2020年10月31日土曜日

アンと言う名の病の子

身にしむや アンと言う名の 病の子
空高し 平気で嘘を 創るアン
妄想と 嘘とは違う 秋の水
秋寒や 言われたことは うわの空
肌寒し 責任感の なき少女

Twiterでアンちゃんのことを呟いたら
「アンと言う名の少女」で主役を演じている
Sandy ~ #renewannewithane から、いいねを
2020年10月13日に貰っちゃいました。

「フランケンシュタインの誘惑 科学史闇の事件簿」より

1945年第二次世界大戦が終結したこの年
第20回物理学賞を受賞し
ノーベル賞の記念晩餐会に招待された
アルベルト・アインシュタインは
スピーチでこう語りました。

「ノーベルはかつてないほど強力な爆薬を
 発明し破滅への扉を開きました。
 同様に史上最悪の兵器製造に参加した
 現在の科学者も罪悪感と責任感に悩まされています。
 科学者は常にノーベルと同じ苦境に立たされているのです。」

宗教団体がその昔、大事件を引き起こしました。
信者だった科学者は何を考えていたのでしょうか?
今も苦しんでいる人がいます。
お気の毒でお慰めする言葉すら思いうかびません。

2020年10月30日金曜日

神田日勝の人生とは?

無季句
絶筆は 未完の馬と なりにけり
日勝や 青赤黄色 仕込みをり
新聞の 前に座りて 自画像とす
北の地で 農民として 生きた画家
日勝を 想い続けた 妻(ミサ子)は生く

10月24日から詠んだ神田日勝への俳句!
最終章となりました。
私なりに心を込めて詠みました。
神田日勝の人生とは…?

ウィンストン・チャーチル 曰く
「成功とは
 失敗を重ねても、
 やる気を失わないでいられる
 才能である。」

ジャン=ジャック・ルソー 曰く
「人生は短い。
 わずかな時しか生きられないからというよりも、
 そのわずかな時のあいだにも、
 私たちは人生を楽しむ時を
 ほとんど持たないからだ。」

2020年10月29日木曜日

経験と一日

秋の夢 原色使ひて レアリズム
秋の夜 妻(ミサ子)に履かせて 描く皺
北の秋 いのち刻んで 描いた日々
晩秋や 北の大地の 筆遣い
見える色 見えぬ色あり 仕込む秋

孫正義 曰く
「うまくいかなくても、やったことは全部、
 将来の自分のプラスになります。」

ご指摘の通りですよね…。
一生懸命にやった事は
後々の人生の糧になっています。

北杜夫 曰く
「一日のためなら、
 一生など棒に振ってもいい。」

その通りだと思います。
一日を懸命に暮らすことほど
大変な事はないと思います。
それがやれる人ならば、
素晴らしい人生は約束されていると…。

2020年10月28日水曜日

旧仮名遣い

空高し カーニバルめく 命かな 
ほとばしる 命描かん 夜長かな
秋の画や こてで掬って 投げつけて   
星月夜 絵とは何かと 問うた日々
秋時雨 死馬牽く馬に 見つめられ

俳句さく咲く!より
素敵な俳句が紹介されていたので記しておくことに…。

打鍾鳴る競輪場や天高し   櫻井紗季
見晴らしの良き畦道や暮れの秋   塚地武雅

切れ字(や、かな、けり) けりは連用形に接続する!

赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり   正岡子規
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり   飯田蛇笏

風強し抗如く海螺(ばい)廻し   櫻井紗季
⇩櫂未知子先生添削
烈風に抗如く海螺廻し

烏二羽戯れを背に海螺(ばい)廻し   田中要次
⇩櫂未知子先生添削
烏には烏の遊び海螺廻し

かはたれに寄り添猫や冬隣   田中要次
⇩かはたれとは明け方のことと番組では説明されていましたが
 明け方、または夕方の薄暗い時分のことみたいです。
 櫂未知子先生添削
かはたれに寄り添猫や冬隣

晩鐘や拾ひし栗の数多(あまた)なる   三重県四日市市 藤田勝民
栗剥けば車窓の二人夫婦めく   東京都三鷹市 河添美羽

今回は好きな俳句がいっぱいありました。
勉強させてもらいます。

2020年10月27日火曜日

加藤茶さんの言葉

秋の夜 投げる絵具や ナイフ音
北の地で 交わす言葉や おけら鳴く
生きる為だけの労働 草の花   
温かき 命感じる 赤蜻蛉
肌触り 毛並み感じる 秋の牛

ザ・インタビュー~トップランナーの肖像~より
ゲストは加藤茶さんでした!

