人生の放課後を生く秋北斗
星月夜生きているっておもしろい
秋の夜や物理学者の懺悔聞く
秋の月広重の空広がらん
命より大切なもの秋に知る
■あの本、読みました?【どんでん返しの帝王】
中山七里(しちり)14本同時連載の驚愕創作術
中山七里 鈴木保奈美 山本倖千恵
第8回「このミステリーがすごい!」大賞 大賞受賞作
「さよならドビュッシー」
シリーズとして10冊刊行 累計190万部超ベストセラー
「さよならドビュッシー」の一文 中山七里著/宝島社文庫
賞賛と興奮は一時で治まるが、嫉妬と冷笑はいつまでも持続する。
「人の外面と内面は、互いに関連しあっている。
外面が変われば内面も変わる。逆もまた然り。
だから傷ついた心を縫い合わせるため形成外科医は糸と針を持つ。」
❝どんでん返し❞は設計図通り 枝葉末節
中山七里流ミステリー創作術 トリックは最後に考えればいい
岬洋介 音楽ミステリーシリーズ
数々の職業シリーズを執筆 23シリーズ
ピアニストが主人公だが音楽は未経験
音楽の描写
「さよならドビュッシー」の一文 中山七里著/宝島社文庫
バスの響きの上に高めの音程でソプラノとテノールを乗せて、
響きを立体的にする。月光の下で踊る恋人たちー。
ここで大袈裟な表現は慎む。メゾフォルテで抑えたまま、
消えそうで消えない音を接いでいく。フラットを主体とした濁った響き。
それでもその響きを浴びる身体は秘めやかに悦んでいる。
(中略)
細かい強弱をつけながら、四十一小節のクラクマックスに向かう。
和音の揺らぎで光の揺らぎと柔らかさを造型した後、ホ長調に転調する。
フラットからシャープに変わったことで今まで濁っていた響きが
一転して輝く始める。音量もフォルテになる。
(中略)
あと十五小節。ここまで溜めてきたエネルギーを一気に放出する。
六十六小節からのコーダ。決して曲の輪郭を崩すことなく
揺らぎながら次第に収束させていく。
(中略)
そして左手がようやく最後の音を放ち終える。その音は波紋のように
ステージから拡がり、やがて客席へと幽(かそ)けく消えていった。
未経験とは思えない緻密さで専門的な描写
警察シリーズが多い理由は?
取材なしでなぜリアルな描写ができる?
鮮烈なラスト 読者を驚かせるのでついた名称は❝どんでん返しの帝王❞
物語の結末は担当編集者にも教えない
❝どんでん返し❞ご自身でお確かめください
48歳遅咲きデビューのきっかけ
大阪で作家島田荘司先生のサイン会があることをしり それまで生で
作家を見たことがなかった その時魔がさし 夢が再燃した
その足で電気屋さんに行きノートパソコンを購入 小説を書き始めた
その小説が「このミステリーがすごい!」で最終選考まで残ったが
ボロカスに言われたので、2作品を書きまた提出したら
1作品が大賞を受賞してしまった。
「サラリーマンと作家」二足のわらじで活動を続けるが
2年間はサラリーマンをやめなかった。定年退職まで務めるつもりだったが
執筆活動が忙しくなり辞めざるを得なくなった。デビューした翌年に
納税通知書の金額がサラリーマンの年収を上回っていた。これはまずいと思い
辞めた。書き続けて税金を払わないといけないと思った。
デビュー当時の名刺の肩書は「文章芸人」
👑作家・小説家は肩書ではない生き方である それは音楽家と同じである
最新の作品が名刺である
ここが(も)変だよ!中山七里
同時連載MAX14本!
