2025年4月10日木曜日

あの本、読みました? 背筋

イメージが創る人生長閑なり
黙っていればいい気になって雪崩
春の陽や殻を破って突っ走れ
消え失せるオリジナル蛇穴を出づ
襲い来る苦しみありて春の月

■あの本、読みました?単行本売上ランキング!
朝井リョウ・背筋・「このミス」大賞

背筋(せすじ) 鈴木保奈美 角谷暁子 

第16位 「近畿地方のある場所について」背筋著
第18位 「僕には鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴著/小学館  鈴木保奈美推し

第11位 「地雷グリコ」青崎有吾著/KADOKAWA  背筋推し
十五段目に地雷があることははっきりした。真兎(まと)の位置はいま、九段目。
なら次のジャンケンではグーを出し、十二段目に移動すればー
「あっ」チョキかパーを出して六段進めば地雷に〈被弾〉してしまう。
だから真兎はグーしか出せない。そして、
そのことは椚(くぬぎ)先輩にもばれている。
つまり椚先輩は、パーを出せば必ず真兎に勝てるわけだ。
しかも一度では終わらない。次のターンも、その次のターンも
九段目から動けない限り真兎にはグーの選択肢しかない。
だがグーを出し続ければ差はどんどん広がっていく。

第6位「生殖器」朝井リョウ著/小学館 背筋・林P推し
❝多様性❞ってそれこそ四十億年以上前に生命体が発生した時から
存在する現象なわけで、どの生命体も発生したその瞬間から
多様な種の中の一個体として生きるしかないんですから。
そもそもヒトは❝多様性❞の歴史に超最近現れた超超超新入りです。
認める認めないの立場を選ぶなんてそもそも不可能で、ただただ
❝多様性❞の真っ只中にいることしかできません。というような文章にも、
尚成はこの一年間、買ったり借りたりした本の中で沢山出会いました。

朝井リョウの魅力

「業界地図」ってどんな本?松浦大
会社四季報(4000近い企業の業績や営業利益の予想など最新情報を
提供している株式投資のバイブル)の兄弟誌/東洋経済新報社
シェア75%(日経も出版している)
大雨の業界 書店・取次 地方銀行 造船

「このミス」大賞「謎の香りはパンやから」著者テレビ初出演
作家 土屋うさぎ
人が死なないクールなミステリー
実際に経験したことをミステリーに

「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
由貴子が練乳サンド用のパンを切り始めたので、
私はたまごサンドを作ることにした。(中略)
続けて冷蔵庫から、サンドイッチの具材となる、
たまごフィリングを取り出す。
たまごフィリングは、バイトが前日にみじん切りにした
卵とマヨネーズを混ぜて仕込む決まりだ。
しかしノスティモには、ゆで卵をみじん切りにするための
専用のスライサーやマッシャーがない。そのため、包丁で卵を
一つ一つ細かく切る必要があり、意外と手間のかかる作業だった。
ずっしりと重みのあるタッパーを開けて、中身を確かめる。
その時、あれ、と思わず声が漏れた。卵の切られた断面が、粗い。
細切れになったゆで卵が金平糖のようにギザギザとしている。
包丁で切ったとして、こんな切り口になるのだろうか。

第1章 焦げたクロワッサン
第2章 夢見るフランスパン
第3章 恋するシナモンロール
第4章 さよならチョココロネ
第5章 思い出のカレーパン

「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
チョココロネは、西洋発祥だと思われがちだが、
実は日本で生まれたパンである。
名前の由来は、フランス語で角(つの)を意味する「コルネ」から
取ったという説と、金管楽器の「コルネット」が
変化したという説の、二つがある。
金管楽器を演奏する姿を重ねると、チョココロネの
細いほうを「頭」と認識するのも頷ける。
先入観から、太いほうから食べがちだが、どちらが頭で
どちらがお尻なのか、明解な答えはない。中には、細い部分を
ちぎって、チョコクリームをディップしながら食べる人もいるという。

マンガからの影響「キャラ立ち」

「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
「おはようございまーす」と元気な声が聞こえてきた。
遅れて出勤してきたレナ先輩だ。「いやぁ、寝坊しちゃった」
レナ先輩が両手を背中の後ろで組み、肩を伸ばす。彼女は、
私とは違う大学に通う四年生で、豪快かつ派手な人だ。
少しつり目の瞼には、どんなに朝早いシフトの日でも、
大粒のラメ入りアイシャドーが光っている。
それは遅刻してきた今日も例外ではない。
今は帽子で隠れている長い髪は、派手な赤色に染められており、
色白の肌と相まって異国のお姫様のようだった。
「あれ、音楽かけてないじゃん。無音で仕事するのしんどくない?」
そう言うと、レナ先輩はキッチンにあるスピーカーにスマホを繋いだ。
長閑な店内に、いかついヒップホップが流れ出す。
扉を閉めていればお客さんにキッチン内の音が届かないので、
ノスティモでは、自由に音楽を流ことが許されていた。それにしたって、
もう少しお店の雰囲気とマッチした曲がありそうなものだが。
さらに、彼女は続けて画面をタップした。「この前さぁ、天王寺動物園
行ってきたんだ。その時の動画、送ったから見てよ」「え、今ですか?」
「うん、お裾分け。めちゃ癒されるよ」ちらりと自分のスマホ画面を
確認すると、動画は四分と地味に長尺だった。

登場人物は実在の人

愛読書は辻村深月 「鍵のない夢を見る」辻村深月著/文春文庫

第3位 「口に関するアンケート」背筋著/ポプラ社・刊
伝播していく恐怖がテーマ
大学生の肝試しに恐怖の仕掛けが…

「口に関するアンケート」の一文 背筋著/ポプラ社・刊
はじめまして。村井翔太といいます。よろしくお願いします。
とりあえずあの日のこと、全部話しますね。
正直、気は進まないですけど。肝試しになんて行かなければ、
杏は死ななかった思いますから。言い出しっぺは、誰だったかな。
覚えてないです。とにかく、僕たちのグループの誰かが、言ったんです。
「ここ、知ってる?けっこうヤバいらしいよ」って。

テーマにしたかった作品
「藪の中」芥川龍之介著/講談社文庫
馬の通う路から隔たった藪の中 胸もとを刺された男の死骸が見つかった
殺したのは誰なのか 芥川龍之介の名作

「杏」ちゃん=木に口
文字の色が変わっていく…
アンケートに答えると…
裏表紙にも仕掛けが…昆虫がびっしり止まっている
スマホのライトで照らすと確り見える

背筋の次回作は❓土屋うさぎの次回作は❓

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