色紙に書かれた言葉は「一笑一若」
一回笑うと一歳若くなるという意味だそうです。
加藤茶さんの為人を知り大好きになりました。
全ての事象をPositiveに捉えておられました。
年の離れた奥さまとの生活もEnjoyされているようです。
お幸せに…。

2020年10月26日月曜日

絶滅寸前季語

心理的 自画像遺す 秋の夜
五十年前の絵具や 星月夜
秋の土 生きる力を 得るために
飾らずに 生きた日勝 秋の虹
秋の地で 音に魅せられ 描いた日々

夏井いつきの俳句チャンネル より
一番好きな季語は?

多くを詠んでいるのは「雪月花」と夏井いつき先生。
家藤正人さんの使い勝手の良い季語は「雨」。
確かに私も一時「雨」に頼ったことが…。

季語は「時候」「天文」「地理」「人事生活」
「動物」「植物」に分類されています。

夏井いつき先生は「絶滅寸前季語」に
興味をひかれたそうです。謎の魅力なのだとか…。

絶滅寸前季語の中には「ぎぎ、ぐぐ」「いとこ汁」
「紙帳(しちょう)(紙の蚊帳版)」があるそうです。

いとこ汁って現在も料理としてあるのですが…。
私の知っている「いとこ汁」とは違うのでしょうか?
冬になるとよく作っているのですが…。

2020年10月25日日曜日

秋の電車で一句

秋の日や 足跡語る 日勝の妻
原色で 描く日勝 秋日和
書きかけの 馬の毛並みや 流れ星
秋の野に 遺した馬は 未完成
遺された 馬の目から 秋の声

プレバト纏め 2020年10月22日
秋の電車で一句

永世名人 富美男のお手本
梅沢富美男
芒散る雀色時つく列車
⇩(素材は良いのに語順が勿体ない。)
雀色時を列車や芒散る

特待生昇格試験
皆藤愛子
終電を待つ二の腕に蚊の名残
(季語「蚊の名残」は「秋の蚊」の傍題。
 難しい季語が上手に浮き上がらないよう、
 「終」「待つ」を入れたことで一句が調和している。)

1位 レイザーラモンRG
寝見過ごす野山の錦にまず詫びろ
(特殊なケース。下五が強烈な言葉だけに、
 残りも強烈な言葉を並べ、
 言葉のバランス感覚に富んでいる。)

2位 市川猿之助
蚯蚓鳴く駅舎に止まる母の車
⇩(季語「蚯蚓鳴く」は秋の夜に土中から
  ジージー聞こえることで、蚯蚓が鳴いてるかのような
  空想の季語で、静けさを表現している。)
蚯蚓鳴く母の車の待つ駅舎

3位 磯村勇斗
恋紅葉眠るあなたへ辿り着く
⇩(ムードだけの句。ストーカーか変態の句。
  「君」は詩歌の世界では恋人を意味する。)
窓紅葉電車に眠る君見つむ

4位 鷲見玲奈
朝寒もコートつり革両手持ち
⇩(「朝寒」は晩秋、「コート」は冬の季語。
  季重なりが絶対ダメではないが、基本的には
  季語1つから練習した方が良い。)
左手につり革右手にはコート

5位 白川裕二郎
秋風がひやり染み入る冬近し
⇩(「冬近し」は「秋」で重なっている。
  「冬近き風」の7音で17音使ったことが言える。)
冬近き風や公園なお中止

市川猿之助さんが惜しかった…。
こんなに素敵な題材だったのに…。
次回に期待…。
梅沢富美男名人が使われた「雀時色」に、
魅了されました。
添削後の句!勉強になりました。素晴らしい!

