2026年10月27日火曜日

あの本、読みました?中山七里

人生の放課後を生く秋北斗

星月夜生きているっておもしろい

秋の夜や物理学者の懺悔聞く

秋の月広重の空広がらん

命より大切なもの秋に知る

 

■あの本、読みました?【どんでん返しの帝王】

中山七里(しちり)14本同時連載の驚愕創作術

中山七里 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

第8回「このミステリーがすごい!」大賞 大賞受賞作

「さよならドビュッシー」

シリーズとして10冊刊行 累計190万部超ベストセラー

 

「さよならドビュッシー」の一文 中山七里著/宝島社文庫

賞賛と興奮は一時で治まるが、嫉妬と冷笑はいつまでも持続する。

 

「人の外面と内面は、互いに関連しあっている。

 外面が変われば内面も変わる。逆もまた然り。

だから傷ついた心を縫い合わせるため形成外科医は糸と針を持つ。」

 

❝どんでん返し❞は設計図通り 枝葉末節

中山七里流ミステリー創作術 トリックは最後に考えればいい

 

岬洋介 音楽ミステリーシリーズ

数々の職業シリーズを執筆 23シリーズ

ピアニストが主人公だが音楽は未経験

音楽の描写

 

「さよならドビュッシー」の一文 中山七里著/宝島社文庫

バスの響きの上に高めの音程でソプラノとテノールを乗せて、

響きを立体的にする。月光の下で踊る恋人たちー。

ここで大袈裟な表現は慎む。メゾフォルテで抑えたまま、

消えそうで消えない音を接いでいく。フラットを主体とした濁った響き。

それでもその響きを浴びる身体は秘めやかに悦んでいる。

(中略)

細かい強弱をつけながら、四十一小節のクラクマックスに向かう。

和音の揺らぎで光の揺らぎと柔らかさを造型した後、ホ長調に転調する。

フラットからシャープに変わったことで今まで濁っていた響きが

一転して輝く始める。音量もフォルテになる。

(中略)

あと十五小節。ここまで溜めてきたエネルギーを一気に放出する。

六十六小節からのコーダ。決して曲の輪郭を崩すことなく

揺らぎながら次第に収束させていく。

(中略)

そして左手がようやく最後の音を放ち終える。その音は波紋のように

ステージから拡がり、やがて客席へと幽(かそ)けく消えていった。

 

未経験とは思えない緻密さで専門的な描写

 

警察シリーズが多い理由は?

取材なしでなぜリアルな描写ができる?

鮮烈なラスト 読者を驚かせるのでついた名称は❝どんでん返しの帝王❞

物語の結末は担当編集者にも教えない

❝どんでん返し❞ご自身でお確かめください

48歳遅咲きデビューのきっかけ

大阪で作家島田荘司先生のサイン会があることをしり それまで生で

作家を見たことがなかった その時魔がさし 夢が再燃した

その足で電気屋さんに行きノートパソコンを購入 小説を書き始めた

その小説が「このミステリーがすごい!」で最終選考まで残ったが

ボロカスに言われたので、2作品を書きまた提出したら

1作品が大賞を受賞してしまった。

「サラリーマンと作家」二足のわらじで活動を続けるが

2年間はサラリーマンをやめなかった。定年退職まで務めるつもりだったが

執筆活動が忙しくなり辞めざるを得なくなった。デビューした翌年に

納税通知書の金額がサラリーマンの年収を上回っていた。これはまずいと思い

辞めた。書き続けて税金を払わないといけないと思った。

デビュー当時の名刺の肩書は「文章芸人」

👑作家・小説家は肩書ではない生き方である それは音楽家と同じである

最新の作品が名刺である

 

ここが(も)変だよ!中山七里

同時連載MAX14本!

