2021年9月20日月曜日

兼題「秋」と「名月」

カシオペア個でできぬこと屯(たむろ)して
テレワーク家族を密に小鳥来る
リーダーの腕に挟まれ秋の薔薇
おしあなが吹きて自粛の体をなす
白秋や機微の通じぬ夫(つま)となり

NHK俳句 兼題「秋」
選者 岸本尚毅 ゲスト 春風亭昇吉 司会 中田喜子

冒頭句
音もなく歩くお方や城の秋   岸本尚毅

目黒の秋刀魚の落語の説明を聞いて…。
岸本尚毅先生がご紹介くださった句!
まひるまの秋刀魚の長く焼かれあり   波多野爽波

今週のお気に入り
粛々と記憶の消ゆる老の秋 茨城県 中原如伽
空映す暗き廊下や秋の寺 栃木県高根沢町 大塚好雄
九十の身を白帝に委ねけり 千葉県成田市 神郡一成
波止の秋もつれしチェーン錆ぶるまま 兵庫県加古川市 渡辺しま子

岸本教官の俳句道場
母の香も譲りうけたる秋袷   中田喜子
添削
母の香や譲りうけたる秋袷

チアガール翔べ秋天を高く抱き   春風亭昇吉
添削
高く翔んで秋天を抱けチアガール

手拍子の施設の母や窓の秋   投稿句
手拍子す施設の母の窓に秋   春風亭昇吉の添削
添削
手拍子の母を施設に窓の秋

今回の岸本直樹先生の添削はおかしい…。
作者に全く寄り添っていない気がしました。
春風亭昇吉さんの添削の方がよっぽど良いと思いました。
今回選ばれていた句は類想類句が多かったのでは?残念です。

春風亭昇吉さんは多作多捨だそうです。
俳句は多読多億が上達の道と岸本直樹先生。
作句は人生のアルバムになっていると昇吉さん。
大ファンです。益々楽しませてくださいね。

◆一分季語ウンチク 名月
「月」は三秋の間使えますが「名月」は
仲秋だけに使われる季語として
歳時記に収録されています。
陰暦8月15日の月を指しています。
名月の「名」は1年で一番美しい月を
愛でる心と言うのがこの季語の肝となってきます。
わざわざ使うのでしたら賛美の心が
入った一句を作りたいものです。

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