2020年10月24日土曜日

習い事はサドマゾ関係

水に浮く 油のごとく 秋麗
騙された 人が悪いの? 秋霞
カラフルな 絵具こぼれて 秋描く
色重ね 秋の風描く 日勝かな
秋の地で 描くことは 排泄行為

100分de名著 今月は谷崎潤一郎です。

「春琴抄」の回でゲスト講師の
島田雅彦氏の一言に長年の疑問が解決しました。

私は知りたい欲は人一倍強いのに
なぜか人に教えてもらうことが苦手だったのです。
歳を重ねるごとそれが強くなってきていました。

その一言とは…。
「元々、習い事と言うのは潜在的に
 サドマゾ関係が含まれています。」

私はサドマゾ要素を微塵も持っていなかったようです。
私はプライドが強いのかしら?なんて
方向違いの悩みは一気に払拭されました。

それと、色の欲も…。
なので谷崎潤一郎の作品は
変態小説にしか思えなかったのです。
気分が悪くなってきていたんです。

島田雅彦さんの一言で解決したのでした。

2020年10月23日金曜日

東山魁夷の言葉

晩秋や 日々大切に 丁寧に
残る虫 不快にさせる 笑顔あり
ロジハラで 罵り合わん 秋の国会 
ロジハラを 遣う議員や 風の色
ロジハラを ご存知ですか 鳥威し

東山魁夷 曰く
「絵を上手に描こうとも思わないんです。
 心がこもるか、こもらないか、
 それが問題だと思うんです。」

これは全ての芸術に、否
人生に言えることではないでしょうか?
遺された人生!心を込めて生きて行けたならと…。
誠実に生きて行こうと思っています。

「緑響く」の舞台は
蓼科高原 御射鹿池(みしゃかいけ)だったとか…。
何と幻想的な景色でしょう…。 いつの日か行かなくてはと…。

2020年10月22日木曜日

変と恋

爽やかや 縁起に生きた 結果あり
冬隣り 諸行無常を 振り返り
冬近し 生きることに 意味はなし
勝ち負けは 吾の中にあり 残る菊
残菊や 捨てた枝から 新芽ゐず

NHK短歌 より

ゲストの松井玲奈さんの言葉から
題「変」で「恋」を詠んだらと言うことで
寺井龍哉先生が短歌に…。

変な顔
変なしぐさと
見るこころ
秋になるころ
恋に変はりぬ   寺井龍哉

素敵なので書き留めておきます。

2020年10月21日水曜日

衣被生き方はもう変へられぬ 長谷川せつ子

秋深む 話断ち切る 人のをり
陽射し受く 玄関前の 鵙(もず)の贄(にえ)  
結婚も 離婚も印なし 秋麗
忘れたい 忘れたくない 蚯蚓鳴く
水滴や 川の流れへ 爽気(そうき)かな

夏井いつき俳句チャンネル より

物が捨てられない人へ名句で応える人生相談

衣被(きぬかつぎ)生き方はもう変へられぬ   長谷川せつ子

長谷川せつ子は大正7年8月25日神奈川に生まれる。
少女の頃、俳句と出会い生涯俳句に親しんでいる。

私も最近ため込んでいます。
早く断捨離したいのですが…。
時間がなくてなかなかできません。

2020年10月20日火曜日

兼題「新酒」

菊薫る 思考停止に 施無畏印(せむいいん)  
悠久の 一瞬を生く 冬隣
台風が それてめでたし 糒(ほしい)かな
藍色の トロッコ出発 台風過
旨すぎる お腹ぽっこり 栗おこわ 

NHK俳句 より
兼題「新酒」

又の名を海賊料理新走(あらはしり)   西村和子

ゲストは浅井慎平氏でした。

寂しいぞ放哉海も暮れ切って   浅井慎平
(この句は詠史!詠史とは歴史を詠むこと。
 与謝蕪村、高浜虚子が得意としていたとか…。)

今回、私の好きだった句は…。

新酒一舐め薀蓄人齣(ひとくさり)   福岡県大野城市 佐竹白吟

集ふこと叶わぬ年の新酒かな   兵庫県尼崎市 佐藤一夫

新酒酌む沖の漁火窓に置き   福島県いわき市 中田昇

佐藤一夫さんの句は浅井慎平氏、
西村和子先生も特選にあげておられました。(嬉々!)

兼題とは前もって出されているお題、宿題のようなもの。
席題とは句会の席場で出されるお題。瞬発力、集中力が問われる。

浅井慎平氏は俳句が浮かばない時は、
有名俳人になり切られるのだそうです。
それを聞いた西村和子先生は創造力を逞しくし、
どなたかの視点を借りるのは良いと絶賛!

