秋深し仕草にすべて表れん
おけら鳴く陽気は美徳陰気など
人生に嘘をつかない秋意かな
地虫鳴く偽物だっていいじゃない
アンダーパスへエアー遮断器秋気
■100分de名著❝万葉集❞①歌はコミュニケーション
上野誠(国文学者・國學院大學教授) 伊集院光 阿部みちこ
コミュニケーションを取るために使っていた道具
コミュニケーションツール 現代のSNSと考えると良い
飛鳥・奈良時代 4500首
鳴る神のしましとよもしさし曇り雨も降らぬか君を留めむ
(作者不記載歌 巻十一の二五一三)
鳴る神のしましとよもし降らずとも我は留まらむ妹し留めば
(作者不記載歌 巻十一の二五一四)
君が行く道の長手を繰り畳(たた)ね焼き滅ぼさむ天(あめ)の火もがも
狭野弟上娘子(さののおとがみおとめ)巻十五の三七二四
恐(かしこ)みと告(の)らずありしをみ越路の手向(たむけ)に立ちて妹が名告(なの)りつ
中臣宅守(なかとみのやかもり)巻十五三七三〇
オウム返し戦法(上野誠) 歌に相手への思いを忍ばせる
自由だけど型はある(現代のラップ) 型を守るからやりとりができる
自分しか知らない恋人の名前 古代の女性名は公にしない
恋人だけが知っている
石走(いわばし)る垂水の上のさわらびの萌え出(い)づる春になりにけるかも
志貴皇子(しきのみこ)巻八の一四一八
春日野に煙(けぶり)立つ見ゆ娘子(おとめ)らし春日のうはぎ摘みて煮らしも
作者不記載歌 巻十の一八七九
季節感を共有する歌 ⇧ある意味役人の不満の歌 共感の文学
発信する側が常に受信する側のことを考えながら発信する
邸宅と荘園を行き来しながら暮らしていた
玉鉾(たまほこ)の道は遠(とお)けどはしきやし妹(いも)を相見(あいみ)に出でてそ我(あ)が来し
大伴家持(おおとものやかもち)巻八の一六一九
あらたまの月立つまでに来(き)まさねば夢(いめ)にし見つつ思ひそ我(あ)がせし
大伴坂上郎女(さかのうえのいらつめ)巻八の一六二〇
オーバーな表現を楽しむ ロールプレイングゲーム 古代の日本人は積極的
妻 大伴坂上大嬢(だいじょう)⇨夫 大伴家持
我が業(なり)なる早稲田の穂立(ほたち)作りたる縵(かずら)そ見つつ偲(しの)はせ我が背
大伴坂上大嬢巻八の一六二四 私が正業(せいぎょう)として作った
これはね、私が蒔いて育てた、早稲田の稲穂よ。私が作った、縵を見ながら
私のことを思い出してちょうだいよ
我妹子(わぎもこ)が業(なり)と作れる秋の田の早稲穂(わさほ)の縵(かずら)見れど飽かぬかも
大伴家持巻八の一六二五
いとしいあなた様が、それはもうご本職として作った、秋の田の、早稲穂の縵は…
それは、もう、見ても見ても見飽きることなんかありませんよ。
自分のこととして解釈できるかに歌の解釈はかかっている
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