桜どきボルドーでゴヤ逝去せり(4月16日)
幽玄(ゆうげん)を包み込む春堂ヶ島(温泉)
優しさも毒となりけり孕猫
優しさに向かう攻撃花の冷え
大切な人を邪険に鳥曇(とりぐもり)
■NHK俳句 兼題「海」
選者:岸本尚毅 レギュラー:内田紅甘(ぐあま) 司会:柴田英嗣
年間テーマは「描写の工夫」
ものを見る
・俳句のタネ育てましょう!
目を瞑れば海 ぐあま
⇩添削
目瞑れば海あり月に暗く照り
引用句
眼(め)つむれば泉の誘ひひたすらなる 橋本多佳子
海の家で夜まで熟睡 柴田英嗣
⇩添削
寝ていればいつしか夜に海の家
描写のポイント
① 自分ならではの体験を書く
② 読者が想像できるキーワードを入れる
・名句の描写
春の海終日(ひねもす)のたり〱哉 蕪村
「ひねもす」とは「一日中」という意味
のたり〱は波の動き 音 時間
・今週の特選句 兼題「海」
海あがる海女すんなりと強き脚 武田ラーラ
受験生らしき四人の海辺ゆく 相澤貴之
ギター背にクラブ合宿春の海 渡部法子
ともしびの明石の海の春惜しむ 浜口芙蓉
(掛け言葉みたいな入り方 行春を近江の人とおしみける 芭蕉)
によつきりと春の波より薩摩富士 田尻武雄
(によつぽりと秋の空なる富士の山 鬼貫 本歌取り的な作品)
遠浅にカラスほどなり春の人 米森光義
・「見どころあり!」の一句
海苔粗朶(そだ)の一湾波のゆきわたり Aさん
ポイント①
切字「や」を使う
海苔粗朶(そだ)や一湾に波ゆきわたり
ポイント②
語順を入れ替える
一湾や海苔粗朶に波ゆきわたり
・特選三席発表
一席 ベランダに海より高きチューリップ 小笠原保之
二席 竹ひびにフジツボ見えて揺るる海苔 金子仙二
三席 春の海すくへば透(す)けし指白き 松井ゆう子
・はみだせ!教室俳句
愛媛県東温市立川上小学校 岸恭子先生
季語と感情を結び付ける
はるの花おやつのたこやきひとりじめ
子供時代独特の感性というのがあるのでその大事な期間に
子供らしい俳句をたくさん残してもらいたい
テーマ「ぼくも わたしも はいく名人」
誰でも俳句で輝ける
・ぐあまのつぶやき
春にはもっとのたりのたりしてほしい
■NHK短歌 テーマ「四月」
選者:荻原裕幸 ゲスト:向坂(さきさか)くじら 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「短歌は時代の波に乗って」
端午そのなかぞらに口ひらくものなくてひろがる青をかなしむ
荻原裕幸
”時代の移ろい“を短歌にするためのポイントは?
子どもの頃からの体験みたいなものをベースにしている
あまり気負わずに自分の体験をもとに自然な感じで書くのが
時代の流れ・波みたいなものを見せるには一番いい
(すでに)体験の中にそういう背景が含まれている
・入選九首 テーマ「四月」
戒名に桜を含み祖母は発つ光あふれる四月の空へ
麻倉遥
「会いたい」と言える強さが欲しいですあと可愛い顔と細い脚と
ゆき
一席 私 「アンタって四月生れみたいな顔ね」生んだの七月でしょう母さん
しみず
三席 生―きとーるかー今年も新入生たちが始めた久保先生の口真似
前川泰信
岡山・浪速・仙台のナンバーが滋賀・富山・多摩にアパートの四月
植田和子
四月には誰かの物になっている机や椅子に体温残す
仲川暁美
二席 シュークリーム齧れば四月がこぼれだすような恋愛をあなたとしたい
青木菓子(かこ)
新卒の歓迎会も業務ならリモート花火でよくないですか?
立田渓(けい)
四月はまだ知らぬ赤子が母親にしがみつきをり木枯らしのなか
野田孝夫
・荻原流 詠み方指南
日記や記録を書くように短歌を詠む
体験した事 見た事 聞いた事(から短歌を作る)
ヒコロヒー女史のある日の出来事を荻原裕幸先生が短歌に
普通の自分をどこかで客観視している感じ 向坂くじら
育てれば家でモヒート(そこなのか❓)水やり楽しイエルバエブナ
荻原裕幸
日記内にある心の動きみたいなものを拾い出した
・”日常”を短歌にしていくコツは?
いたる所でメモを取る
そらいろの紙をいくひら使用してゐるのか春の静岡のそら
荻原裕幸
文字で書いている内に思いつく
ものすごく難しいことを考えようと思って発想するとか
そういうことはない むしろ単純なこと
楽しみながら思いついた言葉があったらそこから膨らませていく
・向坂さんの短歌「四月」
厚すぎる服と薄すぎる服しかなくてわたしのさびしい裸
向坂くじら
全然ベストじゃない服しかないなっていう瞬間があって
その寄る辺ない感じが4月っぽいなと
(裸ではなく身体でも意味として同じかもしれないが
やっぱり何か訴え方が全然違ってくる
身体があって服を着るのではなくて裸の状態があって服を着る
日常生活の中で過ごしづらいということだけでなく
もう少し心情的なところに繋がっていく)
・私たちが日常で使っている言葉を詩の言葉にするには❓
まるっきり別のものでないと思っている
自分にコントロールできないような相手のことを想定してみる
コントロールしない言葉というものが
どこから出てくるのかということから
考え始めてみると詩に近づきやすい
詩や短歌の世界は伝えようと
思っていることがあらかじめ決まっていない 荻原裕幸
・ことばのバトン
ごみ箱のサイズに茎を折り曲げて
木下龍也(歌人)
⇩
お辞儀みたいと黄泉(よみ)に来た人
石黒謙吾(著述家 編集者)(ご本人曰く ダージャリスト)
「盲導犬クイールの一生」「ダジャレヌーヴォー」の著者
「捨てる神あれば拾う亀有」「買うてきチキン」
「少年老いやすくGackt成りがたし」「月とスリッポン」
石黒的ダジャレ美学 ウケる目的で言うべからず
自分がこれは快作だなって思うことが大事で
石黒的ダジャレ美学 タイミングを計るべし
石黒的ダジャレ美学 粋の精神を持つべし
おじぎみたいと よみにきたひと
OJIGIMITAITO
よみにきたひと
YOMINIKITAHITO
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