2021年6月30日水曜日

人生相談

信用リスクの緩和夏の霧
ブラボーと言われないまま夏に没
窓の雨炉と火を愛し旅立たん
5メートル古木のさつき枝広げ
梅雨寒し攻撃されてする黙秘

夏井いつき俳句チャンネル
【人生相談】
夫があまりに高圧的で逃げ出したいです

干してある妻のもののみ桐の花   岸風三楼(ふうさんろう)
岸風三楼は岡山生まれ。富安風生に師事。
1953年「春嶺(しゅんれい)」を創刊し、主宰となる。

今後あなたは洗濯を自分の分だけしてください。
妻のものだけを干してください。
そうするとほんの2~3日で
夫の着るものはなくなると思います。
「誰のお陰で清潔な下着が
着られると思っているんですか?」と、
静かにお答えになると良いのではないでしょうか?
夫が考えを思いを切り変えてくれるかもしれません。
妻のものを着て出かけるような
夫だったとしたら、それはそれで
面白い俳句の種になるのではないでしょうか?

2021年6月29日火曜日

題「トイレ」

被害者の癒えない傷よ夏霞
釣り糸に群る魚よ夏の島
ふわっふわ雨蓄えて苔茂る
宮殿のワクチン接種仏の夏
ベルサイユホテルにならん夏の夢

NHK短歌 題「トイレ」
恋人を探すようなり泣きながら探しつづけるトイレの夢は
佐伯裕子

今回のお気に入り
腰下ろしコックピットのボタン押すまるでトイレはひとりの宇宙
奈々美
またひとつなかったことにしてしまう立ち上がったら流れるトイレ
東秀好

ポイント 具体を入れる
弁当と言わずにたこさんウインナーに…。

ポイント 季節や時間が解る言葉を入れる
密室劇われはたのしむ夜深き公衆トイレでひとり尿する
岩田正

言葉のトレーニング
「朝」いろいろな言葉で表すと?
カーテンを開ける
新聞配達の音
ひげを剃る息子
「夏」をいろいろな言葉で表すと?
肝試し
日焼けの跡が
鰻の日

添削は上達の種
はぐれかだったらオイラが見せてやる肩車点火打ち上げ笑顔
井戸田潤 8年越しの佐伯裕子先生の添削
はぐれた子おいでオイラが見せてやる肩車から打ち上げ花火

今日のポイント
季節や時間のわかる言葉を入れる
音数に合わせて表現を工夫
パリパリとむくんだ摩耶子瞼をもちあげて凍えて座る便座の温もり
井戸田潤 添削
仕事明け(二日酔い)むくんだ摩耶子瞼をもちあげて凍えて座る便座の温もり

ネタ合わせ終わるやトイレに飛び込んだ君のため息外まで響く
小沢一敬 添削
夜のライブ終わるやトイレに飛び込んだ君のため息外まで響く

作業着の裾から汗が落ちる音簡易トイレの夏の暑さよ
小沢一敬 添削
作業着の裾から汗が落ちる音ひびいて夏の簡易トイレよ

自由題
初登校靴ずれ誘うローファーは我が物顔で黒ビカリする 
井戸田潤 添削
初登校黒ビカリするローファーは我が物顔で靴ずれ誘う

夏の夜子猫が家にやってきた忘れぬうちに名前ははなび
小沢一敬

2021年6月28日月曜日

兼題「汗拭い(ハンカチ)」

白鷺や羽を広げて身繕い
守るべきものを守りて夏の鴨
仏桑花(ぶっそうげ)南の香届けをり
夏柳「あかん」と指摘受けにけり
陰に見るまばゆい光滴りぬ

NHK俳句 兼題「汗拭い(ハンカチ)」
汗拭いは汗を拭う時のみの季語であり、
涙を拭う時や手を拭く時は季語にはならない。

今回のお気に入り
ハンカチを汚さぬように汚しけり   中山英夫
ハンカチも今日もまっさら青き風   財津京子
さ緑の雨の匂ひや汗拭ひ   鈴木マリ子(徳島市)
(さ緑とは若葉の色、淡く薄い色。)

俳句、二歩目
勘違いされがちな季語

山国の灯りや枝豆塩加減   大串章
(枝豆は秋の季語)
あまざけや舌やかれける君が顔   嘯(しょう)山
(あまざけは夏の季語)