振り向けば青き山河や新酒酌む   風太(浅井慎平さんの俳号)
ちなみに風天は渥美清さん。二人で活動されていたそうです。

新酒酌む東京の陽の早や暮れて
(芥川龍之介になり切り浅井慎平氏が詠まれた俳句。)

新酒酌む白磁の杯に紅残し
(久保田万太郎になり切り浅井慎平氏が詠まれた俳句。)

滑舌のことによき日や新酒酌む
(渥美清さんになり切り岸本葉子さんが詠まれた俳句。)

加筆一行叶はば酒はあらばしり
(清少納言になり切り西村和子先生が詠まれた俳句。)

西村和子先生が選ばれる俳句に魅力を感じます。
今回も素敵な句に魅了されました。

2020年10月19日月曜日

岡本太郎とアルドス・ハックスレーの言葉

不揃いの 葉とらず林檎 とき色の
名も知らぬ 多き文具よ 金木犀
亡父には 笑顔と新酒 ひとくさり
優しさは 矛盾の中で 紅葉散る
冬波や 心なくして 熟す日々

岡本太郎 曰く

「自分らしくある必要はない。
 むしろ『人間らしく』生きる道を考えて欲しい。」

アルドス・ハックスレー 曰く

「経験とは起きた事柄ではなく、
 それに対してあなたがしたことを指す。」

2020年10月18日日曜日

文豪と社交ダンス

飛び石に 足を取られて 紅葉かな
黄昏を 忙しく生きん 冬隣
亡くなった 人との時間 色葉散る
好きだった 人と過ごした 秋暮れる
ずっしりと 構えて待たん 暮の秋

馬込文学マラソン ダンス人間模様
https://designroomrune.com/magome/daypage/11/1126.html

Jさんちの舞踏会
https://ameblo.jp/danhis/entry-12121342240.html

踊る文豪~秋聲とダンス!
https://www.kanazawa-museum.jp/shusei/exhibit/exhibition_past42.html

文豪の社交ダンスとの関わりを知ることができました。
社会に社交ダンスは寛容に受け入れて貰っていません。
コロナ禍では、完全にシャットアウトされているような…。
社交ダンスは職業としては成り立たない状況になりつつあります。
このままでは副業でも持たない限り生活できないのでは…?
社交ダンスほど人生を快適に過ごすアイテムはないのに…。
残念でなりません。

室生犀星『青い猿』(春陽堂版より)
「ダンスといふものは行儀の正しいものよ、
 だから安心してできるのよ、
 ダンスをするのを堕落してゐるようにいふ人なんか、 
 何も知らない人なのよ。」


2020年10月17日土曜日

トランプで一句

天高し 今日と言う日は 今日限り
釣り合わず 計り傾き 秋意かな
秋の田や 隠れて焚火 けむり立ち
花鶏(あとり)来る 浮足立ちて 木から木へ
すまし顔 媚びない姿勢 花鶏かな

プレバト纏め 2020年10月15日
トランプで一句

特待生昇格試験
中田喜子
虫の闇ジョーカーの影動きをり
(季語を活かす配慮!)

河合郁人
夜更かしの林檎や祖母と七並べ
⇩(季語が主役になっていない。 
  語順が良くない。七並べでなくても良い。)
おばあちゃんとトランプ夜更かしの林檎

1位 向井慧
秋あわれ手札のJ不愛想
(「手札」で「ジャック」と読ませるのは
  読み手とのキャッチボールとなる。)

2位 橋本良亮
合宿の夜長やババ抜き三連敗
(句またがりを使っている。合宿は経済効率が良い。)

3位 上田彩瑛
台風の羽田ババ抜き百回戦
(季語が活きている。
 「の」の助詞で地名に繋ぎ、場所・状況・人が見えてくる。)

4位 福田麻貴
稲妻や揺るる手札に鬼一つ
⇩(「揺るる」は不要。揺れる心や祈る思いを入れる。)
稲妻の卓や手札に鬼一つ

5位 本田望結
稲光ババ引いたパパハハの笑み
⇩(母の笑みをフォーカスすべきだった。
    「ハハ」はいかがなものか?)  
稲光ジョーカー引かせた母の笑み

向井慧さんの俳句!大好きです。
彼の俳句のファンです。
どうして認められなかったのか不思議でなりません。
今回、遂に特待生になられましたが…。
遅すぎた気がしてなりません。
頑張れ!向井慧さん!

