2026年10月24日土曜日

多田美波&磯崎新&「漸寒(ややさむ)」&兼題「太刀魚」

秋の声弄璋弄瓦(ろうしょうろうが)おめでたき

芋と指もろとも刃(やいば)したたる血

いかんぜよ矮子の看戯(わいしのかんぎ)秋黴雨(ついり)

人生に嘘をつかない秋の空

作品に現れる嘘秋乾き

 

■多田美波の言葉

私の場合は宇宙とか星とか光に憧れていました

でも自分でそれを究明する力はないし夢でしかない

手が届かないものならせめて

私の心とつながりあって自分しかできないものをつくりたい

「明日の友」1990年7月号

 

■日本建築の皇帝 磯崎新の言葉

「街々は消失した かつてある形態をもったとしても次の瞬間には

 もう見当たらない 都市は消えて焼土だけがあった」

磯崎新著「空間へ」

 

「端部のすべての線はホールの一隅に焦点を結んでいる、

ホールに立つと、その線が逆透視図法的な効果をみせ、

相称的で正面性を持った立方体の枠のなかに、ねじれながら

押し出してくるような白い量塊を見ることになる、

錯視が生まれるような壇である」

「新建築」1975年1月号

 

新美の巨人たち

立方体を組み合わせた不思議な姿

建築の歴史を変えた群馬県立近代美術館にスポットが当てられました

❝日本建築の皇帝❞磯崎新の初期の傑作

壮大な構想ゆえに実際に建てられることのなかった数々の磯崎“作品”の紹介

❝世界文化史の巨人❞とまで賞賛された建築家の真実に迫っていました

磯崎新の思想は生々しく今なお息づいています

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「漸寒(ややさむ)」

 

漸寒と書いてややさむと読む、

知らないと読みにくい季語かもしれないですね。

秋になってようやく感じ始める寒さを意味する

季語になっているんですけれども 秋の寒さにまつわる季語って

実は他にもたくさんあるんですねえ 

「秋冷」と書いて「しゅうれい」だとか

「うそ寒」「そぞろ寒」とか 

いろんな寒さの表現はあるんですけれども

「漸寒」ならではの味わいというものを表現するのは

なかなか詠み分けると難しいものなのかなあと思っています

例えば高浜虚子の例句として収録されているものには

「やや寒や日のあるうちに帰るべし」

なんていう句があったりします

本格的な寒さではないぐらいの寒さの感じ

自分だったらどんな風に表現しようか詠み分けようか

ちょっと俳人としてファイティングな気持ちになる

季語かもしれませんね

 

■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場

兼題「太刀魚」(秋の季語)

傍題 たちのうお たち など

 

ギュッと!特選

太刀魚や神は柱と数ふらし   柚木みゆき

選句ポイント 太刀魚らしさ

「太刀魚や」の力強い詠嘆と「数ふらし」の伝聞形の流し方、

ふたつの工夫によって季語を際立てているのも配慮が行き届いてお見事。

 

放送された句

ググッと引く 水面のわたしは 太刀魚なり   オリーブ

佳作 太刀魚やハリス6号格闘す   水晶文旦

秀作 太刀魚のリールを伝う青さかな   はちきん芋

太刀魚やギンギラギンにさりげなく   木槿

秀作 トロ箱小さしぺろんと太刀魚の頭   森野みつき

佳作 太刀魚の頭押さえて見るレシピ   馬越あずき

秀作 太刀魚の全長ほどの嘘足して   椋本望生

太刀魚よ骨の在処(ありか)は知ってるぞ   久太郎

佳作 噛み締めて太刀魚巻のほどけゆく   河野縁結

 

秀作への道「どっちの意味?」

なないろの輝き太刀魚は知らず   星乃瞳

推敲⇩

太刀魚は知らず己(おのれ)のなないろを

 

募集中「冬の朝」冬の季語

次の兼題「クリスマス」冬の季語

 

参照 https://www.nhk.or.jp/matsuyama/info/articles/310/069/00/

 


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