青梅や考え直すきっかけに   坂田裕美
コスモスもうなだれている月曜日   坂田裕美

2021年6月27日日曜日

575でカガク!「重力波」

夏の庭テクスメクスに笑みと笑み
人生は生々流転梅雨の星
あやめ咲く浴衣の仕草使い分け   
舟のある広場の見頃花菖蒲
山門をはみ出し揺れん七変化

夏井いつき俳句チャンネル より
575でカガク!今回のテーマは「重力波」

575でカガク!の投句先⇩

https://www.nhk.jp/p/575kagaku/ts/Q8KPRK7VWX/

「重力波」~2021年7月11日(日)まで
重力波は、超新星爆発など宇宙のビッグイベントが
発生した時にとらえられる、時空のゆがみです。
「ゆがみ」のサイズはなんと水素原子の100億分の1。
今回の選句の舞台は日本の重力波観測施設KAGRAです。
遠い星々の「声」を17音で表現することに挑戦してみませんか?
重力波を「感じる」俳句をお待ちしています。

2021年6月26日土曜日

ただ今のお待ち時間で一句

一万株の紫陽花の青切り取りて
凄い事を当たり前に蝉生る
インプットアウトプットや五月山
まいとサラ他犬の空似夏の風
青時雨孤独楽しみ苛まん

プレバト纏め 2021年6月24日
ただ今のお待ち人数で一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
百物語最後の鏡に映る物
(あえて語らない効果 
 この句に以前東国原英夫氏が詠まれた
 洞窟の句を思い出しました。)

特待生昇格試験
千賀健永
宵宮の慈雨は屋台の人波へ
(難しい季重なりができている)

1位 加藤登紀子
やりくりも万策尽きて梅雨ごもり

2位 犬養貴丈(あつひろ)徳島県出身
躓いて割れたスマホや夏の空

3位 ハラミちゃん
初夏快晴凍てし指先舞台袖
添削(単語の詰め過ぎ)
舞台初夏いま緊張に冷ゆる指

4位 森田哲矢
君の列汗染む札が恥ずかしげ
添削
番号札汗ばむ君のいる窓口

5位 勝俣州和
あと五人呻く幼き牛蛙
添削
あと五人診察を待つ夏休み

2021年6月25日金曜日

ムラカミチャンネルより

枇杷の実よたわわに実る小さき実よ
若葉山ぶつかり合って傷つけて
月灯り栗の香のする猫帰宅
梅雨晴や洗って干して片付けて
ろう彩書浮き出る文字に夏の風

一分季語ウンチク
夏っぽくない夏の季語「腹当(はらあて)」

なぜ「腹当」が夏の季語かと言いますと
夏に寝冷えを防止するために
巻くからと言う事なんですね。
もう暑くて布団なんてきてられないと
跳ねのけてお腹も出して寝てしまう。
寝冷えを防止するために
腹当をする、と言う事なんですね。
普段のイメージと違った季語に出会うと
ちょっと「おっ」ていう発見の喜びがあります。

フルーツポンチ村上のムラカミーチャンネル より
https://www.youtube.com/watch?v=xzXW3wXRc60

君の足這う蟻のこと教えずに   村上健志

かずえさんから
八ヶ岳ブルーベリーファームの立派なブルーベリー!





2021年6月24日木曜日

岡本太郎の言葉

百日紅集中力と持続力
幼き日通った道へ逍遙す
ひらめきをぼんやり眺む梅雨の星
咲きほこる君に乾杯額の花
(小林凛君へ)半年前食べずに植えた百合根咲く

日曜美術館より

岡本太郎の言葉
「芸術 芸術は爆発だ。
 ものは爆発しないんだけど
 心が宇宙に向かって
 飛び散ると言うのが芸術ですね。」

「自然に挑み自然と戦い、そして自然と溶け合い
 自然を逆に生かすと言う、自然と人間が一体に
 なるところに血を流しても全身を爆発させても
 生きて行くと言う、それが文化であり芸術であり
 生き方であると、そう僕は思うわけですね。」

