惜春や次の世代へ受け継がる
春景や勝利手にしたホンダかな(浅木さん)
にぎやかで勢いのある春祭り
ちゃんと向き合っていた十三詣り
知性ある言葉を発す春の興
■夏井いつき俳句チャンネル
【書籍紹介】自由律俳句を味わう!【「朝起きたら自由律だった」】
象の森書房「朝起きたら自由律だった」きむらけんじ
セカンドゴロだけど1点入ったような日 きむらけんじ
元炊飯器の釜が花育ててる きむらけんじ
よろけて入る母の名のスナック きむらけんじ
参観日の佐藤の母の大きな指輪 きむらけんじ
深く静かにママ友に派閥ある きむらけんじ
ニワトリもおじさんも柵超えて来た きむらけんじ
プラネットジアース「鳩を蹴る」 きむらけんじ
老いた母来てコーラしかない きむらけんじ
おかんすぐ動く考えたら負け きむらけんじ
インタビュー
4冊目 ほんで他の本いれたら?
エッセイみたいなんが2、3冊あるから7冊ぐらいですね
ようここの出版社もね 潰れんとね 付き会うてくれてる
よう辛抱してくれてはりますね もうこれでたぶん最後やろと
いやいや ちなみに今回はなんかだいぶ沢山俳句が入ってると
今回はぎょうさん522句くらい へーだいぶサービスしましたね
1句3円80銭くらい 単価が安い 定価は2千円 わかりましたじゃあ
お金持ってる人は買って欲しいな と思てますけど ちなみに
後ろにおるのがこの句集の写真を撮ったカメラマンです
これケニアらしいです タイトルと何の関係もない
ケニアらしい句じゃないんですね 全然 ここにあの
せやこれ忘れてた 夏井いつきさんに書いてもらっているんです
なんか書いてますね なんか書いてはりますね これもよう
帯だけでもええから見に来て下さい 夏井いつきさんが作った
自由律ではないんです 違いますね 帯だけ書いてる
間違わんように じゃあまあそんなことで
この句集が売れるように よろしくお願いします!
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「花鳥」
鳥の固有の名前というものも沢山季語にはなっているんですが
この「花鳥」というものは特定の種類の鳥を指す言葉ではありません
桜の花にやって来る鳥 全般のことを指す季語と
歳時記には解説されております
よく花鳥風月とか花鳥諷詠という言葉もあるんですが
その花鳥とはまた関係のない単語だそうです
元ネタとしましては芭蕉の俳句からきている季語なんだそうです
「蝙蝠(こうもり)も出よ浮き世の華に鳥」
という句から派生してきた季語であるらしいです
■雪舟から若冲へ「相国寺文化圏」の実像
この一枝の梅ははっと人を驚かせる春の景色を感じさせ
氷や霜と闘う清らかさを持つ 厳中周噩(げんちゅうしょうがく)
根のないこの一枝が絵に収まり永遠のかなたから吹く
春風が暖かく巡っている 玉畹梵芳
茅舎は松に連なり戸は閉さず 野橋春の上(ほとり) 早梅の顔(かんばせ)
吾祖(吾祖)如拙(じょせつ)周文(しゅうぶん)
■「民藝 無作為の美 深沢直人が心を打たれたものたち」
日本民藝館 館長 深澤直人
心から「はぁ~」と思ったものを集めようと
形が優しい
無作為に作られているようだけど
そこで生活している人でないと浮かばない形
2025年4月30日水曜日
2025年4月29日火曜日
兼題「燕」&テーマ「私だけの発見」
春の店先煙草くゆらせたむろせり
わらび餅所狭しと並ぶ棚
車停め隣の店へ姥桜
群れなさん特売品へ春の宵
買物済ませサザンと帰宅遅日
■NHK俳句 兼題「燕」
年間のテーマ「語ろう!俳句」
選者:高野ムツオ 司会:柴田英嗣
ゲスト:能町みね子・かわにしなつき・鈴木牛後・斉藤志歩
兼題「燕」南からやってきて春が来たことを知らせてくれる
春が来たという思いと人間と燕の営み
この響き合いが俳句に出てくるといい
① ぶらんこの浮かびごこちを初つばめ 鈴木牛後
「ぶらんこ」「初燕」どちらも春の季語
「を」(助詞ひとつ)「浮かびごこち」巧い
ぶらんこののんびり感と初燕の素早さがうまく溶けあっている
② 雨だよと上目遣いの燕たち かわにしなつき
先入観を無くすとなかなか良い句に思えて来たと高野先生
③ 燕来る電柱傾ぎ川奏で 高野ムツオ
川は楽器で奏でている
電柱は指揮棒を持って揺れているイメージで作った
④ 散髪の帰りは雨の燕かな 斉藤志歩
「の」の使い方はテクニックが凄い「は」は曲者
⑤ つばくらめ描線は牛小屋を裂く 能町みね子
燕の軌跡の鋭さの比喩としてダイナミックな燕の生命感を感じさせる
俳句は景を写すと同時に言葉で景を構築するという魅力がある
つばくらめの飛び方と牛小屋という重くて暗いもの 組み合わせが面白い
描線という硬い言葉を使いながらつばくらめの飛ぶ姿を見せている
挨拶句 能町さんは挨拶のできるしっかりとした俳人と高野先生
俳句は簡潔にわかりやすく作るのが基本
しかし中身は解かりにくくいろんな解釈ができる
さまざまな方向から考え鑑賞すると中身が深くなる
そこにも俳句の魅力がある
・特選三席発表 兼題「燕」
一席 下ばかり向くなと燕旋回す 小林孝恵
二席 人類は塔を創るやつばくらめ 池田宏陸(ひろむ)
三席 空を切るフルスイングや初燕 猪岡義弘
・特選六句発表
鎮魂の海低く低く燕飛ぶ 平野恵子
燕来る通勤快速が遅い 佐藤志祐
臨月の妻と見上げる燕かな 佐々木昭夫
本開けば翼のかたち燕飛ぶ 松A子
表札は七(なな)人のまま燕来る 三村文利
燕来る胎(はら)の子ぐうと伸びをせむ 立花紅
俳句は人に対する挨拶 自然そのものに対する挨拶でもある
世の中全てに対する挨拶でもある これが五七五なんですと高野先生
■NHK短歌 テーマ「私だけの発見」
年間のテーマ「“伝える”短歌 “伝わる”短歌」
選者:木下龍也 ゲスト:道尾秀介 司会:尾崎世界観
自分が内側に持っている風景 感情 アイデアを
どのように(短歌の中に)詳細を保持するか
木下さんの歌集を読む前には二度と戻れない
不可逆的な変化が自分の中に起きた
「私だけの」と付けることで個人的な体験であったり
自分だけが持ていたもの
自分だけが感じていたであろう感情を書いてくれる
・入選九首 テーマ「私だけの発見」
引っ越しの最後の残る洗濯がto be continuedみたいで
髙山准
(詩の神に眠そうに答えるAll around you 木下龍也)
ネパールのコリコリのやつご飯に合う名前も知らないコリコリのやつ
野口み里(大根のアチャール)
髪の毛を何度も触るここだけが生きてるときと同じ手触り
澁戸なずむ
一席 死の上に立たせる命があるから死の一画目はこんなに平
浅寝むい
自転車は漕げば必ず耳元に風音を呼ぶ金管楽器
掛口弘
泣いていいコーヒーを飲むたび浮かぶ月がきれいに満ちる夜には
十条坂
手のひらに大きなラの字があると知りそれからずっと手のひらに歌
琴里(ことり)梨央(無価値な発見ではあるけれど自分だけの発見
行動をコントロールさせる歌)
二席 チョコレート一粒そっとくださる日あなたも何か苦しんでいる
板倉亜澄(あすみ)(距離感に品がある 思いを寄せるだけ…。)
三席 五円玉稲穂に付きし籾(もみ)の数二十七粒それでも垂れる
畑啓之(ひろゆき)(余白の使い方がシャープ)
・“伝える”短歌 “伝わる”短歌
木下流短歌の育て方
道尾さんの“私だけの発見”
ビーカーを割らせた僕へまっすぐに破片のような視線が刺さる
⇩推敲
ビーカーの破片のような一瞥(いちべつ)がまぶたの裏でときおり痛む
⇩推敲(痛みは目に残らない肌に記憶が残る)
ビーカーの破片のような一瞥がおまえを嵌めた手から抜けない
(目と手の話「おまえを嵌めた手から抜けない」ってふうにして
抜けない状態がある 手のひらにあるから
たまに見るという距離感の歌にしてみた)
作品を作るうえでそれを広く届けようにするのか
深く届けようとするのかというところで いつも自分が
短歌を作りときにバランスに悩む
法の女神テミスは右手に天秤(公平の象徴)、左手に剣(力の象徴)を
持っている 顔は目隠しをしているという像
左手に持っている剣が自分のやりたいこと
右手に持っている秤が小説・作品としてのバランス
どっちも持っていないといけない
どちらも100%で受け入れられるようなものを作るイメージ
道尾
出来ないことをやるというのを大事にしている 表現者として
これ完成しているのかな❓大丈夫かな❓って不安になるような
ものを作り続けるというのはすごく大事
尾崎
・ことばのバトン
爽やかに次の畑へお引越し
増田明美(スポーツジャーナリスト)
⇩
あみだで辿る言の葉の脈
保科潤(出版社 営業)
自分の中で培ってきたコミュニケーションの木があるとして
生い茂る葉っぱの一つ一つに葉脈が通っている
葉脈をあみだくじでたどるような運任せ気楽に素敵な出会い
あればいいかな 出会いは言葉と共に
わらび餅所狭しと並ぶ棚
車停め隣の店へ姥桜
群れなさん特売品へ春の宵
買物済ませサザンと帰宅遅日
■NHK俳句 兼題「燕」
年間のテーマ「語ろう!俳句」
選者:高野ムツオ 司会:柴田英嗣
ゲスト:能町みね子・かわにしなつき・鈴木牛後・斉藤志歩
兼題「燕」南からやってきて春が来たことを知らせてくれる
春が来たという思いと人間と燕の営み
この響き合いが俳句に出てくるといい
① ぶらんこの浮かびごこちを初つばめ 鈴木牛後
「ぶらんこ」「初燕」どちらも春の季語
「を」(助詞ひとつ)「浮かびごこち」巧い
ぶらんこののんびり感と初燕の素早さがうまく溶けあっている
② 雨だよと上目遣いの燕たち かわにしなつき
先入観を無くすとなかなか良い句に思えて来たと高野先生
③ 燕来る電柱傾ぎ川奏で 高野ムツオ
川は楽器で奏でている
電柱は指揮棒を持って揺れているイメージで作った
④ 散髪の帰りは雨の燕かな 斉藤志歩
「の」の使い方はテクニックが凄い「は」は曲者
⑤ つばくらめ描線は牛小屋を裂く 能町みね子
燕の軌跡の鋭さの比喩としてダイナミックな燕の生命感を感じさせる
俳句は景を写すと同時に言葉で景を構築するという魅力がある
つばくらめの飛び方と牛小屋という重くて暗いもの 組み合わせが面白い
描線という硬い言葉を使いながらつばくらめの飛ぶ姿を見せている
挨拶句 能町さんは挨拶のできるしっかりとした俳人と高野先生
俳句は簡潔にわかりやすく作るのが基本
しかし中身は解かりにくくいろんな解釈ができる
さまざまな方向から考え鑑賞すると中身が深くなる
そこにも俳句の魅力がある
・特選三席発表 兼題「燕」
一席 下ばかり向くなと燕旋回す 小林孝恵
二席 人類は塔を創るやつばくらめ 池田宏陸(ひろむ)
三席 空を切るフルスイングや初燕 猪岡義弘
・特選六句発表
鎮魂の海低く低く燕飛ぶ 平野恵子
燕来る通勤快速が遅い 佐藤志祐
臨月の妻と見上げる燕かな 佐々木昭夫
本開けば翼のかたち燕飛ぶ 松A子
表札は七(なな)人のまま燕来る 三村文利
燕来る胎(はら)の子ぐうと伸びをせむ 立花紅
俳句は人に対する挨拶 自然そのものに対する挨拶でもある
世の中全てに対する挨拶でもある これが五七五なんですと高野先生
■NHK短歌 テーマ「私だけの発見」
年間のテーマ「“伝える”短歌 “伝わる”短歌」
選者:木下龍也 ゲスト:道尾秀介 司会:尾崎世界観
自分が内側に持っている風景 感情 アイデアを
どのように(短歌の中に)詳細を保持するか
木下さんの歌集を読む前には二度と戻れない
不可逆的な変化が自分の中に起きた
「私だけの」と付けることで個人的な体験であったり
自分だけが持ていたもの
自分だけが感じていたであろう感情を書いてくれる
・入選九首 テーマ「私だけの発見」
引っ越しの最後の残る洗濯がto be continuedみたいで
髙山准
(詩の神に眠そうに答えるAll around you 木下龍也)
ネパールのコリコリのやつご飯に合う名前も知らないコリコリのやつ
野口み里(大根のアチャール)
髪の毛を何度も触るここだけが生きてるときと同じ手触り
澁戸なずむ
一席 死の上に立たせる命があるから死の一画目はこんなに平
浅寝むい
自転車は漕げば必ず耳元に風音を呼ぶ金管楽器
掛口弘
泣いていいコーヒーを飲むたび浮かぶ月がきれいに満ちる夜には
十条坂
手のひらに大きなラの字があると知りそれからずっと手のひらに歌
琴里(ことり)梨央(無価値な発見ではあるけれど自分だけの発見
行動をコントロールさせる歌)
二席 チョコレート一粒そっとくださる日あなたも何か苦しんでいる
板倉亜澄(あすみ)(距離感に品がある 思いを寄せるだけ…。)
三席 五円玉稲穂に付きし籾(もみ)の数二十七粒それでも垂れる
畑啓之(ひろゆき)(余白の使い方がシャープ)
・“伝える”短歌 “伝わる”短歌
木下流短歌の育て方
道尾さんの“私だけの発見”
ビーカーを割らせた僕へまっすぐに破片のような視線が刺さる
⇩推敲
ビーカーの破片のような一瞥(いちべつ)がまぶたの裏でときおり痛む
⇩推敲(痛みは目に残らない肌に記憶が残る)
ビーカーの破片のような一瞥がおまえを嵌めた手から抜けない
(目と手の話「おまえを嵌めた手から抜けない」ってふうにして
抜けない状態がある 手のひらにあるから
たまに見るという距離感の歌にしてみた)
作品を作るうえでそれを広く届けようにするのか
深く届けようとするのかというところで いつも自分が
短歌を作りときにバランスに悩む
法の女神テミスは右手に天秤(公平の象徴)、左手に剣(力の象徴)を
持っている 顔は目隠しをしているという像
左手に持っている剣が自分のやりたいこと
右手に持っている秤が小説・作品としてのバランス
どっちも持っていないといけない
どちらも100%で受け入れられるようなものを作るイメージ
道尾
出来ないことをやるというのを大事にしている 表現者として
これ完成しているのかな❓大丈夫かな❓って不安になるような
ものを作り続けるというのはすごく大事
尾崎
・ことばのバトン
爽やかに次の畑へお引越し
増田明美(スポーツジャーナリスト)
⇩
あみだで辿る言の葉の脈
保科潤(出版社 営業)
自分の中で培ってきたコミュニケーションの木があるとして
生い茂る葉っぱの一つ一つに葉脈が通っている
葉脈をあみだくじでたどるような運任せ気楽に素敵な出会い
あればいいかな 出会いは言葉と共に
2025年4月28日月曜日
あの人に会いたい フジコ・ヘミング
浜節句継承なるや春の雲
春の空基礎なきものに未来なし
春の雲越えしところに答えあり
限界を決めてはならぬ石鹸玉
ゴールなき目標持ちて春を生く
■あの人に会いたい フジコ・ヘミング(ピアニスト)
2024(令和6)年 92歳没
なにも心がなくて ただ こうやって 機械みたいに弾いていたら
世界のコンクールでは1等になりますよね なったって そんなので
お客を引き付けるということはできないですよ
母 投網子 父 ジョスタ・ヘミング
5歳の時から母にピアノを習う
ピアノを習わされていたんですか❓(長嶋一茂)
ええ習わされた うちの母がピアニストだったからね
わたしにどうしてピアノをやらせたかって 子どものときに
ピアノによじ登って 弾いているときのその音が
もう何とも言えない いい音だから この子にピアノをやらせたら
きっときれいな ピアノを弾くだろうと思ってやらせたってね
6歳のころ 父はスウェーデンに帰国
母が夜になると弾く♪ノクターン作品9-2 ショパンが原点となった
私たちは8時になると 寝させられて 隣の部屋で母が弾いていたのは
いいなぁと思ったけど ああ美しいと思った ショパンの
「ノクターン」や「夜曲」なんかを ゆっくりした曲を弾いていて
ああ なんていいんだと思ったんですね
16歳 右耳の聴力を失う
私 耳が聞こえなくなて 学校の授業もできなくなって
もうついていけなくなって 何も聞こえないの それで
とても悲しい思いをしました それでも東京芸術大学に進み
1953年NHK毎日コンクール入選
ドイツ留学を希望するも無国籍であることを知る
「日本からはどこにも出られません」って言って
それで「これは大変だ!」って言ってドイツの大使が
私のファンで 彼が全部やってくださって 赤十字の避難民の
パスポートをもらって 彼が作ってくださって
1961年 ベルリン国立音楽学校へ留学できたのは29歳の時
地元の新聞ディー・ヴェルト紙
「ピアノのために ショパンとリストのために生まれてきた」
苦しかったですよ 私は 食べるものも倹約していたし
1週間くらい水にお砂糖を入れて かき混ぜて飲んでいましたよね
とにかくピアニストなんていうのは野球の選手と違って
すごい大きなで上の人が怒らない状態で ピアノが置いていないと
ダメじゃん? だからものすごく金持ちじゃなくちゃ
できないことなのよね
オーストリア ウィーン 活路を見いだすために移住するとチャンスが
レナード・バーンスタインが演奏を聞いてくれた
あの時はすごかった 忘れられないわよ 目を輝かせて喜んで
私を抱いてキスをして 口にキスをして その場所というのは
ベートーベンも演奏した会場なのよ だからすごいじゃない
もう天国へ行っても忘れないわよ あの時のことはね
バーンスタインの紹介でウィーンで演奏会を予定
再び悲劇が 直前に高熱を出し 38歳 両耳の聴力を失う
本当に 星が落っこちちゃった みたいな感じがした
自分が希望を持っているとね その時 何にも聞こえないときが
2年ぐらい続いたから ずいぶんチャンスが… 失いましたよ その期間
だから惜しいことよ 悪魔よ 悪魔がいるんだ この世の中に
左耳の一部の聴力は回復するもピアノ教師として生計を
立てるしかなくなっていた たまにですけれども 本当の私の値打ちを
認める人がどこにでもいるんですよ 例えばドイツ人の教養のある人が
私の新聞記事を読んで 「あんた こんなところでなにやってんだ
もったいない話だ」って「もっとニューヨークとかロンドンとか
東京とか そういう街へ行って」「一発やれば 今に有名になるな」って
言われたけど そんな移動するお金もなかったし
もう諦めていましたね 私の出番は天国だと思って
私は自分の「カンパネラ」が 一番気に入っていて
一つ一つ魂が入っているようなさ ぶっ壊れそうな「カンパネラ」
だっていいじゃない 私はぶっ壊れそうな繊細なピアニスト
芸術家のほうが好きだもの 少しは間違ってもかまいはしない
機械じゃあるまいしさ
67歳で発売したファーストアルバム「奇跡のカンパネラ」は
クラシック界では異例の300万枚を売り上げます
フジコブームが巻き起こりました
うれしかったです でも反響があれほどになるとも思わなかった
ピアニストとして成功するなんてことは不可能だったはずだからね
まるで神様のいたずらみたい その人気は海外に広がりました
これからショパンの曲を演奏します
辛抱したほうがそれを乗り越えて鍛えられていくんじゃないかな
私はやっぱり すごい苦しんだ生活をしたり
それを乗り越えてきたのが みんな演奏に出ているんだと思うから
それを聞いてくれた人が やっぱり
感じる人は感じるんだと思うからね
私の妄想かもしれないけれど 段々演奏が 今のほうが
良くなっていると思うんです というのは自信が出てきて
若いときは 私よりももっとうまい人が 世の中には
星の数ほどいるんだろうと思って わからないですからね
それがそうじゃないってことがわかったから なんかもう
全然 自信満々で あんまりドキドキ怖くなくなったから
演奏がうまくいくようになったと思いますけど
完成なんて人間にはありえないですよね
どんな人も どんな芸術家も これでいいのかな なんて
天国に行ったら聞けばいいんだ 天国に行ったらモーツァルトや
ショパンに会って あれで良かったか聞いてみますよ
絶対「あれで良かったすばらしいです」というだろうと思うよ
奇跡のピアニスト フジコ・ヘミングさん
魂を込めた旋律で運命を切り拓いた92年の生涯でした
春の空基礎なきものに未来なし
春の雲越えしところに答えあり
限界を決めてはならぬ石鹸玉
ゴールなき目標持ちて春を生く
■あの人に会いたい フジコ・ヘミング(ピアニスト)
2024(令和6)年 92歳没
なにも心がなくて ただ こうやって 機械みたいに弾いていたら
世界のコンクールでは1等になりますよね なったって そんなので
お客を引き付けるということはできないですよ
母 投網子 父 ジョスタ・ヘミング
5歳の時から母にピアノを習う
ピアノを習わされていたんですか❓(長嶋一茂)
ええ習わされた うちの母がピアニストだったからね
わたしにどうしてピアノをやらせたかって 子どものときに
ピアノによじ登って 弾いているときのその音が
もう何とも言えない いい音だから この子にピアノをやらせたら
きっときれいな ピアノを弾くだろうと思ってやらせたってね
6歳のころ 父はスウェーデンに帰国
母が夜になると弾く♪ノクターン作品9-2 ショパンが原点となった
私たちは8時になると 寝させられて 隣の部屋で母が弾いていたのは
いいなぁと思ったけど ああ美しいと思った ショパンの
「ノクターン」や「夜曲」なんかを ゆっくりした曲を弾いていて
ああ なんていいんだと思ったんですね
16歳 右耳の聴力を失う
私 耳が聞こえなくなて 学校の授業もできなくなって
もうついていけなくなって 何も聞こえないの それで
とても悲しい思いをしました それでも東京芸術大学に進み
1953年NHK毎日コンクール入選
ドイツ留学を希望するも無国籍であることを知る
「日本からはどこにも出られません」って言って
それで「これは大変だ!」って言ってドイツの大使が
私のファンで 彼が全部やってくださって 赤十字の避難民の
パスポートをもらって 彼が作ってくださって
1961年 ベルリン国立音楽学校へ留学できたのは29歳の時
地元の新聞ディー・ヴェルト紙
「ピアノのために ショパンとリストのために生まれてきた」
苦しかったですよ 私は 食べるものも倹約していたし
1週間くらい水にお砂糖を入れて かき混ぜて飲んでいましたよね
とにかくピアニストなんていうのは野球の選手と違って
すごい大きなで上の人が怒らない状態で ピアノが置いていないと
ダメじゃん? だからものすごく金持ちじゃなくちゃ
できないことなのよね
オーストリア ウィーン 活路を見いだすために移住するとチャンスが
レナード・バーンスタインが演奏を聞いてくれた
あの時はすごかった 忘れられないわよ 目を輝かせて喜んで
私を抱いてキスをして 口にキスをして その場所というのは
ベートーベンも演奏した会場なのよ だからすごいじゃない
もう天国へ行っても忘れないわよ あの時のことはね
バーンスタインの紹介でウィーンで演奏会を予定
再び悲劇が 直前に高熱を出し 38歳 両耳の聴力を失う
本当に 星が落っこちちゃった みたいな感じがした
自分が希望を持っているとね その時 何にも聞こえないときが
2年ぐらい続いたから ずいぶんチャンスが… 失いましたよ その期間
だから惜しいことよ 悪魔よ 悪魔がいるんだ この世の中に
左耳の一部の聴力は回復するもピアノ教師として生計を
立てるしかなくなっていた たまにですけれども 本当の私の値打ちを
認める人がどこにでもいるんですよ 例えばドイツ人の教養のある人が
私の新聞記事を読んで 「あんた こんなところでなにやってんだ
もったいない話だ」って「もっとニューヨークとかロンドンとか
東京とか そういう街へ行って」「一発やれば 今に有名になるな」って
言われたけど そんな移動するお金もなかったし
もう諦めていましたね 私の出番は天国だと思って
私は自分の「カンパネラ」が 一番気に入っていて
一つ一つ魂が入っているようなさ ぶっ壊れそうな「カンパネラ」
だっていいじゃない 私はぶっ壊れそうな繊細なピアニスト
芸術家のほうが好きだもの 少しは間違ってもかまいはしない
機械じゃあるまいしさ
67歳で発売したファーストアルバム「奇跡のカンパネラ」は
クラシック界では異例の300万枚を売り上げます
フジコブームが巻き起こりました
うれしかったです でも反響があれほどになるとも思わなかった
ピアニストとして成功するなんてことは不可能だったはずだからね
まるで神様のいたずらみたい その人気は海外に広がりました
これからショパンの曲を演奏します
辛抱したほうがそれを乗り越えて鍛えられていくんじゃないかな
私はやっぱり すごい苦しんだ生活をしたり
それを乗り越えてきたのが みんな演奏に出ているんだと思うから
それを聞いてくれた人が やっぱり
感じる人は感じるんだと思うからね
私の妄想かもしれないけれど 段々演奏が 今のほうが
良くなっていると思うんです というのは自信が出てきて
若いときは 私よりももっとうまい人が 世の中には
星の数ほどいるんだろうと思って わからないですからね
それがそうじゃないってことがわかったから なんかもう
全然 自信満々で あんまりドキドキ怖くなくなったから
演奏がうまくいくようになったと思いますけど
完成なんて人間にはありえないですよね
どんな人も どんな芸術家も これでいいのかな なんて
天国に行ったら聞けばいいんだ 天国に行ったらモーツァルトや
ショパンに会って あれで良かったか聞いてみますよ
絶対「あれで良かったすばらしいです」というだろうと思うよ
奇跡のピアニスト フジコ・ヘミングさん
魂を込めた旋律で運命を切り拓いた92年の生涯でした
2025年4月27日日曜日
歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」岩下尚史
春の朝寝ても寝ても寝足りない
握った手をも離すのね花の雨
むなしさを道連れに鳥雲にいる
瞬間を懸命に生く花の冷え
目を閉じて心開いて春の月
■芸能きわみ堂 吉原にうごめく殺意!?歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」
遊郭吉原 廓社会の闇
享保年間(1716~1736)吉原百人斬り事件
この事件をもとに作られたのが
歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」
容姿にコンプレックスを持った男が入り込んだのは魅惑の世界
悲劇の裏
ゲスト 岩下尚史(作家・國學院大學客員教授)
新橋演舞場に勤めていた
子どもの頃 NHKの番組で中村歌右衛門に魅了される
大学の時 後援会に入る 最年少会員となる
刀は鞘を離れると人に危害を及ぼす 妖刀(ようとう)
江戸で髄一の歓楽街 錦の裏を見せる芝居
明治21年 三世河竹新七作 歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」
明治時代の名作に勘九郎 七之助が挑む!