2020年10月16日金曜日

M・ストリープの言葉

青空へ 小鳥さえずり 追いかけん
絶望を 希望に変えん 秋麗
すぐわかる そうでないもの 歌女鳴く
同じことが できる幸せ 秋の空
苦を楽に してくれた人 星月夜

M.ストープス 曰く

「十六歳で美しいのは自慢にはならない。
 でも六十歳で美しければ、それは魂の美しさだ。」

2020年10月15日木曜日

マルクス・アウレリウスの言葉

半開の 窓より入る 秋の風
たおやかに 稲穂は風に 身を任せ
頬張った ご飯こぼして 秋渇き
菊月や 意味慎重で 麗しく 
端正で 貫禄のある 紅葉の賀

マルクス・アウレリウス 曰く
「怒りの結果は、
 怒りの原因よりはるかに重大である。」

2020年10月14日水曜日

アルフレッド・スローンの言葉

落花生 湯気立ちあがり 笑みと笑み
霧晴れて 葡萄紅葉の 匂い立つ
信濃柿 小さき体に 渋宿し
銀杏や 落ちて臭気を 放ちけり
渋柿や 皮むく父は 背中ごし

アルフレッド・スローン 曰く

「51%の確率で正しいことをしていれば
 やがてヒーローになれる。」

2020年10月13日火曜日

スポーツを詠む

「寒いね」と また抱きあい うすら寒
染むる秋 島に残さん 涅(くり)色を
行く秋や 痛みのわかる 人であれ
休耕地 リズム刻まん 蕎麦の花
晩秋よ 早くコロナが 過去形に

NHK俳句 より
こころを詠む 
今回はスポーツを詠むでした!
ゲストは松田丈志さん!

コンマゼロ泳ぎて愛となるゴール   対馬康子

熱狂と無音を行き来バタフライ   松田丈志

熱狂と無音を行くやバタフライ   対馬康子添削

金秋や火の無き聖火台の熱   武井壮

兼題は「十月」でしたが…。
今回はお気に入りの俳句がありませんでした。

2020年10月12日月曜日

ギュッと!四国「秋祭」

父は笑み 日々揉み眺む 吊し柿
紅葉散る 自然とともに 生き行かん
傾斜地に 積まれた石や 秋陽射し
幼児番組 名人芸で 秋極む
供えをる 賽銭箱に どんぐりを

ギュッと!四国
夏井いつきの四季めぐり より 
兼題「秋祭」

選句のポイントは焦点を一つに絞るでした。

ギュッと!特選
猿熊鳥(さるくまとり)山に集ひて秋祭   じゃすみん
(生きとし生けるもの皆、秋の実りに感謝する
 「秋祭」には豊作を見守って下さった
 田の神様が山へ帰っていく日。)

入選
山頂は餅投げ始(はじ)む秋祭り   ねじり花 
(「始(はじ)む」は他動詞なので「投げ始(はじ)む」と
  複合動詞で読んだほうが、現場の勢いがでます。
 「餅」は冬の季語ですが、この場合は、
  秋の豊作の感謝を捧げる「餅」。主たる季語は「秋祭り」。)

秋祭鯛選(よ)る浜のさんざめき   藍月 
(「鯛」のみでは季語になりません。
 「鯛」の華やかさ、めでたさが、季語「秋祭」を言祝ぎます。
  さらに後半の「浜のさんざめき」で
  海辺の町全体の喜びも伝わります。
  時間軸を前日、そして翌日と広げて
  句材を探す視点もあってよろしいか…。)

石臼のゴリゴリゴリと秋祭り   ツユマメ末っ子@8歳
(「ゴリゴリゴリ」という当たり前のオノマトペを
 「秋祭り」という季語が心躍る音に変えていくかのよう。
 「石臼」と季語「秋祭り」と取り合わせると、
  喜びと感謝が溢れてくる。これが季語の力!)

はじめの一歩!
神輿には旧(ふる)き町の名秋祭   キートスばんじょうし
太刀(たち)は灯(ひ)を黄金(こがね)と返し秋祭   一港
(山車や神輿、お練りや舞いの動きなど細部の一点を描写する。)

秋祭水の都に「ヨイトサー」   あみま
秋祭チキテキトンと御練(おね)りかな   おぼろ月
(かけ声や、現場の「音」に注目してみるのも一手。
 それぞれ勢いとテンポが違っていて面白い。)

この番組は本当に勉強になります。
NHKさん!ありがとうございます!
https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/437175.html

2020年10月11日日曜日

野外彫刻展

「 第58回 徳島彫刻集団 野外彫刻展」へ行ってきました。
新型コロナウイルスで今年は開催されないのでは?と
開催できないのでは?と心配していたのですが…。
開催され良かったです。

「土のつみきはまあるいよ」サトー キミエ
今年は徳島中央公園 鷲の門をくぐった場所に設置されていました。

「無常」成田 浩彰氏と「翔」三原 博志氏の作品が
異彩を放っていました。
素晴らしかった!