2021年6月23日水曜日

題「母」

琴線に触れる言の葉夏の朝
サギソウを移植する児のぎこちなく
美馬町の休耕田よ花菖蒲
海亀や日の入り前に産み落とし
いつまでも拘り持ちて梅雨の山 

NHK短歌 題「母」

とても白い額で母は泳いでいる傷なのに傷そのものなのに
大森静佳

ゲスト RYUCHELLのTwittewr より
ピンク色の愛が欲しいのに、
黄色の愛しかくれない人とは、
この先もどこかで、あなたがモヤモヤ
するだけだよ。

きみの庭を去らねばならず黄色よりピンクの薔薇を探してるから
大森静佳

今回のお気に入り

月光に少女の像は踊りそう母になれざるわれの周りを
小野寺寿子
古いほど笑わなくなるアルバムの母が私に近づいてくる
江藤芳恵
母の指す「あれ」という語のゆたかなりあれであれする春の真ん中
古閑弓子

今読みたい愛の歌
夜に濡れ母がわたしを産みにくる産めば気持がよくなると言う
佐伯裕子

大森先生のポイントで改作!
テーマ「物」から人を描こう
元歌
若き日の母を映した姿見は釘がまる見え今も現役
作者の詠みたい事
古びた母の姿見を思い出と共に自分(娘)が受け継ぐ今
① 改作ポイント 物の姿に焦点を当てよう
若き日の母を映した姿見に釘あらわなり朝ごとに見ゆ
(自分の現在の視点から物を描く)
② 改作ポイント 人生の場面を想像してみよう
若き日の母の微笑みに呼ばれゆく釘の錆びたる姿見の中
(人生の場面=表情を描く)

ポロポロの道穴あきポケット小指いれ母のコート着我歩く道
有森也実

選者の試作(りゅうちぇるさんのエピソードより)
ベランダで母の涙が光ってる煙草の匂いをまとう横顔

今日のメッセージ
物から人を描くときは
流れた時間に目を向けてみよう

2021年6月22日火曜日

兼題「蠅」

夏の夢遊びの中で膨らませ
暑き日よグリア細胞弱りをり
夕蛍英知と勇気と愚行かな
21グラムの魂梅雨の月
梅雨寒し欲なき日々を繰り返し

NHK俳句 兼題「蠅(はえ)」

玉の如き後ろ姿は瑠璃の蠅   岸本尚毅

俳句と想像力 俳句と寓意
死は易く生は蠅にぞ悩みける   森鴎外

今回のお気に入り
人がゐて蠅ゐてうまし市場飯   大塚好雄
(類句 蠅とびて遊びゐる身にめしまづし   森川暁水)
蠅打ちて蜘蛛宥(ゆる)したる夕餉前   秋本正
芍薬の硬き蕾に月の蠅   一澤千鶴子 
(3つの季語 夏の句として現実の情景なので良い。)
微苦笑の遺影の妻や夜の蠅   木原泰紀

