2020年10月12日月曜日

ギュッと!四国「秋祭」

父は笑み 日々揉み眺む 吊し柿
紅葉散る 自然とともに 生き行かん
傾斜地に 積まれた石や 秋陽射し
幼児番組 名人芸で 秋極む
供えをる 賽銭箱に どんぐりを

ギュッと!四国
夏井いつきの四季めぐり より 
兼題「秋祭」

選句のポイントは焦点を一つに絞るでした。

ギュッと!特選
猿熊鳥(さるくまとり)山に集ひて秋祭   じゃすみん
(生きとし生けるもの皆、秋の実りに感謝する
 「秋祭」には豊作を見守って下さった
 田の神様が山へ帰っていく日。)

入選
山頂は餅投げ始(はじ)む秋祭り   ねじり花 
(「始(はじ)む」は他動詞なので「投げ始(はじ)む」と
  複合動詞で読んだほうが、現場の勢いがでます。
 「餅」は冬の季語ですが、この場合は、
  秋の豊作の感謝を捧げる「餅」。主たる季語は「秋祭り」。)

秋祭鯛選(よ)る浜のさんざめき   藍月 
(「鯛」のみでは季語になりません。
 「鯛」の華やかさ、めでたさが、季語「秋祭」を言祝ぎます。
  さらに後半の「浜のさんざめき」で
  海辺の町全体の喜びも伝わります。
  時間軸を前日、そして翌日と広げて
  句材を探す視点もあってよろしいか…。)

石臼のゴリゴリゴリと秋祭り   ツユマメ末っ子@8歳
(「ゴリゴリゴリ」という当たり前のオノマトペを
 「秋祭り」という季語が心躍る音に変えていくかのよう。
 「石臼」と季語「秋祭り」と取り合わせると、
  喜びと感謝が溢れてくる。これが季語の力!)

はじめの一歩!
神輿には旧(ふる)き町の名秋祭   キートスばんじょうし
太刀(たち)は灯(ひ)を黄金(こがね)と返し秋祭   一港
(山車や神輿、お練りや舞いの動きなど細部の一点を描写する。)

秋祭水の都に「ヨイトサー」   あみま
秋祭チキテキトンと御練(おね)りかな   おぼろ月
(かけ声や、現場の「音」に注目してみるのも一手。
 それぞれ勢いとテンポが違っていて面白い。)

この番組は本当に勉強になります。
NHKさん!ありがとうございます!
https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/437175.html

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