オススメ小説
1989年「奇想、天を動かす」島田荘司
「改定完全版 奇想、天を動かす」の一文 島田荘司著/光文社文庫
「ちょっと、ちょっと」婦人が、やや険のある声を出した。老人が立ち止まる。
「すいませんねえ、今月からしょうひぜいがつくんでねえ、
あと十二円なんですよ」老人は構わず行こうとした。
婦人の言う意味が解からないふうだった。
(中略)
あんたね、それじゃ万引とおんなじだよ」女性はついに大声を出した。
「十二円の物、泥棒したのとおんなじだよ!」すると老人が、
女性のほうに倒れかかるように見えた。
(中略)女性の、薄いブラウスの左胸に、ナイフの柄が突き立っていた。
柄しか見えなかったので、刃の部分は、すべて彼女の体中に埋まって
いることになる。彼女は、両足を痙攣させ、もがき続けている。
(中略)
老人は、学生風の男に抱き起こされ、放心したように突っ立っている。
その表情には、例の哀願するような愛想笑いが浮かんでいる。
そして一度、二度、ゆるゆると頭を下げた。風が通りを吹きすぎた。
またかすまに、桜の花びらの香りがする。
社会派×本格派 二大推理潮流を融合
中山七里氏の人生を変えた1冊
この作品との出会いが物書きになろうと決めたきっかけとなった
2025年
「魔法律学校の麗人執事1ウェルカム・トゥー・マジックローアカデミー」
新川帆立著
コロナ禍デビューでも輝いた新川帆立
9月刊行 新シリーズ1作目「刑事葛城 正義の銃弾」創作秘話
刑事葛城 正義の銃弾」の一文 中山七里著/徳間書店
その日、新宿は戦場と化していた。
背後でビシッと音がした。雛多が振り返ると、
ビルの壁に銃弾がめり込んでいる。
あと二十センチ弾道が逸れていたら、
間違いなく自分に命中していただろう。
防弾チョッキを着こんでいるものの、
恐怖心を誤魔化すほどの心強さはない。
銃痕の目撃から少し遅れて腹が冷えた。
(中略)
ここに立っていても標的にされるだけだ。
雛多は自らを叱咤して歩を進める。
身を潜める場所を探してみるが、TOHOシネマズ新宿近辺は
手頃なスタンド看板が少ないので苦労する。
繁華街で見晴らしがいいのが気に入っていたが、
戦闘には不向きな場所となる。もっとも土地を開発した当人たちは、
ここが戦場となる可能性など毛ほども考えなかっただろう。
冒頭から繰り広げられる「新宿・歌舞伎町の銃撃戦」
このインパクトこそが新シリーズにはふかけつだったそうです。
実はシリーズ2作目の予定だった本作
「刑事コロンボ」風のシリーズ執筆依頼があった徳間より
トクリュウ×暴力団 新宿・歌舞伎町で銃撃戦
新宿署刑事 紅島雛多は 組織犯罪対策課 鍬(くわ)形松彦と制圧に臨む
「刑事葛城 正義の銃弾」の一文 中山七里著/徳間書店
雛多は至近距離から彼の額に銃口を向けた。
鍬形の目が大きく見開かれた瞬間、トリガーを引いた。
発射された銃弾は正確に鍬形の眉間を捉えて内部にめり込む。
(中略)
着弾した箇所からはゆっくりと血が溢れ出している。即死だった。
(中略)
鍬形には積年の恨みがある。だが同じ新宿署でも部署が違えば、
なかなか接触する機会が少ない。彼が組織犯罪対策課所属なら尚更だ。
従って今回、新宿混乱で組対と合流したこと、
現場で鍬形に同行できたのは僥倖(ぎょうこう)だった。
(中略)
アリバイ、凶器、目撃者の有無と、何から何まで復讐の女神が
お膳立てしてくれたようにしか考えられない。
環奈、きっとあなたが助けてくれたんだよね。
冒頭30ページで描かれる 衝撃の犯行シーン
誰もが鍬形の殉職を疑わぬ中 葛城公彦は真相へと近づいていく
息詰まる心理戦の行方はー
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