商人 佐野次郎座衛門 中村勘九郎
(大好きな演目 いつか演じてみたい)
遊女 八ツ橋 中村七之助
(嬉しくて嬉しくてしょうがない この空気に一生いたい)
次郎左衛門がどういう思いで(八ツ橋に)ほれているのか
父の解釈 祖父の解釈 (台本に)書いていない部分が大切
その部分を腹に落として演じるということが大切
見る方によって捉え方が違ってくる
あらすじ
次郎左衛門が初めて吉原を訪ねる
江戸の吉原という所は話には聞いておりましたが
こんな立派な所とは今まで知らずにおりました
性格はいたって誠実で素朴 そんな次郎左衛門がが会ったのは
絶世の美女兵庫屋 八ツ橋 に一瞬にして心を奪われてしまったのです
それから 何度も吉原に通うように
八ツ橋を見受けしようとする ところが問題が
繁山栄之丞「これ八ツ橋 よくもわしを振り捨てて
見受けをされて出る気になったな
栄之丞と別れたくない八ツ橋は
「どうぞこの後わちきのところへ遊びに来てくださんすな」
つれない仕打ちに次郎左衛門は絶望するのでした
次郎左衛門は八ツ橋にほれたが はじめから かなわぬ恋だった
(吉原は)お金を介在して成立する場所 次郎左衛門は八ツ橋の手管
あくまで遊び 本気でほれては遊びではない
本当の恋は別にしなさい きれいな嘘の社会
遊女は客を騙すもの いい気分にさせて帰すのが遊女
幕府公認の遊郭 吉原 囲われていたから廓
大門 かご・刀は禁止 アナザーワールド 異世界
そこに君臨するのは最上級遊女 花魁
花魁と仲良くなるには❓
Step① 引手茶屋の女将に花魁を紹介してもらう
Step② 初会 遊女屋にて花魁と初対面
はじめは冷たい態度の花魁
Step③ 冷たい態度に負けず2度目の訪問
おあがんなんし いい飲みっぷりざんす よそよそしい
Step④ 花魁専用の本部屋へ招かれる
お待ちしていんした 馴染み 名前入りの箸袋のプレゼント
3度目にして花魁の馴染みとして認められる
段階があるのでお客も嬉しい そこに行き着くまでの過程を楽しむ
あの人だったらいいわと言われないとだめ
それが男の喜びだった 初めて会った時の花魁の態度
花魁の取り巻きの人件費も含んだ費用が必要となる
5~600万円から 使おうと思えば数千万円
見返りと期待するような男は遊びに行く資格はない
遊びは見返りを求めちゃいけない
「したんだから」「したのに」そういう言葉が入ってはだめ
そう思う人は行っちゃいけない
廓世界の虜となった次郎左衛門
廓に通い始めて半年 商売仲間を連れてきた
「このうきうきしたところが どうにも言えぬ心持ちでございましょう!
おだててくださるな 汗が出ます」
半年後 次郎左衛門の衣装がいいものに変わっている
「ちょうど向こうから八ツ橋花魁がお出でになりましたよ」
「この具合が 実に無類でございますね」
そこへ八ツ橋がやってくる
商売仲間が八ツ橋のあまりの美しさに驚き褒めたたえる
「お二人さん 察して下さい」
「こりゃあ次郎左衛門どのが自慢するのはもっともだ」
「これ(八ツ橋)は売り物買い物(商品)だから私の来ぬ時お買いなさい」
「まあ あの口の憎らしい」
次郎左衛門は遊び慣れていない これだけ「馴染み」になったのを
見せびらかせる 地元の仲間を小馬鹿にしている
八ツ橋の心持ちははっきりしない 本人も何となく決めかねていた
事実は八ツ橋には間夫(まぶ)がいた
その存在があったのに次郎左衛門は気づいていない
気づかずに身請けをしようと思っている
次郎左衛門のいない所では
「佐野の客を断ってきれいに愛想をつかしたらそれで疑い晴らしてやるわ」
「そんならこれまでお世話になったお客へみすみす愛想づかしを」
予想外の次郎左衛門は
「そりゃああんまり そでなかろうぜ(冷たいぜ) 田舎者のその上に
ふた目と見られぬ(醜い)わしゆえに 断られても仕方がない
が なぜ初手から 言うてくださらぬ
4か月後…八ツ橋を訪れた次郎左衛門 恨み爆発
八ツ橋はじめ大勢を斬り殺すのでした
現代ではこの廓の世界は少々冷たく感じてしまうかも
そういう世界があったということ
あれほどの花魁に間夫(まぶ)がいないはずがない
「好きな間夫がありゃ添わせてやろう」
という人じゃないと本当の旦那じゃない
ここで次郎左衛門に同情する
「縁切り物」作品の多く⇨男のためにうそで愛想をつかす
この芝居は本気で言っている 本当にこの男に
身請けさせるのは嫌と言っている芝居は珍しい
江戸時代だったら こういう作りにはならなかった
明治だから 明治にできていたら理想だけではお客は満足しない
すごく厳しいよね吉原もというところを見せる
同じような境涯の「ああわかる」という女性の見物もあったと思う
どの役も自分の立場ではこう言うだろうなというセリフ
八ツ橋が身請けを断る場面
八ツ橋を説得する芸者たち⇨立場に見合ったセリフで書かれている
よくできているのはこのタイトル「籠釣瓶花街酔醒」
さとのえいざめ
紳士たちの社交場が(吉原から)新橋や赤坂と言った芸者屋町に移る
吉原がだんだん寂しくなっていく 徳川泰平の夢も醒めて
懐かしくて美しかったけど決していいことばかりでもない
遊女のつとめもつらかった という反省もあった
刀 怪刀「籠釣瓶」作ったのは「村正」
刀が動いている 刀に引っ張られている 刀に意思があるかのようです
籠釣瓶の由来
井戸水をくむ釣瓶が籠だと 水が漏れる
水がたまらない⇨「水もたまらぬ」 諸説あり
徳川家康まつわる話
松平清康(祖父) 村正の刀で斬殺
松平広忠(父) 村正の脇差しで暗殺
徳川家康 村正を手にしたとき怪我
松平信康(息子) 村正の刀で介錯
村正は妖刀であるとなった
魂がこもってる ただ武器というだけではなかった
妖刀村正というものをドラマの中にいれたのも見事
握った手をも離すのね花の雨
むなしさを道連れに鳥雲にいる
瞬間を懸命に生く花の冷え
目を閉じて心開いて春の月
■芸能きわみ堂 吉原にうごめく殺意!?歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」
遊郭吉原 廓社会の闇
享保年間(1716~1736)吉原百人斬り事件
この事件をもとに作られたのが
歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」
容姿にコンプレックスを持った男が入り込んだのは魅惑の世界
悲劇の裏
ゲスト 岩下尚史(作家・國學院大學客員教授)
新橋演舞場に勤めていた
子どもの頃 NHKの番組で中村歌右衛門に魅了される
大学の時 後援会に入る 最年少会員となる
刀は鞘を離れると人に危害を及ぼす 妖刀(ようとう)
江戸で髄一の歓楽街 錦の裏を見せる芝居
明治21年 三世河竹新七作 歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」
明治時代の名作に勘九郎 七之助が挑む!
商人 佐野次郎座衛門 中村勘九郎
(大好きな演目 いつか演じてみたい)
遊女 八ツ橋 中村七之助
(嬉しくて嬉しくてしょうがない この空気に一生いたい)
次郎左衛門がどういう思いで(八ツ橋に)ほれているのか
父の解釈 祖父の解釈 (台本に)書いていない部分が大切
その部分を腹に落として演じるということが大切
見る方によって捉え方が違ってくる
あらすじ
次郎左衛門が初めて吉原を訪ねる
江戸の吉原という所は話には聞いておりましたが
こんな立派な所とは今まで知らずにおりました
性格はいたって誠実で素朴 そんな次郎左衛門がが会ったのは
絶世の美女兵庫屋 八ツ橋 に一瞬にして心を奪われてしまったのです
それから 何度も吉原に通うように
八ツ橋を見受けしようとする ところが問題が
繁山栄之丞「これ八ツ橋 よくもわしを振り捨てて
見受けをされて出る気になったな
栄之丞と別れたくない八ツ橋は
「どうぞこの後わちきのところへ遊びに来てくださんすな」
つれない仕打ちに次郎左衛門は絶望するのでした
次郎左衛門は八ツ橋にほれたが はじめから かなわぬ恋だった
(吉原は)お金を介在して成立する場所 次郎左衛門は八ツ橋の手管
あくまで遊び 本気でほれては遊びではない
本当の恋は別にしなさい きれいな嘘の社会
遊女は客を騙すもの いい気分にさせて帰すのが遊女
幕府公認の遊郭 吉原 囲われていたから廓
大門 かご・刀は禁止 アナザーワールド 異世界
そこに君臨するのは最上級遊女 花魁
花魁と仲良くなるには❓
Step① 引手茶屋の女将に花魁を紹介してもらう
Step② 初会 遊女屋にて花魁と初対面
はじめは冷たい態度の花魁
Step③ 冷たい態度に負けず2度目の訪問
おあがんなんし いい飲みっぷりざんす よそよそしい
Step④ 花魁専用の本部屋へ招かれる
お待ちしていんした 馴染み 名前入りの箸袋のプレゼント
3度目にして花魁の馴染みとして認められる
段階があるのでお客も嬉しい そこに行き着くまでの過程を楽しむ
あの人だったらいいわと言われないとだめ
それが男の喜びだった 初めて会った時の花魁の態度
花魁の取り巻きの人件費も含んだ費用が必要となる
5~600万円から 使おうと思えば数千万円
見返りと期待するような男は遊びに行く資格はない
遊びは見返りを求めちゃいけない
「したんだから」「したのに」そういう言葉が入ってはだめ
そう思う人は行っちゃいけない
廓世界の虜となった次郎左衛門
廓に通い始めて半年 商売仲間を連れてきた
「このうきうきしたところが どうにも言えぬ心持ちでございましょう!
おだててくださるな 汗が出ます」
半年後 次郎左衛門の衣装がいいものに変わっている
「ちょうど向こうから八ツ橋花魁がお出でになりましたよ」
「この具合が 実に無類でございますね」
そこへ八ツ橋がやってくる
商売仲間が八ツ橋のあまりの美しさに驚き褒めたたえる
「お二人さん 察して下さい」
「こりゃあ次郎左衛門どのが自慢するのはもっともだ」
「これ(八ツ橋)は売り物買い物(商品)だから私の来ぬ時お買いなさい」
「まあ あの口の憎らしい」
次郎左衛門は遊び慣れていない これだけ「馴染み」になったのを
見せびらかせる 地元の仲間を小馬鹿にしている
八ツ橋の心持ちははっきりしない 本人も何となく決めかねていた
事実は八ツ橋には間夫(まぶ)がいた
その存在があったのに次郎左衛門は気づいていない
気づかずに身請けをしようと思っている
次郎左衛門のいない所では
「佐野の客を断ってきれいに愛想をつかしたらそれで疑い晴らしてやるわ」
「そんならこれまでお世話になったお客へみすみす愛想づかしを」
予想外の次郎左衛門は
「そりゃああんまり そでなかろうぜ(冷たいぜ) 田舎者のその上に
ふた目と見られぬ(醜い)わしゆえに 断られても仕方がない
が なぜ初手から 言うてくださらぬ
4か月後…八ツ橋を訪れた次郎左衛門 恨み爆発
八ツ橋はじめ大勢を斬り殺すのでした
現代ではこの廓の世界は少々冷たく感じてしまうかも
そういう世界があったということ
あれほどの花魁に間夫(まぶ)がいないはずがない
「好きな間夫がありゃ添わせてやろう」
という人じゃないと本当の旦那じゃない
ここで次郎左衛門に同情する
「縁切り物」作品の多く⇨男のためにうそで愛想をつかす
この芝居は本気で言っている 本当にこの男に
身請けさせるのは嫌と言っている芝居は珍しい
江戸時代だったら こういう作りにはならなかった
明治だから 明治にできていたら理想だけではお客は満足しない
すごく厳しいよね吉原もというところを見せる
同じような境涯の「ああわかる」という女性の見物もあったと思う
どの役も自分の立場ではこう言うだろうなというセリフ
八ツ橋が身請けを断る場面
八ツ橋を説得する芸者たち⇨立場に見合ったセリフで書かれている
よくできているのはこのタイトル「籠釣瓶花街酔醒」
さとのえいざめ
紳士たちの社交場が(吉原から)新橋や赤坂と言った芸者屋町に移る
吉原がだんだん寂しくなっていく 徳川泰平の夢も醒めて
懐かしくて美しかったけど決していいことばかりでもない
遊女のつとめもつらかった という反省もあった
刀 怪刀「籠釣瓶」作ったのは「村正」
刀が動いている 刀に引っ張られている 刀に意思があるかのようです
籠釣瓶の由来
井戸水をくむ釣瓶が籠だと 水が漏れる
水がたまらない⇨「水もたまらぬ」 諸説あり
徳川家康まつわる話
松平清康(祖父) 村正の刀で斬殺
松平広忠(父) 村正の脇差しで暗殺
徳川家康 村正を手にしたとき怪我
松平信康(息子) 村正の刀で介錯
村正は妖刀であるとなった
魂がこもってる ただ武器というだけではなかった
妖刀村正というものをドラマの中にいれたのも見事
2025年4月26日土曜日
あの本、読みました? 本の帯 けんご
親を待つ長元坊(チョーゲンボウ)の五羽のひな
麦鶉(むぎうずら)姿見えねど「ご吉兆」
麦鶉出会いの広場へやって来し
麦鶉相手探しは命がけ
春の鳩石を啄みクックルク~
■あの本、読みました?
【本の帯】で見つける読みたい本!けんご感動…36年前の名作
鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔P
中島將智 けんご 染井為人 瀧澤宣彦(のぶひこ) 鶴見真緒
「正体」著者 染井為人が語る 執筆秘話&けんごとの共通点
「ブレイクショットの軌跡」の一文 逢坂冬馬著/早川書房
松山は、明らかに急いで昴から視線をそらし、自分の工具箱に向かった。
あ、と思わず昴は声を出した。松山は怪訝そうな顔で振り向いた。
なんだよ、と例の「怖い顔」が言っていた。昴は、松山が工具箱に
向かおうとしたとき、ブレイクショットの車内にボルトを一つ
落すのを見てしまった。明らかに、松山はそれに気づいていない。
(中略)
規則では、他人の失敗に気づいた場合も、即座に作業停止を
呼びかけて上長に報告しなければならない。だが、昨日自分の
襟首を摑んだ松山が、今まさに二年十一ヶ月の工程をすべて終え、
これから「放免祝い」に臨む場面で、彼が失敗したと
工場全体に告げることに、昴は躊躇した。
帯から見つける読みたい本 けんごが語る売れる帯の秘密とは?
けんご 染井為人 中島將智
小説紹介クリエイターとは?
帯とSNSの新たな関係
「アルジャーノンに花束を」何回読んでも泣けます
けんごの好きな♪アルジャーノン/ヨルシカ
林祐輔Pの好きなのは♪DEAR ALGERNON 氷室京介
「残像に口紅を」筒井康隆著/中公文庫
単行本初版1989年 文庫本初版1995年
SNSで話題!相次ぐ重版
「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光著/新潮文庫
ネタバレ厳禁の帯
洗練された文章に引き込まれ、清らかな物語に心を摑まれました。
帯とSNS 伝えたい思い
「正体」染井為人著 光文社文庫
けんご氏激推し!今年一番ボロ泣きしました
よんでほしい ただそれだけです
業界初!×書店 帯コラボ企画
鶴見真緒
全面帯の文言はけんごのSNS
奈保美 一気読み大賞ノミネート 逃亡者と市井の人々
「正体」の一文 染井為人著 光文社文庫
「ひとつ、確認なんですが」となりに立つベンゾーが静かに口を開いた。
「御社はなぜ作業員に対して割増賃金を払っていないのでしょうか」
柳瀬の手がピタッと止まった。
(中略)
「うちはさ、これまでずっとこれで やってきてんだよ。
文句言う奴なんていなかったしね。だいいち元々の時給が
千二百五十円だからこういった場所にしちゃ悪くはないだろう」
「それは答えではありません」「じゃいいよ。辞めてもらっても。
納得できないまま働くこともないじゃない。どうぞどうぞ
荷物まとめて今すぐここを出て行って」
エッセンシャルワーカー描く思いとは…
冤罪 マスメディアの責任 尻拭いさせられる人々
心から出た言葉なら残すが…。かっこつけた言葉は…。
自分の感覚を信じて書く 疑問を持たれる可能性のある言葉は排除
染井為人氏 最新作 「歌舞伎町ララバイ」双葉社
家出少女の七瀬が“歌舞伎町に巣食う悪党”に立ち向かう物語
祝❣祝❣祝❣祝❣祝❣祝❣
2025年本屋大賞 大賞「カフネ」
第1回「あの本、読みました?」大賞
第8回未来屋小説大賞
読むと誰かに語りたくなる!
「カフネ」著者 阿部暁子
麦鶉(むぎうずら)姿見えねど「ご吉兆」
麦鶉出会いの広場へやって来し
麦鶉相手探しは命がけ
春の鳩石を啄みクックルク~
■あの本、読みました?
【本の帯】で見つける読みたい本!けんご感動…36年前の名作
鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔P
中島將智 けんご 染井為人 瀧澤宣彦(のぶひこ) 鶴見真緒
「正体」著者 染井為人が語る 執筆秘話&けんごとの共通点
「ブレイクショットの軌跡」の一文 逢坂冬馬著/早川書房
松山は、明らかに急いで昴から視線をそらし、自分の工具箱に向かった。
あ、と思わず昴は声を出した。松山は怪訝そうな顔で振り向いた。
なんだよ、と例の「怖い顔」が言っていた。昴は、松山が工具箱に
向かおうとしたとき、ブレイクショットの車内にボルトを一つ
落すのを見てしまった。明らかに、松山はそれに気づいていない。
(中略)
規則では、他人の失敗に気づいた場合も、即座に作業停止を
呼びかけて上長に報告しなければならない。だが、昨日自分の
襟首を摑んだ松山が、今まさに二年十一ヶ月の工程をすべて終え、
これから「放免祝い」に臨む場面で、彼が失敗したと
工場全体に告げることに、昴は躊躇した。
帯から見つける読みたい本 けんごが語る売れる帯の秘密とは?
けんご 染井為人 中島將智
小説紹介クリエイターとは?
帯とSNSの新たな関係
「アルジャーノンに花束を」何回読んでも泣けます
けんごの好きな♪アルジャーノン/ヨルシカ
林祐輔Pの好きなのは♪DEAR ALGERNON 氷室京介
「残像に口紅を」筒井康隆著/中公文庫
単行本初版1989年 文庫本初版1995年
SNSで話題!相次ぐ重版
「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光著/新潮文庫
ネタバレ厳禁の帯
洗練された文章に引き込まれ、清らかな物語に心を摑まれました。
帯とSNS 伝えたい思い
「正体」染井為人著 光文社文庫
けんご氏激推し!今年一番ボロ泣きしました
よんでほしい ただそれだけです
業界初!×書店 帯コラボ企画
鶴見真緒
全面帯の文言はけんごのSNS
奈保美 一気読み大賞ノミネート 逃亡者と市井の人々
「正体」の一文 染井為人著 光文社文庫
「ひとつ、確認なんですが」となりに立つベンゾーが静かに口を開いた。
「御社はなぜ作業員に対して割増賃金を払っていないのでしょうか」
柳瀬の手がピタッと止まった。
(中略)
「うちはさ、これまでずっとこれで やってきてんだよ。
文句言う奴なんていなかったしね。だいいち元々の時給が
千二百五十円だからこういった場所にしちゃ悪くはないだろう」
「それは答えではありません」「じゃいいよ。辞めてもらっても。
納得できないまま働くこともないじゃない。どうぞどうぞ
荷物まとめて今すぐここを出て行って」
エッセンシャルワーカー描く思いとは…
冤罪 マスメディアの責任 尻拭いさせられる人々
心から出た言葉なら残すが…。かっこつけた言葉は…。
自分の感覚を信じて書く 疑問を持たれる可能性のある言葉は排除
染井為人氏 最新作 「歌舞伎町ララバイ」双葉社
家出少女の七瀬が“歌舞伎町に巣食う悪党”に立ち向かう物語
祝❣祝❣祝❣祝❣祝❣祝❣
2025年本屋大賞 大賞「カフネ」
第1回「あの本、読みました?」大賞
第8回未来屋小説大賞
読むと誰かに語りたくなる!
「カフネ」著者 阿部暁子
2025年4月25日金曜日
たんぽぽで一句&兼題「花見」&初耳学「桑田佳祐」
うらなりの自己愛強く鼓草
儚くも浮かんで消えた春の夢
銀臨や川面飛び跳ね遡上せり
階段状の魚道稚鮎の跳び越えん
本格化上流目指し鮎遡上
■プレバト纏め 2025年4月24日
たんぽぽで一句
特別永世名人 梅沢富美男の締めのお手本
胎動や柔し琥珀のたんぽぽ茶
(たんぽぽ茶を季語にするのは無理がある
やで強く切れ 柔しでも意味が切れる 柔しが何に対して柔し?
胎動の柔し 柔き琥珀のたんぽぽ茶 とすべき
書こうという意志もなくダラダラと詠んでいる)
永世名人 村上健志 傑作50選
蒲公英やせーので運ぶ朝礼台
(朝礼前の空気 重さ 土の感触 蒲公英が足元にある
季語がしっかりと主役に立っている)
■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場
兼題「花見」(春の季語)
桜の花を愛でること。
桜を意味する「花」は植物の季語だが「花見」は人事・生活の季語。
短い花の盛りを愛でようとする人間の存在が季語の重要な要素になる。
傍題:花見酒・花の踊・花人・花戻など
▼ギュッと!特選
みんなどこへ行くの花見じゃなかったの 里山子
選句ポイント:人事の季語らしい滑稽味
佳作 義弟とは初めましての花見かな せんとう一波
疎遠かな我人生に花見洒 渋柿
昼休み車の中から花見する 森の真林
(添削 昼休み車の中からの花見 五七五のリズムにする)
秀作 白に溺れる花戻のデスク 風友
コップ手に写真の花見車椅子 宇佐メジロ
佳作 押花は花見の跡よ母子手帳 解凍みかん
空に母まだ寒き日の花見かな わぎゃん
秀作 服薬の水の波打つ花見船 砂楽梨
佳作 花人となりて金毘羅七百段 佐藤浩章
花見酒ちらり頭に白いもの 一本杉
秀作 ほんたうは淋しい花見終わらない 笑笑うさぎ
佳作 灯朧(ひおぼろ)の花見気ままにハーモニカ 西瓜頭
・秀作への道!
今回のポイント「季語の分類を意識しよう」
季語は「時候」「天文」「地理」「人事(生活)」「動物」「植物」「行事(生活)」など
7つのジャンルに分類される。
今回の兼題「花見」は人の生活に関するジャンル「人事」に分類される。
花見の花は桜を指しているが、季語「桜」は「植物」に分類されるため、別の季語になる。
古来から日本人の心をとらえてやまない桜。
もちろん俳句においても堂々たる季語として存在感を放っている。
ライオンの鬣(たてがみ)におちる桜かな 堀池誠海
[解説]文字に落とし込まれた内容から判断する以上、
この句は「花見」ではなく「桜(植物)」の句と読まざるを得ない。
映像の捉え方は的確。
缶コーヒー一片纏う桜道 孫の手観音
[解説]缶コーヒーに一片(ひとひら)の桜がついたことを句にした。
季語のジャンルとしてはあくまで植物。
人事(生活)の季語である「花見」は人の営みであり、
周辺に存在する人間が季語の重要な要素になる。
ジャンルの違いを意識することで、それぞれの季語が持つ
「この季語ならでは!」の味わいを活かそう。
次回の兼題は「田植(たうえ)」夏の季語
■日曜日の初耳学 サザンオールスターズ桑田佳祐SP完結編
MISS BRAND-NEW DAY
誰の為本当の君を捨てるの
Crazy
しなやかと軽さを
はき違えてる
慣れない場所で背伸び
All naight
粋な努力をただで売る
Yes,I Know.
She‘s right on time.
今宵 With you
You should know
She’s breaking up my heart
割とよくあるタイプの君よ
「史上最悪のモンスター」
現代の世界情勢
Liveが苦手なのはデビューの頃からずっとなんです
憧れていたのは、ザ・ビートルズがを止めてスタジオに籠り、
レコーディングをしている姿‼
言葉の広げ方 果てしない 「ごめんね母さん」
ウスバカゲロウ 明治の文豪が使っていたのでは❓
ウスバカゲロウのような人生だったなんて、
アナタは言うが、そんなウスバカゲロウに対して
非常に失礼なモノの言い方をするもんじゃ…ないですよね❓
「悲しみはブギの彼方に」
とどのつまりは あなた土性骨(どしょっぽね)すわってる
それはそうと もう一度キスして
即興 ♪初耳学 感想ソング
作詞作曲サザンオールスターズ桑田佳祐
すてきなお花に囲まれて 逢いたかった先生とお話できて
こんな幸せな番組をありがとう ただ こんな失礼な
ムチャブリをされたことない Now it‘s Time 今でしょ
Now it‘s Time 今でしょ
儚くも浮かんで消えた春の夢
銀臨や川面飛び跳ね遡上せり
階段状の魚道稚鮎の跳び越えん
本格化上流目指し鮎遡上
■プレバト纏め 2025年4月24日
たんぽぽで一句
特別永世名人 梅沢富美男の締めのお手本
胎動や柔し琥珀のたんぽぽ茶
(たんぽぽ茶を季語にするのは無理がある
やで強く切れ 柔しでも意味が切れる 柔しが何に対して柔し?
胎動の柔し 柔き琥珀のたんぽぽ茶 とすべき
書こうという意志もなくダラダラと詠んでいる)
永世名人 村上健志 傑作50選
蒲公英やせーので運ぶ朝礼台
(朝礼前の空気 重さ 土の感触 蒲公英が足元にある
季語がしっかりと主役に立っている)
■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場
兼題「花見」(春の季語)
桜の花を愛でること。
桜を意味する「花」は植物の季語だが「花見」は人事・生活の季語。
短い花の盛りを愛でようとする人間の存在が季語の重要な要素になる。
傍題:花見酒・花の踊・花人・花戻など
▼ギュッと!特選
みんなどこへ行くの花見じゃなかったの 里山子
選句ポイント:人事の季語らしい滑稽味
佳作 義弟とは初めましての花見かな せんとう一波
疎遠かな我人生に花見洒 渋柿
昼休み車の中から花見する 森の真林
(添削 昼休み車の中からの花見 五七五のリズムにする)
秀作 白に溺れる花戻のデスク 風友
コップ手に写真の花見車椅子 宇佐メジロ
佳作 押花は花見の跡よ母子手帳 解凍みかん
空に母まだ寒き日の花見かな わぎゃん
秀作 服薬の水の波打つ花見船 砂楽梨
佳作 花人となりて金毘羅七百段 佐藤浩章
花見酒ちらり頭に白いもの 一本杉
秀作 ほんたうは淋しい花見終わらない 笑笑うさぎ
佳作 灯朧(ひおぼろ)の花見気ままにハーモニカ 西瓜頭
・秀作への道!
今回のポイント「季語の分類を意識しよう」
季語は「時候」「天文」「地理」「人事(生活)」「動物」「植物」「行事(生活)」など
7つのジャンルに分類される。
今回の兼題「花見」は人の生活に関するジャンル「人事」に分類される。
花見の花は桜を指しているが、季語「桜」は「植物」に分類されるため、別の季語になる。
古来から日本人の心をとらえてやまない桜。
もちろん俳句においても堂々たる季語として存在感を放っている。
ライオンの鬣(たてがみ)におちる桜かな 堀池誠海
[解説]文字に落とし込まれた内容から判断する以上、
この句は「花見」ではなく「桜(植物)」の句と読まざるを得ない。
映像の捉え方は的確。
缶コーヒー一片纏う桜道 孫の手観音
[解説]缶コーヒーに一片(ひとひら)の桜がついたことを句にした。
季語のジャンルとしてはあくまで植物。
人事(生活)の季語である「花見」は人の営みであり、
周辺に存在する人間が季語の重要な要素になる。
ジャンルの違いを意識することで、それぞれの季語が持つ
「この季語ならでは!」の味わいを活かそう。
次回の兼題は「田植(たうえ)」夏の季語
■日曜日の初耳学 サザンオールスターズ桑田佳祐SP完結編
MISS BRAND-NEW DAY
誰の為本当の君を捨てるの
Crazy
しなやかと軽さを
はき違えてる
慣れない場所で背伸び
All naight
粋な努力をただで売る
Yes,I Know.
She‘s right on time.