芸術の秋に乾杯!

































令和の新星 鶴岡香苗さん

柿紅葉 一枚置かん 饅頭の
新豆腐 塩で味わう 夕べかな
柚味噌や 調理いろいろ 食べ比べ
秋の暮 やればやるほど 知る弱さ
赤蕎麦や 風と語らう 休耕地

NHK俳句 令和の新星より
今回のゲストは鶴岡香苗さんでした!

始めて作った句は
白つつじ 嘘をつく瞳を 映しさう   鶴岡香苗

開眼の一句は
人と会ふ つもりなき日の 素足かな   片岡由美子
(季語の大切さに目覚めた句だそうです。)

小澤實先生のお好きな句は
風邪ひけば 二十まぶたに なる子かな   鶴岡香苗

鶴岡香苗さんは有季定型を信じて進んでいきたいそうです。
鶴岡香苗さんはお嬢様のことを詠んだ句が多いので
小澤實先生は「育児集中派」と命名されました。
3歳から俳句を詠んでいるお嬢様の紗帆さんの
お気に入りの句は
友達の紫色のヒアシンス
だそうです。

今週、目に留まった句は
フライングに ピストル連射 体育祭   東京都杉並区 根岸哲也
空へ投げ 勝利のバトン 運動会   東京都 萩原一志

推敲された跡がはっきり見える句でした。
私も推敲しなくてはと、また、反省したのでした。

2020年10月10日土曜日

打水や萩より落ちし子かまきり   高野素十

すがる虫 成果以外に 興味なし
間引菜が 今朝のメインと なりにけり
落花生 息吹きかけて 頬張らん
青き空 鳥と競わん 富有柿
芒散る 排気音にも 小刻みに

夏井いつき俳句チャンネル より

「季重なり」②前編

打水や萩より落ちし子かまきり   高野素十

この句はどの項目に分類すべきか?
打水は三夏 萩は初秋 子かまきりは仲夏(蟷螂生まるの傍題)
「や」で強調されているので「打水」と答える人が多いとか…。
「より」は動作・作用・時間的・空間的起点を表現する付属語(助詞)。
「子かまきり」は最後の視点。
「し」をどう読み解くか?が鍵。

「季重なり」③後編 
主たる季語は?細部まで見てみよう!
「し」を変えてみる

◦落つる 「落つ」と言う助詞の連体形
 今まさに落ちています。ナウ!
◦落ちて 「落ち」と言う連用形に「て」と言う助詞がついた
 落ちました。と言う過去形。
◦落ちし 「し」は過去の助動詞
 落ちたその後の状態。

近年「し」の捉え方に幅が生まれてきています。
「や」「より」「し」付属語のニュアンスを読み解いて
解釈鑑賞にたどり着かないと解らなくなってしまいます。

素十が打水をした結果、最後の目線が子かまきりだった。
素十は目に映ったそのままを述べた結果、
最後、子かまきりに目が行ったのでは?
打水「に」のニュアンスで読むとそうなる。

歳時記にはこの句は打水の例句として掲載されています。

「し」の解釈により捉え方が変わってくるとか…。
いやぁ~。ここまで17文字を読み解かれるとは…。
Unbelievable!でした。

2020年10月9日金曜日

ネルソン・マンデラの言葉

はらはらと 葡萄紅葉が 還りけり
行く秋や 善と言う名の 仮面付け
冷(すさ)まじや 純粋過ぎて 不器用で
融合と 分裂を成し 秋深む
ときめく日 そうでない日や 色葉散る

ネルソン・マンデラ 曰く
「生まれたときから、
 肌の色や育ち、
 宗教で他人を憎む人などいない。
 人は憎むことを学ぶのだ。
 もし憎しみを学べるのなら、
 愛を教えることもできる。」

2020年10月8日木曜日

ピタゴラスの言葉

悪口と 事実を混同 そぞろ寒
穴惑ひ 低きレベルの 戦かな
手触りは 天鵞絨(びろうど)のごと 黒葡萄
種なしの 葡萄の芯に 酸味あり
手が伸びる 黒き葡萄で 爪を染め

