2021年7月15日木曜日

兼題「蟬」

慣れて色褪せさようなら
柳宗悦(むねよし)の美への拘り夏の風
夏の月角なき柱の優しさよ
夏の海見えぬ時間を残しをり
夏の空廃校晴れて住宅に

NHK俳句 兼題「蟬」
選者は鴇田智哉さん ゲストは古館寛治さん

冒頭句
引波に指の残れる素足かな   岸本葉子

今日ほどに逃げたい夏は覚えなし   古館寛治

「移動する句のひとみ」
秋草を経てくつきりと丘にゐる   生駒大祐

帰京して夏日に心憂鬱かな   古館寛治
添削
夏空を越えて憂鬱なる帰京 

たまばなの青腰に触れ肩に擦(す)れ   岸本葉子
木の肌のまだらを辿りゆけば夏   鴇田智哉

今回のお気に入り
蟬の声私は何が欲しいのか   梅沢春雄
落蟬の草に戻せば歩き出す   津布久信雄
蟬をさわれた一九九〇年   古賀

俳優も俳人も無関係を詠むことがある。
不時着の最初の夜の虫しぐれ   岸本葉子
袋掛されはみんぐの聞えたる   鴇田智哉

最後に蟬の句を詠んでくださいました。
仰向いて「これで終い」と蟬の言う   古館寛治

古館寛治さんは「英語で遊ぼうで」で
いつも拝見していたのですが…。
全くイメージが違っていて驚きました。

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