今宵 With you
You should know
She’s breaking up my heart
割とよくあるタイプの君よ
「史上最悪のモンスター」
現代の世界情勢
Liveが苦手なのはデビューの頃からずっとなんです
憧れていたのは、ザ・ビートルズがを止めてスタジオに籠り、
レコーディングをしている姿‼
言葉の広げ方 果てしない 「ごめんね母さん」
ウスバカゲロウ 明治の文豪が使っていたのでは❓
ウスバカゲロウのような人生だったなんて、
アナタは言うが、そんなウスバカゲロウに対して
非常に失礼なモノの言い方をするもんじゃ…ないですよね❓
「悲しみはブギの彼方に」
とどのつまりは あなた土性骨(どしょっぽね)すわってる
それはそうと もう一度キスして
即興 ♪初耳学 感想ソング
作詞作曲サザンオールスターズ桑田佳祐
すてきなお花に囲まれて 逢いたかった先生とお話できて
こんな幸せな番組をありがとう ただ こんな失礼な
ムチャブリをされたことない Now it‘s Time 今でしょ
Now it‘s Time 今でしょ
2025年4月24日木曜日
100分de名著 村上春樹 ❝ねじまき鳥クロニクル❞②
春の鳥旋回重ね田宮川
駐車場独りぼっちの花見かな
約2年胃痛と共に春を生く
春の夜や胃痛を止める手立てなし
春惜しむ品切れ多しまた値上げ
■100分de名著 村上春樹❝ねじまき鳥クロニクル❞②大切な存在の喪失
沼野充義 伊集院光 阿部みちこ
間宮中尉をバスの停留所まで見送ったその日の夜、
クミコは家に帰ってこなかった。
猫のことの他に、何か私にお手伝い
できるようなことはございますでしょうか
僕が欲しいのはどんな小さなつまらないこと
でもいいから、具体的な事実なんです。
「電話を待つことです」それからもうひとつ、
そのうちに半分の月が何日か続くことになるでしょう
「半分の月?」と僕は言った。
「最初に君に会ったときから、私は君という人間に対して
何の希望も持っていなかった。
君という人間の中には、何かをきちんとなし遂げたり、
あるいは君自身をまともな人間に育てあげるような
前向きな要素というものがまるで見当たらなかった。
はっきり言ってしまえば、君の頭の中にあるのは、
ほとんどゴミや石ころみたいなものなんだよ。(略)」
「いいですか、僕はあなたが本当は
どういう人間かよく知っています。
僕はあなたのそのつるつるしたテレビ向き、世間向きの
仮面の下にあるもののことを、よく知っている。
そこにある秘密を知っている。
僕は詰まらない人間かもしれないが、少なくとも
サンドバックじゃない。生きた人間です。
叩かれれば叩きかえします。
そのことはちゃんと覚えておいた方がいいですよ」
綿矢ノボルは高学歴の経済学者 超エリート 弁舌も立つ
綿矢ノボルは弱い人に対して共感する能力がまったくない
「やれやれ」と言って引き下がるのではなく これから戦っていく
痛みと快感の中で、私の肉はどんどん大きく裂けていきました。
(略)
そのぱっくりとふたつに裂けた自分の肉の中から、
私がこれまでに見たことも触れたこともなかった何かが、
かきわけるようにして抜け出してくるのを私は感じたのです。
(略)
でもそれはまるで生まれたての赤ん坊のようにぬるぬるしたものでした。
「ねじまき鳥クロニクル」第2部 13加納クレタの話の続き
デイヴィッド・リンチ的なものを感じた
「イレイザーヘッド」(1977年)
父親となった青年が経験する超現実的ホラー
デイヴィッド・リンチ長編映画デビュー作
綿矢ノボルは人間の奥底に潜んでいる
得体のしれないものを引きずり出す
クミコの姉の死にも綿矢ノボルは関係していたらしい
クミコ自身も綿矢ノボルの影響下にあるかもしれない
綿矢ノボルの「悪」を描いた意図
権力を持つ男性が加害の自覚がなく女性を性的に傷つける
権力者の加害性 ポピュリズム的な政治
村上春樹訳 ティム・オブライエン
「虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ」
その淡い闇には淡い闇なりの濃密な暗さがあった。
それはある場合には完全な暗黒よりもかえって
意味の深い闇を含んでいた。
そんな奇妙な含みを持った闇の中で、僕の記憶は
これまでにない強い力を身に帯びはじめていた。
さっきじっとクラゲを見ているうちに、私はふとこう思ったの。
わたしたちがこうして目にしている光景というのは、
世界のほんの一部にすぎないんだってね。
本当の世界はもっと暗くて、深いところにあるし、
その大半がクラゲみたいなもので占められているのよ。
「私が誰か別の人と浮気したとは思わない?
そういう可能性は考えない?」「考えないね」
「他の誰かと浮気したの?」と僕はふと気になって、
試しに尋ねてみた。クミコは笑って首を何度か横に振った。
「まさか。そんなことするわけがないでしょう。
でもね、正直に言うと、私にはときどきいろんなことが
わからなくなってくるのよ。私の中のどこかに、
何かちょっとしたものが潜んでいるような気がすることがあるの。
ちょうど空き巣が家の中に入ってきて、
そのまま押入れに隠れているみたいにね。
そしてそれがときどき外に出てきて、私自身のいろんな
順序やら倫理やらを乱すの。磁気が機械を狂わせるように」
井戸に下りて見つめるクミコの闇
地下の闇に広がる怖ろしいものに結びついていって
ノボルの心に潜む恐ろしいものを見つけていく
トオルは井戸の底に潜ってクミコが抱える闇を探っていく
「明かりはつけないでおいて」と女の声が僕に告げた。
それが誰の声なのかはすぐにわかった。僕に何度か
あの奇妙な電話をかけてきた謎の女の声だった。
「(略)いったい君は誰なんだ?」「いったい私は誰なのかしら?」
と女はおうむ返しに言った。でもその口調には揶揄の響きはなかった。
「オカダトルさん、私の名前をみつけてちょうだい。
いいえ、わざわざ見つける必要もないのよ。あなたは私の名前を
既にちゃんと知っているの。あなたはそれを思い出すだけでいいのよ。
あなたが私の名前をみつけることさえできれば、
私はここを出ていくことができる。(略)」
部屋の暗闇の中に廊下の光がさっと差し込むのとほとんど同時に、
僕らは壁の中に滑り込んだ。壁はまるで巨大なゼリーのように
冷たく、どろりとしていた。僕は壁を通り抜けているんだ。
僕はどこかからどこかに移るために、壁を通り抜けている。
女の舌が僕の口の中に入ってくるのが感じられた。
腰の奥に射精のだるい欲望を感じた。
でも僕はしっかりと目を閉じてそれに耐えた。
井戸の異界への通路に 「壁抜け」
壁を抜けて現実の世界と異界を行ったり来たりできる
能力がトオルに付与された 性的な描写が入ってくる
現実の世界と異界の境界を通り抜ける決定的な瞬間に性的イメージ
謎の女の「名前」を探す物語
スティグマ(聖痕)
リアリズム的な小説の基盤の上にファンタジー的な要素が強く存在
ラテンアメリカ文学 「マジックリアリズム」
村上春樹をマジックリアリズムに捉えて愛読する読者は海外に多い
このような結果をもたらしたものの存在を、私は強く憎みます。
お願いだから、私のことはこれ以上気にかけないでください。
私の行方を探したりもしないでください。
良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです。
そのときに僕は幻影を見たのだ。あるいは啓示のようなものを。
僕は何かを見逃している。彼女は僕がよく知っているはずの
誰かなのだ。それから何かがさっと裏返るみたいに、
僕はすべてを理解する。間違いない。あの女はクミコだったのだ。
クミコはあの暗黒の部屋の中に閉じこめられ、そこから
救(たす)け出されることを求めていた。
どれだけの時間がかかることになるのかはわからない。
どれだけの力が必要とされるのかわからない。
でも僕は踏みとどまらなくてはならない。
そしてその世界に向けて手を伸ばすための
手だてをみつけなくてはならない。
静かに訪れる「啓示」
ミルチャ・エリアーデ(1907~1986)
ルーマニア出身の宗教学者
すべての宗教的体験の基本は「ヒエロファニー」
ヒエロファニー=聖なるものの顕現(けんげん)
村上春樹は最初は小説をここで終わらせようと考えていた
約2年胃痛と共に春を生く
春の夜や胃痛を止める手立てなし
春惜しむ品切れ多しまた値上げ
■100分de名著 村上春樹❝ねじまき鳥クロニクル❞②大切な存在の喪失
沼野充義 伊集院光 阿部みちこ
間宮中尉をバスの停留所まで見送ったその日の夜、
クミコは家に帰ってこなかった。
猫のことの他に、何か私にお手伝い
できるようなことはございますでしょうか
僕が欲しいのはどんな小さなつまらないこと
でもいいから、具体的な事実なんです。
「電話を待つことです」それからもうひとつ、
そのうちに半分の月が何日か続くことになるでしょう
「半分の月?」と僕は言った。
「最初に君に会ったときから、私は君という人間に対して
何の希望も持っていなかった。
君という人間の中には、何かをきちんとなし遂げたり、
あるいは君自身をまともな人間に育てあげるような
前向きな要素というものがまるで見当たらなかった。
はっきり言ってしまえば、君の頭の中にあるのは、
ほとんどゴミや石ころみたいなものなんだよ。(略)」
「いいですか、僕はあなたが本当は
どういう人間かよく知っています。
僕はあなたのそのつるつるしたテレビ向き、世間向きの
仮面の下にあるもののことを、よく知っている。
そこにある秘密を知っている。
僕は詰まらない人間かもしれないが、少なくとも
サンドバックじゃない。生きた人間です。
叩かれれば叩きかえします。
そのことはちゃんと覚えておいた方がいいですよ」
綿矢ノボルは高学歴の経済学者 超エリート 弁舌も立つ
綿矢ノボルは弱い人に対して共感する能力がまったくない
「やれやれ」と言って引き下がるのではなく これから戦っていく
痛みと快感の中で、私の肉はどんどん大きく裂けていきました。
(略)
そのぱっくりとふたつに裂けた自分の肉の中から、
私がこれまでに見たことも触れたこともなかった何かが、
かきわけるようにして抜け出してくるのを私は感じたのです。
(略)
でもそれはまるで生まれたての赤ん坊のようにぬるぬるしたものでした。
「ねじまき鳥クロニクル」第2部 13加納クレタの話の続き
デイヴィッド・リンチ的なものを感じた
「イレイザーヘッド」(1977年)
父親となった青年が経験する超現実的ホラー
デイヴィッド・リンチ長編映画デビュー作
綿矢ノボルは人間の奥底に潜んでいる
得体のしれないものを引きずり出す
クミコの姉の死にも綿矢ノボルは関係していたらしい
クミコ自身も綿矢ノボルの影響下にあるかもしれない
綿矢ノボルの「悪」を描いた意図
権力を持つ男性が加害の自覚がなく女性を性的に傷つける
権力者の加害性 ポピュリズム的な政治
村上春樹訳 ティム・オブライエン
「虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ」
その淡い闇には淡い闇なりの濃密な暗さがあった。
それはある場合には完全な暗黒よりもかえって
意味の深い闇を含んでいた。
そんな奇妙な含みを持った闇の中で、僕の記憶は
これまでにない強い力を身に帯びはじめていた。
さっきじっとクラゲを見ているうちに、私はふとこう思ったの。
わたしたちがこうして目にしている光景というのは、
世界のほんの一部にすぎないんだってね。
本当の世界はもっと暗くて、深いところにあるし、
その大半がクラゲみたいなもので占められているのよ。
「私が誰か別の人と浮気したとは思わない?
そういう可能性は考えない?」「考えないね」
「他の誰かと浮気したの?」と僕はふと気になって、
試しに尋ねてみた。クミコは笑って首を何度か横に振った。
「まさか。そんなことするわけがないでしょう。
でもね、正直に言うと、私にはときどきいろんなことが
わからなくなってくるのよ。私の中のどこかに、
何かちょっとしたものが潜んでいるような気がすることがあるの。
ちょうど空き巣が家の中に入ってきて、
そのまま押入れに隠れているみたいにね。
そしてそれがときどき外に出てきて、私自身のいろんな
順序やら倫理やらを乱すの。磁気が機械を狂わせるように」
井戸に下りて見つめるクミコの闇
地下の闇に広がる怖ろしいものに結びついていって
ノボルの心に潜む恐ろしいものを見つけていく
トオルは井戸の底に潜ってクミコが抱える闇を探っていく
「明かりはつけないでおいて」と女の声が僕に告げた。
それが誰の声なのかはすぐにわかった。僕に何度か
あの奇妙な電話をかけてきた謎の女の声だった。
「(略)いったい君は誰なんだ?」「いったい私は誰なのかしら?」
と女はおうむ返しに言った。でもその口調には揶揄の響きはなかった。
「オカダトルさん、私の名前をみつけてちょうだい。
いいえ、わざわざ見つける必要もないのよ。あなたは私の名前を
既にちゃんと知っているの。あなたはそれを思い出すだけでいいのよ。
あなたが私の名前をみつけることさえできれば、
私はここを出ていくことができる。(略)」
部屋の暗闇の中に廊下の光がさっと差し込むのとほとんど同時に、
僕らは壁の中に滑り込んだ。壁はまるで巨大なゼリーのように
冷たく、どろりとしていた。僕は壁を通り抜けているんだ。
僕はどこかからどこかに移るために、壁を通り抜けている。
女の舌が僕の口の中に入ってくるのが感じられた。
腰の奥に射精のだるい欲望を感じた。
でも僕はしっかりと目を閉じてそれに耐えた。
井戸の異界への通路に 「壁抜け」
壁を抜けて現実の世界と異界を行ったり来たりできる
能力がトオルに付与された 性的な描写が入ってくる
現実の世界と異界の境界を通り抜ける決定的な瞬間に性的イメージ
謎の女の「名前」を探す物語
スティグマ(聖痕)
リアリズム的な小説の基盤の上にファンタジー的な要素が強く存在
ラテンアメリカ文学 「マジックリアリズム」
村上春樹をマジックリアリズムに捉えて愛読する読者は海外に多い
このような結果をもたらしたものの存在を、私は強く憎みます。
お願いだから、私のことはこれ以上気にかけないでください。
私の行方を探したりもしないでください。
良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです。
そのときに僕は幻影を見たのだ。あるいは啓示のようなものを。
僕は何かを見逃している。彼女は僕がよく知っているはずの
誰かなのだ。それから何かがさっと裏返るみたいに、
僕はすべてを理解する。間違いない。あの女はクミコだったのだ。
クミコはあの暗黒の部屋の中に閉じこめられ、そこから
救(たす)け出されることを求めていた。
どれだけの時間がかかることになるのかはわからない。
どれだけの力が必要とされるのかわからない。
でも僕は踏みとどまらなくてはならない。
そしてその世界に向けて手を伸ばすための
手だてをみつけなくてはならない。
静かに訪れる「啓示」
ミルチャ・エリアーデ(1907~1986)
ルーマニア出身の宗教学者
すべての宗教的体験の基本は「ヒエロファニー」
ヒエロファニー=聖なるものの顕現(けんげん)
村上春樹は最初は小説をここで終わらせようと考えていた
2025年4月23日水曜日
長谷川時夫&ヒルマ・アフ・クリント&片野元彦&松平定信&浅丘ルリ子
老いた男(ひと)開店待ちの花見かな
花過ぎて陽に抱かれて目を閉じん
春行くやちゃりんこ止めて拾う塵
夏近し強き陽射しに手をかざし
春の月見え隠れせり幼稚性
■こころの時代 月がささやき 石が吠える 音楽家・長谷川時夫
雪が降ると大池の音世界は一変する。
雪は音を消すだけでなく、
音を出すものを、草木を埋めていく。
山向こうの鳥の羽音も聞こえる。
景色の変化は移ろい易く、
常なき世界を、自然界の持つ心理を教える。
雪が降れば降る程、心は澄みあらわれよう。
それは「参禅」にも等しいものである。
雪掘りの生活そのものが禅である。
この大池の恐ろしい程の、世界で最も深い雪が教えてくれよう。
限りない星を見る時、
人々は自分が砂粒のように小さなものであるということを知る。
そして宇宙の中にある一個の
小さな生き物としての自覚に目覚めよう。
それは自ずから、広大な宇宙にあって、
人も虫もあらゆる生き物も等しいことが知れよう。
森の一番鳥の音は朝を告げ、
蝉の音は命の短さをも知らせる。
中空に舞う枯葉の音は「流転」を知らしめ、
森の音は「無常」をうたう。
枯葉一枚にしても、心を澄ませるなら、
世界の深さを知ることができよう。
■日曜美術館 見えない彼方へ ヒルマ・アフ・クリント
もし私の使命が成就するなら
人類にとって大きな意味がある
私には人生の最初から最後まで
魂の道のりを描くことができるから
ヒルマ・アフ・クリント
■片野元彦・かほり 絞纈(しぼり)の仕事ー生けるしるし
昔から、藍染の絞は
わが民族の美しい手仕事として、
受けつがれ引つがれて
来たのであつて、
決して亡びさせてはならない
ものである。
「絞と私」より 片野元彦
繰り返し繰り返し絞つた布を
藍甕(あいがめ)で染める。
そのくりかへしの間に色の滲みは
だんだんに浄化され、
美しい布に調(ととの)へられてゆく姿を見て、
私はすべてを忘れ自分さえも
忘れさせてくれる此の仕事に
生きる喜びを感じてゐる。
「絞と私」より 片野元彦
■松平定信賛・内田広恒画 水辺に芦図 文化15年
あまの子の すさびなればや
なにはづの つのぐあしに
かへるしら波
文化成寅六十一翁
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
【浅丘ルリ子登場!石原裕次郎、小林旭の共演エピソード】
最高にCharmingでした。
彼女の言葉で石坂浩二氏、石原裕次郎氏、
小林旭氏、渥美清氏についてお話しくださいました。
そして最後、サワコちゃんと鶴瓶ちゃんのハグに拍手喝采!
永久保存版とさせていただきます。
花過ぎて陽に抱かれて目を閉じん
春行くやちゃりんこ止めて拾う塵
夏近し強き陽射しに手をかざし
春の月見え隠れせり幼稚性
■こころの時代 月がささやき 石が吠える 音楽家・長谷川時夫
雪が降ると大池の音世界は一変する。
雪は音を消すだけでなく、
音を出すものを、草木を埋めていく。
山向こうの鳥の羽音も聞こえる。
景色の変化は移ろい易く、
常なき世界を、自然界の持つ心理を教える。
雪が降れば降る程、心は澄みあらわれよう。
それは「参禅」にも等しいものである。
雪掘りの生活そのものが禅である。
この大池の恐ろしい程の、世界で最も深い雪が教えてくれよう。
限りない星を見る時、
人々は自分が砂粒のように小さなものであるということを知る。
そして宇宙の中にある一個の
小さな生き物としての自覚に目覚めよう。
それは自ずから、広大な宇宙にあって、
人も虫もあらゆる生き物も等しいことが知れよう。
森の一番鳥の音は朝を告げ、
蝉の音は命の短さをも知らせる。
中空に舞う枯葉の音は「流転」を知らしめ、
森の音は「無常」をうたう。
枯葉一枚にしても、心を澄ませるなら、
世界の深さを知ることができよう。
■日曜美術館 見えない彼方へ ヒルマ・アフ・クリント
もし私の使命が成就するなら
人類にとって大きな意味がある
私には人生の最初から最後まで
魂の道のりを描くことができるから
ヒルマ・アフ・クリント
■片野元彦・かほり 絞纈(しぼり)の仕事ー生けるしるし
昔から、藍染の絞は
わが民族の美しい手仕事として、
受けつがれ引つがれて
来たのであつて、
決して亡びさせてはならない
ものである。
「絞と私」より 片野元彦
繰り返し繰り返し絞つた布を
藍甕(あいがめ)で染める。
そのくりかへしの間に色の滲みは
だんだんに浄化され、
美しい布に調(ととの)へられてゆく姿を見て、
私はすべてを忘れ自分さえも
忘れさせてくれる此の仕事に
生きる喜びを感じてゐる。
「絞と私」より 片野元彦
■松平定信賛・内田広恒画 水辺に芦図 文化15年
あまの子の すさびなればや
なにはづの つのぐあしに
かへるしら波
文化成寅六十一翁
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
【浅丘ルリ子登場!石原裕次郎、小林旭の共演エピソード】
最高にCharmingでした。
彼女の言葉で石坂浩二氏、石原裕次郎氏、
小林旭氏、渥美清氏についてお話しくださいました。
そして最後、サワコちゃんと鶴瓶ちゃんのハグに拍手喝采!
永久保存版とさせていただきます。
2025年4月22日火曜日
テーマ「新生活~出会いと別れ~」
指を折る「へ」と「に」の違い春の汗
春暑し開店前を並ぶ人
自転車を乗り付ける人花のころ
行き交う車モノトーンへと遍路
遮断機の音響きをり春畑へ
■わたしの日々が、言葉になるまで②
劇団ひとり ヒグチアイ 松井玲奈 朝井リョウ 桐山照史
テーマ「新生活~出会いと別れ~」
こんな気持ちが言葉になるまで
慣れ親しんだ地元を離れるときの気持ち
朝井リョウ 胡蝶蘭が届いた激セマ部屋に住んでいた 直木賞受賞時
言葉のプロはこの気持ちどう表現?
Official髭男dismDo.藤原「黄色い車」
旅立ちの音が 窓の向うから呼んでる
エンジンのくせしてバラードみたいに切なくて困ってしまうよ
バンドマンあるある 車で上京しがち
藤井風「さよならべいべ」
さよならがあんたに捧ぐ愛の言葉
わしかてずっと一緒におりたかったわ
別れはみんないつか通る道じゃんか
だから涙は見せずに さよならべいべ
方言はストレートな言葉の方が映える
期待 寂しさ 興奮 憧れ 恐怖 緊張 プレッシャー 申し訳なさ
吉本ばなな TUGUMI
体が弱い わがままな少女つぐみ
彼女を囲む人々とのひと夏の出来事を描く
主人公まりあが故郷を離れて東京に引っ越す準備をしている場面
それはきらきらと美しい、胸の痛む作業だった。
波によく似ていた。
さけがたいけれど決して不幸ではない自然な別離の
そういう作業のどこにいてもふと立ち止まると、
つらさよりももっと切なくてどきどきするような感情が、
胸のうちに絶えまなく寄せてきていることを知るのだ。
▢の中を朝井リョウ氏は波打ち際と予想
寂しさと美しさが共存するもの 満開の桜には恐怖と美しさ
夕日には美しさと寂しさが共存
言語化のヒント
波・桜・夕日… 二つの種類の感情を当てはめることができる言葉
船明かりのように 魚眼レンズのように 泡のような結論
等々がこの作品には出てくる
朝井リョウ 舞台設定と表現の関係
言語化のヒント
土地を決めることでほかの要素が定まる ピントが合う
舞台と文章が重なっていく 直感で決めるしかない
生殖記は仙川を一つの舞台にした 境界を超える意識
出会い
あの子ともっと仲良くなるための言葉
挨拶や会話はする仲だけど
もっと踏み込みたいときに、どう言葉をかけたらいい?
スキップとローファー
ちょっと変わり者 岩倉美津未 クラスメイト 村重結月(ゆづき)
最初だし仲良くしたいなと思ったけれどあたしカラオケって好きじゃなくて
でも今日はみつみのおかげでけっこー楽しかった
ダンダダン
幽霊肯定派JK 綾瀬桃 通称:オカルン 高倉健
夜遅いから気をつけてね この家より安全だと思います
次は逃がさねぇ ゼッテェ見せねえ
ほっといていいよあんなのどーせ本気じゃないから
う~さみい
オカルンカニ食べないしテンション低いから盛り上げようとしたんじゃね
そうだったんですね~なんか気を遣わせちゃってすいません ―ってなるかあ‼
それじゃあさよなら… うんバイバイ さよなら…さよなら…
さよなら…? さよなら…さよなら…?モヤモヤさよなら… …
さよなら…?さよなら… オカルン!また明日!はい!
尾田栄一郎「ONE PIECE」
俺は剣術を使えねェんだコノヤロー!!!
航海術も持ってねェし!!!
料理も作れねェし‼
嘘もつけねェ‼
おれは助けて貰わねェと
生きていけねェ自信がある!!!
本当に強い人は100人に頼れる人
人に迷惑をかけることが禁忌と感じすぎている
津村記久子「君は永遠にそいつらより若い」
ホリガイ イノギ 全く違うタイプの2人 不思議と気が合う仲
過去のトラウマを打ち明け イノギが言った言葉
イノギさんはゆっくりと顔をあげて、
わたしの背中越しのなにかをぼんやりと眺めた。
わたしを見ているようで見ていないような眼差しとも言えた。
「そこにおれんかったことが、悔しいわ」
だまって手をつなぐくらいの言葉
あの子ともっと仲良くなるための言葉
桐山照史「コンビニ行くけど何かいりますか?」
松井玲奈「最近買ってよかったものありますか?」
ヒグチアイ「タコのオスとメスの見分け方知ってますか?」
朝井リョウ「空気を明るくしてくれてありがたかったです。」
劇団ひとり「昨日、品川にいませんでした?」
春暑し開店前を並ぶ人
自転車を乗り付ける人花のころ
行き交う車モノトーンへと遍路
遮断機の音響きをり春畑へ
■わたしの日々が、言葉になるまで②
劇団ひとり ヒグチアイ 松井玲奈 朝井リョウ 桐山照史
テーマ「新生活~出会いと別れ~」
こんな気持ちが言葉になるまで
慣れ親しんだ地元を離れるときの気持ち
朝井リョウ 胡蝶蘭が届いた激セマ部屋に住んでいた 直木賞受賞時
言葉のプロはこの気持ちどう表現?
Official髭男dismDo.藤原「黄色い車」
旅立ちの音が 窓の向うから呼んでる
エンジンのくせしてバラードみたいに切なくて困ってしまうよ
バンドマンあるある 車で上京しがち
藤井風「さよならべいべ」
さよならがあんたに捧ぐ愛の言葉
わしかてずっと一緒におりたかったわ
別れはみんないつか通る道じゃんか
だから涙は見せずに さよならべいべ
方言はストレートな言葉の方が映える
期待 寂しさ 興奮 憧れ 恐怖 緊張 プレッシャー 申し訳なさ
吉本ばなな TUGUMI
体が弱い わがままな少女つぐみ
彼女を囲む人々とのひと夏の出来事を描く
主人公まりあが故郷を離れて東京に引っ越す準備をしている場面
それはきらきらと美しい、胸の痛む作業だった。
波によく似ていた。
さけがたいけれど決して不幸ではない自然な別離の
そういう作業のどこにいてもふと立ち止まると、
つらさよりももっと切なくてどきどきするような感情が、
胸のうちに絶えまなく寄せてきていることを知るのだ。
▢の中を朝井リョウ氏は波打ち際と予想
寂しさと美しさが共存するもの 満開の桜には恐怖と美しさ
夕日には美しさと寂しさが共存
言語化のヒント
波・桜・夕日… 二つの種類の感情を当てはめることができる言葉
船明かりのように 魚眼レンズのように 泡のような結論
等々がこの作品には出てくる
朝井リョウ 舞台設定と表現の関係
言語化のヒント
土地を決めることでほかの要素が定まる ピントが合う
舞台と文章が重なっていく 直感で決めるしかない
生殖記は仙川を一つの舞台にした 境界を超える意識
出会い
あの子ともっと仲良くなるための言葉
挨拶や会話はする仲だけど
もっと踏み込みたいときに、どう言葉をかけたらいい?
スキップとローファー
ちょっと変わり者 岩倉美津未 クラスメイト 村重結月(ゆづき)
最初だし仲良くしたいなと思ったけれどあたしカラオケって好きじゃなくて
でも今日はみつみのおかげでけっこー楽しかった
ダンダダン
幽霊肯定派JK 綾瀬桃 通称:オカルン 高倉健
夜遅いから気をつけてね この家より安全だと思います
次は逃がさねぇ ゼッテェ見せねえ
ほっといていいよあんなのどーせ本気じゃないから
う~さみい
オカルンカニ食べないしテンション低いから盛り上げようとしたんじゃね
そうだったんですね~なんか気を遣わせちゃってすいません ―ってなるかあ‼
それじゃあさよなら… うんバイバイ さよなら…さよなら…
さよなら…? さよなら…さよなら…?モヤモヤさよなら… …
さよなら…?さよなら… オカルン!また明日!はい!
