2020年10月10日土曜日

打水や萩より落ちし子かまきり   高野素十

すがる虫 成果以外に 興味なし
間引菜が 今朝のメインと なりにけり
落花生 息吹きかけて 頬張らん
青き空 鳥と競わん 富有柿
芒散る 排気音にも 小刻みに

夏井いつき俳句チャンネル より

「季重なり」②前編

打水や萩より落ちし子かまきり   高野素十

この句はどの項目に分類すべきか?
打水は三夏 萩は初秋 子かまきりは仲夏(蟷螂生まるの傍題)
「や」で強調されているので「打水」と答える人が多いとか…。
「より」は動作・作用・時間的・空間的起点を表現する付属語(助詞)。
「子かまきり」は最後の視点。
「し」をどう読み解くか?が鍵。

「季重なり」③後編 
主たる季語は?細部まで見てみよう!
「し」を変えてみる

◦落つる 「落つ」と言う助詞の連体形
 今まさに落ちています。ナウ!
◦落ちて 「落ち」と言う連用形に「て」と言う助詞がついた
 落ちました。と言う過去形。
◦落ちし 「し」は過去の助動詞
 落ちたその後の状態。

近年「し」の捉え方に幅が生まれてきています。
「や」「より」「し」付属語のニュアンスを読み解いて
解釈鑑賞にたどり着かないと解らなくなってしまいます。

素十が打水をした結果、最後の目線が子かまきりだった。
素十は目に映ったそのままを述べた結果、
最後、子かまきりに目が行ったのでは?
打水「に」のニュアンスで読むとそうなる。

歳時記にはこの句は打水の例句として掲載されています。

「し」の解釈により捉え方が変わってくるとか…。
いやぁ~。ここまで17文字を読み解かれるとは…。
Unbelievable!でした。

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