岸本教官の添削道場

銀蠅の風人のごと吹き飛ばす   中田喜子
添削(直喩から暗喩に添削)
銀蠅をわれは風神吹きとばす

洗い終えたまな板に蠅   加賀翔
改作(3334の自由律俳句)
洗い終へてそのまな板に来たる蠅

野良犬や蠅食ひ芸で我が家住む
添削
蠅を食ふ野良犬ならば飼いにけり

2021年6月21日月曜日

ギブランとブーテンヴェクの言葉

鴨涼し小さき時より音外し
薄れない悲しみの中杜若
どくだみや流すことなき暮らしぶり 
描け夏の空へブルーインパルス
五月闇「運・鈍・根」のなかりけり 

カリル・ギブラン 曰く
「昨日は、今日のほんの思い出。
 そして、明日は今日の夢。」

フリードリヒ・ブーテルヴェク
「あまりに多くを望むのは
 何も望まないのと同じことになる。」

2021年6月20日日曜日

まあだだよ

筆感の融合を見る蓮の花
雲の峰動きの中の一瞬よ
生きていることに拘る青嵐
走馬灯もういいかいっにまぁだだよ
思いきり南風(ばいかじ)のごと生きたくて   

もういいかい 
作詞作曲 小椋佳

この国に生まれてこの国に育って
随分長々生きたものだと喜寿を超える歳に至り思う
振り返れば奇跡的に長い平和次第次第
豊かになるいい時代に恵まれたと

この国はそもそもいい加減が大事
神と仏とキリストないまぜ平等理念に背く憲法
ふと思えば信頼する政治家には会わずじまい
救いとなる知り合いには恵まれたと

この国はいつしか愛しく思っている
夢の挫折数えきれないけど
生きている以上一生懸命
生きてみたら思いのほか
嬉しいほどの運の極み
いい人生味わわせてもらいました

この国で遠い日遊びはかくれんぼ
僕の役回りはいつも鬼で
見つけきれずにずっと鬼のまま
振り返れば鬼のままのわが生涯さすがに喜寿
疲れました疲れましたもういいかい

コンサートの録画を毎日見ています。
そして毎日涙を流しています。
私はこの曲でLastWaltzが踊りたくなっています。
もう私もそろそろ引き際を感じ始めました。
自身に「まあだだよ」と言ってはみるものの…。
体が日に日に動かなくなっています。
喜寿にはまだですが、現実は直視しないと…。

見つけました…。
https://www.youtube.com/watch?v=sJqJA1SV6zY
小椋佳コンサート
https://www.youtube.com/watch?v=FJswL8isV3o

2021年6月19日土曜日

折り畳み傘で一句

百日紅天水桶に集う鳩
高き空白き牡丹に黒揚羽
白牡丹雄しべを散らす風を見ん
夏空へ増田太郎の声届け
音で咲く人になりたし五月富士

プレバト纏め 2021年6月17日
折り畳み傘で一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
子の傘に透ける窓あり青蛙
(伏線がはれている。確かな俳句。)

特待生昇格試験
森口瑤子
ジェラシーを追ってたたんで白日傘
(心理的対比が巧い。)

1位 高岸宏行
夏の朝丸太をもってはおろしては
添削(「かついで」ではなく「抱えて」の方が良いのでは?)
夏の朝丸太かついでランニング

2位 宮田俊哉
戻り梅雨軒先の粒犬吠える
添削
犬吠える梅雨の戻りの軒しずく

3位 神田愛花
NEWの傘「カワイイ!」欲しい梅雨カモン!!
添削
NEWの傘「カワイイ!」欲しい梅雨COMEN!!

4位 村上弘明
雲の峰写生する手に筆と傘
添削
雲の峰写生す傍らに雨傘

5位 中川大輔
夏の雨凌ぐ如意棒ふりまわす
添削
如意棒のごと傘をふる夏の雨

次回のお題は「ただ今のお待ち人数」

2021年6月18日金曜日

お花畑とは

(鈴木)松年の子を孤で育てたる強き女(ひと)(無季句)
七変化いつまで続くディストピア
イギリスにインドをかけてベトナムとす(無季句)
父と園児(こ)の大人の会話栗の花
霧晴れて一芯二葉摘む新茶

▪一分季語ウンチク 
夏っぽくない夏の季語「お花畑」

高山植物の咲き乱れている花畑のことを指します。
標高の高い山ではずっと雪が残っています。
その雪が溶けてようやく花が萌え出てくる。
平地ですと春に出てくるものが
高山だと夏になりようやくと言う事なのです。
急峻な峰を背後にそなえてサーっと
高山に広がっている花畑の美しさ。
その崇高だったり凄裂な印象というものを表現して
わざわざ頭に「お」という一文字がつくと言う訳なのです。
ただ「花畑」だと秋の季語のなるのですが
「お花畑」になると夏の季語になります。
「お」に込められた想いなども
上手く生かして使いたい季語です。

▪いいね!光源氏くん し~ずん2 より

しのびつつ ささらくみづに 梳かれれば
我が身のみこそ さはやかならむ

マジヤバイ 風強い日に 見た君にぃ
また会いたいな 今度飯どう?

2021年6月17日木曜日

兼題「新茶」

古(いにしえ)の祈りの居室苔茂る
移りゆく瞬間の中蝉生る 
執着が創り出す灯や大蛍
凄艶(せいえん)へ嫉妬の焔(ほのお)夕蛍
少々の執着持ちて蛇の殻

ギュッと!四国 夏井いつきの俳句道場
兼題「新茶」
選句ポイントは新茶の「新」をどう表現するか?