オススメ小説

1989年「奇想、天を動かす」島田荘司

「改定完全版 奇想、天を動かす」の一文 島田荘司著/光文社文庫

「ちょっと、ちょっと」婦人が、やや険のある声を出した。老人が立ち止まる。

「すいませんねえ、今月からしょうひぜいがつくんでねえ、

あと十二円なんですよ」老人は構わず行こうとした。

婦人の言う意味が解からないふうだった。

(中略)

あんたね、それじゃ万引とおんなじだよ」女性はついに大声を出した。

「十二円の物、泥棒したのとおんなじだよ!」すると老人が、

女性のほうに倒れかかるように見えた。

(中略)女性の、薄いブラウスの左胸に、ナイフの柄が突き立っていた。

柄しか見えなかったので、刃の部分は、すべて彼女の体中に埋まって

いることになる。彼女は、両足を痙攣させ、もがき続けている。

(中略)

老人は、学生風の男に抱き起こされ、放心したように突っ立っている。

その表情には、例の哀願するような愛想笑いが浮かんでいる。

そして一度、二度、ゆるゆると頭を下げた。風が通りを吹きすぎた。

またかすまに、桜の花びらの香りがする。

 

社会派×本格派 二大推理潮流を融合

中山七里氏の人生を変えた1冊

この作品との出会いが物書きになろうと決めたきっかけとなった

 

2025年

「魔法律学校の麗人執事1ウェルカム・トゥー・マジックローアカデミー」

新川帆立著

コロナ禍デビューでも輝いた新川帆立

 

9月刊行 新シリーズ1作目「刑事葛城 正義の銃弾」創作秘話

刑事葛城 正義の銃弾」の一文 中山七里著/徳間書店

その日、新宿は戦場と化していた。

背後でビシッと音がした。雛多が振り返ると、

ビルの壁に銃弾がめり込んでいる。

あと二十センチ弾道が逸れていたら、

間違いなく自分に命中していただろう。

防弾チョッキを着こんでいるものの、

恐怖心を誤魔化すほどの心強さはない。

銃痕の目撃から少し遅れて腹が冷えた。

(中略)

ここに立っていても標的にされるだけだ。

雛多は自らを叱咤して歩を進める。

身を潜める場所を探してみるが、TOHOシネマズ新宿近辺は

手頃なスタンド看板が少ないので苦労する。

繁華街で見晴らしがいいのが気に入っていたが、

戦闘には不向きな場所となる。もっとも土地を開発した当人たちは、

ここが戦場となる可能性など毛ほども考えなかっただろう。

 

冒頭から繰り広げられる「新宿・歌舞伎町の銃撃戦」

このインパクトこそが新シリーズにはふかけつだったそうです。

実はシリーズ2作目の予定だった本作

「刑事コロンボ」風のシリーズ執筆依頼があった徳間より

トクリュウ×暴力団 新宿・歌舞伎町で銃撃戦

新宿署刑事 紅島雛多は 組織犯罪対策課 鍬(くわ)形松彦と制圧に臨む

 

「刑事葛城 正義の銃弾」の一文 中山七里著/徳間書店

雛多は至近距離から彼の額に銃口を向けた。

鍬形の目が大きく見開かれた瞬間、トリガーを引いた。

発射された銃弾は正確に鍬形の眉間を捉えて内部にめり込む。

(中略)

着弾した箇所からはゆっくりと血が溢れ出している。即死だった。

(中略)

鍬形には積年の恨みがある。だが同じ新宿署でも部署が違えば、

なかなか接触する機会が少ない。彼が組織犯罪対策課所属なら尚更だ。

従って今回、新宿混乱で組対と合流したこと、

現場で鍬形に同行できたのは僥倖(ぎょうこう)だった。

(中略)

アリバイ、凶器、目撃者の有無と、何から何まで復讐の女神が

お膳立てしてくれたようにしか考えられない。

環奈、きっとあなたが助けてくれたんだよね。

 

冒頭30ページで描かれる 衝撃の犯行シーン

誰もが鍬形の殉職を疑わぬ中 葛城公彦は真相へと近づいていく

息詰まる心理戦の行方はー

 

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