巣ごもり需要なぜ値上げ春陰
春の恨み見え隠れする本能
姫すみれ吾を操る健気さよ
春怒涛怒りの奥の哀しみよ
だんまりは自己愛ゆえの懐手
NHK短歌
ねむりへと降りていくときすれ違う黒犬の毛に腕は触れたり
松村正直
題「犬、戌」
帰るなり飛びついてくる愛犬をひとしきり撫でたのち喪服脱ぐ
大阪府大阪市 栗本悦子
犬は老い主も老いてゆるやかな撓みをたもちリードはすすむ
群馬県館林市 長谷川清
信号が青になるまで自由時間人には人の犬には犬の
茨木県ひたちなか市 菅野公子
泣きたくて顔うずめれば真夜中も犬の背中は日なたのにおい
カナダオンタリオ州 さとうはな
引き出しの犬用ブラシ捨てようと家族誰もが言わず二十年
カン・ハンナ
添削
引き出しの犬用ブラシ捨てようと誰も言わずに二十年過ぐ
負けていい勝負があって午後七時小さな指がカードをめくる
星野真里
添削
負けていい勝負もあって午後七時小さな指がカードをめくる
我が家の犬派いずこにゆきぬらむ今宵も思ひいでて眠る
島木赤彦
雪の夜のレールの先に浮かびくるまだ言葉にはしていない夢
松村正直
雪の夜のレールの先に浮かびくる光をみつめ振り返る過去
(最後の七七の創作) 足立梨花
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