尾田栄一郎「ONE PIECE」
俺は剣術を使えねェんだコノヤロー!!!
航海術も持ってねェし!!!
料理も作れねェし‼
嘘もつけねェ‼
おれは助けて貰わねェと
生きていけねェ自信がある!!!
本当に強い人は100人に頼れる人
人に迷惑をかけることが禁忌と感じすぎている
津村記久子「君は永遠にそいつらより若い」
ホリガイ イノギ 全く違うタイプの2人 不思議と気が合う仲
過去のトラウマを打ち明け イノギが言った言葉
イノギさんはゆっくりと顔をあげて、
わたしの背中越しのなにかをぼんやりと眺めた。
わたしを見ているようで見ていないような眼差しとも言えた。
「そこにおれんかったことが、悔しいわ」
だまって手をつなぐくらいの言葉
あの子ともっと仲良くなるための言葉
桐山照史「コンビニ行くけど何かいりますか?」
松井玲奈「最近買ってよかったものありますか?」
ヒグチアイ「タコのオスとメスの見分け方知ってますか?」
朝井リョウ「空気を明るくしてくれてありがたかったです。」
劇団ひとり「昨日、品川にいませんでした?」
2025年4月21日月曜日
兼題「桜・花」&テーマ「いのち」
ベンツに勝るパワーユニット春の虹
不可能を可能へと蛇穴を出づ
春光やオーバーテイクボタン押す
風光る最後の武器で勝ちを取る
初虹や歓喜と怒涛涙せり
■NHK俳句 兼題「桜・花」
選者:和田華凜 ゲスト:片岡信和 司会:柴田英嗣
年間テーマは「季語からみるDNA」
和田華凛さんが俳句を始めたのは37歳 子育てがひと段落してから
日本は季節が美しい国昔の人はどのように暮らしてきて
これから私たちはどのように暮らしていくのか
俳句を通じて皆さんと一緒に考えていきたい
片岡信和
制約の中にこそ自由ってあるのかもしれない
催花雨(さいかう):花を咲かせてくれる 促す雨
菜種梅雨
桜は人生や命の象徴のような花
俳句で花というと桜のことを指します
季語は百五十以上ある ⇩代表的な季語
花冷え 花の雨 花の雲 花月夜 花明り 花便り
花衣 花疲 花朧 花筏 花篝(かがり) 花曇
花人 花影 花時 花筵(むしろ) 花守 花屑
古来の季語として桜前線を置き換えると花便り
・名句鑑賞
咲き満ちてこぼるゝ花もなかりけり 高浜虚子
虚子が鎌倉の花を見て詠んだ句
俳句は瞬間の時を言葉で止める
十七音で止めるというのが俳句の真髄
物の見えたる光いまだ心にきえざる中(うち)にいひとむべし
松尾芭蕉(対象物が放つ光が心から消えてしまわないうちに
俳句にしてしまわないと印象が薄れてしまったら何も詠めない
その瞬間 感動したことをなんでもいいから瞬時に書いておく)
一瞬が大事に思うようになった 恋に落ちた瞬間
一山(いちざん)の花の散り込む谷と聞く 稲畑汀子
(吉野の桜 吉野山 奈良県吉野町)
・今週の特選句 兼題「桜・花」
花追うて旅の終はりの五稜郭 亀田かつおぶし
夕桜デジャヴのやうな会話して 佐藤ひろみ
花の山子が落ちて来る滑り台 有村次夫(つぎお)
イエスタディ流るる葬や花の昼 山本正幸
車出て車のかたち桜散る 和住緋弧(わずみひこ)
桜みる桜にみらる南無阿弥陀 圓山多津美(まるやまたつみ)
特選三席
一席 花冷えやおなじところでまた涙 川口泰英(やすひで)
二席 私 シャガールの飛花クリムトの落花かな 古関聰(あきら)
三席 天も地も汝(な)も吾も時も消え桜 磯部安志(やすし)
・はみだせ!教室俳句
愛媛県東温市立川上小学校 岸恭子先生
なつのくもくわがたみたいならんどせる たにぐちたかひろ
下五の候補 らんどせる あいうえお ごじかんめ
好きな下五を選んで想像を広げる
学習面や運動面で賞状をもらうのは難しいですけど
俳句で認めてもらった経験が自信になって他のことも
頑張ってみようと成長する子どもたちを見てきた
自信をつける 自己肯定感を高めるという意味でも
俳句教室は大きな効果があると思っています
せんせいせんせいあのねあのねの休暇明 岸恭子
・気象予報士 片岡信和の一句
流れゆく日々とどまりし桜色 片岡信和
添削
流れゆく日月(じつげつ)とどめ花の雲
・柴田の気づき
桜は命の象徴
■NHK短歌 テーマ「いのち」
選者:永田紅 ゲスト:小林武彦 司会:尾崎世界観
年間テーマ「❝理科の言葉❞で羽ばたく」
短歌と理科の言葉は意外と相性が良い
「どのように生きるのか」ということばかりに興味がいきがち
「なぜ死ぬのか」というところからスタートするのがおもしろい
小林武彦氏 詩を書くのが高校時代好きだった
ゾウリムシきみが細胞分裂をするときほどの勇気がほしい
今紺しだ「晴れ上がり」
ゾウリムシは単細胞生物 細胞分裂して無性生殖で増える
勇気という抽象的な気分を表すのに「ゾウリムシが細胞分裂を
するときほどの」という言葉の入れ方がおもしろい
不確定なものに不確定なものをぶつける
どっちが自分かわからない不安要素が勇気
・入選九首 テーマ「いのち」
私 無性生殖しちゃったの。とか言ってダブった本を一冊譲る
谷津川ゆう
「君たちが恋をするのも酵素のおかげ」先生熱弁せし生化学
岡純
豆苗と私と浅利、キッチンに春の酸素を分け合っている
岩瀬百(もも)
樹皮に寄るしわしわ象の貫禄で大地をつかむ冬の欅(けやき)は
鈴木綾子
たましいがわたしを抜けていくときの機序はおそらく蒸散だろう
三月とあ(機序:物事が起こるメカニズム 仕組み
蒸散:植物体内の水分が水蒸気になって外に発散すること)
三席 ラボを出て夕虹かかる保育所に小さないのち受け取りにゆく
河合正秀
下の名で呼ばれた時にわたくしのミトコンドリアははしゃいでしまう
中村マコト(ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーをつくるところ
発電所みたいなところ 細胞の中で一番はしゃぎそうなところ
ミトコンドリアは母親しか受け継がない)
一席 私 パワハラにPa(パスカル)のよな単位なく命の重ささえ単位なし
三浦秀和
二席 授業中ねるなら光合成くらいやってみせろと言いたい窓辺
竹内奈々子
・❝理科の言葉❞ピックアップ
舐めると酸っぱいって清水先生が言ったデオキシリボ核酸
水野文緒
デオキシリボ核酸:DNA 遺伝の概念としてのDNAではなく
物質としてのデオキシリボ核酸に注目している
アノマロカリス:古生代カンブリア紀に生息した生物
オートファジー:細胞が自ら分解する機能 大隅良典さんが「オートファジーの
仕組みの解明」により2016年ノーベル生理学・医学賞受賞
・私の❝理科のことば❞
小林武彦さんの❝理科のことば❞ 連続性
空間的な連続性=生態系 空間的にみんなつながって連続している
時間敵が連続性=私たちの生きている瞬間的で刹那的な時間の前には
138億年前にビックバンがありました 私たちの前には
138億年の歴史があり 私たちの後にも誰かに何かしらの影響を与える
その連続性の中で僕らは存在している)
連続性は長い歴史的な時間であるし 一人の人間の中での時間でもある
このようなことを認識できるのは人間だけ
前とか後とか考えられるのはヒトだけなので連続性は大切にしないといけない
一般書を書くときに気をつけていることは❓
言いたいことを分かってもらうことが目的
「ことばのリズム」リズムがあると何となく分かった気になる
私感
最高に楽しい時間でした。
1年間が楽しみでなりません。
宜しくです。
・言葉のバトン
お辞儀みたいと黄泉(よみ)に来た人
石黒謙吾(著述家 編集者)(ご本人曰く ダージャリスト)
⇩
爽やかに次の畑へお引越し
増田明美(スポーツジャーナリスト)
ジョグ俳句(ジョギングしながら俳句を詠む)をはじめたら
景色を気にかけたり足の裏が目になっちゃってる感じ
踏まれてもなほタンポポの咲き誇る 増田明美
菜の花の群れから離れ独り咲く 増田明美
不可能を可能へと蛇穴を出づ
春光やオーバーテイクボタン押す
風光る最後の武器で勝ちを取る
初虹や歓喜と怒涛涙せり
■NHK俳句 兼題「桜・花」
選者:和田華凜 ゲスト:片岡信和 司会:柴田英嗣
年間テーマは「季語からみるDNA」
和田華凛さんが俳句を始めたのは37歳 子育てがひと段落してから
日本は季節が美しい国昔の人はどのように暮らしてきて
これから私たちはどのように暮らしていくのか
俳句を通じて皆さんと一緒に考えていきたい
片岡信和
制約の中にこそ自由ってあるのかもしれない
催花雨(さいかう):花を咲かせてくれる 促す雨
菜種梅雨
桜は人生や命の象徴のような花
俳句で花というと桜のことを指します
季語は百五十以上ある ⇩代表的な季語
花冷え 花の雨 花の雲 花月夜 花明り 花便り
花衣 花疲 花朧 花筏 花篝(かがり) 花曇
花人 花影 花時 花筵(むしろ) 花守 花屑
古来の季語として桜前線を置き換えると花便り
・名句鑑賞
咲き満ちてこぼるゝ花もなかりけり 高浜虚子
虚子が鎌倉の花を見て詠んだ句
俳句は瞬間の時を言葉で止める
十七音で止めるというのが俳句の真髄
物の見えたる光いまだ心にきえざる中(うち)にいひとむべし
松尾芭蕉(対象物が放つ光が心から消えてしまわないうちに
俳句にしてしまわないと印象が薄れてしまったら何も詠めない
その瞬間 感動したことをなんでもいいから瞬時に書いておく)
一瞬が大事に思うようになった 恋に落ちた瞬間
一山(いちざん)の花の散り込む谷と聞く 稲畑汀子
(吉野の桜 吉野山 奈良県吉野町)
・今週の特選句 兼題「桜・花」
花追うて旅の終はりの五稜郭 亀田かつおぶし
夕桜デジャヴのやうな会話して 佐藤ひろみ
花の山子が落ちて来る滑り台 有村次夫(つぎお)
イエスタディ流るる葬や花の昼 山本正幸
車出て車のかたち桜散る 和住緋弧(わずみひこ)
桜みる桜にみらる南無阿弥陀 圓山多津美(まるやまたつみ)
特選三席
一席 花冷えやおなじところでまた涙 川口泰英(やすひで)
二席 私 シャガールの飛花クリムトの落花かな 古関聰(あきら)
三席 天も地も汝(な)も吾も時も消え桜 磯部安志(やすし)
・はみだせ!教室俳句
愛媛県東温市立川上小学校 岸恭子先生
なつのくもくわがたみたいならんどせる たにぐちたかひろ
下五の候補 らんどせる あいうえお ごじかんめ
好きな下五を選んで想像を広げる
学習面や運動面で賞状をもらうのは難しいですけど
俳句で認めてもらった経験が自信になって他のことも
頑張ってみようと成長する子どもたちを見てきた
自信をつける 自己肯定感を高めるという意味でも
俳句教室は大きな効果があると思っています
せんせいせんせいあのねあのねの休暇明 岸恭子
・気象予報士 片岡信和の一句
流れゆく日々とどまりし桜色 片岡信和
添削
流れゆく日月(じつげつ)とどめ花の雲
・柴田の気づき
桜は命の象徴
■NHK短歌 テーマ「いのち」
選者:永田紅 ゲスト:小林武彦 司会:尾崎世界観
年間テーマ「❝理科の言葉❞で羽ばたく」
短歌と理科の言葉は意外と相性が良い
「どのように生きるのか」ということばかりに興味がいきがち
「なぜ死ぬのか」というところからスタートするのがおもしろい
小林武彦氏 詩を書くのが高校時代好きだった
ゾウリムシきみが細胞分裂をするときほどの勇気がほしい
今紺しだ「晴れ上がり」
ゾウリムシは単細胞生物 細胞分裂して無性生殖で増える
勇気という抽象的な気分を表すのに「ゾウリムシが細胞分裂を
するときほどの」という言葉の入れ方がおもしろい
不確定なものに不確定なものをぶつける
どっちが自分かわからない不安要素が勇気
・入選九首 テーマ「いのち」
私 無性生殖しちゃったの。とか言ってダブった本を一冊譲る
谷津川ゆう
「君たちが恋をするのも酵素のおかげ」先生熱弁せし生化学
岡純
豆苗と私と浅利、キッチンに春の酸素を分け合っている
岩瀬百(もも)
樹皮に寄るしわしわ象の貫禄で大地をつかむ冬の欅(けやき)は
鈴木綾子
たましいがわたしを抜けていくときの機序はおそらく蒸散だろう
三月とあ(機序:物事が起こるメカニズム 仕組み
蒸散:植物体内の水分が水蒸気になって外に発散すること)
三席 ラボを出て夕虹かかる保育所に小さないのち受け取りにゆく
河合正秀
下の名で呼ばれた時にわたくしのミトコンドリアははしゃいでしまう
中村マコト(ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーをつくるところ
発電所みたいなところ 細胞の中で一番はしゃぎそうなところ
ミトコンドリアは母親しか受け継がない)
一席 私 パワハラにPa(パスカル)のよな単位なく命の重ささえ単位なし
三浦秀和
二席 授業中ねるなら光合成くらいやってみせろと言いたい窓辺
竹内奈々子
・❝理科の言葉❞ピックアップ
舐めると酸っぱいって清水先生が言ったデオキシリボ核酸
水野文緒
デオキシリボ核酸:DNA 遺伝の概念としてのDNAではなく
物質としてのデオキシリボ核酸に注目している
アノマロカリス:古生代カンブリア紀に生息した生物
オートファジー:細胞が自ら分解する機能 大隅良典さんが「オートファジーの
仕組みの解明」により2016年ノーベル生理学・医学賞受賞
・私の❝理科のことば❞
小林武彦さんの❝理科のことば❞ 連続性
空間的な連続性=生態系 空間的にみんなつながって連続している
時間敵が連続性=私たちの生きている瞬間的で刹那的な時間の前には
138億年前にビックバンがありました 私たちの前には
138億年の歴史があり 私たちの後にも誰かに何かしらの影響を与える
その連続性の中で僕らは存在している)
連続性は長い歴史的な時間であるし 一人の人間の中での時間でもある
このようなことを認識できるのは人間だけ
前とか後とか考えられるのはヒトだけなので連続性は大切にしないといけない
一般書を書くときに気をつけていることは❓
言いたいことを分かってもらうことが目的
「ことばのリズム」リズムがあると何となく分かった気になる
私感
最高に楽しい時間でした。
1年間が楽しみでなりません。
宜しくです。
・言葉のバトン
お辞儀みたいと黄泉(よみ)に来た人
石黒謙吾(著述家 編集者)(ご本人曰く ダージャリスト)
⇩
爽やかに次の畑へお引越し
増田明美(スポーツジャーナリスト)
ジョグ俳句(ジョギングしながら俳句を詠む)をはじめたら
景色を気にかけたり足の裏が目になっちゃってる感じ
踏まれてもなほタンポポの咲き誇る 増田明美
菜の花の群れから離れ独り咲く 増田明美
2025年4月20日日曜日
あの本、読みました?有吉佐和子
しがらみを解き放ちけり春日和
朧月見果てぬ夢よ憧れよ
春の月未知の人生ポコアポコ
春の月困難極む幼稚性
春深し酒の飲めないバーテンダー
■あの本、読みました?
文庫本ランキング「青い壷」有吉佐和子…昭和出版の本が続々!
鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔P
名嘉真春紀 山口由紀子 原田ひ香 長谷川麻由
名嘉真春紀
「幸せな家族そしてその頃はやった唄」の一文 鈴木悦夫著/中公文庫
「そうさ、おれは仕事をする。金を稼ぐ。
稼げる時に、稼げるだけ稼ぐんだ。」
父は怒ったような声をはりあげ、ウイスキーを飲みほした。
「尚平、おぼえているだろ。若い頃のおれたちは、
ずいぶん貧乏だった。まるで仕事がなかったものな。」
父が、急にしんみりした調子で話しだした。
「おれはね、あのとき思ったわけさ。
なんでもかんでも仕事をしてやろうってね。
稼ごうと思ったよ。それが身にしみついちまった。
仕事をしていないと、いつまた貧乏になるかもしれないって、
すぐに不安になるんだ。しかしね、そんな自分がきらいではない。
おれが稼げば、女房や子どもたちは、
すきな物をすきなだけ買えるようになるんだ。
そうすりゃ、不満なんて感じないですむ。」
バブル期の家族の形 そして次々と家族が死んでいく
子どもの頃わからなかった大人のものの考え方
児童文学 幸せな家族
出会ったきっかけ
長谷川麻由
マイブック2025の記録が売れている理由はSNS
日記界隈とは?
誰にも見せたくない日記がみんなでシェアする日記へ
マイブックはなぜ文房具売り場に置いていないのか? 林P
山口由紀子
ヒットのきっかけ 帯を書いた原田ひ香
「こんな小説を書くのが私の夢です」伝家の宝刀を抜いたコピー
「青い壷」の大ヒットの理由
「青い壷」の一文 有吉佐和子著/文春文庫
「さあ、アペリティフはティオ・ペペだよ」
あなたたちティオ・ペペを知らないでしょう。
シェリーの最上等よ。
一朗は知っているかしらね。吉田さんは、ティオ・ペペしか
お飲みにならなかったって、吉田茂ですよ。
あの方は外務省でお父さまの大先輩。
一流好みで押し通されたの。
奥さまも、そりゃあお綺麗な方だったわ。
私たちは遠くから眺めるだけだったけど。
「オードブルはフォアグラだよ。
トゥール・ダルジャンから届けさせた」
トゥール・ジャルダンは鴨料理で有名な
パリのレストランだけど、
お皿の上に乗っていたのは、サツマイモの潰したものだけ。
シェリーのティオ・ペペも、飲んでみると日本酒だったわ。
(中略)
「あなた、楽しいわ。素晴らしいディナーですわね」
「人間には贅沢というものが必要なんだ」
「ええ、本当にそうですわ」
「味覚というのは、教養だからね」
「そうですわねえ」
戦争で乾いてしまっていた私の躰の隅々まで、
贅沢という油が
いきわたるような気がしたわ。
「青い壷」の出方が上品
原田ひ香が好きな話 青い壷 第五話
「青い壷」の一文 有吉佐和子著/文春文庫
戦争と、戦後の混乱で
婚期を逸してしまった千代子は、
もう一生を独身で暮す計画をたてて、
去年ローンで小さなマンションを買っていたのだった。
副都心に近い高層建築で、千代子の部屋は六階にある。
「ハイカラなアパートらしいねえ。
眼の見えるときに覗きに来ればよかった。
そうすれば少しは勝手が分かったろうに、
すまないねえ」
「大丈夫よ、お母さん。狭いから、
すぐ覚えられるわよ」
四畳半の日本間に、四畳半のダイニングキッチン。
便所と浴室。これが千代子の家であった。
(中略)
「こっちが窓なのよ、お母さん。ほら」
千代子はキヨの手を取って、窓ガラスに触れさせた。
「冷たくないんだねえ、東京のガラスは」
「もう陽気がよくなっているんですよ。
だけど、私の留守中は窓を締めておきますからね、
お母さん」
老いて視力を失ったことを嘆いて、
キヨが衝動的に飛び降りでもしたらと思い、
千代子はアルミサッシの窓の開閉の仕方を
母親に教えなかった。
作家・有吉佐和子の魅力は?
山口由紀子のお薦め本
「夕陽ヵ丘三号館」有吉佐和子著/文春文庫
原田ひ香のお薦め本
「和宮様御留」有吉佐和子著/講談社文庫
有吉佐和子女史が林真理子女史へ放った言葉
有吉佐和子女史の家にお邪魔した時、
林真理子女史が積み上げられた資料を見て
「これだけ目を通すのは大変じゃないですか❓」とお聞きしたら、
「何言ってるの❓これを読むのが作家の一番楽しい時間じゃない」と
仰られたそうです。
この話をお教えて下さった原田ひ香女史の大ファンになってしまいました。
お教えありがとうございました。
朧月見果てぬ夢よ憧れよ
春の月未知の人生ポコアポコ
春の月困難極む幼稚性
春深し酒の飲めないバーテンダー
■あの本、読みました?
文庫本ランキング「青い壷」有吉佐和子…昭和出版の本が続々!
鈴木保奈美 角谷暁子 林祐輔P
名嘉真春紀 山口由紀子 原田ひ香 長谷川麻由
名嘉真春紀
「幸せな家族そしてその頃はやった唄」の一文 鈴木悦夫著/中公文庫
「そうさ、おれは仕事をする。金を稼ぐ。
稼げる時に、稼げるだけ稼ぐんだ。」
父は怒ったような声をはりあげ、ウイスキーを飲みほした。
「尚平、おぼえているだろ。若い頃のおれたちは、
ずいぶん貧乏だった。まるで仕事がなかったものな。」
父が、急にしんみりした調子で話しだした。
「おれはね、あのとき思ったわけさ。
なんでもかんでも仕事をしてやろうってね。
稼ごうと思ったよ。それが身にしみついちまった。
仕事をしていないと、いつまた貧乏になるかもしれないって、
すぐに不安になるんだ。しかしね、そんな自分がきらいではない。
おれが稼げば、女房や子どもたちは、
すきな物をすきなだけ買えるようになるんだ。
そうすりゃ、不満なんて感じないですむ。」
バブル期の家族の形 そして次々と家族が死んでいく
子どもの頃わからなかった大人のものの考え方
児童文学 幸せな家族
出会ったきっかけ
長谷川麻由
マイブック2025の記録が売れている理由はSNS
日記界隈とは?
誰にも見せたくない日記がみんなでシェアする日記へ
マイブックはなぜ文房具売り場に置いていないのか? 林P
山口由紀子
ヒットのきっかけ 帯を書いた原田ひ香
「こんな小説を書くのが私の夢です」伝家の宝刀を抜いたコピー
「青い壷」の大ヒットの理由
「青い壷」の一文 有吉佐和子著/文春文庫
「さあ、アペリティフはティオ・ペペだよ」
あなたたちティオ・ペペを知らないでしょう。
シェリーの最上等よ。
一朗は知っているかしらね。吉田さんは、ティオ・ペペしか
お飲みにならなかったって、吉田茂ですよ。
あの方は外務省でお父さまの大先輩。
一流好みで押し通されたの。
奥さまも、そりゃあお綺麗な方だったわ。
私たちは遠くから眺めるだけだったけど。
「オードブルはフォアグラだよ。
トゥール・ダルジャンから届けさせた」
トゥール・ジャルダンは鴨料理で有名な
パリのレストランだけど、
お皿の上に乗っていたのは、サツマイモの潰したものだけ。
シェリーのティオ・ペペも、飲んでみると日本酒だったわ。
(中略)
「あなた、楽しいわ。素晴らしいディナーですわね」
「人間には贅沢というものが必要なんだ」
「ええ、本当にそうですわ」
「味覚というのは、教養だからね」
「そうですわねえ」
戦争で乾いてしまっていた私の躰の隅々まで、
贅沢という油が
いきわたるような気がしたわ。
「青い壷」の出方が上品
原田ひ香が好きな話 青い壷 第五話
「青い壷」の一文 有吉佐和子著/文春文庫
戦争と、戦後の混乱で
婚期を逸してしまった千代子は、
もう一生を独身で暮す計画をたてて、
去年ローンで小さなマンションを買っていたのだった。
副都心に近い高層建築で、千代子の部屋は六階にある。
「ハイカラなアパートらしいねえ。
眼の見えるときに覗きに来ればよかった。
そうすれば少しは勝手が分かったろうに、
すまないねえ」
「大丈夫よ、お母さん。狭いから、
すぐ覚えられるわよ」
四畳半の日本間に、四畳半のダイニングキッチン。
便所と浴室。これが千代子の家であった。
(中略)
「こっちが窓なのよ、お母さん。ほら」
千代子はキヨの手を取って、窓ガラスに触れさせた。
「冷たくないんだねえ、東京のガラスは」
「もう陽気がよくなっているんですよ。
だけど、私の留守中は窓を締めておきますからね、
お母さん」
老いて視力を失ったことを嘆いて、
キヨが衝動的に飛び降りでもしたらと思い、
千代子はアルミサッシの窓の開閉の仕方を
母親に教えなかった。
作家・有吉佐和子の魅力は?