ピタゴラス 曰く 
「自制することの出来ない者を
 自由の人と呼ぶことはできない。」

2020年10月7日水曜日

映画「オリエント急行殺人事件」より

秋の空 競り合うつがい 諒(りょう)とせり
残る秋 小菜葱(こなぎ)が花を 咲かせをり
フレイルよ 不法侵入 お断り(無季句) 
愛の羽根 異を唱えない 人多数
(2020年)菊花展 中止の報せ 受け取らん

映画「オリエント急行殺人事件」より

「砕け散った魂のかけら。
 損なわれた多くの人生。
 強い痛みや怒り。
 それが深い悲しみと言う動向に変化して
 一つの事件が多くの事件を生みました。
 私は信じたい。
 人間は理性や教養がある生き物だと。
 私と言う存在の拠り所は、そうした人間への希望、
 秩序、筋道と小さな灰色の脳細胞にあります。
 しかし、今はその拠り所を忘れ
 耳を傾けるべきでしょう。
 自分の心の声に…。」

ケネス・ブラナー氏の迫真の演技でした。
なのに…。
吹き替えの人の活舌が悪かったので聴き取り辛かったです。

2020年10月6日火曜日

サミュエル・バトラーの言葉

秋晴る 通じるものが あれば良い
秋景色 感じたままが 私です
生と死の 交錯いずこ 星月夜
生と死の 境わからず 秋麗
空高し くたばっちまい セパレーツ 

サミュエル・バトラー 曰く

「人生とは、人前でバイオリンを弾きながら、
 しだいに腕を上げてゆくようなものである。」

2020年10月5日月曜日

斎藤一人の言葉

秋深む 時間は記憶 果てしなく
冬近し 海へ海へと 探しけり
冬となり 太古の時間 巡りゆく
そぞろ寒 認められねば 海外で
柾(まさき)の実 愛は水玉 草間(彌生)かな

斎藤一人 曰く

「遠くを見すぎたり。
 自分と人を比較したり。
 それよりも、自分の足元を見て、
 少しでも前に進んでいくことです。」

2020年10月4日日曜日

字余りの名句

手を合わす 西方浄土 秋彼岸
古の 歌くちずさむ 柳散る
行く秋や 雲の形の 変わりゆく
秋深む 興味の失せる ことのなく
広き空 しおれてもなお 芒散る 

夏井いつき俳句チャンネル より
「字余り」名句から学ぶ 下五字余りの効果とは?

花衣ぬぐやまつはる紐いろ〱   杉田久女

みちのくの星入り氷柱(つらら)われに呉れよ   鷹羽狩行(たかはしゅぎょう)

みちのくの鮭は醜し吾もみちのく   山口青邨(せいそん)

それぞれに字余りの効果を狙っていたようです。
安易に字余りにしたのではないそうです。
いろ〱は数多でも良かったのにあえて字余りに…。
暮れよのよが無かったらロマンチックでなくなってしまっていた。
吾は「あ」とも「われ」とも読めます。
我だと強い肯定感。諦め感が出ます。
もっと言葉を大切に選択しないと…。

2020年10月3日土曜日

松尾芭蕉の五・七・五の革命

秋澄むや 瞳ふせても 眩しくて
縦の想い 横の想い 秋さびし
焼雲(ぎょううん)へ ドクターヘリの 急ぐ秋
お江戸では ミニマム愛す 秋気かな  
レンタルは 江戸の習わし 秋の色

英雄たちの選択 
「奥の細道」への道~松尾芭蕉の五・七・五の革命~

夏草や兵どもが夢の跡
閑さや岩にしみ入蟬の声
荒海や佐渡によこたふ天河(あまのがわ)

貞徳翁十二回忌追善俳諧で詠まれた連句
とし玉をいたう又々申し受け   蝉吟
師弟のむつみ長く久しき   芭蕉

古池や蛙飛び込む水のおと 

万葉集では
かはず鳴く神奈備川に影見えて今か咲くらむ山吹の花

俳諧は言葉遊びでした。だじゃれ=掛詞でした。
言葉遊びを文学にしたのが芭蕉です。

枯枝に烏のとまりたるや秋の暮   芭蕉の初期の秀逸句。

芭蕉は添削、削除も繰り返していたようです。

五月雨や年々降りて五百たび

五月雨の降のこしてや光堂

蛍火の昼は消えつつ柱かな⇨これは削除

奥の細道に出かける時の俳句
行春や鳥鳴き魚の目は涙   (重い)