ギュッと!特選
新茶汲(く)む大師の水は涸(か)れ知らず   まっことマンデー

入選
金文字の明るき新茶買いにけり   おきいふ
茶筒へと移す新茶の山ゆたか   高橋寅次
湯を冷ます豊かな時間新茶汲(く)む   西村小市
錫茶箕(すずちゃき)に新茶ひかりて給湯室   ペトロア
新茶甘しぬるきを淹(い)れて今朝晴れて   かむろ坂喜奈子
新茶ぐいっ現在進行形に生きる   松本だりあ

夏井いつきの「秀作への道!」
お茶は最後の一滴に旨みや甘みが凝縮されていて
「ゴールデンドロップ」と呼ばれています。
「ベストドロップ」とも呼ばれています。
新茶の最後の1滴ともなれば希少価値があります。

それを詠んだ秀作
新茶くむ一滴のとろりと眩し   一斤染乃
膝正し新茶の雫汲みわけり   井納蒼求

今月の文明くん
新茶摘む働き者の手皺多し 文明
添削
新茶摘む皺多き手は働く手

今月のユニー句
新茶香るフードコートに人疎ら   伊予吟会 宵嵐
ロンドンは雨餞別の新茶かな   池之端モルト

参照:https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/

NHK松山放送局さま 
今回も丁寧にまとめてくださり
ありがとうございます。
感謝を込めて勉強させて貰っています。

2021年6月16日水曜日

題「投げる」

藻の花や縁語繋げて指折らん
梅雨寒し心失くして言葉なし
月光へ揺らめく白よ山法師
五月闇みんな同じとなかりけり
ずるしてもコロナ感染栗の花

NHK短歌 題「投げる」

光撒き飛ぶ少年が水面に投ぐるとき、戦車に投ぐるとき   
佐佐木頼綱

お気に入り
紙飛行機の投射角度は幼子の目指す世界の滑走路めく
西鎮
「解禁!」と半袖シャツを投げ出せばそこから夏が広がっていく
齊藤陽子
郵便の投函たびに指先は世界のふちの春風を押す
尾内甲太郎
投げ捨てし指先程の球根に指先程のチューリップ咲く
瀬戸口真澄

スポーツと日常
天の青に向かいて伸ばす我が腕よ放たれ芝を裂け円盤よ
佐藤京子

頼綱さんの!短歌かかって来なさい!
キーワード「ノールック投法」ゲスト岡島秀樹
Jeeterと向き合いながらOkey-Dokeンの震えを握り締める手のひら
佐佐木頼綱
ノールック18.44メートル先のミットへ過去ごと放て
星野真里&カン・ハンナ

今週の最後の二首は最高でした。
次回も宜しくです。

2021年6月15日火曜日

兼題「蛾」

初夏の夕一匹飛ばし絶筆とす
透け感に込めた思いや杜若(かきつばた)
序の舞の一点見据え扇かな
霊場の梅雨の晴れ間の彩りよ
帆を孕み夢へ漕ぎ出す雲の峰

NHK俳句 兼題「蛾(が)」
右の眼に大河左の眼に騎兵   西東三鬼

逃水をちひさな人がとほりけり   鴇田智哉

お気に入り
大透翅蛾(おおすかしば)ひかりを吸うて離れけり   碩(せき)真由美
触るるほど顔寄せてなほ蛾のしずか   久保田聰(あきら)
蛾の止まる電信柱むずがゆい   城内幸江

テーマは
「句のひとみ」になって読む 
ひとみのみなもと「目」って何?
でした。

2021年6月14日月曜日

雨宿りで一句

蝉生る青眉の中に夢あらん
何気ない仕草の違ひ田植花
夏の夜や焔(ほのお)に描いた優しき目
梅雨の月薄墨色を纏い待つ
月を待つ待ち焦がるるは夏の其方(そち)

プレバト纏め 2021年6月10日
雨宿りで一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
紫陽花の蒼きはぜるや雨しとど
添削(言葉が喧嘩している。)
紫陽花の蒼きよ雨にはぜる蒼

特待生昇級試験
三遊亭円楽
夕立や尻っぱしょりを犬が追う
(肩の力が抜けている。
 個人的に素晴らしいと思いました。
 尻っぱしょりとは走り易くする為に
 着物などの裾を帯に挟んでまくること。)