山口由紀子のお薦め本
「夕陽ヵ丘三号館」有吉佐和子著/文春文庫
原田ひ香のお薦め本
「和宮様御留」有吉佐和子著/講談社文庫
有吉佐和子女史が林真理子女史へ放った言葉
有吉佐和子女史の家にお邪魔した時、
林真理子女史が積み上げられた資料を見て
「これだけ目を通すのは大変じゃないですか❓」とお聞きしたら、
「何言ってるの❓これを読むのが作家の一番楽しい時間じゃない」と
仰られたそうです。
この話をお教えて下さった原田ひ香女史の大ファンになってしまいました。
お教えありがとうございました。
2025年4月19日土曜日
桜紀行 黒田杏子&儲船②&ヒルマ・アフ・クリント&浜村淳
目的なき幸せもまた花時
風光る削ぎ落された音と肉
春かなし本物真似た偽物よ
年重ね肉下りけり花曇
西福寺牡丹桜の咲き誇る
■時をかけるテレビ 池上彰 桜紀行~名金線・もう一つの旅~
1984 桜に魅せられて 桜に生かされて
北陸東海 桜紀行~名金線・もう一つの旅~ 1984年放送
佐藤良二さんの日記より
一人で穴を掘り そして美しい花を咲かせ
そして死んでゆくのが オレの人生だ
人のためにやる仕事ではない
自分の好きなことをして 人々が喜んでくれ
美しい花が咲き それをみて死んでいきたい
「おとうちゃん 日本ばっかかまわずに まず 自分のとこをかまいなさい」
オレが桜のことばかりで 家のことなどかまわぬので
カカ「有名にならんでよい 家にさえいてくれれば!」と泣けり
佐藤良二さんの妻の言葉
「お父ちゃんが花になって帰ってきよった」
荘川桜は高知県にも届けられました。
愛媛県県境 仁淀川別枝
「荘川桜 三十郎」の碑が建てられています。
佐藤良二さんが手塩にかけた苗木は立派に根付いています。
ダム建設のため、立ち退きを迫られていた吉岡重忠さん。
消えてゆく故郷の忘れ形見にしたかったのだそうです。
故郷の風景は大きく変わりました。
水の底に沈んだ故郷を今も荘川桜三十郎はじっと見続けています。
花とは…。
花盛り 落花 花筏 余花(夏に咲いた花 よか)
桜紅葉(秋) 帰り花(冬) 冬木の桜
日本人が桜を愛する理由の一つになっているのでは…❓
花を待つひとのひとりとなりて冷ゆ 黒田杏子
身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな 黒田杏子
いつせいに残花といへどふぶきけり 黒田杏子
花巡るいつぽんの杖ある限り 黒田杏子
良二さんが旅立った9年後に花が咲きました…。
■夏井いつき俳句チャンネル
【第5回】楽しい日本語【儲船・後編】
儲船(もうけぶね)
あらかじめ用意しておく船。予備として準備しておく船。
平家物語/坂落より「汀にはまうけ船いくらもありけど」。
源平盛衰記/屋嶋合戦より「城内の軍兵は、儲舟に争ひ乗る」。
花ちるや折矢こぼれ刃儲船 ローゼン千津
孔明の怯懦黄砂の儲船 家藤正人
儲船には当日客と花吹雪 夏井いつき
■日曜美術館 見えない彼方へ ヒルマ・アフ・クリント
もし私の使命が成就するなら
人類にとって大きな意味がある
私には人生の最初から最後まで
魂の道のりを描くことができるから
ヒルマ・シュ・クリント
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
【浜村淳登場!大阪・天満からお届け!】
昭和の大先輩 浜村淳の言葉
「愛とは けっして后悔しないこと…
浜村淳」
でした。
風光る削ぎ落された音と肉
春かなし本物真似た偽物よ
年重ね肉下りけり花曇
西福寺牡丹桜の咲き誇る
■時をかけるテレビ 池上彰 桜紀行~名金線・もう一つの旅~
1984 桜に魅せられて 桜に生かされて
北陸東海 桜紀行~名金線・もう一つの旅~ 1984年放送
佐藤良二さんの日記より
一人で穴を掘り そして美しい花を咲かせ
そして死んでゆくのが オレの人生だ
人のためにやる仕事ではない
自分の好きなことをして 人々が喜んでくれ
美しい花が咲き それをみて死んでいきたい
「おとうちゃん 日本ばっかかまわずに まず 自分のとこをかまいなさい」
オレが桜のことばかりで 家のことなどかまわぬので
カカ「有名にならんでよい 家にさえいてくれれば!」と泣けり
佐藤良二さんの妻の言葉
「お父ちゃんが花になって帰ってきよった」
荘川桜は高知県にも届けられました。
愛媛県県境 仁淀川別枝
「荘川桜 三十郎」の碑が建てられています。
佐藤良二さんが手塩にかけた苗木は立派に根付いています。
ダム建設のため、立ち退きを迫られていた吉岡重忠さん。
消えてゆく故郷の忘れ形見にしたかったのだそうです。
故郷の風景は大きく変わりました。
水の底に沈んだ故郷を今も荘川桜三十郎はじっと見続けています。
花とは…。
花盛り 落花 花筏 余花(夏に咲いた花 よか)
桜紅葉(秋) 帰り花(冬) 冬木の桜
日本人が桜を愛する理由の一つになっているのでは…❓
花を待つひとのひとりとなりて冷ゆ 黒田杏子
身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな 黒田杏子
いつせいに残花といへどふぶきけり 黒田杏子
花巡るいつぽんの杖ある限り 黒田杏子
良二さんが旅立った9年後に花が咲きました…。
■夏井いつき俳句チャンネル
【第5回】楽しい日本語【儲船・後編】
儲船(もうけぶね)
あらかじめ用意しておく船。予備として準備しておく船。
平家物語/坂落より「汀にはまうけ船いくらもありけど」。
源平盛衰記/屋嶋合戦より「城内の軍兵は、儲舟に争ひ乗る」。
花ちるや折矢こぼれ刃儲船 ローゼン千津
孔明の怯懦黄砂の儲船 家藤正人
儲船には当日客と花吹雪 夏井いつき
■日曜美術館 見えない彼方へ ヒルマ・アフ・クリント
もし私の使命が成就するなら
人類にとって大きな意味がある
私には人生の最初から最後まで
魂の道のりを描くことができるから
ヒルマ・シュ・クリント
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
【浜村淳登場!大阪・天満からお届け!】
昭和の大先輩 浜村淳の言葉
「愛とは けっして后悔しないこと…
浜村淳」
でした。
2025年4月18日金曜日
キーホルダーで一句&角幡唯介
生きざまに刺激求めん雀の子
若鮎やDNAに導かれ
閉じた目を襲う睡魔や春深し
菜種梅雨解読できぬ文字連ね
鳥帰る黙ってそっと寄り添わん
■プレバト纏め 2025年4月17日
キーホルダーで一句
特別永世名人 締めのお手本 梅沢富美男
山笑う湯宿のルームキーでかし
(楽しい一句 実感が一句に入っている ユーモラスな実感)
俳句史に残る句集作り 横尾渉
春月や鞄の中に鍵がない
添削(もう一工夫できる の中はなくてもよい 3文字で情景を詠む)
春月にひとり鞄に鍵がない
俳句史に残る句集作り 千原ジュニア
ぶらんこはよやくだれかのぬいぐるみ
(子どもの目線の面白さ 心情が奥に描かれている
「は」ぶらんこはよやくされているの意味)
■心おどる あの人の本棚③角幡唯介(かくはたゆうすけ)(探検家・作家)
インパクトが強くて心に食い込んだ
理屈っぽいのが好き
行間を読み解くことで見えてくる世界がある
でかい本が好き
停滞中は読書のチャンス
一緒に旅をしていた山口君にも勧めた
後にアメリカ隊が滝を発見(1998)
2002~03年/2009年ツアンポー渓谷を単独で探検
空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー渓谷に挑む 角幡唯介
気を紛らわすため、一冊だけ持ってきていた本を
また読み返した。もうセリフも覚えていた。
「月と六ペンス」ポール・ゴーギャン 家族に未練たらたら
探検家とペネロペちゃん
お父さんはどんな人?ペネロペちゃん「やさしいし…」。
「お父さんがやめてって言ったんでしょ」。
刺激を受ける本たち 辺見庸 梅原猛 辻邦生 カポーティ
辻邦生の「西行花伝」とか 凄い傑作
開高健「夏の闇」文章力 言葉の力が半端じゃない
開闢(かいびゃく)する感じ 見えてなかった世界が開けてくる
探検の概念を変えた哲学書 マルティン・ハイデガー
ドイツの哲学者「存在」の哲学を展開 「存在と時間」
対話 存在の中に自分が組み込まれて
その関係性の中で行動が変わっていく
この考えはグリーンランドで接した
イヌイットの人々の考えに似ている
イヌイットの人は「ナルホイヤ」という言葉をよく使う
(わからないという意味)
明日の予定は解からない それは自然は決めることだ
自然の中で生きることはさまざまな関係性の中で動かないと
正しい行動にたどり着かない 不確実性の中で生きる
地球の中に自分がいる 自然や地球と繋がっている感覚
本とはどのような存在?
自分は何のために生まれ生きるのか
自分が変わっていく過程が面白い
大切な要素として読書がある
先人たちの知恵に触発されたい
若鮎やDNAに導かれ
閉じた目を襲う睡魔や春深し
菜種梅雨解読できぬ文字連ね
鳥帰る黙ってそっと寄り添わん
■プレバト纏め 2025年4月17日
キーホルダーで一句
特別永世名人 締めのお手本 梅沢富美男
山笑う湯宿のルームキーでかし
(楽しい一句 実感が一句に入っている ユーモラスな実感)
俳句史に残る句集作り 横尾渉
春月や鞄の中に鍵がない
添削(もう一工夫できる の中はなくてもよい 3文字で情景を詠む)
春月にひとり鞄に鍵がない
俳句史に残る句集作り 千原ジュニア
ぶらんこはよやくだれかのぬいぐるみ
(子どもの目線の面白さ 心情が奥に描かれている
「は」ぶらんこはよやくされているの意味)
■心おどる あの人の本棚③角幡唯介(かくはたゆうすけ)(探検家・作家)
インパクトが強くて心に食い込んだ
理屈っぽいのが好き
行間を読み解くことで見えてくる世界がある
でかい本が好き
停滞中は読書のチャンス
一緒に旅をしていた山口君にも勧めた
後にアメリカ隊が滝を発見(1998)
2002~03年/2009年ツアンポー渓谷を単独で探検
空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー渓谷に挑む 角幡唯介
気を紛らわすため、一冊だけ持ってきていた本を
また読み返した。もうセリフも覚えていた。
「月と六ペンス」ポール・ゴーギャン 家族に未練たらたら
探検家とペネロペちゃん
お父さんはどんな人?ペネロペちゃん「やさしいし…」。
「お父さんがやめてって言ったんでしょ」。
刺激を受ける本たち 辺見庸 梅原猛 辻邦生 カポーティ
辻邦生の「西行花伝」とか 凄い傑作
開高健「夏の闇」文章力 言葉の力が半端じゃない
開闢(かいびゃく)する感じ 見えてなかった世界が開けてくる
探検の概念を変えた哲学書 マルティン・ハイデガー
ドイツの哲学者「存在」の哲学を展開 「存在と時間」
対話 存在の中に自分が組み込まれて
その関係性の中で行動が変わっていく
この考えはグリーンランドで接した
イヌイットの人々の考えに似ている
イヌイットの人は「ナルホイヤ」という言葉をよく使う
(わからないという意味)
明日の予定は解からない それは自然は決めることだ
自然の中で生きることはさまざまな関係性の中で動かないと
正しい行動にたどり着かない 不確実性の中で生きる
地球の中に自分がいる 自然や地球と繋がっている感覚
本とはどのような存在?
自分は何のために生まれ生きるのか
自分が変わっていく過程が面白い
大切な要素として読書がある
先人たちの知恵に触発されたい
2025年4月17日木曜日
日曜美術館 Joan Miró&笹野高史
木蓮や陽光浴びてきらめかん
伸びやかに鮮やか纏う白木蓮
木蓮や母の最期を連れ添わん
脳裏で生きる笑顔の母よ紫木蓮
今もなお母への思い紫木蓮
■日曜美術館 ジュアン・ミロ 自由を求める魂の音色
「私の作品は、画家によって音楽がつけられた詩のようであってほしい」
リズミカルな線と色彩による独奏的なモチーフへ
晩年、表現はより自由により大胆に
尽きることのない情熱を支えたのは自由を求める心と故郷への愛でした
絵画の詩人ジュアン・ミロ その創作の軌跡辿ります
ジュアン・ミロ 自由を求める魂の音色
Joan Miróより12歳年上のピカソ。
パリに出る以前バルセロナの美術学校に通っていた。
同じ学校に通ったミロにとっては地元の憧れの大先輩。
二人は生涯にわたって特別な友情を育んでいきます。
二人はスペイン人ですが、スペイン語ではなくカタルーニャ語で会話した。
二人を結び付けていたのはカタルーニャ。
1921年 パリにアトリエを構える。Joan Miró28歳
3年後 シュルレアリスム宣言 発表 新しい芸術運動が始まる
「私は絵画と詩を全く区別していない
時にはカンヴァスに 詩的なフレーズを加え またその逆もある」
想像の力でより抽象的で象徴的な表現へと突き進んでいく
1931年スペイン共和国政府誕生
パリ万博ではピカソと同じカタルーニャ人として壁画を出展
私の中で20年代に詩が担っていた役割を音楽が担っている」
詩と音楽と絵画が融合
パブロ・カザルス(1876~1973)
カタルーニャ出身のチェロ奏者
生涯フランコ独裁体制に抗議し続けた
1966年 日本を訪問
日本の伝統的な思想や芸術に自分との親和性を見いだします
75歳 代表作 太陽の前の人物 1968年
大きな丸は太陽 隣には力強く立つ人物が△で現わされています
大胆かつ緻密ね計算で作られた絵画
○△▢ 仙厓の影響を受けている
心を整えてはじめて引くことのできる迷いのない線
にJoan Miróは憧れた
無意識のうちに手を動かす 自分の中から出てくるもの
芯が強くて人に迎合しない ピカソと真逆だけれど同じように
火が燃えている 火の色が違う ピカソは派手で赤い炎が燃えている感じ
Joan Miróは青い炎。青い炎の方が温度が高い。目立たないけど
内面で寡黙で言葉は語らないけど信念とかエネルギーを出してきて
大きな画面が破綻していない。強さを秘めた人。
絵画を投機の対象とする人への反発
Joan Miróは燃やしたキャンパスに新しい美を見いだします
大胆にぶちまけられたような色と線
そしてコントロールできない偶然を孕んだ炎の力
晩年、高まる名声によって投機の対象となってしまった自らの絵画を
Joan Miróはその手で再び自由にしたのです
進化し続けたJoan Miróに乾杯!
音符が踊る星座シリーズ 命の輝き
その輝きは晩年は自分自身に向かって行った
命に溢れていた Joan Miró!
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
【笹野高史が「男はつらいよ」の裏側エピソード披露】
昭和の大先輩 笹野高史の言葉
「こうきしん これをね、いつまでも もっていたい
ささのたかし」
でした。
伸びやかに鮮やか纏う白木蓮
木蓮や母の最期を連れ添わん
脳裏で生きる笑顔の母よ紫木蓮
今もなお母への思い紫木蓮
■日曜美術館 ジュアン・ミロ 自由を求める魂の音色
「私の作品は、画家によって音楽がつけられた詩のようであってほしい」
リズミカルな線と色彩による独奏的なモチーフへ
晩年、表現はより自由により大胆に
尽きることのない情熱を支えたのは自由を求める心と故郷への愛でした
絵画の詩人ジュアン・ミロ その創作の軌跡辿ります
ジュアン・ミロ 自由を求める魂の音色
Joan Miróより12歳年上のピカソ。
パリに出る以前バルセロナの美術学校に通っていた。
同じ学校に通ったミロにとっては地元の憧れの大先輩。
二人は生涯にわたって特別な友情を育んでいきます。
二人はスペイン人ですが、スペイン語ではなくカタルーニャ語で会話した。
二人を結び付けていたのはカタルーニャ。
1921年 パリにアトリエを構える。Joan Miró28歳
3年後 シュルレアリスム宣言 発表 新しい芸術運動が始まる
「私は絵画と詩を全く区別していない
時にはカンヴァスに 詩的なフレーズを加え またその逆もある」
想像の力でより抽象的で象徴的な表現へと突き進んでいく
1931年スペイン共和国政府誕生
パリ万博ではピカソと同じカタルーニャ人として壁画を出展
私の中で20年代に詩が担っていた役割を音楽が担っている」
詩と音楽と絵画が融合
パブロ・カザルス(1876~1973)
カタルーニャ出身のチェロ奏者
生涯フランコ独裁体制に抗議し続けた
1966年 日本を訪問
日本の伝統的な思想や芸術に自分との親和性を見いだします
75歳 代表作 太陽の前の人物 1968年
大きな丸は太陽 隣には力強く立つ人物が△で現わされています
大胆かつ緻密ね計算で作られた絵画
○△▢ 仙厓の影響を受けている
心を整えてはじめて引くことのできる迷いのない線
にJoan Miróは憧れた
無意識のうちに手を動かす 自分の中から出てくるもの
芯が強くて人に迎合しない ピカソと真逆だけれど同じように
火が燃えている 火の色が違う ピカソは派手で赤い炎が燃えている感じ
Joan Miróは青い炎。青い炎の方が温度が高い。目立たないけど
内面で寡黙で言葉は語らないけど信念とかエネルギーを出してきて
大きな画面が破綻していない。強さを秘めた人。
絵画を投機の対象とする人への反発
Joan Miróは燃やしたキャンパスに新しい美を見いだします
大胆にぶちまけられたような色と線
そしてコントロールできない偶然を孕んだ炎の力
晩年、高まる名声によって投機の対象となってしまった自らの絵画を
Joan Miróはその手で再び自由にしたのです
進化し続けたJoan Miróに乾杯!
音符が踊る星座シリーズ 命の輝き
その輝きは晩年は自分自身に向かって行った
命に溢れていた Joan Miró!
■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん
【笹野高史が「男はつらいよ」の裏側エピソード披露】
昭和の大先輩 笹野高史の言葉
「こうきしん これをね、いつまでも もっていたい
ささのたかし」
でした。
2025年4月16日水曜日
100分de名著 村上春樹 ねじまき鳥クロニクル①
早春を早緑纏い歩く母
山肌を走る炎や春の山
塩塚の炎の帯の暴走よ
迫り来る野焼きの熱よ春の風
頑なな思いと共に朧月
■100分de名著 村上春樹 ねじまき鳥クロニクル①
日常のすぐ隣にある闇
沼野充義(ロシア・東欧文学研究者) 伊集院光 阿部みちこ
アメリカ ヨーロッパ 中国 韓国 ロシアでも大人気
世界的現象 日本らしいファンタスティックなフレーバー
ブレンドが絶妙の作家
村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」
8作目の長編小説 1991年~95年アメリカ滞在中に執筆
短編から大長編へ「ねじまき鳥と火曜日の女たち」(1986年)発展
構成
1994年4月刊行 第Ⅰ部 泥棒かささぎ編 ロッシーニの歌劇
第2部 予言する鳥編 シューマンのピアノ曲
1995年8月刊行 第3部 鳥刺し男編 モーツァルト「魔笛」に登場
主人公岡田亨(トオル) 妻クミコ 綿矢昇(妻の兄) ワタヤ・ノボル(猫)
台所でスパゲティーをゆでているときに、電話がかかってきた。
僕はFM放送にあわせてロッシーニの
「泥棒かささぎ」の序曲を口笛で吹いていた。
スパゲティーをゆでるにはまずうってつけの音楽だった。
「十分間、時間が欲しいの」、唐突に女が言った。
僕は人の音声(こわいろ)の記憶にはかなり自信を持っている。
それは知らない声だった。「失礼ですが、どちらにおかけですか❓」
と僕は礼儀正しく尋ねてみた。「あなたにかけているのよ。
十分だけでいいから時間をほしいの。そうすればお互いよくわかりあう
ことができるわ」と女は言った。「わかりあえる?」
私は青いティッシュペーパーと、柄のついたトイレットペーパーが
嫌いなの。知らなかった?「それからもうひとつ
ついでに言わせてもらえるなら」と彼女は言った。
「私は牛肉とピーマンんを一緒に炒めるのが大嫌いなの。
それは知ってた?」「知らなかった」あなたは私と一緒に
暮していても、本当は私のことなんか ほとんど気にとめても
いなかったんじゃないの?やれやれ、と僕は思った。
いったいどうなっているんだ。たかがティッシュペーパーと
トイレットペーパーとピーマンじゃないか。
日本の小説を変えた!村上春樹の文体 ポップな感覚
アメリカ現代小説の影響 カート・ヴォネガット
リチャード・ブローティガン 軽快 理知的 ユーモア アイロニー
当時は革命的だった 村上春樹の文体を追いかけて世の中が動いてきた
「やれやれ」村上文学の決まり文句
ものごとに直接向かっていくのではなく ちょっと引いて見る構え
デタッチメント(超然とした態度 無関心)
16歳の少女 笠原メイ
「人が死ぬのって、素敵よね」
「そういうのをメスで切り開いてみたいって思うの」
「あなたの名前はなんていうの。名前がわかんないと、呼びにくいから」
「オカダ・トオル」と僕は言った。
「あまりぱっとしない名前じゃない、それ?」(中略)
「ない」と僕は答えた。
「たとえばクマさんとか、蛙くんとか?」「ない」
「やれやれ」と彼女は言った。「何かひとつ考えてよ」
「ねじまき鳥」と僕は言った。「なあに、それ?」
「ねじを巻く鳥だよ」と僕は言った。
「毎朝木の上で世界のねじを巻くんだ。ギイイイイイって」
「ねじまき鳥さん」と呼ぶようになります。
こんなところに、こんな昼間に、こんな深い暗闇がある、と僕は思った。(中略)
咳払いは暗闇の中で、誰かべつの人間の咳払いのように響いた。
トオルを井戸に導く笠原メイ
「風の歌を聴け」(1979年デビュー作)
「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」
「ねじまき鳥クロニクル」は井戸のモチーフが大きく発展
非常に大きな役割を果たす
ねじまき鳥はその辺の木の枝にとまって
ちょっとずつ世界のねじを巻くんだ。
ぎりぎりという音を立ててねじを巻くんだよ。
ねじまき鳥がねじを巻かないと、世界が動かないんだ。
「ねじまき鳥クリニクル」第2部
世界が回っているのは不思議な力を持つねじまき鳥のおかげかもしれない
鳥の鳴き声が予言的な意味を持つ という神話が世界にある
神話的イメージ あだ名として「ねじまき鳥」を自分につける
小説の中で象徴的なこと
加納クレタ(妹) 加納マルタ(姉) 笠原メイ
岡田トオル クミコ 綿矢ノボル 間宮中尉 本田さん(占い師)
兵隊たちは手と膝で山本の体を押さえつけ、将校がナイフを使って
皮を丁寧に剥いでいきました。本当に、彼は桃の皮でも剥ぐように、
山本の皮を剥いでいきました。彼は両方の脚の皮を剥ぎ、
性器と睾丸を切り取り、耳を削ぎ落としました。
それから頭の皮を剥ぎ、顔を剥ぎ、やがて全部削いでしまいました。
あとには、皮をすっかりはぎ取られ、赤い血だらけの肉のかたまりに
なってしまった山本の死体が、ころんと転がっているだけでした。
間宮中尉
私はその光の中でぼろぼろ涙を流しました。
この見事な光の至福の中でなら死んでもいいと思いました。
いや、死にたいとさえ私は思いました。
そこにあるのは、今何かが ここで見事にひとつになったという感覚でした。
そうだ、人生の真の意義とはこの数十秒かだけ続く光の中に存在するのだ、
ここで自分はこのまま死んでしまうべきなのだと私は思いました。(中略)
そのようにして私の恩寵(おんちょう)は失われてしまったのです
「井戸」がつなぐ現代の東京と戦中のノモンハン
村上春樹氏は客員研究員として招かれた
プリンストン大学でノモンハン事件の資料と出会う
それらのことは、ずっと昔に遠くで起こった我々とは無関係な出来事じゃない
「メイキング・オブ・『ねじまき鳥クロニクル』」より
主人公の岡田トオルが東京の井戸で特別な体験をしていくことにつながる
日常的なもの
ホラー・オカルト・ファンタジー
「羊をめぐる冒険」(1982年)3作目の長編小説
歴史的なもの
総合小説
「カラマーゾフの兄弟」も念頭に置いていた
村上の書いた作品の中では「ねじまき鳥クロニクル」は一番凄い作品である
山肌を走る炎や春の山
塩塚の炎の帯の暴走よ
迫り来る野焼きの熱よ春の風
頑なな思いと共に朧月
■100分de名著 村上春樹 ねじまき鳥クロニクル①
日常のすぐ隣にある闇
沼野充義(ロシア・東欧文学研究者) 伊集院光 阿部みちこ
アメリカ ヨーロッパ 中国 韓国 ロシアでも大人気
世界的現象 日本らしいファンタスティックなフレーバー
ブレンドが絶妙の作家
村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」
8作目の長編小説 1991年~95年アメリカ滞在中に執筆
短編から大長編へ「ねじまき鳥と火曜日の女たち」(1986年)発展
構成
1994年4月刊行 第Ⅰ部 泥棒かささぎ編 ロッシーニの歌劇
第2部 予言する鳥編 シューマンのピアノ曲
1995年8月刊行 第3部 鳥刺し男編 モーツァルト「魔笛」に登場
主人公岡田亨(トオル) 妻クミコ 綿矢昇(妻の兄) ワタヤ・ノボル(猫)
台所でスパゲティーをゆでているときに、電話がかかってきた。
僕はFM放送にあわせてロッシーニの
「泥棒かささぎ」の序曲を口笛で吹いていた。
スパゲティーをゆでるにはまずうってつけの音楽だった。
「十分間、時間が欲しいの」、唐突に女が言った。
僕は人の音声(こわいろ)の記憶にはかなり自信を持っている。
それは知らない声だった。「失礼ですが、どちらにおかけですか❓」
と僕は礼儀正しく尋ねてみた。「あなたにかけているのよ。
十分だけでいいから時間をほしいの。そうすればお互いよくわかりあう
ことができるわ」と女は言った。「わかりあえる?」
私は青いティッシュペーパーと、柄のついたトイレットペーパーが
嫌いなの。知らなかった?「それからもうひとつ
ついでに言わせてもらえるなら」と彼女は言った。
「私は牛肉とピーマンんを一緒に炒めるのが大嫌いなの。
それは知ってた?」「知らなかった」あなたは私と一緒に
暮していても、本当は私のことなんか ほとんど気にとめても
いなかったんじゃないの?やれやれ、と僕は思った。
いったいどうなっているんだ。たかがティッシュペーパーと
トイレットペーパーとピーマンじゃないか。
日本の小説を変えた!村上春樹の文体 ポップな感覚
アメリカ現代小説の影響 カート・ヴォネガット
リチャード・ブローティガン 軽快 理知的 ユーモア アイロニー
当時は革命的だった 村上春樹の文体を追いかけて世の中が動いてきた
「やれやれ」村上文学の決まり文句
ものごとに直接向かっていくのではなく ちょっと引いて見る構え
デタッチメント(超然とした態度 無関心)
16歳の少女 笠原メイ
「人が死ぬのって、素敵よね」
「そういうのをメスで切り開いてみたいって思うの」
「あなたの名前はなんていうの。名前がわかんないと、呼びにくいから」
「オカダ・トオル」と僕は言った。
「あまりぱっとしない名前じゃない、それ?」(中略)
「ない」と僕は答えた。
「たとえばクマさんとか、蛙くんとか?」「ない」
「やれやれ」と彼女は言った。「何かひとつ考えてよ」
「ねじまき鳥」と僕は言った。「なあに、それ?」
「ねじを巻く鳥だよ」と僕は言った。
「毎朝木の上で世界のねじを巻くんだ。ギイイイイイって」
「ねじまき鳥さん」と呼ぶようになります。
こんなところに、こんな昼間に、こんな深い暗闇がある、と僕は思った。(中略)
咳払いは暗闇の中で、誰かべつの人間の咳払いのように響いた。
トオルを井戸に導く笠原メイ
「風の歌を聴け」(1979年デビュー作)
「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」
「ねじまき鳥クロニクル」は井戸のモチーフが大きく発展
非常に大きな役割を果たす
ねじまき鳥はその辺の木の枝にとまって
ちょっとずつ世界のねじを巻くんだ。
ぎりぎりという音を立ててねじを巻くんだよ。
ねじまき鳥がねじを巻かないと、世界が動かないんだ。
「ねじまき鳥クリニクル」第2部
世界が回っているのは不思議な力を持つねじまき鳥のおかげかもしれない
鳥の鳴き声が予言的な意味を持つ という神話が世界にある
神話的イメージ あだ名として「ねじまき鳥」を自分につける
小説の中で象徴的なこと
加納クレタ(妹) 加納マルタ(姉) 笠原メイ
岡田トオル クミコ 綿矢ノボル 間宮中尉 本田さん(占い師)
兵隊たちは手と膝で山本の体を押さえつけ、将校がナイフを使って
皮を丁寧に剥いでいきました。本当に、彼は桃の皮でも剥ぐように、
山本の皮を剥いでいきました。彼は両方の脚の皮を剥ぎ、
性器と睾丸を切り取り、耳を削ぎ落としました。
それから頭の皮を剥ぎ、顔を剥ぎ、やがて全部削いでしまいました。
あとには、皮をすっかりはぎ取られ、赤い血だらけの肉のかたまりに
なってしまった山本の死体が、ころんと転がっているだけでした。
間宮中尉
私はその光の中でぼろぼろ涙を流しました。
この見事な光の至福の中でなら死んでもいいと思いました。
いや、死にたいとさえ私は思いました。
そこにあるのは、今何かが ここで見事にひとつになったという感覚でした。
そうだ、人生の真の意義とはこの数十秒かだけ続く光の中に存在するのだ、
ここで自分はこのまま死んでしまうべきなのだと私は思いました。(中略)
そのようにして私の恩寵(おんちょう)は失われてしまったのです
「井戸」がつなぐ現代の東京と戦中のノモンハン
村上春樹氏は客員研究員として招かれた
プリンストン大学でノモンハン事件の資料と出会う
それらのことは、ずっと昔に遠くで起こった我々とは無関係な出来事じゃない
「メイキング・オブ・『ねじまき鳥クロニクル』」より
主人公の岡田トオルが東京の井戸で特別な体験をしていくことにつながる
日常的なもの
ホラー・オカルト・ファンタジー
「羊をめぐる冒険」(1982年)3作目の長編小説
歴史的なもの
総合小説
「カラマーゾフの兄弟」も念頭に置いていた
村上の書いた作品の中では「ねじまき鳥クロニクル」は一番凄い作品である
2025年4月15日火曜日
儲船①&「種痘」&「花」&池澤春奈&マイケル・ジャクソン&石川雲蝶
絶筆の笑みなき画像春の風
不器用上等それが何か日永
不器用を味方につけて土匂ふ
東祖谷おこしなしてと福寿草
竜天に知力体力時の運
■夏井いつき俳句チャンネル
【第5回】楽しい日本語【儲船・前編】
今回の楽しい日本語 儲船(もうけぶね)
「来る・来ない」と言った動詞は使わない
儲船けふも見えたる蜃気楼 ローゼン千津
質草の集ひて花の儲船 ローゼン千津
儲船朧に踊念仏は 家藤正人
儲船と呼ぶ托鉢の鉢に花 夏井いつき
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「種痘」
実はこの「種痘」という季語は もう季語としては
絶滅した季語 と言えると思います
何ものかと言いますと 天然痘の予防接種
それが「種痘」になるんですね かつては定期接種が
生後1年以内と小学校の入学前 さらに小学校卒業前に
行われたことから 春の季語とされています
天然痘という病気自体は紀元前から存在しまして
世界中で猛威を振るった恐ろしい病気だったんですね
WHOによって1980年には世界に根絶宣言が出されまして
そのことからもこの「種痘」という季語も
今ではもう見られなくなった風物という事におります
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「花」
一般的に俳句においてこの「花」とだけ使った場合には
桜のこととして理解する そういう季語になっております
かつてずーっと昔万葉集の時代などには この「花」といったら
梅の花であったらしいのですが 近世の俳句においては
もう全て「花」の一文字で桜ということになります
日本の中でも最も美しい三大美として雪花月せつげつかと
いう言われ方もしておりますが そのうちの見事な桜
「花」なわけです 非常にたくさんの傍題
別の言い方も存在している季語であります
■心おどるあの人の本棚②池澤春菜(声優・作家)
「ムギと王さま」作者まえがき
エリーナ・ファージョン著 石井桃子訳より
わたくしが子どものころ住んでいた家には、
わたくしたちが「本の小部屋」とよんでいた部屋がありました。
本なしで生活するよりも、着るものなしでいるほうが、
自然にさえ思われました。
そして、また、本を読まないでいることは
たべないでいるのと おなじくらい不自然に。
幼い頃やタイ留学での苛めを伺ったのですが
自己防衛のための「ぶりっこ」が露骨すぎたのではと…。
芯の強さを全面に出して戦って欲しかったです。
頭脳明晰な頭脳をお持ちのあなたに被害者は似合わな過ぎたのでは❓
■偉人の年収 How much?エンターテイナー マイケル・ジャクソン(後編)
トラビスへの言葉
可能性は無限だ
あらゆる山を登るんだ
開拓すること 革新すること
自分の理想を信じて
スピリットと輝きは永遠に消えない
■新美の巨人たち【春を感じてアート旅②石川雲蝶の天上彫刻×シシド・カフカ】
山下裕二氏
天保の改革っていうのは大変厳しいものでね
建物の装飾とかも厳しく規制されたし
ですから雲蝶のような職人にとっては冬の時代なんですね
江戸で仕事を失った雲蝶は
新潟県 本成寺(ほんじょうじ)へ32歳の時にやってきた
檀家総代内山又造に頼まれ本堂の彫刻を依頼された 残念ながら
明治26(1893)年 石川雲蝶の作品・記録などが消失
たった一つ石川雲蝶作「赤牛」が遺された
本成寺 塔頭 本照院 石川雲蝶作「獅子」
ここで妻を娶り子どもも生まれ越後の国に腰を落ち着けた
魚沼市 西福寺 開山堂
山下裕二氏
常軌を逸したとでも言っていいような凄まじい装飾ですね
縄文土器に見られるような過剰な装飾への意思みたいなのを
感じさせる造形だったですね
透かし彫り
「道元禅師と白山犬権現」の欄間が凄い」横谷昭則氏
基本的に欄間は下から見上げることを想定して彫り上げる物なので
人物や机など斜めに角度をつけて彫られています
書院彰子
不器用上等それが何か日永
不器用を味方につけて土匂ふ
東祖谷おこしなしてと福寿草
竜天に知力体力時の運
■夏井いつき俳句チャンネル
【第5回】楽しい日本語【儲船・前編】
今回の楽しい日本語 儲船(もうけぶね)
「来る・来ない」と言った動詞は使わない
儲船けふも見えたる蜃気楼 ローゼン千津
質草の集ひて花の儲船 ローゼン千津
儲船朧に踊念仏は 家藤正人
儲船と呼ぶ托鉢の鉢に花 夏井いつき
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「種痘」
実はこの「種痘」という季語は もう季語としては
絶滅した季語 と言えると思います
何ものかと言いますと 天然痘の予防接種
それが「種痘」になるんですね かつては定期接種が
生後1年以内と小学校の入学前 さらに小学校卒業前に
行われたことから 春の季語とされています
天然痘という病気自体は紀元前から存在しまして
世界中で猛威を振るった恐ろしい病気だったんですね
WHOによって1980年には世界に根絶宣言が出されまして
そのことからもこの「種痘」という季語も
今ではもう見られなくなった風物という事におります
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「花」
一般的に俳句においてこの「花」とだけ使った場合には
桜のこととして理解する そういう季語になっております
かつてずーっと昔万葉集の時代などには この「花」といったら
梅の花であったらしいのですが 近世の俳句においては
もう全て「花」の一文字で桜ということになります
日本の中でも最も美しい三大美として雪花月せつげつかと
いう言われ方もしておりますが そのうちの見事な桜
「花」なわけです 非常にたくさんの傍題
別の言い方も存在している季語であります
■心おどるあの人の本棚②池澤春菜(声優・作家)
「ムギと王さま」作者まえがき
エリーナ・ファージョン著 石井桃子訳より
わたくしが子どものころ住んでいた家には、
わたくしたちが「本の小部屋」とよんでいた部屋がありました。
本なしで生活するよりも、着るものなしでいるほうが、
自然にさえ思われました。
そして、また、本を読まないでいることは
たべないでいるのと おなじくらい不自然に。
幼い頃やタイ留学での苛めを伺ったのですが
自己防衛のための「ぶりっこ」が露骨すぎたのではと…。
芯の強さを全面に出して戦って欲しかったです。
頭脳明晰な頭脳をお持ちのあなたに被害者は似合わな過ぎたのでは❓
■偉人の年収 How much?エンターテイナー マイケル・ジャクソン(後編)
トラビスへの言葉
可能性は無限だ
あらゆる山を登るんだ
開拓すること 革新すること
自分の理想を信じて
スピリットと輝きは永遠に消えない
■新美の巨人たち【春を感じてアート旅②石川雲蝶の天上彫刻×シシド・カフカ】
山下裕二氏
天保の改革っていうのは大変厳しいものでね
建物の装飾とかも厳しく規制されたし
ですから雲蝶のような職人にとっては冬の時代なんですね
江戸で仕事を失った雲蝶は
新潟県 本成寺(ほんじょうじ)へ32歳の時にやってきた
檀家総代内山又造に頼まれ本堂の彫刻を依頼された 残念ながら
明治26(1893)年 石川雲蝶の作品・記録などが消失
たった一つ石川雲蝶作「赤牛」が遺された
本成寺 塔頭 本照院 石川雲蝶作「獅子」
ここで妻を娶り子どもも生まれ越後の国に腰を落ち着けた
魚沼市 西福寺 開山堂
山下裕二氏
常軌を逸したとでも言っていいような凄まじい装飾ですね
縄文土器に見られるような過剰な装飾への意思みたいなのを
感じさせる造形だったですね
透かし彫り
「道元禅師と白山犬権現」の欄間が凄い」横谷昭則氏
基本的に欄間は下から見上げることを想定して彫り上げる物なので
人物や机など斜めに角度をつけて彫られています
書院彰子
そのすべてが越後の宝物です
この里に心のよりどころを創りたい
江戸からやってきた男は一世一代の大仕事をやり遂げたのです
「越後のミケランジェロ」と呼ばれることとなる知られざる
幕末のアーティストは石川雲蝶作西福寺開山堂の天上彫刻
豪雪の里の極彩色の超絶技巧
この里に心のよりどころを創りたい
江戸からやってきた男は一世一代の大仕事をやり遂げたのです
「越後のミケランジェロ」と呼ばれることとなる知られざる
幕末のアーティストは石川雲蝶作西福寺開山堂の天上彫刻
豪雪の里の極彩色の超絶技巧
2025年4月14日月曜日
兼題「海」&テーマ「四月」
桜どきボルドーでゴヤ逝去せり(4月16日)
幽玄(ゆうげん)を包み込む春堂ヶ島(温泉)
優しさも毒となりけり孕猫
優しさに向かう攻撃花の冷え
大切な人を邪険に鳥曇(とりぐもり)
■NHK俳句 兼題「海」
選者:岸本尚毅 レギュラー:内田紅甘(ぐあま) 司会:柴田英嗣
年間テーマは「描写の工夫」
ものを見る
・俳句のタネ育てましょう!
