2021年6月23日水曜日

題「母」

琴線に触れる言の葉夏の朝
サギソウを移植する児のぎこちなく
美馬町の休耕田よ花菖蒲
海亀や日の入り前に産み落とし
いつまでも拘り持ちて梅雨の山 

NHK短歌 題「母」

とても白い額で母は泳いでいる傷なのに傷そのものなのに
大森静佳

ゲスト RYUCHELLのTwittewr より
ピンク色の愛が欲しいのに、
黄色の愛しかくれない人とは、
この先もどこかで、あなたがモヤモヤ
するだけだよ。

きみの庭を去らねばならず黄色よりピンクの薔薇を探してるから
大森静佳

今回のお気に入り

月光に少女の像は踊りそう母になれざるわれの周りを
小野寺寿子
古いほど笑わなくなるアルバムの母が私に近づいてくる
江藤芳恵
母の指す「あれ」という語のゆたかなりあれであれする春の真ん中
古閑弓子

今読みたい愛の歌
夜に濡れ母がわたしを産みにくる産めば気持がよくなると言う
佐伯裕子

大森先生のポイントで改作!
テーマ「物」から人を描こう
元歌
若き日の母を映した姿見は釘がまる見え今も現役
作者の詠みたい事
古びた母の姿見を思い出と共に自分(娘)が受け継ぐ今
① 改作ポイント 物の姿に焦点を当てよう
若き日の母を映した姿見に釘あらわなり朝ごとに見ゆ
(自分の現在の視点から物を描く)
② 改作ポイント 人生の場面を想像してみよう
若き日の母の微笑みに呼ばれゆく釘の錆びたる姿見の中
(人生の場面=表情を描く)

ポロポロの道穴あきポケット小指いれ母のコート着我歩く道
有森也実

選者の試作(りゅうちぇるさんのエピソードより)
ベランダで母の涙が光ってる煙草の匂いをまとう横顔

今日のメッセージ
物から人を描くときは
流れた時間に目を向けてみよう

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