1位 伊集院光
濡れ鼠せめてどこぞの喜雨であれ
(喜雨とは夏の季語でひでりが長く続いた際
 ようやく降る恵みの雨のこと。)

2位 高島礼子
夕立にねれて行こうかウォーキング
添削(映像が見えてくるように添削。)
夕立も楽しウォーキングの歩幅

3位 二階堂高嗣
集め汁忘れ去られる片頭痛
添削(集め汁とは端午の節句に食べる汁物。
   邪気を払うとされている。)
味噌汁は熱し入梅(ついり)の片頭痛

4位 若槻千夏
梅雨冷えで足元みたら靴ぴえん
添削(ぴえんとは悲しみを表す流行言葉。)
タクシーは来ず梅雨冷えの靴ぴえん

5位 橋本直
夕立に軒下誘われ知るパン屋
添削
夕立の軒よパン屋と知る香り

三遊亭円楽さんの句が素晴らしかった。
また、夏井いつき先生の添削も勉強になりました。
次回のお題は「折りたたみ傘」期待しています!

2021年6月13日日曜日

子規の季重なり

満月にふわりと蛍頬に風
品格を描く松園夏の蝶
瞬きで感謝表す夏蒲団
勝山に虚ろなひとみ金魚草
太き眉文庫結びのうぶな夏

夏井いつき俳句チャンネル
【六月の正岡子規】
子規の句から季重なりを学びましょう

梅雨晴れやところどころに蟻の道   正岡子規

花一つ一つ虻(あぶ)もつ葵哉   正岡子規

川セミノ来ル柳ヲ愛スカナ   正岡子規

枇杷の実に蟻のたかりや盆の上   正岡子規
(枇杷の実に蟻のたかりの猛々し) 

火串(ほぐし)消えて鹿の嗅ぎよるあした哉   正岡子規
(火串は夏の季語。鹿は秋の季語。
 火串は夏に行われた鹿狩りの一種。
 狩りの中で使う物。鹿の通り道に火串と呼ぶ篝火を焚き
 その火が鹿の目に反射しキラッと光った瞬間そこに矢を射る。
 これを「照射(ともし)」と呼ぶ。)

季重なりを成功させるには
「何を表現したい、
 どの季語を一番強く言いたい
 目的を決めていること。」

2021年6月12日土曜日

兼題「浴衣」

短夜や透けた着物に帯締めて
鮮やかに襦袢が透けて夏の月
紗に透けた派手な襦袢よ夏の夜
青鳩や背筋伸ばした気高さよ
生え際のグラデーションや暑き日や

NHK俳句 兼題「浴衣」より

父母の遠くなりたる藍浴衣   片山由美

稽古後の半畳でたたむ濡れ浴衣   篠井英介

見直し「俳句の常識」比喩
白酒の紐の如くにつがれけり   高浜虚子

水中に火花さながらめだか散る   
(これは良い比喩。発想が豊かに表現されている。
アンテナを高く敏感に言葉を収集している。)

今週のお気に入り

先生の浴衣姿とすれ違ふ   山下民子
柿若葉ピアノの届く日曜日   雛川由美
浴衣着てますます似合ふ眼鏡かな   遠藤健人
浴衣着て浴衣の妻を駅に待つ   木原登

夏館青き水彩画のやうに   武井壮

2021年6月11日金曜日

氷河 夏の季語

蝶結び蛍の行方追いかけん
夏嵐研鑽の跡縮図帖
先人に学ぶ表現青嵐
汗拭ひリアルの中の美を探る
月を待つ誰かを待たん夏の宵

一分季語ウンチク 氷河
夏っぽくない夏の季語

氷河は普段、雪に覆われて見えません。
それが夏になると乗っていた雪が
全てとけてようやく氷河に
立てたり見ることができるのです。
なので夏の季語になっています。
夏の陽射しの中できらきら光る
美しい季語でもあります。

2021年6月10日木曜日

和歌バトル

松園の描く女やすまし顔(無季句)    
待月(たいげつ)や美人と蛍よく似合う
夏の夕眉に技あり立兵庫(たてひょうご)
松園の目線仕草や白団扇
留守模様雨音聞こえ苔茂る

