秋澄むや非現実をも潜り抜け
生死彷徨う被災地の夜残暑
星月夜心のままに動きけり
葛藤と孤独を刻む秋の月
おけら鳴く努力を笑うことなかれ
■あの本、読みました?冒険・探検の本~なぜ人の心動かす?冒険した気分になれる本
角幡唯介 荻田康永 鈴木保奈美 山本倖千恵
・本好きさんと本屋さんぽ
冒険研究所書店 オーナー荻田泰永氏
冒険家と探検家の違いは?
危険を冒すのが冒険 探って調べるのが探検
荻田康永氏は冒険家 角幡唯介氏は探検家
「本を通して未知と出会う体験をしてほしい」という思いで開業
テーマ「冒険した気分になれる本」
角幡唯介
『「すべての野蛮人を根絶やしにせよ」‐『闇の奥』ヨーロッパの大量虐殺』
スヴェン・リンドクヴィスト著 ヘレンハルメ美穂訳/青土社
『コンゴ、血染めの川 アフリカを変えた冒険家、
ヘンリー・モートン・スタンリーの足跡を追う』
ティム・ブッチャー著 社本雅信訳/彩流社
鈴木保奈美
『空へ-「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日』
ジョウン・クロカワー著 海津正彦訳/ヤマケイ文庫
極地旅行家 角幡唯介 探検を書くことについて
角幡唯介の探検 誰も足を踏み入れていない地理的な空白部をめざす
探検家・角幡唯介の最初の探検
「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー渓谷に挑む」集英社文庫
第8回開高健ノンフィクション賞 第42回大宅壮一ノンフィクション賞
当時人跡未踏と言われた幻の渓谷に向かう様子を記したノンフィクション
「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー渓谷に挑む」の一文 集英社文庫
ツアンポー渓谷を泳いで渡った人間はこれまでいただろうか。
だが泳ぐしかない。
悲壮な決意でそう覚悟を決めた。その時だった。
(中略)
リューソーだ…。
(中略)
つまりワイヤーブリッジがそこにあったのだ。
あの少したわんだ、か細い線は、
私にとってまさに命をつなぐ蜘蛛の糸だった。
「極夜行」文春文庫
太陽が全く昇らない北極圏の「極夜」を
犬一頭とともに約80日間かけて旅したノンフィクション
数カ月物期間 暗闇の中を過ごした後 太陽を目にして何を感じるのか。
「光と闇」「生と死」など哲学的な問いが綴られている。
「極夜行」でカオスを感じ文章化 〈ブリザード〉
「極夜行」の一文 文春文庫
どばばばば、どばば、どばばばばばっと
断続的にテントに殴りかかってくる烈風は、
(中略)
もし巨瀑の瀑心直下でテントを張っていたら押しつぶされて
木端微塵となり、無惨なことになっていたにちがいない。
(中略)
状況が危機的になると変に度胸がすわり、
自分の命に無関心に陥る瞬間がある。
嵐は止まらなかったが、途中から私はその暴虐的な風にも慣れてきて、
寝袋の中で眠りに落ちていた。
「極夜行」でカオスを感じ文章化 〈月に騙される〉
「極夜行」の一文 文春文庫
ああああああっと大声で狂乱した。
私がストックをぶおんぶおんと振りまわして
暴れるたびに、犬はびびって後ずさりした。
そんな狂人のような姿態を演じた挙句、
私はふと冷静になり気付くにいたった。
(中略)
これ以上先に行けば肉体的に消耗しすぎて帰れなくなるかもしれない。
そう思うとゾッとした。
この暗さは命にかかわる暗さだと思った。
そして、くそっ、月に騙された、と思った。
朝食のラーメンを作っている最中、外の状態に突然の変化が見られた。
それまで地吹雪で白い闇に閉ざされて薄暗かったのが、急に明るくなり、
テントの黄色い生地に薄い光が当たり始めたのである。
もしかしたら太陽が出ているんじゃないだろうか。
・探検に持っていったオススメ本
『グアヤキ年代記 遊動狩人アチェの世界』
ピエール・クラストル著 毬藻充訳/千曲学芸文庫
パラグアイの森に生きる先住民族グアヤキ。
白人に圧迫され衰退の道をたどっていた。
出産・復讐の殺人・食人生活など様々な文化を保持。
それらを観察し背後にあるグアヤキの倫理を鋭い視点で解明。
『熊 他三篇』フォークナー作 加島祥造訳/岩波文庫
少年が森に入り熊狩りに数年越しに参加し続ける。
そこで人間・犬・森全体などの影響を受けながら成長していく様が描かれる。
・探検家・角幡唯介 最新エッセイ
「どうせ死ぬなら北極で」小学館
ライフワークとなっている世界最北の村グリーンランド・シオラパルクでの
長期滞在での様子や妻や子どものことなどが綴られている。
第二子誕生時のエピソード
「どうせ死ぬなら北極で」の一文 小学館
赤子が生まれると、どうしても山に行きにくくなる。
それは、育児を妻にまかせて山にばかり行っていると、
妻が育児ストレスで不機嫌になって夫婦関係にヒビが入るからであり、
また、育児は夫婦二人でわかち合うのが当たり前だよね、
というのが時代の常識であって、それをふみにじると
世間から糾弾されそうだからでもある。
しかし、それが本当の理由ではない。
真の理由は何か。それは山に行くより
子供と遊ぶほうが楽しくなってしまうことだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