2021年1月15日金曜日

令和の新星 藤井あかり

陰影とともに暮らさん飛脚伸ぶ
御神渡(おみわたり)今日の正義は明日の悪
寒の雨吾を見失なひ流されて
冬深し騒ぐことなく刻(とき)を編む
寒がはり表裏一体湿りがち

NHK俳句 より
兼題「春待つ」 選者 小澤實先生

令和の新星のゲストは藤井あかりさんでした。
藤井あかりさんの俳句の特徴は「心を写生する」!

小澤實先生の好きな句は
冬河原独りになりに来てふたり   藤井あかり

小澤實先生は藤井あかりさんを「内面陰影派」と命名!

番組中に照会された藤井あかりさんの俳句!
羽もなく鰭(ひれ)もなく春を待つてをり
(結婚時に詠まれた俳句)
君に会ふまで竜胆は暗き花
(妊娠中に詠まれた俳句)
消灯ののちの小さき春灯
(出産後の詠まれた俳句)
君にとっての雪が私の詩

今週私の好きだった句!
鉛筆をげんこつ握り春待つ子 福岡県福岡市 室川羊子
来ないかもしれない春を待ちにけり 神奈川県横浜市 三玉一郎
春を待つダージリンの葉湯にほどけ 東京都 北條由美子

塩川亮さん(画家)からのメッセージ!
私にとっての写実画とは、ただ見た目を
そっくりに描くことではありません。
今を生きる私自身と対象物との間にある、
描かずにはいられない切実な思いが
写実現実へと向かわせ作品が生まれたのです。
「心を写生する」と言う藤井さんの言葉は
私の制作姿勢に繋がるものです。
他分野での作家同士の接点が
生まれたことを本当にありがたく思います。

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