2021年5月3日月曜日

一物仕立ての俳句

春惜しむ「これでおしまい」まだ言えぬ
頬に風お伊勢参りや日永かな
お伊勢さん鳴き声いずこ春の鳥
春惜しむ遊びの中の俯瞰かな
同じ東風(こち)描く応挙若冲蕪村かな

夏井いつき俳句チャンネル
【一物仕立て】取り合わせまでのグラデーションを解説します

一物仕立ての一とは季語のこと。
季語が元々持っている情報だけで一句を作っていくこと。
一物仕立て 取り合わせ
季語が元々持っていない情報が少しずつ入ってくる。
ここがグラデーションになって取り合わせられる
このグラデーションの話となります。

白牡丹といふといへども紅ほのか   高浜虚子

牡丹散って打ちかさなりぬニ三片   与謝蕪村

上記二句を「純正の一物仕立て」と呼んでいる。

散りしぶる牡丹に少し手を貸しぬ   能村登四郎
(感じ方・思い・手とかこういう要素が
この句の中には少しずつ交じり込んでいる。)

牡丹百二百三百門一つ   阿波野青畝(せいほ)
(数詞の効果が見事。場所背景が入っている。)

夕牡丹しづかに靄(もや)を加へけり   水原秋櫻子
(夕と言う時間情報と天文の情報が入って来ている。)

牡丹散ってまた雨をきく庵かな   永井荷風
(雨と言う天文の情報、庵と言う場所が同時に入っている。
「また」に時間の経過と言う要素も…。)

中国に妖怪多し夕牡丹   有馬朗人
(2つの関係ない要素が一句に同居している。
2つのものがぶつかることによって言葉の火花を散らしている。
詩と言う火花が散ると言う作り方をしている。)

一物仕立てから取り合わせまでこのグラデーションの
作り方を自分で少し理解すると使える手が増えてきます。)

勉強大好きです!
今後ともよろしくお願い致します!

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