2021年9月27日月曜日

俳句甲子園二〇二一

山粧ふや静けさの独り占め
なにげない幸せ持ちて秋の朝
見捨てられる無名の人々秋気
星月夜真実こそが美しい
覗き穴から見た世界秋旱

それでも詠む、青春の17音
俳句甲子園二〇二一 より

冒頭句
後朝(きぬぎぬ)のごとく空蝉剥がしをり 
信楽や一縷の春満月を練る

予選の兼題 片陰(かたかげ) 清水 空蝉(うつせみ) 茄子
松山東高等学校
清水いま古城の堀に流れ着く   山根大知
丸那須(なすび)句点の抜けたやうな日々   山根大知
特選句
清水いま清水を接ぎて久遠なる   野村隆志
後朝(きぬぎぬ)のごとく空蝉剥がしをり   野村隆志
夕清水いつかの雨とすれ違ふ   山根大知

長野清泉女学院高等学校
なんとなく泣きたい夜や麦茶煮る   小林蓮(れん)
好きだよと言えず飲み込む清水かな   大日向愛良
彗星の落ちて地上の茄子の花   大日向愛良
空蝉の蝉になる夢持っており   小林蓮

これだけ詠った松山東高等学校、
長野清泉高等学校は決勝には残れませんでした…。
レベル高し!

海城高等学校
太陽に近き嘴(くちばし)蚯蚓を垂れ   田村龍太郎(最優秀賞受賞)

決勝に進出したのは海城高等学校、開成高等学校A、
開成高等学校B、洛南高等学校 でした。

準決勝、決勝の兼題は菊、夜食、鰯雲

大菊や語る言葉も惜しければ   田村龍太郎
鰯雲一匹忘れられてゆく   田村龍太郎
艶めくや籬(まがき)の菊に雨しきり   田村龍太郎

洛南高等学校
土曜日は父の手づくりなる夜食   伊藤栞奈

開成高等学校
空蝉に傷一閃やアンタレス   垂水文弥
この街は汽水の匂ひ夜食とる
いわしぐもかかねば紙は光なり
徹底的に片陰をゆく女優
星空を歩いて茄子の無尽蔵

決勝は洛南高等学校と開成高等学校B
兼題は夜食
数本の花の明るき夜食かな   開成高等学校B
段ボール卓傾いてゐる夜食   洛南高等学校

優勝は開成高等学校B
2位は洛南高等学校
3位は開成高等学校Aとなりました。

個人的にディペートは超苦手なので
決勝・準決勝はやはり辟易しました。
俳句甲子園は主催者が
ディペートを競わせているのですね。
建設的な討論にするため、
提案形式にしてはいかがでしょうか?
例えば季語がおかしいと思えば
自分ならこの季語にするといった提案です。
悪い点を指摘するだけではなく、改案を示すべきでは…?
野党の国会議員を彷彿としてしまいました。
あのような人間を育てたいのでしょうか?

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