目を瞑れば海 ぐあま
⇩添削
目瞑れば海あり月に暗く照り
引用句
眼(め)つむれば泉の誘ひひたすらなる 橋本多佳子
海の家で夜まで熟睡 柴田英嗣
⇩添削
寝ていればいつしか夜に海の家
描写のポイント
① 自分ならではの体験を書く
② 読者が想像できるキーワードを入れる
・名句の描写
春の海終日(ひねもす)のたり〱哉 蕪村
「ひねもす」とは「一日中」という意味
のたり〱は波の動き 音 時間
・今週の特選句 兼題「海」
海あがる海女すんなりと強き脚 武田ラーラ
受験生らしき四人の海辺ゆく 相澤貴之
ギター背にクラブ合宿春の海 渡部法子
ともしびの明石の海の春惜しむ 浜口芙蓉
(掛け言葉みたいな入り方 行春を近江の人とおしみける 芭蕉)
によつきりと春の波より薩摩富士 田尻武雄
(によつぽりと秋の空なる富士の山 鬼貫 本歌取り的な作品)
遠浅にカラスほどなり春の人 米森光義
・「見どころあり!」の一句
海苔粗朶(そだ)の一湾波のゆきわたり Aさん
ポイント①
切字「や」を使う
海苔粗朶(そだ)や一湾に波ゆきわたり
ポイント②
語順を入れ替える
一湾や海苔粗朶に波ゆきわたり
・特選三席発表
一席 ベランダに海より高きチューリップ 小笠原保之
二席 竹ひびにフジツボ見えて揺るる海苔 金子仙二
三席 春の海すくへば透(す)けし指白き 松井ゆう子
・はみだせ!教室俳句
愛媛県東温市立川上小学校 岸恭子先生
季語と感情を結び付ける
はるの花おやつのたこやきひとりじめ
子供時代独特の感性というのがあるのでその大事な期間に
子供らしい俳句をたくさん残してもらいたい
テーマ「ぼくも わたしも はいく名人」
誰でも俳句で輝ける
・ぐあまのつぶやき
春にはもっとのたりのたりしてほしい
■NHK短歌 テーマ「四月」
選者:荻原裕幸 ゲスト:向坂(さきさか)くじら 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「短歌は時代の波に乗って」
端午そのなかぞらに口ひらくものなくてひろがる青をかなしむ
荻原裕幸
”時代の移ろい“を短歌にするためのポイントは?
子どもの頃からの体験みたいなものをベースにしている
あまり気負わずに自分の体験をもとに自然な感じで書くのが
時代の流れ・波みたいなものを見せるには一番いい
(すでに)体験の中にそういう背景が含まれている
・入選九首 テーマ「四月」
戒名に桜を含み祖母は発つ光あふれる四月の空へ
麻倉遥
「会いたい」と言える強さが欲しいですあと可愛い顔と細い脚と
ゆき
一席 私 「アンタって四月生れみたいな顔ね」生んだの七月でしょう母さん
しみず
三席 生―きとーるかー今年も新入生たちが始めた久保先生の口真似
前川泰信
岡山・浪速・仙台のナンバーが滋賀・富山・多摩にアパートの四月
植田和子
四月には誰かの物になっている机や椅子に体温残す
仲川暁美
二席 シュークリーム齧れば四月がこぼれだすような恋愛をあなたとしたい
青木菓子(かこ)
新卒の歓迎会も業務ならリモート花火でよくないですか?
立田渓(けい)
四月はまだ知らぬ赤子が母親にしがみつきをり木枯らしのなか
野田孝夫
・荻原流 詠み方指南
日記や記録を書くように短歌を詠む
体験した事 見た事 聞いた事(から短歌を作る)
ヒコロヒー女史のある日の出来事を荻原裕幸先生が短歌に
普通の自分をどこかで客観視している感じ 向坂くじら
育てれば家でモヒート(そこなのか❓)水やり楽しイエルバエブナ
荻原裕幸
日記内にある心の動きみたいなものを拾い出した
・”日常”を短歌にしていくコツは?
いたる所でメモを取る
そらいろの紙をいくひら使用してゐるのか春の静岡のそら
荻原裕幸
文字で書いている内に思いつく
ものすごく難しいことを考えようと思って発想するとか
そういうことはない むしろ単純なこと
楽しみながら思いついた言葉があったらそこから膨らませていく
・向坂さんの短歌「四月」
厚すぎる服と薄すぎる服しかなくてわたしのさびしい裸
向坂くじら
全然ベストじゃない服しかないなっていう瞬間があって
その寄る辺ない感じが4月っぽいなと
(裸ではなく身体でも意味として同じかもしれないが
やっぱり何か訴え方が全然違ってくる
身体があって服を着るのではなくて裸の状態があって服を着る
日常生活の中で過ごしづらいということだけでなく
もう少し心情的なところに繋がっていく)
・私たちが日常で使っている言葉を詩の言葉にするには❓
まるっきり別のものでないと思っている
自分にコントロールできないような相手のことを想定してみる
コントロールしない言葉というものが
どこから出てくるのかということから
考え始めてみると詩に近づきやすい
詩や短歌の世界は伝えようと
思っていることがあらかじめ決まっていない 荻原裕幸
・ことばのバトン
ごみ箱のサイズに茎を折り曲げて
木下龍也(歌人)
⇩
お辞儀みたいと黄泉(よみ)に来た人
石黒謙吾(著述家 編集者)(ご本人曰く ダージャリスト)
「盲導犬クイールの一生」「ダジャレヌーヴォー」の著者
「捨てる神あれば拾う亀有」「買うてきチキン」
「少年老いやすくGackt成りがたし」「月とスリッポン」
石黒的ダジャレ美学 ウケる目的で言うべからず
自分がこれは快作だなって思うことが大事で
石黒的ダジャレ美学 タイミングを計るべし
石黒的ダジャレ美学 粋の精神を持つべし
おじぎみたいと
OJIGIMITAITO
よみにきたひと
YOMINIKITAHITO
幽玄(ゆうげん)を包み込む春堂ヶ島(温泉)
優しさも毒となりけり孕猫
優しさに向かう攻撃花の冷え
大切な人を邪険に鳥曇(とりぐもり)
■NHK俳句 兼題「海」
選者:岸本尚毅 レギュラー:内田紅甘(ぐあま) 司会:柴田英嗣
年間テーマは「描写の工夫」
ものを見る
・俳句のタネ育てましょう!
目を瞑れば海 ぐあま
⇩添削
目瞑れば海あり月に暗く照り
引用句
眼(め)つむれば泉の誘ひひたすらなる 橋本多佳子
海の家で夜まで熟睡 柴田英嗣
⇩添削
寝ていればいつしか夜に海の家
描写のポイント
① 自分ならではの体験を書く
② 読者が想像できるキーワードを入れる
・名句の描写
春の海終日(ひねもす)のたり〱哉 蕪村
「ひねもす」とは「一日中」という意味
のたり〱は波の動き 音 時間
・今週の特選句 兼題「海」
海あがる海女すんなりと強き脚 武田ラーラ
受験生らしき四人の海辺ゆく 相澤貴之
ギター背にクラブ合宿春の海 渡部法子
ともしびの明石の海の春惜しむ 浜口芙蓉
(掛け言葉みたいな入り方 行春を近江の人とおしみける 芭蕉)
によつきりと春の波より薩摩富士 田尻武雄
(によつぽりと秋の空なる富士の山 鬼貫 本歌取り的な作品)
遠浅にカラスほどなり春の人 米森光義
・「見どころあり!」の一句
海苔粗朶(そだ)の一湾波のゆきわたり Aさん
ポイント①
切字「や」を使う
海苔粗朶(そだ)や一湾に波ゆきわたり
ポイント②
語順を入れ替える
一湾や海苔粗朶に波ゆきわたり
・特選三席発表
一席 ベランダに海より高きチューリップ 小笠原保之
二席 竹ひびにフジツボ見えて揺るる海苔 金子仙二
三席 春の海すくへば透(す)けし指白き 松井ゆう子
・はみだせ!教室俳句
愛媛県東温市立川上小学校 岸恭子先生
季語と感情を結び付ける
はるの花おやつのたこやきひとりじめ
子供時代独特の感性というのがあるのでその大事な期間に
子供らしい俳句をたくさん残してもらいたい
テーマ「ぼくも わたしも はいく名人」
誰でも俳句で輝ける
・ぐあまのつぶやき
春にはもっとのたりのたりしてほしい
■NHK短歌 テーマ「四月」
選者:荻原裕幸 ゲスト:向坂(さきさか)くじら 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「短歌は時代の波に乗って」
端午そのなかぞらに口ひらくものなくてひろがる青をかなしむ
荻原裕幸
”時代の移ろい“を短歌にするためのポイントは?
子どもの頃からの体験みたいなものをベースにしている
あまり気負わずに自分の体験をもとに自然な感じで書くのが
時代の流れ・波みたいなものを見せるには一番いい
(すでに)体験の中にそういう背景が含まれている
・入選九首 テーマ「四月」
戒名に桜を含み祖母は発つ光あふれる四月の空へ
麻倉遥
「会いたい」と言える強さが欲しいですあと可愛い顔と細い脚と
ゆき
一席 私 「アンタって四月生れみたいな顔ね」生んだの七月でしょう母さん
しみず
三席 生―きとーるかー今年も新入生たちが始めた久保先生の口真似
前川泰信
岡山・浪速・仙台のナンバーが滋賀・富山・多摩にアパートの四月
植田和子
四月には誰かの物になっている机や椅子に体温残す
仲川暁美
二席 シュークリーム齧れば四月がこぼれだすような恋愛をあなたとしたい
青木菓子(かこ)
新卒の歓迎会も業務ならリモート花火でよくないですか?
立田渓(けい)
四月はまだ知らぬ赤子が母親にしがみつきをり木枯らしのなか
野田孝夫
・荻原流 詠み方指南
日記や記録を書くように短歌を詠む
体験した事 見た事 聞いた事(から短歌を作る)
ヒコロヒー女史のある日の出来事を荻原裕幸先生が短歌に
普通の自分をどこかで客観視している感じ 向坂くじら
育てれば家でモヒート(そこなのか❓)水やり楽しイエルバエブナ
荻原裕幸
日記内にある心の動きみたいなものを拾い出した
・”日常”を短歌にしていくコツは?
いたる所でメモを取る
そらいろの紙をいくひら使用してゐるのか春の静岡のそら
荻原裕幸
文字で書いている内に思いつく
ものすごく難しいことを考えようと思って発想するとか
そういうことはない むしろ単純なこと
楽しみながら思いついた言葉があったらそこから膨らませていく
・向坂さんの短歌「四月」
厚すぎる服と薄すぎる服しかなくてわたしのさびしい裸
向坂くじら
全然ベストじゃない服しかないなっていう瞬間があって
その寄る辺ない感じが4月っぽいなと
(裸ではなく身体でも意味として同じかもしれないが
やっぱり何か訴え方が全然違ってくる
身体があって服を着るのではなくて裸の状態があって服を着る
日常生活の中で過ごしづらいということだけでなく
もう少し心情的なところに繋がっていく)
・私たちが日常で使っている言葉を詩の言葉にするには❓
まるっきり別のものでないと思っている
自分にコントロールできないような相手のことを想定してみる
コントロールしない言葉というものが
どこから出てくるのかということから
考え始めてみると詩に近づきやすい
詩や短歌の世界は伝えようと
思っていることがあらかじめ決まっていない 荻原裕幸
・ことばのバトン
ごみ箱のサイズに茎を折り曲げて
木下龍也(歌人)
⇩
お辞儀みたいと黄泉(よみ)に来た人
石黒謙吾(著述家 編集者)(ご本人曰く ダージャリスト)
「盲導犬クイールの一生」「ダジャレヌーヴォー」の著者
「捨てる神あれば拾う亀有」「買うてきチキン」
「少年老いやすくGackt成りがたし」「月とスリッポン」
石黒的ダジャレ美学 ウケる目的で言うべからず
自分がこれは快作だなって思うことが大事で
石黒的ダジャレ美学 タイミングを計るべし
石黒的ダジャレ美学 粋の精神を持つべし
おじぎみたいと
OJIGIMITAITO
よみにきたひと
YOMINIKITAHITO
2025年4月13日日曜日
最高の人生の見つけ方
春泥や不誠実と詭弁持ち
蓬積む安堵感なき母許(ははがり)よ
刻み込まれた痛みとともに遅日
石鹸玉(しゃぼんだま)心の中の不安定
夢にみる目覚まし時計春の朝
刻み込まれた痛みとともに遅日
石鹸玉(しゃぼんだま)心の中の不安定
夢にみる目覚まし時計春の朝
■最高の人生の見つけ方
ジャック・ニコルソン&モーガン・フリーマン 共演
かなり前に拝見して感動したことだけは記憶していたのですが、
もう一度、TVでやっていたので拝見したら…。
良かった…。感動の涙をいっぱい流させて貰えました。
最高の映画でした。
エドワード・コールは5月に死んだ 雲一つない日曜の午後だった
人生の価値とはなんで決まるのだろう 残された家族や友人だ
という者もいる 信仰で決まるという者も 愛だという者も
人生に意味などないという者も… 私はこう思う どれだけ周囲に
影響を与えられたかだと ただ これだけははっきり言える
エドワードは 最期の日々で一生分の事を成し遂げた
彼は目を閉じ 心を開いて死んで行った
自殺を考えたことが❓自殺だって❓
“第一段階”だ ”死への5段階“さ
否認 怒り 取り引き 絶望 受容
自殺を考えないという事は 第1段階”否認“だ 君は❓
否認 自殺を考えていない❓
読んで見ろ 「コピ・ルアクは最高級の豆である」
しかし 出来過ぎた話には裏があるものだ」
「原産地のスマトラにはジャコウネコが生息する」
「彼らは コーヒーの実を食べ消化すると」「排泄する」
「村人は そこから豆を拾い始める」「つまりジャコウネコの
腸内の消化液が」「コピ・ルアクの あの独特の風味と」
「香りを与える」冗談だろ 猫のふんだ 爆 爆 爆
こんにちは エドワード・コールです こういった場で
何を話すべきなのか 見当もつきません
ずっと避けてきたからです とにかく私は彼が好きでした
会えなくなって寂しい 私たちは世界を旅して回りました
不思議な話です ほんの3か月前は赤の他人だったのですから
メモの“赤の他人を救う”に線を引く
こんな事を言えば 聞こえが悪いですが 彼にとっての
最後の数か月は 私には最高の数か月でした 気づかぬうちに
彼に救われたのです 彼が 残された時間を
私と過ごしてくれたことを 心から誇りに思います
私たちは 互いの人生に 喜びをもたらし合いました
だから いつの日か 私が人生に終わりを告げ ある門に
たどり着いたとしたら カーターにいて欲しい
証人となって 私を向かい入れて欲しい
エドワード・コールは5月に死んだ
雲一つない日曜の午後だった 81歳だった
”荘厳な景色を見る“線引きする
人生の価値を決めるのはやはり難しい だがこれだけは言える
エドワードは最期の時 目を閉じ 心を開いて死んでいった
彼は 最後まで 満足だっただろう なぜなら 山頂に埋葬され
それは違法だったからだ
心が傷ついたなら 何かに失望したなら
大きな壁にぶつかったなら
言葉にしてしまおう 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい たった一人の軍隊のように
頭の中の影と 必死で闘ってる 過去にとらわれないで
すべてを忘れて 前に進むんだ 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 屈することを恐れないで
委ねることを 恐れないで 何も言わずに終わってしまうなら
言い過ぎた方が よっぽどいい たとえ手が震えても
信じる心を失っても 目を閉じたくなっても
心だけは大きく開いていよう 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%AE%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E6%96%B9
キャッチコピーは、“We live, we die. Wheels on the bus go round, and round.”
(人は生き、人は死ぬ ― 世の中はその繰り返しだ)。
ジャック・ニコルソン&モーガン・フリーマン 共演
かなり前に拝見して感動したことだけは記憶していたのですが、
もう一度、TVでやっていたので拝見したら…。
良かった…。感動の涙をいっぱい流させて貰えました。
最高の映画でした。
エドワード・コールは5月に死んだ 雲一つない日曜の午後だった
人生の価値とはなんで決まるのだろう 残された家族や友人だ
という者もいる 信仰で決まるという者も 愛だという者も
人生に意味などないという者も… 私はこう思う どれだけ周囲に
影響を与えられたかだと ただ これだけははっきり言える
エドワードは 最期の日々で一生分の事を成し遂げた
彼は目を閉じ 心を開いて死んで行った
自殺を考えたことが❓自殺だって❓
“第一段階”だ ”死への5段階“さ
否認 怒り 取り引き 絶望 受容
自殺を考えないという事は 第1段階”否認“だ 君は❓
否認 自殺を考えていない❓
読んで見ろ 「コピ・ルアクは最高級の豆である」
しかし 出来過ぎた話には裏があるものだ」
「原産地のスマトラにはジャコウネコが生息する」
「彼らは コーヒーの実を食べ消化すると」「排泄する」
「村人は そこから豆を拾い始める」「つまりジャコウネコの
腸内の消化液が」「コピ・ルアクの あの独特の風味と」
「香りを与える」冗談だろ 猫のふんだ 爆 爆 爆
こんにちは エドワード・コールです こういった場で
何を話すべきなのか 見当もつきません
ずっと避けてきたからです とにかく私は彼が好きでした
会えなくなって寂しい 私たちは世界を旅して回りました
不思議な話です ほんの3か月前は赤の他人だったのですから
メモの“赤の他人を救う”に線を引く
こんな事を言えば 聞こえが悪いですが 彼にとっての
最後の数か月は 私には最高の数か月でした 気づかぬうちに
彼に救われたのです 彼が 残された時間を
私と過ごしてくれたことを 心から誇りに思います
私たちは 互いの人生に 喜びをもたらし合いました
だから いつの日か 私が人生に終わりを告げ ある門に
たどり着いたとしたら カーターにいて欲しい
証人となって 私を向かい入れて欲しい
エドワード・コールは5月に死んだ
雲一つない日曜の午後だった 81歳だった
”荘厳な景色を見る“線引きする
人生の価値を決めるのはやはり難しい だがこれだけは言える
エドワードは最期の時 目を閉じ 心を開いて死んでいった
彼は 最後まで 満足だっただろう なぜなら 山頂に埋葬され
それは違法だったからだ
心が傷ついたなら 何かに失望したなら
大きな壁にぶつかったなら
言葉にしてしまおう 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい たった一人の軍隊のように
頭の中の影と 必死で闘ってる 過去にとらわれないで
すべてを忘れて 前に進むんだ 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 屈することを恐れないで
委ねることを 恐れないで 何も言わずに終わってしまうなら
言い過ぎた方が よっぽどいい たとえ手が震えても
信じる心を失っても 目を閉じたくなっても
心だけは大きく開いていよう 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい 悩まないで声に出してごらん
何もかも さらけ出せばいい
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%AE%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E6%96%B9
キャッチコピーは、“We live, we die. Wheels on the bus go round, and round.”
