2021年6月12日土曜日

兼題「浴衣」

短夜や透けた着物に帯締めて
鮮やかに襦袢が透けて夏の月
紗に透けた派手な襦袢よ夏の夜
青鳩や背筋伸ばした気高さよ
生え際のグラデーションや暑き日や

NHK俳句 兼題「浴衣」より

父母の遠くなりたる藍浴衣   片山由美

稽古後の半畳でたたむ濡れ浴衣   篠井英介

見直し「俳句の常識」比喩
白酒の紐の如くにつがれけり   高浜虚子

水中に火花さながらめだか散る   
(これは良い比喩。発想が豊かに表現されている。
アンテナを高く敏感に言葉を収集している。)

今週のお気に入り

先生の浴衣姿とすれ違ふ   山下民子
柿若葉ピアノの届く日曜日   雛川由美
浴衣着てますます似合ふ眼鏡かな   遠藤健人
浴衣着て浴衣の妻を駅に待つ   木原登

夏館青き水彩画のやうに   武井壮

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