いいね!光源氏くんし~ずん2 より
和歌バトル

ひとひらに香ゆかしきくれなゐをよそひてよその風の過ぐらむ
(香りのよいトマトソースの赤で彩った一切れのピッツァに
遠い異国の風が過ぎていくようだ)

色もなくそっけないふりしていてもピリッと効いてる君と鷹の爪

あけ色の心の染みてかうつつよりおぼろに見ゆる夢にまどろむ
(現実から離れておぼろげな夢にまどろんでいるようだ)

グリーンの葉に包まれてさっぱりとカルパッチョだけに軽いノリなり

花に似せ色のちぐさにならべどもひと花ごとに心まどひぬ
(花のように彩り豊かにいろいろ並んでいるけれど
 どの花を選ぶべきかそれぞれに迷ってしまった)

Junjunさん 番組のご紹介ありがとうございました!
ストライクゾーンど真ん中の番組との出会いに感謝です!

2021年6月9日水曜日

ボヘミアン・ラプソディを見て

蚊帳を吊る視線の先を飛ぶ蛍
一匹の蚊と闘いて落ちる蚊帳
文読みて泣きはらす夜や蚊帳の中
文読まん蚊帳の中より仰ぐ月
雨音やはだけた浴衣蚊帳を吊る

「ボヘミアン・ラプソディ」より
フレディ・マーキュリーはエイズによる肺炎で
1991年11月24日死去 享年45
ジムとは彼が亡くなるまで恋人関係にあった。
メアリーとは終生友人であり続けた。
彼はソロアスター教のしきたりに則り火葬された。
ボヘミアン・ラプソディは
彼の死の2週間後に再リリースされ1位を獲得。
最初の発表から16年後だった。
1992年クイーンとJ・ビーチはエイズと闘う財団
マーキュリー・フェニックス・トラストを設立した。

彼らの楽曲は素晴らしいと認識していたのですが…。
始めて彼らの人間関係に触れ、
すっかり引いてしまいました。
私の最も苦手とする人種でした…。南無…。

2021年6月8日火曜日

藤井医院へ

暑き宴カウント外す指導員
夏疲れ一分半の積む修行
月涼しダンスパーティ坐り胼胝
壮麗なダンスパーティー夏の霧
お洒落してピンヒール履き踊る夏

昨日は藤井医院へ…。
何も起こりませんでした。
久し振りに会う先生は満面の笑み…。
嬉しかった…。
我が人生の窮地にいつも助けてくれる藤井先生!
感謝!感謝です…。

2021年6月7日月曜日

題「街・町・まち」

村雨やマスク姿で立つ地蔵
マスクする地蔵直撃驟雨かな
献花を倒す荒梅雨に笑む地蔵
空腹に耐えるが薬草茂る
朝涼し一枚羽織りて雨の音

NHK短歌 題「街・町・まち」

ビル街は月のひかりを浴びながらわがために細き家路をひらく
田村元

今週のお気に入り
東北の小さな町の路地裏のコロッケおばちゃん大阪訛り
山田吉胤
友達の出て行った町私だけまだ白線の内側にいる
吉村おもち
この町の暗がり陽だまり水たまり誰よりも知るノラ猫の君
高津優里

熱血!短歌ロック!
靴ずれした足でゆっくり我が家へと帰る私に町はやさしい
星野真里
六年も暮らした街を離れれば初恋のよう美しきまま
カン・ハンナ
六年も暮らした街を離れればときおり灯る初恋のよう

題「旅」
せめてもの家の周りのお散歩でペンペン草が旅の切符ね
星野真里
せめてもの家の周りのお散歩ペンペン草旅の切符
張り詰めたリュック背負って進みゆくよそものに朝は無邪気な陽射し
カン・ハンナ
ぱんぱんのリュック背負って歩みゆくよそものに朝無邪気な陽射し

歌人、この一軒
四季の道敷石ひとつはがさむと酔ひしをんなへ五月雨細く
仙波龍英

短歌!あなたならどうする
招き猫二匹に招き寄せられて若き仙波と酒飲み交わす
田村元
招き猫二匹に招き寄せられてタピオカよりは生ビールがいい
カン・ハンナ
招き猫二匹に招き寄せられて今夜も共に飲み明かそうか
小島瑠璃子
招き猫二匹に招き寄せられて「まずは検温お願いします。」
星野真里

