2025年4月7日月曜日

兼題「アスパラガス」&テーマ「花」

大石静女史へ
真実は常識超えて襲い来る(無季句)
春愁う直感信じ生きゆかん
どう生きていけばよいのか春の空
春の潮吾の内側と向き合わん
多面的立体的に存えん(無季句)
春月夜ドラマに込める夢あらん

■NHK俳句 兼題「アスパラガス」
選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣
年間テーマ「俳句のコリをほぐします」

・意気込みの一句
春風や十七音を探す旅   柴田英嗣
地球は青かった12の苗木植う   庄司浩平
(二物衝撃 破調に挑戦)

季重なり 良い季重なりとよくない季重なりがある
一句の中に2つ以上の季語が入ること

・コリポイント
① 四五人に落かかるをどり哉   蕪村
月 をどり:秋の季語 強い季語「主季語」弱い季語を「従季語」
② 夕月に大根洗ふ流れかな   正岡子規
夕月:秋 従季語 大根洗ふ:冬の季語 主季語 
木移り:一句の中に異なる季節の季語が同時に入ること
③ 日焼顔見合ひてうまし氷水   水原秋櫻子
日焼:夏 氷水:夏 季語の強弱がついていない
④ 障子しめて四方の紅葉を感じをり   星野立子
障子:冬 紅葉:秋

堀田季何
歴史的に俳句は元々挨拶のためにできたもの
「季の詞(ことば)」季語の前身 挨拶は重要 季語も大切
俳句は季語のためにあるという考えは私自身はない

ツボポイント 季重なりを恐れない 必然性があればよい 意味かぶり
消せるか❓消せないか❓で考えると良い
季語はいろんな情報を含んだキーワード 季語を信頼する
意味が被る季語を複数入れない

汗かけば氷菓に涼み暑き夏
氷菓以外は不要な言葉 氷菓以外無駄
鶯のいまだ鳴きをり春の雨
鶯の中に春の要素が含まれているので春は含まなくて良い 

季重なりの目利きに挑戦!
A 菜の花や月は東に日は西に   蕪村 名句
  春   秋
B あたたかな夕ぐれにこそ花見酒
  春          春(意味かぶり)
C 炎天の巌の裸子やはらかし   飯田龍太 名句
  夏    夏
D 霧に白鳥白鳥に霧というべきか   金子兜太 名句
  秋 冬 冬  秋(強弱がない)
E 淡雪の村訪ねゆく寒さかな
  春       冬

季重なりのポイント:かぶせず重ねる

・特選六句発表 今週の兼題「アスパラガス」
クーデター前夜アスパラガス尖る(とがる)   石井一草(いっそう)
アスパラガス晴れは夜まで続くでせう   山口晴輝
文節のやうに/アスパラガスを/切る   葉村直
アスパラガス曲がつたもののない世界   三好泥子(でいし)
爆心にアスパラガスの横たわる   貴田雄介
店主は移民白アスパラは8€(ユーロ)   平野光音座(こうおんざ)

■NHK短歌 テーマ「花」
選者:横山未来子 ゲスト:菊池銀河・横田真子 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「三十一音で扉が開く」

短歌のルール
五・七・五・七・七   三十一音を定型という
上の句   下の句

リズムに乗せることで自分でも気づかなかった心や言葉が引き出される

・五・七・五・七・七を楽しもう
夕焼け
ひとりみた夕焼けきれいすぎたから今日はメールを見ないで眠る
小島なお「乱反射」

削ぎ落して読む人に想像させる 余白を作る
言葉を凝縮したり厳選することで
普段の言葉では表せない豊かな世界が描ける

・入選六首 テーマ「花」
荷造りのガムテープ尽き花冷のフローリングに体育座りす
吉行直人
紫陽花の小径を歩く愛犬の鼻てらてらと黒く潤ふ
藤雪陽
乗り換えの合間に買った花束を大事に抱いて吾の誕生日
滝川陽子
信号が赤ならひと息つけるかと思ふ歳なり山茶花の路
加藤重男
一席 私 はじめてのことばは「はな」と卒寿なる母がまた言う古希のわたしに
小川洋子(母にとって大事な存在である事が解かる歌)
自動ドアに挟まりていし花びらのひとつを拾う開店時間
大津穂波(いしは口語 いたの意味)

・歌人への道 短歌で心を詠むとは❓
雪の中とりのこされた靴がある子どものための青いながぐつ
安田茜「結晶質」

同じものを見ても人によって見方が違ってそれが短歌に表れている

高きにて小鳥らのこゑ瞬けり君と逢ふたび君を確かむ
横山未来子「水をひらく手」

短歌を詠むという事は五七五七七の狭い中に言葉を押し込めるのではなく
普段の言葉では表せないようなより大きな新しい世界を詠むことができる

次回の宿題「たからもの」

・ことばのバトン
木下龍也
私は犬をすごく愛していますが、別れを思うと
恐ろしくて仕方がないです。お守りになる短歌をください。

愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度でも撫でる
木下龍也「あなたのための短歌集」ナナロク社

委ねるなら自分の日々の生活の中で 
ずーっと心に引っかかっているものを上の句に…。

ごみ箱のサイズに茎を折り曲げて   木下龍也

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