夏草や兵どもが夢の跡   
(平泉で作句。宇宙の静けさにはじめて直面した句。)
雲の峰幾つ崩れて月の山   (月山で作句)
暑き日を海にいれたり最上川   (庄内平野で作句)
荒海や佐渡のよこたう天河   (佐渡を見ながらの作句)

長谷川櫂氏の言葉
「宇宙と言うのはさまざまに動いているようにみえるが
 実は何も変わらない姿を大昔から未来にわたって留めている。
 この世は全て変化しているようにみえるが
 実は何も変わらないと言うのがこの宇宙の実態で変化=不変である。」

蛤のふたみに別れ行秋ぞ   
(軽みの境地、到達点。)

一家(ひとつや)に遊女も寝たり萩と月   (これはフィクション)

佐藤勝明氏の言葉
「軽みとは深く考えて優しく語ること。
 高く悟りて俗に帰れ。」

秋深き隣は何をする人ぞ   (古典の痕跡を消している。)

ただごと句
日常茶飯事のことを詠んで満足する句の傾向。

旅と病んで夢は枯野をかけ廻る   
芭蕉死去元禄7年 享年51

長谷川櫂氏の言葉
「俳句とは意味慎重で優美である。心の世界を描いている。」

夏目漱石 曰く
「俳句はレトイックの煎じ詰めたもの。
 連想の世界を暗示するもの。」

磯田道史氏の言葉
「俳句は人々の共感性や創造力を開ける鍵。
 他者を思わなくては詠めない俳句と言うのは
 現代人にとって一つの修練。
 他者を思わないと生きて行けないのが現代かもしれません。」

番組最後に磯田道史こと南陽として一句詠まれました。
冬蜂の死骸ぬくもるテレビ箱   南陽

ゲストから辛口の批評にも笑っておられました。
磯田道史氏の懐の深さ広さに感じ入りました。

ライ麦パン大成功❣

ライ麦 50g
強力粉 250g
塩 6g
イースト菌 B1 2.1g
水 215㏄

2020年10月2日金曜日

長谷川町子女史の生涯

デルフトに 天才二人 秋麗
秋の夜 光とたわむ フェルメール
ポワンティエ 写真のごとく 秋の朝
賢者にも 愚者にもあらん 秋の声
興味ある 虫に認定 いぼむしり

知恵泉 新しい女の生き方 より

長谷川町子女史の生涯から紐解いていました。
番組の中で女史の俳句が紹介されていました。

子を負ふて嬶は下より竿でもぎ
柿三つ吊るした窓の夕日かな
雛棚にちょいと直りし子猫かな
陽炎や名も知らぬ蟲(むし)の白き飛ぶ

田河水泡 曰く
「町子さんには女性ならではの観察観があった。」

長谷川町子女史の言葉です。

「常に温かく誠実な女性があるとしたら 
 社会的にどんなに見ばえのしない存在であろうとも
 その人こそ世の中を善くする大きな原動力だと思います。」
婦人朝日 昭和26年6月号 

「ご主人や子どもの世話で一生送るなんて我慢できない。」
サザエさん「東京物語」より

「人には一人ひとりその人でなければならぬ仕事があります。
 そして、それは本当に大切な事だと思います。」
ニューエイジ 昭和26年12月号より

西原理恵子女史 曰く
「分かり合わなきゃ、愛し合わなきゃ…。
 結構辛いし苦しいです。
 適度な距離が必要!とにかく干渉しないこと!」

山田昌弘氏 曰く
「自分を大切にしてくれる存在が家族しかなくなった。
 家族ができない人が増えている。
 血がつながった家族でなくてもいい。
 自分を必要と思ってくれる瞬間を味わう。
 これが大切。」

仲秋の名月


2020年10月1日木曜日

エルバート・ハーバードの言葉

秋の晴 形見の衣 捨てられず
生まれくる 光を描かん 秋の夜
下ろされた ブラインドから 秋の空
ことごとく 対照的に 秋意かな
秋高し 見えないものを 追い求め

エルバート・ハーバード 曰く
「苦痛はすべての思想よりも深い。
 笑いはすべての苦痛よりも尊い。」