2026年9月20日日曜日

100分de名著 ハクスリー❝素晴らしい新世界❞①

オープンが待ちきれなくて秋晴る

秋の老いリュック背たろいチャリンコを

総量減価格増とは秋風

九月ゆえ?くせ毛益々好き勝手

草の香(こう)窓開け放し胸反らん

 

100de名著 

ハクスリー❝素晴らしい新世界❞①完璧な管理社会幸福か

堤未果 伊集院光 阿部みちこ

 

「一九八四」「華氏451度」と並んで

三代ディストピア小説にあげられることが多い

 

ジョージ・オーウェルの学生時代 フランス語の教師がハクスリー

「一九八四年」が出版された1949年 

作者オーウェルにハクスリーは感想を書き送った

今の現代の私たちにとってぞくぞくするほどリアル

 

「素晴らしい世界」基本情報(1932年出版)

作者 オルダス・ハクスリー(18941963 イギリス)

内容 世界戦争を経て統一国家が誕生 

科学技術により管理された未来社会を描く小説

 

第一次世界大戦のトラウマ 平和と安定が望まれた時代

産業革命のピーク 科学技術が発展 

「一九八四年」のような「監視」ではなく

科学で完璧に「管理」したらどうなるか

 

ハクスリーの家系は学者を多く輩出 兄や祖父は著名な生物学者

 

小説の時代設定 フォード紀元632年 After Ford 元年=西暦1908

1908年 フォード・モーター社 T型フォード発売

自動車の大量生産を実現

キリスト教の十字架の頭が削られてTの字❞に❝Oh my god❞⇨❝Oh my Ford

 

中央ロンドン 孵化・条件づけセンター

作業員のつなぎの服は白く、ゴム手袋は蒼白い死体色をしていた。

陽射しは凍りつき、死んでいて、幽霊のようだった。

ただ顕微鏡の黄色い鏡筒にあたった部分だけが豊かで生き生きとした

光らしさを感じさせた。

「さあ、ここが受精室だ!」所長がドアを開いて言った。

5つの階級に分けられます。

アルファ ベータ ガンマ デルタ エプシロン

支配階級はアルファとデータ 

労働者階級のガンマとデルタとエプシロン

数百万人の一卵性多胎児。

大量生産の原理がとうとう生物学に完全に応用されるのだ。

「条件づけ」

「それこそが」と所長がもったいぶった口調で言う。

「幸福な人生を送る秘訣なのだよー自分がやらなければ

ならないことを好むということが。()

共同性(コミュニティ) 同一性(アイデンティティ) 安定性(スタビリティ)

 

人間が工場で大量生産される時代

J.B.S.ホールデン イギリスの生物学者

1924年の著書「ダイダロス、あるいは科学と未来」で

体外受精 人工子宮で人間が生まれる未来を予測

 

優生学で格差を固定 

ディストピアは誰かにとってユートピアに閉じ込められている状態

生物学的な意味では優生学の肯定 文学には人間的なものが入る

ハクスリーも二人いる

 

どの枕の下からもささやきが聴こえている。

❝デルタの子はみんなカーキ色の服を着ている。

ああ、嫌だ、デルタの子たちとは遊びたくない。

エプシロンなんてもっとひどい。ものすごく頭が悪くて

読み書きもできない。おまけに服の色は黒で、ほんとに嫌な色だ。

わたしはベータでほんとうによかった❞」

❝アルファの子は灰色の服。わたしよりうんと勉強をする。

頭がものすごくいいからだ。

わたしは自分がベータでほんとうによかった。

なぜならそんなにたくさん勉強しなくていいから。

そしてガンマやデルタよりずっといい。()❞」

 

❝誰もがみんなのもの❞フリーセックスの価値感

❝父親❞❝母親❞

「やがて子供の心はこうした暗示の言葉そのものとなり、

暗示の言葉の総体が子供の心となる。子供のうちだけでなく、

大人になってからもそうでー一生の間これが続く。判断し欲求し、

決意する心―それがこうした暗示の言葉から成り立っている。()

 

睡眠教育のスローガン

誰もがみんなのもの

❝継ぎはぎするより次々捨てよう❞

❝鬱かなと思ったら早めのソーマ❞ソーマという合法麻薬が処方される

❝今は誰もが幸せだ❞

❝今日愉しめることを明日に伸ばすな❞

 

寝ている間に洗脳 睡眠教育

 

この世界で否定されているもの

女性の出産 家族 結婚 恋愛

徹底的に激しい感情を排除するのが「効率化」

幸せになれる合法麻薬「ソーマ」

現在に相当するのはスマホから出てくるショート動画・ドパガキ

 

アウトサイダーの視点

バーナード・マルクス(アルファ階級) レーニナ(ベータ階級)

マルクスとレーニンのパロディ

 

「静かに海を眺めたいんだ。あんな雑音があるんじゃ

 落ち着いて見ていられない」

「でも、素適な歌じゃない。それにわたし海なんか見たくないし」

「僕は見たい。海を見ているとまるで…」

バーナードはそこで間を置いて、

自分の気持ちを表すのにぴったりな言葉を探した。

「もっと自分らしくなれるようなきがする。

言っている意味が分かるかな。

ほかのものの一部になりきっているんじゃなくて、

独立独歩でいられるというか。

社会という身体の一細胞にすぎないのじゃなくてね()

だが、レーニナは泣いていた。

「そんなの嫌よ。そんなの嫌」そうくり返した。

「それに社会という身体の一細胞でいたくないなんて

 どうして言えるの。誰もがみんなのために働くんでしょ()

「かりに僕が条件づけの奴隷でなくなって自由になれたら

 どんなふうだろうという」

「ねえ、バーナード、あなた とんでもないこと言ってるわよ」

「きみは自由になりたくないか、レーニナ」

「言ってる意味がわからない。わたしは自由だもの。

 自由にすばらしい時間が過ごせるもの。今は誰もが幸せなのよ」

「そう、❝今は誰もが幸せだ❞。これは五歳のときから教えはじめる。

 でもきみはもっとほかのやり方で幸せになりたいと思わないか、

レーニナ。

たとえば、ほかのみんなと同じじゃない、きみ自身のやり方で」

「言ってる意味がわからない」

 

ハクスリーは病気のために医学の道を断念 文学の道へ進んだ

名門理系一家の❝アウトサイダー❞

 

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