2021年6月6日日曜日

羽生善治と太宰治の言葉

母の年追い越して生く薔薇の咲く
茨の花母の遺品をカーテンに
梅雨じめり定家蔓(ていかかづら)のこんもりと
純朴と面白みあり与謝蕪村(無季句)
蕗味噌や亡父の香りほのかなり

羽生善治 曰く
「毎回石橋を叩いていたら、
 勢いも流れも絶対つかめない。」

太宰治 曰く
「怒る時に怒らなければ、
 人間のかいがありません。」

2021年6月5日土曜日

大福とバッグ

今朝の朝食❣いつもながら美味しかった❣
宝島社で注文してあったバッグが届きました❣
使い勝手の良い素晴らしいバッグでした。
また、注文させてもらいたく思いました。


 

フランクリンとウォードの言葉

揺れる蚊帳ようじ加えた女の眼線
夏の風ファガスの森のシロヤシオ
ハンカチの花傷つくことに飽きました
落し文DNAは残しけり
窓伝う雨をなぞりて夏柳

ベンジャミン・フランクリン 曰く

「愚か者の第一段階は、
 自分をよりよく見せようとする事である。
 第二段階は、
 それを他人にしゃべることである。
 最終段階は、
 他人の考えを馬鹿にすることである。」

キングス・レイ・ウォード 曰く

「自分の目標を達成している人、
 あるいは今の自分に本当に満足している人には
 滅多に出会うものではない。
 それなのに人生を左右するような問題の選択を
 大多数の意見に委ねるべきだろうか?」

2021年6月4日金曜日

水木しげるとロダンの言葉

夏の水愛するがゆえ傷つけて
暑い日のへらこい人の高笑い
御簾越しの浴衣の女月はるか
夏の浜乳を吸わせる海女ひとり
判じ絵を今に伝えん夏の夕

水木しげる 曰く
「不幸な顔をした人たちは、
 『成功しなかったら、人生はおしまい。』と
 決め込んでいるのかもしれないね。
 成功しなくてもいいんです。
 全身全霊で打込めることを探しなさい。」

オーガスト・ロダン 曰く
「現代人の欠点は、自分の職業に
 愛と誇りをもっていないことである。
 多くの人が職業を必要悪か、
 呪うべき苦役と考えている。」

2021年6月3日木曜日

ショーペンハウアーとモームの言葉

牡丹描く輪郭線を取り除き
桑の実に染められた唇と指
ゴルフ場声高らかに夏の鳥
領収書あなたと行った夏の宿
タブローに込めた原点夏に知り

ショーペンハウアー 曰く
「医者は人間を弱いもの、
 弁護士は人間を悪いもの、
 牧師は人間を愚かなものとみる。」

サマセット・モーム 曰く

「思い煩うことはない。
 人生に意味なんぞはありはしないのだ。」

折詰と色付き始めたブルーベリー

ごちになりました❣













今年はじめて色づいたブルーベリーです❣


2021年6月2日水曜日

高浜虚子と年尾の俳句

またずるがまかり通りて飯の汗
接種前予約反応汗みどろ
夏の朝コロナフレイル懸念せり
走馬灯最期に残すプレゼント
ハンカチの花数えきれないラブレター

夏井いつき俳句チャンネル より
【人生相談】朝4時に目が覚めてしまいます

五時沖も習ひとなりぬ明易き   高浜年尾

明易や花鳥諷詠南無阿弥陀   高浜虚子

ちなみに私は2時過ぎには起きています。
朝が一番作業が捗るのです。
以前は5時30分位に起きていたのですが
これを知って以来、日に日に早起きが進み
真夜中に起きだしている私です。

2021年6月1日火曜日

重松清と斎藤一人の言葉

夏の寺天水桶に集う鳩
歌麿よ天晴れ蚊帳の中と外
沈黙の予行演習夏の怪
阿佐海岸の田に写る夏の風
DMV海陽町の七変化

重松清 曰く
「人間って不思議なもので
 人との関係が煩わしくてストレスを感じるのに
 人との関係の中でストレスを解消する。」

斎藤一人 曰く
「私の方針はね、
 人に優しく自分に優しくなの。
 だから、私は幸せなの。
 常識だとか、皆が言うからとか、
 関係ないの。
 我慢なんかしなくていいんだよ。」