(人は生き、人は死ぬ ― 世の中はその繰り返しだ)。
2025年4月12日土曜日
あの人に会いたい 楳図かずお
ビジョンなき人生を生く朧月
涅槃雪棘ある言葉浴びせられ
木蓮や日本語通じぬ美容院
スクリューフレーション深刻な春
襲い来るインフレーション春の街
■あの人に会いたい 楳図かずお(漫画家)
楳図かずお1936(昭和11)-2024(令和6)年 88歳没
マンガが動いているのは僕の大きな拘り
マンガって動かないじゃないですか
動くようにどうやったら描けるだろうかというのが
いつも頭の中の問題
1936(昭和11)年 和歌山県高野山生まれ
生れて7~8か月くらいに母親がふと こういう子どもに
絵を描かせると描くかなといって 鉛筆を持たせて 丸はこうだよ
とかいって そうしたら描いたものだから
「新寳島」手塚治虫著
パッと見ると おもしろそうだったから 買って読むと
おもしろくて それが手塚治虫のマンガだった
読んだ瞬間に「プロになろう」と思った
「森の兄弟」で1955(昭和30)年にデビュー
まだストーリーが作れなかった
グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」から(ストーリー)を
起こさせて貰った だけど僕のマンガの出発点
高校を出てプロでやっていく時にまわりを見渡すと
もうSFは手塚治虫さんがやっているのでだめ
「恐怖」というジャンルがなかった スリラーと怪奇は
あったが「恐怖」というのはなかった
子どものころはそれ(民話)が怖い話だと思っていない
単純におもしろい話だなと思って聞いていた
自分が嫌なものほど人はおもしろいだろうなと思って
僕も実際は嫌なんだけど マンガの中に出てくるのは
すごくおもしろい 実際に嫌だなと思うのは話の中に入ると
いちばん興味の持てるおもしろいものに変化する
恐怖というのは自分の頭の中の創造性 新しいものや
知らないもの 未知のものに対する興味が怖いという事だと思う
1975(昭和50)年 小学館漫画賞を受賞
1976(昭和51)年 「まことちゃん」連載開始
恐怖と笑いは表裏一体
追っかける側と追いかけられる側 それぞれの立場によって
ギャグになるか恐怖になるか それだけの違いだと思っている
追いかけられる側はやっぱり怖い もう恐怖そのもの
相手が転んだりしたらおかしいだろうなと
1982(昭和57)年「わたしは真悟」連載開始
仏アングレーム国際映画祭で「遺産賞」を受賞
「14歳」連載終了後 休筆
もう怖いマンガは(必要)ないと思うと言われたり
それだったら具合悪いなと思って たっていても
おもしろくも何ともないので
2022(令和4)年「連作絵画」の展覧会を開催
目指すところはマンガではなく絵画 両方のいいところを足せば
こんなふうになる そういう目標 今回描いたものには
つなぎがない やにわにクライマックスが来ちゃう
最初から(クライマックスが)来て 次もクライマックス
みんなクライマックス
生物は最初の無機物から有機物になった瞬間に
食う食われるの状態の怖さはそこから始まっていると思う
食われるところから どうやって 逃れようというので
生物は進化していって 食われる恐怖のない生物は
進化していない そこの部分が ちょっと緩んでいる
ところがあると思うから 少し鍛えていったほうがいい
怖さに対する防御力ですよね
涅槃雪棘ある言葉浴びせられ
木蓮や日本語通じぬ美容院
スクリューフレーション深刻な春
襲い来るインフレーション春の街
■あの人に会いたい 楳図かずお(漫画家)
楳図かずお1936(昭和11)-2024(令和6)年 88歳没
マンガが動いているのは僕の大きな拘り
マンガって動かないじゃないですか
動くようにどうやったら描けるだろうかというのが
いつも頭の中の問題
1936(昭和11)年 和歌山県高野山生まれ
生れて7~8か月くらいに母親がふと こういう子どもに
絵を描かせると描くかなといって 鉛筆を持たせて 丸はこうだよ
とかいって そうしたら描いたものだから
「新寳島」手塚治虫著
パッと見ると おもしろそうだったから 買って読むと
おもしろくて それが手塚治虫のマンガだった
読んだ瞬間に「プロになろう」と思った
「森の兄弟」で1955(昭和30)年にデビュー
まだストーリーが作れなかった
グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」から(ストーリー)を
起こさせて貰った だけど僕のマンガの出発点
高校を出てプロでやっていく時にまわりを見渡すと
もうSFは手塚治虫さんがやっているのでだめ
「恐怖」というジャンルがなかった スリラーと怪奇は
あったが「恐怖」というのはなかった
子どものころはそれ(民話)が怖い話だと思っていない
単純におもしろい話だなと思って聞いていた
自分が嫌なものほど人はおもしろいだろうなと思って
僕も実際は嫌なんだけど マンガの中に出てくるのは
すごくおもしろい 実際に嫌だなと思うのは話の中に入ると
いちばん興味の持てるおもしろいものに変化する
恐怖というのは自分の頭の中の創造性 新しいものや
知らないもの 未知のものに対する興味が怖いという事だと思う
1975(昭和50)年 小学館漫画賞を受賞
1976(昭和51)年 「まことちゃん」連載開始
恐怖と笑いは表裏一体
追っかける側と追いかけられる側 それぞれの立場によって
ギャグになるか恐怖になるか それだけの違いだと思っている
追いかけられる側はやっぱり怖い もう恐怖そのもの
相手が転んだりしたらおかしいだろうなと
1982(昭和57)年「わたしは真悟」連載開始
仏アングレーム国際映画祭で「遺産賞」を受賞
「14歳」連載終了後 休筆
もう怖いマンガは(必要)ないと思うと言われたり
それだったら具合悪いなと思って たっていても
おもしろくも何ともないので
2022(令和4)年「連作絵画」の展覧会を開催
目指すところはマンガではなく絵画 両方のいいところを足せば
こんなふうになる そういう目標 今回描いたものには
つなぎがない やにわにクライマックスが来ちゃう
最初から(クライマックスが)来て 次もクライマックス
みんなクライマックス
生物は最初の無機物から有機物になった瞬間に
食う食われるの状態の怖さはそこから始まっていると思う
食われるところから どうやって 逃れようというので
生物は進化していって 食われる恐怖のない生物は
進化していない そこの部分が ちょっと緩んでいる
ところがあると思うから 少し鍛えていったほうがいい
怖さに対する防御力ですよね
2025年4月11日金曜日
EIGHT-JAM サザンオールスターズ
労わりが喜びとなる春の風
春怒涛自分は自分他人は他人
図々しく生きる人よ半仙戯
たこ焼きや米を席巻春景色
春の闇追い込まれたるエンジニア(魔改造)
■EIGHT-JAM【サザンオールスターズ特集 完結編!プロ厳選の名曲も紹介】
長年やってきて思うのは…。重みがない。カリスマ性…無縁な所にある。
主流 本流 王堂になり得ない。感じてやっていた。我々にできることは何か…。
辿り着いたのはなるべくVariationを増やす。新曲なのかなと。
Mrs.GREEN APPLE 緑黄色社会と並んだら ダメだったと思う。
他人様が与えてくれるイメージは意外に大事で
大衆の皆さんが与えてくれたイメージは そこが本質だったりする。
「別のやり方で音楽楽しもう」と思えた。運が良かった。
曽我淳一氏(サザンオールスターズ)
桑田さんの知識量、和音のこともそうだし
歌詞の文学的な内容、言葉のチョイス…インプットが凄い
知識の量が半端ない だから幅広さが保てる。
プロが選ぶ サザンの幅広さを感じる曲
TSUNAMI(‘00) イエローマン~星の王子様~(’99)
ポイント
KAMAKURA(‘85)アルバム2枚組
一つの辿り着いた点 ポイントかもしれない。
自分達の得意な事手癖にたよった音楽はやめよう」
「メンバー達がせめぎ合い飛び散る火花のようなものを作品に」
年齢、時代に応じて吸収したものを作って吐き出す。
モチベーションも高かった。時代的な背景もあったりして
一つのピーク…。重要なアルバム。
プロが選ぶサザンオールスターズの名曲
HOTEL PACIFIC 神様からの贈り物 みの
ミス・ブランニュー・デイ 片山敦夫
HEIR NAOKI
BOHBO No.5 斎藤誠
いとしのエリー 家入レオ Awich 本間昭光
マンピーのG★SPOT Awich 家入レオ
エロティカ・セブン Awich
荒唐無稽じゃないけど「エロスをやろう‼」ではなく
我々の世代は春歌(「下ネタ」の内容の歌詞を含む歌。)
ちょっと不謹慎な替え歌、鼻歌が…。「マンピー」って言葉が
出てきた時に「Gスポット」って言っちゃう?」遊び心で…。
桑田佳祐が好きなサザンの曲は❓
女神たちへの情歌(報道されないY型の彼方へ)
ゆけ‼力道山
作り続けるMotivationは❓
自分たちはどんどん歳を取る。世の中は新しくなる。
物事は更新されていくから我々が古くなっていくことは間違いない
音楽のタイムマシーンに乗っていくと青春の時期に飛べるんじゃ…。
行き着く先は自己愛。
「THANK YOU SO MUCH」10年ぶり‼16作目のオリジナルアルバム
タイトルの温度感が変わってきた。これは軽い話じゃないぞ。
長きにわたり新作を作り続け多くの後輩からリスペクトを集める桑田佳祐
原動力は❓
原由子の存在は大きい。要因の一つとして女性がいる…。
マイルドになる。この雰囲気大事にしよう。
「解散したい」…何度もある。
それを覆すようなみんなの気持ちの持っていき方が…。
ライブをしたり新曲を作ったりしたことがサザンのメンバーの絆を
更新していく…良かったと思う。後は一人一人の性格と努力が
みんなも苦労している。その辺が顔に出ないから…
人間性が大きいと思います。
サザンオールスターズの軌跡を綴った本『いわゆる「サザン」について』
桑田佳祐が帯に寄せた言葉は…。
昔々、“軽薄なノリ”がめいよであり、
やんちゃなものに対して
やや寛容な時代があった。
ついつい、調子に乗って
それをやめそびれた我々は、
未だに「まともな音楽人」として
衆人に認知されていない。
サザンオールスターズ・桑田佳祐
ちょっと自虐的に書きましたけど
重みやカリスマ性を維持するのも大変…
我々はそういう足枷がなかったのも良かった。
古希にならんとしてる我々。
「学生バンドっぽい」と未だに言われる。
サザンのイメージの中にそれがある…
ありがたいこと。
40代、50代の時に「学生バンドっぽい」
嫌だった時もある。
乗り越えて…歳を取ってここにいられることで
楽になったことは結構ある。
サザンオールスターズって長くやれたから良かった。
途中で終わっていたら 悲しかった…
ここまでやれたのが いろんな意味で全て。
水野良樹氏(いきものがたり)
「音楽」として見られて来なくて大衆に楽しまれていた。
一番音楽的な部分。
音楽が音楽として評価されることはつまらないこと。
その先のものに目的があるべき。
サザンはずっとそこにいた。
もっとも音楽的、最も素晴らしい音楽人。
春怒涛自分は自分他人は他人
図々しく生きる人よ半仙戯
たこ焼きや米を席巻春景色
春の闇追い込まれたるエンジニア(魔改造)
■EIGHT-JAM【サザンオールスターズ特集 完結編!プロ厳選の名曲も紹介】
長年やってきて思うのは…。重みがない。カリスマ性…無縁な所にある。
主流 本流 王堂になり得ない。感じてやっていた。我々にできることは何か…。
辿り着いたのはなるべくVariationを増やす。新曲なのかなと。
Mrs.GREEN APPLE 緑黄色社会と並んだら ダメだったと思う。
他人様が与えてくれるイメージは意外に大事で
大衆の皆さんが与えてくれたイメージは そこが本質だったりする。
「別のやり方で音楽楽しもう」と思えた。運が良かった。
曽我淳一氏(サザンオールスターズ)
桑田さんの知識量、和音のこともそうだし
歌詞の文学的な内容、言葉のチョイス…インプットが凄い
知識の量が半端ない だから幅広さが保てる。
プロが選ぶ サザンの幅広さを感じる曲
TSUNAMI(‘00) イエローマン~星の王子様~(’99)
ポイント
KAMAKURA(‘85)アルバム2枚組
一つの辿り着いた点 ポイントかもしれない。
自分達の得意な事手癖にたよった音楽はやめよう」
「メンバー達がせめぎ合い飛び散る火花のようなものを作品に」
年齢、時代に応じて吸収したものを作って吐き出す。
モチベーションも高かった。時代的な背景もあったりして
一つのピーク…。重要なアルバム。
プロが選ぶサザンオールスターズの名曲
HOTEL PACIFIC 神様からの贈り物 みの
ミス・ブランニュー・デイ 片山敦夫
HEIR NAOKI
BOHBO No.5 斎藤誠
いとしのエリー 家入レオ Awich 本間昭光
マンピーのG★SPOT Awich 家入レオ
エロティカ・セブン Awich
荒唐無稽じゃないけど「エロスをやろう‼」ではなく
我々の世代は春歌(「下ネタ」の内容の歌詞を含む歌。)
ちょっと不謹慎な替え歌、鼻歌が…。「マンピー」って言葉が
出てきた時に「Gスポット」って言っちゃう?」遊び心で…。
桑田佳祐が好きなサザンの曲は❓
女神たちへの情歌(報道されないY型の彼方へ)
ゆけ‼力道山
作り続けるMotivationは❓
自分たちはどんどん歳を取る。世の中は新しくなる。
物事は更新されていくから我々が古くなっていくことは間違いない
音楽のタイムマシーンに乗っていくと青春の時期に飛べるんじゃ…。
行き着く先は自己愛。
「THANK YOU SO MUCH」10年ぶり‼16作目のオリジナルアルバム
タイトルの温度感が変わってきた。これは軽い話じゃないぞ。
長きにわたり新作を作り続け多くの後輩からリスペクトを集める桑田佳祐
原動力は❓
原由子の存在は大きい。要因の一つとして女性がいる…。
マイルドになる。この雰囲気大事にしよう。
「解散したい」…何度もある。
それを覆すようなみんなの気持ちの持っていき方が…。
ライブをしたり新曲を作ったりしたことがサザンのメンバーの絆を
更新していく…良かったと思う。後は一人一人の性格と努力が
みんなも苦労している。その辺が顔に出ないから…
人間性が大きいと思います。
サザンオールスターズの軌跡を綴った本『いわゆる「サザン」について』
桑田佳祐が帯に寄せた言葉は…。
昔々、“軽薄なノリ”がめいよであり、
やんちゃなものに対して
やや寛容な時代があった。
ついつい、調子に乗って
それをやめそびれた我々は、
未だに「まともな音楽人」として
衆人に認知されていない。
サザンオールスターズ・桑田佳祐
ちょっと自虐的に書きましたけど
重みやカリスマ性を維持するのも大変…
我々はそういう足枷がなかったのも良かった。
古希にならんとしてる我々。
「学生バンドっぽい」と未だに言われる。
サザンのイメージの中にそれがある…
ありがたいこと。
40代、50代の時に「学生バンドっぽい」
嫌だった時もある。
乗り越えて…歳を取ってここにいられることで
楽になったことは結構ある。
サザンオールスターズって長くやれたから良かった。
途中で終わっていたら 悲しかった…
ここまでやれたのが いろんな意味で全て。
水野良樹氏(いきものがたり)
「音楽」として見られて来なくて大衆に楽しまれていた。
一番音楽的な部分。
音楽が音楽として評価されることはつまらないこと。
その先のものに目的があるべき。
サザンはずっとそこにいた。
もっとも音楽的、最も素晴らしい音楽人。
2025年4月10日木曜日
あの本、読みました? 背筋
イメージが創る人生長閑なり
黙っていればいい気になって雪崩
春の陽や殻を破って突っ走れ
消え失せるオリジナル蛇穴を出づ
襲い来る苦しみありて春の月
■あの本、読みました?単行本売上ランキング!
朝井リョウ・背筋・「このミス」大賞
背筋(せすじ) 鈴木保奈美 角谷暁子
第16位 「近畿地方のある場所について」背筋著
第18位 「僕には鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴著/小学館 鈴木保奈美推し
第11位 「地雷グリコ」青崎有吾著/KADOKAWA 背筋推し
十五段目に地雷があることははっきりした。真兎(まと)の位置はいま、九段目。
なら次のジャンケンではグーを出し、十二段目に移動すればー
「あっ」チョキかパーを出して六段進めば地雷に〈被弾〉してしまう。
だから真兎はグーしか出せない。そして、
そのことは椚(くぬぎ)先輩にもばれている。
つまり椚先輩は、パーを出せば必ず真兎に勝てるわけだ。
しかも一度では終わらない。次のターンも、その次のターンも
九段目から動けない限り真兎にはグーの選択肢しかない。
だがグーを出し続ければ差はどんどん広がっていく。
第6位「生殖器」朝井リョウ著/小学館 背筋・林P推し
❝多様性❞ってそれこそ四十億年以上前に生命体が発生した時から
存在する現象なわけで、どの生命体も発生したその瞬間から
多様な種の中の一個体として生きるしかないんですから。
そもそもヒトは❝多様性❞の歴史に超最近現れた超超超新入りです。
認める認めないの立場を選ぶなんてそもそも不可能で、ただただ
❝多様性❞の真っ只中にいることしかできません。というような文章にも、
尚成はこの一年間、買ったり借りたりした本の中で沢山出会いました。
朝井リョウの魅力
「業界地図」ってどんな本?松浦大
会社四季報(4000近い企業の業績や営業利益の予想など最新情報を
提供している株式投資のバイブル)の兄弟誌/東洋経済新報社
シェア75%(日経も出版している)
大雨の業界 書店・取次 地方銀行 造船
「このミス」大賞「謎の香りはパンやから」著者テレビ初出演
作家 土屋うさぎ
人が死なないクールなミステリー
実際に経験したことをミステリーに
「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
由貴子が練乳サンド用のパンを切り始めたので、
私はたまごサンドを作ることにした。(中略)
続けて冷蔵庫から、サンドイッチの具材となる、
たまごフィリングを取り出す。
たまごフィリングは、バイトが前日にみじん切りにした
卵とマヨネーズを混ぜて仕込む決まりだ。
しかしノスティモには、ゆで卵をみじん切りにするための
専用のスライサーやマッシャーがない。そのため、包丁で卵を
一つ一つ細かく切る必要があり、意外と手間のかかる作業だった。
ずっしりと重みのあるタッパーを開けて、中身を確かめる。
その時、あれ、と思わず声が漏れた。卵の切られた断面が、粗い。
細切れになったゆで卵が金平糖のようにギザギザとしている。
包丁で切ったとして、こんな切り口になるのだろうか。
第1章 焦げたクロワッサン
第2章 夢見るフランスパン
第3章 恋するシナモンロール
第4章 さよならチョココロネ
第5章 思い出のカレーパン
「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
チョココロネは、西洋発祥だと思われがちだが、
実は日本で生まれたパンである。
名前の由来は、フランス語で角(つの)を意味する「コルネ」から
取ったという説と、金管楽器の「コルネット」が
変化したという説の、二つがある。
金管楽器を演奏する姿を重ねると、チョココロネの
細いほうを「頭」と認識するのも頷ける。
先入観から、太いほうから食べがちだが、どちらが頭で
どちらがお尻なのか、明解な答えはない。中には、細い部分を
ちぎって、チョコクリームをディップしながら食べる人もいるという。
マンガからの影響「キャラ立ち」
「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
「おはようございまーす」と元気な声が聞こえてきた。
遅れて出勤してきたレナ先輩だ。「いやぁ、寝坊しちゃった」
レナ先輩が両手を背中の後ろで組み、肩を伸ばす。彼女は、
私とは違う大学に通う四年生で、豪快かつ派手な人だ。
少しつり目の瞼には、どんなに朝早いシフトの日でも、
大粒のラメ入りアイシャドーが光っている。
それは遅刻してきた今日も例外ではない。
今は帽子で隠れている長い髪は、派手な赤色に染められており、
色白の肌と相まって異国のお姫様のようだった。
「あれ、音楽かけてないじゃん。無音で仕事するのしんどくない?」
そう言うと、レナ先輩はキッチンにあるスピーカーにスマホを繋いだ。
長閑な店内に、いかついヒップホップが流れ出す。
扉を閉めていればお客さんにキッチン内の音が届かないので、
ノスティモでは、自由に音楽を流ことが許されていた。それにしたって、
もう少しお店の雰囲気とマッチした曲がありそうなものだが。
さらに、彼女は続けて画面をタップした。「この前さぁ、天王寺動物園
行ってきたんだ。その時の動画、送ったから見てよ」「え、今ですか?」
「うん、お裾分け。めちゃ癒されるよ」ちらりと自分のスマホ画面を
確認すると、動画は四分と地味に長尺だった。
登場人物は実在の人
愛読書は辻村深月 「鍵のない夢を見る」辻村深月著/文春文庫
第3位 「口に関するアンケート」背筋著/ポプラ社・刊
伝播していく恐怖がテーマ
大学生の肝試しに恐怖の仕掛けが…
「口に関するアンケート」の一文 背筋著/ポプラ社・刊
はじめまして。村井翔太といいます。よろしくお願いします。
とりあえずあの日のこと、全部話しますね。
正直、気は進まないですけど。肝試しになんて行かなければ、
杏は死ななかった思いますから。言い出しっぺは、誰だったかな。
覚えてないです。とにかく、僕たちのグループの誰かが、言ったんです。
「ここ、知ってる?けっこうヤバいらしいよ」って。
テーマにしたかった作品
「藪の中」芥川龍之介著/講談社文庫
馬の通う路から隔たった藪の中 胸もとを刺された男の死骸が見つかった
殺したのは誰なのか 芥川龍之介の名作
「杏」ちゃん=木に口
文字の色が変わっていく…
アンケートに答えると…
裏表紙にも仕掛けが…昆虫がびっしり止まっている
スマホのライトで照らすと確り見える
背筋の次回作は❓土屋うさぎの次回作は❓
黙っていればいい気になって雪崩
春の陽や殻を破って突っ走れ
消え失せるオリジナル蛇穴を出づ
襲い来る苦しみありて春の月
■あの本、読みました?単行本売上ランキング!
