10月1日金曜日

渡辺貞夫と山本寛斎の言葉

葛掘るや寡黙な背なでまた見つけ
スコップと鍬を担いで葛根掘る
手の中で変わる陶器よ夜長かな
移ろいを心に刻む秋の声
天晴れはもののあわれぞ秋高し

渡辺貞夫 曰く
「練習とは追究。そして、
 本番を楽しむための準備。」

山本寛斎 曰く
「すべての運命、
 すべての現実を受け入れること。
 そこから再び歩き出せばいい。」