朝井リョウ・背筋・「このミス」大賞
背筋(せすじ) 鈴木保奈美 角谷暁子
第16位 「近畿地方のある場所について」背筋著
第18位 「僕には鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴著/小学館 鈴木保奈美推し
第11位 「地雷グリコ」青崎有吾著/KADOKAWA 背筋推し
十五段目に地雷があることははっきりした。真兎(まと)の位置はいま、九段目。
なら次のジャンケンではグーを出し、十二段目に移動すればー
「あっ」チョキかパーを出して六段進めば地雷に〈被弾〉してしまう。
だから真兎はグーしか出せない。そして、
そのことは椚(くぬぎ)先輩にもばれている。
つまり椚先輩は、パーを出せば必ず真兎に勝てるわけだ。
しかも一度では終わらない。次のターンも、その次のターンも
九段目から動けない限り真兎にはグーの選択肢しかない。
だがグーを出し続ければ差はどんどん広がっていく。
第6位「生殖器」朝井リョウ著/小学館 背筋・林P推し
❝多様性❞ってそれこそ四十億年以上前に生命体が発生した時から
存在する現象なわけで、どの生命体も発生したその瞬間から
多様な種の中の一個体として生きるしかないんですから。
そもそもヒトは❝多様性❞の歴史に超最近現れた超超超新入りです。
認める認めないの立場を選ぶなんてそもそも不可能で、ただただ
❝多様性❞の真っ只中にいることしかできません。というような文章にも、
尚成はこの一年間、買ったり借りたりした本の中で沢山出会いました。
朝井リョウの魅力
「業界地図」ってどんな本?松浦大
会社四季報(4000近い企業の業績や営業利益の予想など最新情報を
提供している株式投資のバイブル)の兄弟誌/東洋経済新報社
シェア75%(日経も出版している)
大雨の業界 書店・取次 地方銀行 造船
「このミス」大賞「謎の香りはパンやから」著者テレビ初出演
作家 土屋うさぎ
人が死なないクールなミステリー
実際に経験したことをミステリーに
「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
由貴子が練乳サンド用のパンを切り始めたので、
私はたまごサンドを作ることにした。(中略)
続けて冷蔵庫から、サンドイッチの具材となる、
たまごフィリングを取り出す。
たまごフィリングは、バイトが前日にみじん切りにした
卵とマヨネーズを混ぜて仕込む決まりだ。
しかしノスティモには、ゆで卵をみじん切りにするための
専用のスライサーやマッシャーがない。そのため、包丁で卵を
一つ一つ細かく切る必要があり、意外と手間のかかる作業だった。
ずっしりと重みのあるタッパーを開けて、中身を確かめる。
その時、あれ、と思わず声が漏れた。卵の切られた断面が、粗い。
細切れになったゆで卵が金平糖のようにギザギザとしている。
包丁で切ったとして、こんな切り口になるのだろうか。
第1章 焦げたクロワッサン
第2章 夢見るフランスパン
第3章 恋するシナモンロール
第4章 さよならチョココロネ
第5章 思い出のカレーパン
「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
チョココロネは、西洋発祥だと思われがちだが、
実は日本で生まれたパンである。
名前の由来は、フランス語で角(つの)を意味する「コルネ」から
取ったという説と、金管楽器の「コルネット」が
変化したという説の、二つがある。
金管楽器を演奏する姿を重ねると、チョココロネの
細いほうを「頭」と認識するのも頷ける。
先入観から、太いほうから食べがちだが、どちらが頭で
どちらがお尻なのか、明解な答えはない。中には、細い部分を
ちぎって、チョコクリームをディップしながら食べる人もいるという。
マンガからの影響「キャラ立ち」
「謎の香りはパンやから」の一文 土屋うさぎ著/宝島社
「おはようございまーす」と元気な声が聞こえてきた。
遅れて出勤してきたレナ先輩だ。「いやぁ、寝坊しちゃった」
レナ先輩が両手を背中の後ろで組み、肩を伸ばす。彼女は、
私とは違う大学に通う四年生で、豪快かつ派手な人だ。
少しつり目の瞼には、どんなに朝早いシフトの日でも、
大粒のラメ入りアイシャドーが光っている。
それは遅刻してきた今日も例外ではない。
今は帽子で隠れている長い髪は、派手な赤色に染められており、
色白の肌と相まって異国のお姫様のようだった。
「あれ、音楽かけてないじゃん。無音で仕事するのしんどくない?」
そう言うと、レナ先輩はキッチンにあるスピーカーにスマホを繋いだ。
長閑な店内に、いかついヒップホップが流れ出す。
扉を閉めていればお客さんにキッチン内の音が届かないので、
ノスティモでは、自由に音楽を流ことが許されていた。それにしたって、
もう少しお店の雰囲気とマッチした曲がありそうなものだが。
さらに、彼女は続けて画面をタップした。「この前さぁ、天王寺動物園
行ってきたんだ。その時の動画、送ったから見てよ」「え、今ですか?」
「うん、お裾分け。めちゃ癒されるよ」ちらりと自分のスマホ画面を
確認すると、動画は四分と地味に長尺だった。
登場人物は実在の人
愛読書は辻村深月 「鍵のない夢を見る」辻村深月著/文春文庫
第3位 「口に関するアンケート」背筋著/ポプラ社・刊
伝播していく恐怖がテーマ
大学生の肝試しに恐怖の仕掛けが…
「口に関するアンケート」の一文 背筋著/ポプラ社・刊
はじめまして。村井翔太といいます。よろしくお願いします。
とりあえずあの日のこと、全部話しますね。
正直、気は進まないですけど。肝試しになんて行かなければ、
杏は死ななかった思いますから。言い出しっぺは、誰だったかな。
覚えてないです。とにかく、僕たちのグループの誰かが、言ったんです。
「ここ、知ってる?けっこうヤバいらしいよ」って。
テーマにしたかった作品
「藪の中」芥川龍之介著/講談社文庫
馬の通う路から隔たった藪の中 胸もとを刺された男の死骸が見つかった
殺したのは誰なのか 芥川龍之介の名作
「杏」ちゃん=木に口
文字の色が変わっていく…
アンケートに答えると…
裏表紙にも仕掛けが…昆虫がびっしり止まっている
スマホのライトで照らすと確り見える
背筋の次回作は❓土屋うさぎの次回作は❓
2025年4月9日水曜日
10min.ボックス 曽根崎心中&たけくらべ
春の雲勝つて欲しがること勿れ(坂の上の雲最終回)
横たわる潰(つい)えた牛や春の空
牛飼いの向き合う矛盾土匂ふ
朧月市井の女手紙読む
物思う年増の女春の月
■10min.ボックス古文・漢文 曽根崎心中(近松門左衛門)
一七〇三年(元禄十六年)心中事件「曽根崎心中」
夢の夢こそあはれなれ
悲しい愛の物語 徳兵衛と遊女のお初の物語
やあら聞えぬ旦那殿。私合点いたさぬを、
老母をたらし、叩き付け、あんまりななされやう。
口借しや、無念やな。このごとく踏み叩かれ、
男も立たず、身も立たず。エ、最前につかみつき、
食ひついてなりとも死なんものを
町人が共感した物語
頼もしだてが身のひしで、欺(だま)されさんしたものなれども、
証拠なければ、理も立たず、この上は徳様も
死なねばならぬしななるが、死ぬる覚悟が聞きたい
徳様に離れて、片時も生きてゐようか。
わしも一所に死ぬるぞやいの
道行
この世のなごり、夜もなごり、
死に行く身をたとふれば、
あだしが原の道の霜、
一足づゝに消えて行く、
夢の夢こそあはれなれ。
あれ数ふれば、暁の、
七つの時が六つ鳴りて、
残る一つが今生の、
鐘の響きの聞き納め、
■10min.ボックス現代文 たけくらべ(樋口一葉)
主人公の名前は美登利
大黒屋の美登利とて、生国(せうこく)は紀州、
言葉のいさゝか訛れるも可愛(かわゆ)く、
第一は切れ離れよき 気象を喜ばぬ人なし。
子供に似合(にあは)ぬ銀貨入れの重きも道理、
姉なる人が全盛の余波(なごり)、
同級の女生徒二十人に揃ひのごむ鞠(まり)を
与へしはおろかの事、馴染の筆やに店(たな)ざらしの
手遊(てあそび)を買(かひ)しめて、喜ばせし事もあり。
吉原 遊郭
樋口一葉(一八七二―一八九六)
美登利の恋心 相手は一歳年上の藤本信如
「これにてお拭きなされ」と介抱をなしけるに、
友達の中なる嫉妬(やきもち)や見つけて、
「藤本は坊主のくせに女と話をして、
嬉しさうに礼を言ったは可笑しいでは無いか、
大方(おほかた)、美登利さんは藤本の女房(かみさん)に
なるのであらう」などゝ取沙汰(とりざた)しける。
「ゑゝ例(いつも)の通りの心根」
「何を憎んでそのやうに無情(つれなき)そぶりはみせらるゝ。
言ひたい事は此方(こなた)にあるを、余りな人」
信如は今ぞ淋(さび)しう見かへれば、
紅入り友仙(ゆうぜん)の雨にぬれて、紅葉の形(かた)の
うるはしきが我が足ちかく散(ちり)ぼひたる、
子どもから大人へ
次第〱に心細き思ひ、すべて昨日の美登利の身に覚えなかりし
思ひをまうけて、物の恥ずかしさ言ふばかりなく
「ゑゝ厭や〱、大人に成るは厭やな事。
なぜこのやうに年をば取る、
もう七月十月(なゝつきとつき)、一年も以前(もと)へ帰りたいに」
誰れの仕業と知るよしなけれど、
美登利は何ゆゑとなく 懐かしき思ひにて、
違ひ棚の一輪ざしに入れて、淋しく清き姿をめでけるが、
聞くともなしに伝え聞く、その明けの日は、信如が
何がしの学林に袖の色かへぬべき当日なりしとぞ。
横たわる潰(つい)えた牛や春の空
牛飼いの向き合う矛盾土匂ふ
朧月市井の女手紙読む
物思う年増の女春の月
■10min.ボックス古文・漢文 曽根崎心中(近松門左衛門)
一七〇三年(元禄十六年)心中事件「曽根崎心中」
夢の夢こそあはれなれ
悲しい愛の物語 徳兵衛と遊女のお初の物語
やあら聞えぬ旦那殿。私合点いたさぬを、
老母をたらし、叩き付け、あんまりななされやう。
口借しや、無念やな。このごとく踏み叩かれ、
男も立たず、身も立たず。エ、最前につかみつき、
食ひついてなりとも死なんものを
町人が共感した物語
頼もしだてが身のひしで、欺(だま)されさんしたものなれども、
証拠なければ、理も立たず、この上は徳様も
死なねばならぬしななるが、死ぬる覚悟が聞きたい
徳様に離れて、片時も生きてゐようか。
わしも一所に死ぬるぞやいの
道行
この世のなごり、夜もなごり、
死に行く身をたとふれば、
あだしが原の道の霜、
一足づゝに消えて行く、
夢の夢こそあはれなれ。
あれ数ふれば、暁の、
七つの時が六つ鳴りて、
残る一つが今生の、
鐘の響きの聞き納め、
■10min.ボックス現代文 たけくらべ(樋口一葉)
主人公の名前は美登利
大黒屋の美登利とて、生国(せうこく)は紀州、
言葉のいさゝか訛れるも可愛(かわゆ)く、
第一は切れ離れよき 気象を喜ばぬ人なし。
子供に似合(にあは)ぬ銀貨入れの重きも道理、
姉なる人が全盛の余波(なごり)、
同級の女生徒二十人に揃ひのごむ鞠(まり)を
与へしはおろかの事、馴染の筆やに店(たな)ざらしの
手遊(てあそび)を買(かひ)しめて、喜ばせし事もあり。
吉原 遊郭
樋口一葉(一八七二―一八九六)
美登利の恋心 相手は一歳年上の藤本信如
「これにてお拭きなされ」と介抱をなしけるに、
友達の中なる嫉妬(やきもち)や見つけて、
「藤本は坊主のくせに女と話をして、
嬉しさうに礼を言ったは可笑しいでは無いか、
大方(おほかた)、美登利さんは藤本の女房(かみさん)に
なるのであらう」などゝ取沙汰(とりざた)しける。
「ゑゝ例(いつも)の通りの心根」
「何を憎んでそのやうに無情(つれなき)そぶりはみせらるゝ。
言ひたい事は此方(こなた)にあるを、余りな人」
信如は今ぞ淋(さび)しう見かへれば、
紅入り友仙(ゆうぜん)の雨にぬれて、紅葉の形(かた)の
うるはしきが我が足ちかく散(ちり)ぼひたる、
子どもから大人へ
次第〱に心細き思ひ、すべて昨日の美登利の身に覚えなかりし
思ひをまうけて、物の恥ずかしさ言ふばかりなく
「ゑゝ厭や〱、大人に成るは厭やな事。
なぜこのやうに年をば取る、
もう七月十月(なゝつきとつき)、一年も以前(もと)へ帰りたいに」
誰れの仕業と知るよしなけれど、
美登利は何ゆゑとなく 懐かしき思ひにて、
違ひ棚の一輪ざしに入れて、淋しく清き姿をめでけるが、
聞くともなしに伝え聞く、その明けの日は、信如が
何がしの学林に袖の色かへぬべき当日なりしとぞ。
2025年4月8日火曜日
知恵泉 やなせたかし
色変えて匂いを変えて春の雲
風のごと時には主張春の空
春心ふくよかさんがほっそりと
シイラカンスふれあい求め深海へ(無季句)
シイラカンス仲間とともに横たわる(無季句)
■先人たちの底力 知恵泉 やなせたかし
~「遠回り」に込められた生き方~
藤田和日朗 中沢元紀 梯久美子
「困った時のやなせさん」と呼ばれていた
晩成とか遅咲きという言葉があるが
友はみんなひと花咲かせてはるかに遠くを走っていた
「アンパンマンの遺書 文庫版」より (やなせたかし 岩波書店)
漫画家としては絶望だと思った
柳瀬嵩(やなせたかし)1919(大正8)年 2月6日生まれ
当時のぼくには かんたんに 描かれているように見えて
これで生活ができて 人気者になれるならば
漫画家になりたいと思った
(やなせたかし みんなの夢まもるため)より
徴兵では特技を生かしてある任務を
中国の人に向けた紙芝居を製作
飢えが人間にとって一番惨めであることを認識
終戦後知ったこと
僕らが兵隊になって向うへ送られた時
これは正義の戦いで中国の民衆を
救わなくちゃいけないと言われたんです
ところが戦争が終わってみればこっちが非常に悪い奴で
侵略をしていったということになる
戦争には真の正義というものはないんです しかも逆転する
「何のために生まれてきたの?希望のありか」より
「ぼくはもうすぐ死んでしまうが兄貴は生きて絵をかいてくれ」
「やなせたかし おとうとものがたり」(フレーベル刊)©やなせたかし
(やなせたかしが弟・千尋との思い出を綴った詩画集)
知恵その一
楽しみながら人を助けていこう
34歳の時(給与より漫画収入が上回ったので)独立
どんな仕事でもとにかく引き受ける
豪華客船で講師も務めた
そんな時につけられた渾名が「困った時のやなせさん」
新しいことをやったらきっと楽しいだろう 発見があるだろう
ものすごく楽しそうにするから周りも幸せになる
知り合った宮城まり子や永六輔らから頼まれ
舞台美術や映画のシナリオ、構成作家、テレビ出演
畑違いのオファーまで熟すように…。
仲間は先輩も後輩も大活躍なのに自分だけが冬の谷間で
ひとりぼっちみたいな気分でやるせなかった
「人生なんて夢だけど」より
「手のひらを太陽に」を作詞 作曲はいずみたく
歌ったのは宮城まり子 NHK「みんなのうた」で歌われ
小学校の音楽の教科書にも採用された
藤田和日朗氏が番組中ご紹介くださいました↓
【おとうとものがたり】
シーソー
シーソーというかなしいあそびがある
一方があがれば
一方がさがる
水平になることは一度もない
ぼくと弟は
シーソーのことを
ギッコンバッタンといっていた
ギッコンバッタン
ぼくらはあそんだが
ちいさい時
弟は病気がち
学校の成績もわるかった
ぼくは
あくまで健康で
成績はとびきり上等だった
薬ばかりのんでいた弟は
いつもみんなになぐさめられ
お菓子と玩具に埋もれていた
ぼくもぜひ肺病になりたくて
わざと雨にびしょぬれになったりしたが
残念ながら平気だった
しかし
中学に入ってから
たちまち立場が逆転する
弟はすっかり頑丈になり
柔道二段で優等生
ぼくは無段で劣等生
数字なんか0点だった
ギッコンバッタン
ぼくたちは
一方あがれば
一方がさがり
いつも水平になれなかった
それでもぼくらは仲良しだった
シーソーをもういちどしたいとおもっても
ああ 人生のギッコンバッタン
ひとりぼっちではできないんだ
参照:https://miya-chu.jp/mizutani/?itemid=4264
やなせたかしさんが弟に抱いた感情
君がやりたいことは いったい何だったんだろう
君の代わりにやるとすれば 僕はどうしたらいいんだろう
これは亡くなるまで抱き続けたテーマだった 梯久美子
千尋さんがたぶん いちばん兄貴の絵が好きだったんだなぁ 中沢元紀
(助けていく過程で)楽しませたいという形に変わった 藤田和日朗
人を助けるには心に余裕がないと難しいし
見返りを求めてしまう 中沢元紀
❝天才であるより いい人である方がずっといい❞
やなせたかし氏が言った言葉の中で梯久美子さんの好きな言葉
弱い人困っている人を助ける 空腹 正義は逆転する
「キンダーおはなしえほん」1973年10月号
「あんぱんまん」(フレーベル館 刊)©やなせたかし
知恵その二 しなやかに信念を持っていよう
たとえ幼児向けであっても「伝えるべきメッセージはちゃんと伝える」
ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし
そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。
そういう捨身、献身の心なくしては正義は行えません。
「あんぱんまん」あとがきより
最弱のヒーロー
だれも君の悪口ばっかりいっているのに
だれひとりとして君の名前も知らないのに
君はいうだろう「だれもしらなくていい
おれは好きでやっているんだ
おれがやらなくて 誰がやるのかね」と
しかし おぼえておいてほしいんだ 世界中でたったひとり
ぼくだけは 熱烈な君のファンだよ
たとえ誰もよろこばなくても 編集者は反対しても
ぼくは君の物語をかきつづけるよ
「飛べ!アンパンマン」より
他の人と同意見じゃないと堂々と言えない人がいる
SNSの時代だからこそ自分の信念を持って
生きていくことが大事 中沢元紀
自分はこう思っているけどその意見もありだねが
❝しなやか❞ということ 2番・3番に回せるものは
回すというのが❝しなやか❞ 藤田和日朗
簡単に分るようにはしたくないと思う気持ちが柳瀬さんにはあった
梯久美子
生きることを肯定する
究極の残酷・不幸せなものを経験しながら
なお光を向いていることが一番難しい
歴史居酒屋「知恵泉」ついに女将誕生!?
初回は「曲亭馬琴」ゲストは祖父江慎さま!
楽しみでなりませぬ…。
風のごと時には主張春の空
春心ふくよかさんがほっそりと
シイラカンスふれあい求め深海へ(無季句)
シイラカンス仲間とともに横たわる(無季句)
■先人たちの底力 知恵泉 やなせたかし
~「遠回り」に込められた生き方~
藤田和日朗 中沢元紀 梯久美子
「困った時のやなせさん」と呼ばれていた
晩成とか遅咲きという言葉があるが
友はみんなひと花咲かせてはるかに遠くを走っていた
「アンパンマンの遺書 文庫版」より (やなせたかし 岩波書店)
漫画家としては絶望だと思った
柳瀬嵩(やなせたかし)1919(大正8)年 2月6日生まれ
当時のぼくには かんたんに 描かれているように見えて
これで生活ができて 人気者になれるならば
漫画家になりたいと思った
(やなせたかし みんなの夢まもるため)より
徴兵では特技を生かしてある任務を
中国の人に向けた紙芝居を製作
飢えが人間にとって一番惨めであることを認識
終戦後知ったこと
僕らが兵隊になって向うへ送られた時
これは正義の戦いで中国の民衆を
救わなくちゃいけないと言われたんです
ところが戦争が終わってみればこっちが非常に悪い奴で
侵略をしていったということになる
戦争には真の正義というものはないんです しかも逆転する
「何のために生まれてきたの?希望のありか」より
「ぼくはもうすぐ死んでしまうが兄貴は生きて絵をかいてくれ」
「やなせたかし おとうとものがたり」(フレーベル刊)©やなせたかし
(やなせたかしが弟・千尋との思い出を綴った詩画集)
知恵その一
楽しみながら人を助けていこう
34歳の時(給与より漫画収入が上回ったので)独立
どんな仕事でもとにかく引き受ける
豪華客船で講師も務めた
そんな時につけられた渾名が「困った時のやなせさん」
新しいことをやったらきっと楽しいだろう 発見があるだろう
ものすごく楽しそうにするから周りも幸せになる
知り合った宮城まり子や永六輔らから頼まれ
舞台美術や映画のシナリオ、構成作家、テレビ出演
畑違いのオファーまで熟すように…。
仲間は先輩も後輩も大活躍なのに自分だけが冬の谷間で
ひとりぼっちみたいな気分でやるせなかった
「人生なんて夢だけど」より
「手のひらを太陽に」を作詞 作曲はいずみたく
歌ったのは宮城まり子 NHK「みんなのうた」で歌われ
小学校の音楽の教科書にも採用された
藤田和日朗氏が番組中ご紹介くださいました↓
【おとうとものがたり】
シーソー
シーソーというかなしいあそびがある
一方があがれば
一方がさがる
水平になることは一度もない
ぼくと弟は
シーソーのことを
ギッコンバッタンといっていた
ギッコンバッタン
ぼくらはあそんだが
ちいさい時
弟は病気がち
学校の成績もわるかった
ぼくは
あくまで健康で
成績はとびきり上等だった
薬ばかりのんでいた弟は
いつもみんなになぐさめられ
お菓子と玩具に埋もれていた
ぼくもぜひ肺病になりたくて
わざと雨にびしょぬれになったりしたが
残念ながら平気だった
しかし
中学に入ってから
たちまち立場が逆転する
弟はすっかり頑丈になり
柔道二段で優等生
ぼくは無段で劣等生
数字なんか0点だった
ギッコンバッタン
ぼくたちは
一方あがれば
一方がさがり
いつも水平になれなかった
それでもぼくらは仲良しだった
シーソーをもういちどしたいとおもっても
ああ 人生のギッコンバッタン
ひとりぼっちではできないんだ
参照:https://miya-chu.jp/mizutani/?itemid=4264
やなせたかしさんが弟に抱いた感情
君がやりたいことは いったい何だったんだろう
君の代わりにやるとすれば 僕はどうしたらいいんだろう
これは亡くなるまで抱き続けたテーマだった 梯久美子
千尋さんがたぶん いちばん兄貴の絵が好きだったんだなぁ 中沢元紀
(助けていく過程で)楽しませたいという形に変わった 藤田和日朗
人を助けるには心に余裕がないと難しいし
見返りを求めてしまう 中沢元紀
❝天才であるより いい人である方がずっといい❞
やなせたかし氏が言った言葉の中で梯久美子さんの好きな言葉
弱い人困っている人を助ける 空腹 正義は逆転する
「キンダーおはなしえほん」1973年10月号
「あんぱんまん」(フレーベル館 刊)©やなせたかし
知恵その二 しなやかに信念を持っていよう
たとえ幼児向けであっても「伝えるべきメッセージはちゃんと伝える」
ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし
そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。
そういう捨身、献身の心なくしては正義は行えません。
「あんぱんまん」あとがきより
最弱のヒーロー
だれも君の悪口ばっかりいっているのに
だれひとりとして君の名前も知らないのに
君はいうだろう「だれもしらなくていい
おれは好きでやっているんだ
おれがやらなくて 誰がやるのかね」と
しかし おぼえておいてほしいんだ 世界中でたったひとり
ぼくだけは 熱烈な君のファンだよ
たとえ誰もよろこばなくても 編集者は反対しても
ぼくは君の物語をかきつづけるよ
「飛べ!アンパンマン」より
他の人と同意見じゃないと堂々と言えない人がいる
SNSの時代だからこそ自分の信念を持って
生きていくことが大事 中沢元紀
自分はこう思っているけどその意見もありだねが
❝しなやか❞ということ 2番・3番に回せるものは
回すというのが❝しなやか❞ 藤田和日朗
簡単に分るようにはしたくないと思う気持ちが柳瀬さんにはあった
梯久美子
生きることを肯定する
究極の残酷・不幸せなものを経験しながら
なお光を向いていることが一番難しい
歴史居酒屋「知恵泉」ついに女将誕生!?
初回は「曲亭馬琴」ゲストは祖父江慎さま!
楽しみでなりませぬ…。
2025年4月7日月曜日
兼題「アスパラガス」&テーマ「花」
大石静女史へ
真実は常識超えて襲い来る(無季句)
春愁う直感信じ生きゆかん
どう生きていけばよいのか春の空
春の潮吾の内側と向き合わん
多面的立体的に存えん(無季句)
春月夜ドラマに込める夢あらん
■NHK俳句 兼題「アスパラガス」
選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣
年間テーマ「俳句のコリをほぐします」
・意気込みの一句
春風や十七音を探す旅 柴田英嗣
地球は青かった12の苗木植う 庄司浩平
(二物衝撃 破調に挑戦)
季重なり 良い季重なりとよくない季重なりがある
一句の中に2つ以上の季語が入ること
・コリポイント
① 四五人に月落かかるをどり哉 蕪村
月 をどり:秋の季語 強い季語「主季語」弱い季語を「従季語」
② 夕月に大根洗ふ流れかな 正岡子規
夕月:秋 従季語 大根洗ふ:冬の季語 主季語
木移り:一句の中に異なる季節の季語が同時に入ること
③ 日焼顔見合ひてうまし氷水 水原秋櫻子
日焼:夏 氷水:夏 季語の強弱がついていない
④ 障子しめて四方の紅葉を感じをり 星野立子
障子:冬 紅葉:秋
堀田季何
歴史的に俳句は元々挨拶のためにできたもの
「季の詞(ことば)」季語の前身 挨拶は重要 季語も大切
俳句は季語のためにあるという考えは私自身はない
ツボポイント 季重なりを恐れない 必然性があればよい 意味かぶり
消せるか❓消せないか❓で考えると良い
季語はいろんな情報を含んだキーワード 季語を信頼する
意味が被る季語を複数入れない
汗かけば氷菓に涼み暑き夏
氷菓以外は不要な言葉 氷菓以外無駄
鶯のいまだ鳴きをり春の雨
鶯の中に春の要素が含まれているので春は含まなくて良い
季重なりの目利きに挑戦!
A 菜の花や月は東に日は西に 蕪村 名句
春 秋
B あたたかな夕ぐれにこそ花見酒
春 春(意味かぶり)
C 炎天の巌の裸子やはらかし 飯田龍太 名句
夏 夏
D 霧に白鳥白鳥に霧というべきか 金子兜太 名句
秋 冬 冬 秋(強弱がない)
E 淡雪の村訪ねゆく寒さかな
春 冬
季重なりのポイント:かぶせず重ねる
・特選六句発表 今週の兼題「アスパラガス」
クーデター前夜アスパラガス尖る(とがる) 石井一草(いっそう)
アスパラガス晴れは夜まで続くでせう 山口晴輝
文節のやうに/アスパラガスを/切る 葉村直
アスパラガス曲がつたもののない世界 三好泥子(でいし)
爆心にアスパラガスの横たわる 貴田雄介
店主は移民白アスパラは8€(ユーロ) 平野光音座(こうおんざ)
■NHK短歌 テーマ「花」
選者:横山未来子 ゲスト:菊池銀河・横田真子 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「三十一音で扉が開く」
短歌のルール
五・七・五・七・七 三十一音を定型という
上の句 下の句
リズムに乗せることで自分でも気づかなかった心や言葉が引き出される
・五・七・五・七・七を楽しもう
夕焼け
ひとりみた夕焼けきれいすぎたから今日はメールを見ないで眠る
小島なお「乱反射」
削ぎ落して読む人に想像させる 余白を作る
言葉を凝縮したり厳選することで
普段の言葉では表せない豊かな世界が描ける
・入選六首 テーマ「花」
荷造りのガムテープ尽き花冷のフローリングに体育座りす
吉行直人
紫陽花の小径を歩く愛犬の鼻てらてらと黒く潤ふ
藤雪陽
乗り換えの合間に買った花束を大事に抱いて吾の誕生日
滝川陽子
信号が赤ならひと息つけるかと思ふ歳なり山茶花の路
加藤重男
一席 私 はじめてのことばは「はな」と卒寿なる母がまた言う古希のわたしに
小川洋子(母にとって大事な存在である事が解かる歌)
自動ドアに挟まりていし花びらのひとつを拾う開店時間
大津穂波(いしは口語 いたの意味)
・歌人への道 短歌で心を詠むとは❓
雪の中とりのこされた靴がある子どものための青いながぐつ
安田茜「結晶質」
同じものを見ても人によって見方が違ってそれが短歌に表れている
高きにて小鳥らのこゑ瞬けり君と逢ふたび君を確かむ
横山未来子「水をひらく手」
短歌を詠むという事は五七五七七の狭い中に言葉を押し込めるのではなく
普段の言葉では表せないようなより大きな新しい世界を詠むことができる
次回の宿題「たからもの」
・ことばのバトン
木下龍也
私は犬をすごく愛していますが、別れを思うと
恐ろしくて仕方がないです。お守りになる短歌をください。
愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度でも撫でる
木下龍也「あなたのための短歌集」ナナロク社
委ねるなら自分の日々の生活の中で
ずーっと心に引っかかっているものを上の句に…。
ごみ箱のサイズに茎を折り曲げて 木下龍也
真実は常識超えて襲い来る(無季句)
春愁う直感信じ生きゆかん
どう生きていけばよいのか春の空
春の潮吾の内側と向き合わん
多面的立体的に存えん(無季句)
春月夜ドラマに込める夢あらん
■NHK俳句 兼題「アスパラガス」
選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣
年間テーマ「俳句のコリをほぐします」
・意気込みの一句
春風や十七音を探す旅 柴田英嗣
地球は青かった12の苗木植う 庄司浩平
(二物衝撃 破調に挑戦)
季重なり 良い季重なりとよくない季重なりがある
一句の中に2つ以上の季語が入ること
・コリポイント
① 四五人に月落かかるをどり哉 蕪村
月 をどり:秋の季語 強い季語「主季語」弱い季語を「従季語」
② 夕月に大根洗ふ流れかな 正岡子規
夕月:秋 従季語 大根洗ふ:冬の季語 主季語
木移り:一句の中に異なる季節の季語が同時に入ること
③ 日焼顔見合ひてうまし氷水 水原秋櫻子
日焼:夏 氷水:夏 季語の強弱がついていない
④ 障子しめて四方の紅葉を感じをり 星野立子
障子:冬 紅葉:秋
堀田季何
歴史的に俳句は元々挨拶のためにできたもの
「季の詞(ことば)」季語の前身 挨拶は重要 季語も大切
俳句は季語のためにあるという考えは私自身はない
ツボポイント 季重なりを恐れない 必然性があればよい 意味かぶり
消せるか❓消せないか❓で考えると良い
季語はいろんな情報を含んだキーワード 季語を信頼する
意味が被る季語を複数入れない
汗かけば氷菓に涼み暑き夏
氷菓以外は不要な言葉 氷菓以外無駄
鶯のいまだ鳴きをり春の雨
鶯の中に春の要素が含まれているので春は含まなくて良い
季重なりの目利きに挑戦!
A 菜の花や月は東に日は西に 蕪村 名句
春 秋
B あたたかな夕ぐれにこそ花見酒
春 春(意味かぶり)
C 炎天の巌の裸子やはらかし 飯田龍太 名句
夏 夏
D 霧に白鳥白鳥に霧というべきか 金子兜太 名句
秋 冬 冬 秋(強弱がない)
E 淡雪の村訪ねゆく寒さかな
春 冬
季重なりのポイント:かぶせず重ねる
・特選六句発表 今週の兼題「アスパラガス」
クーデター前夜アスパラガス尖る(とがる) 石井一草(いっそう)
アスパラガス晴れは夜まで続くでせう 山口晴輝
文節のやうに/アスパラガスを/切る 葉村直
アスパラガス曲がつたもののない世界 三好泥子(でいし)
爆心にアスパラガスの横たわる 貴田雄介
店主は移民白アスパラは8€(ユーロ) 平野光音座(こうおんざ)
■NHK短歌 テーマ「花」
選者:横山未来子 ゲスト:菊池銀河・横田真子 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「三十一音で扉が開く」
短歌のルール
五・七・五・七・七 三十一音を定型という
上の句 下の句
リズムに乗せることで自分でも気づかなかった心や言葉が引き出される
・五・七・五・七・七を楽しもう
夕焼け
ひとりみた夕焼けきれいすぎたから今日はメールを見ないで眠る
小島なお「乱反射」
削ぎ落して読む人に想像させる 余白を作る
言葉を凝縮したり厳選することで
普段の言葉では表せない豊かな世界が描ける
・入選六首 テーマ「花」
荷造りのガムテープ尽き花冷のフローリングに体育座りす
吉行直人
紫陽花の小径を歩く愛犬の鼻てらてらと黒く潤ふ
藤雪陽
乗り換えの合間に買った花束を大事に抱いて吾の誕生日
滝川陽子
信号が赤ならひと息つけるかと思ふ歳なり山茶花の路
加藤重男
一席 私 はじめてのことばは「はな」と卒寿なる母がまた言う古希のわたしに
小川洋子(母にとって大事な存在である事が解かる歌)
自動ドアに挟まりていし花びらのひとつを拾う開店時間
大津穂波(いしは口語 いたの意味)
・歌人への道 短歌で心を詠むとは❓
雪の中とりのこされた靴がある子どものための青いながぐつ
安田茜「結晶質」
同じものを見ても人によって見方が違ってそれが短歌に表れている
高きにて小鳥らのこゑ瞬けり君と逢ふたび君を確かむ
横山未来子「水をひらく手」
短歌を詠むという事は五七五七七の狭い中に言葉を押し込めるのではなく
普段の言葉では表せないようなより大きな新しい世界を詠むことができる
次回の宿題「たからもの」
・ことばのバトン
木下龍也
私は犬をすごく愛していますが、別れを思うと
恐ろしくて仕方がないです。お守りになる短歌をください。
愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度でも撫でる
木下龍也「あなたのための短歌集」ナナロク社
委ねるなら自分の日々の生活の中で
ずーっと心に引っかかっているものを上の句に…。
ごみ箱のサイズに茎を折り曲げて 木下龍也
2025年4月6日日曜日
100分de名著 ヘーゲル❝精神現象学❞④
春日和裏カウントを刻みつつ
心を込めた声受けとめてぬくし
春望や胸を開きて尻閉めて
一音を繋げる作業春陽かな
柔らかな音に声載せ春日向
■100分de名著
ヘーゲル❝精神現象学❞(4)それでも共に生きていくー「告白」と「赦し」
ヘーゲル(1770-1831)G.W.F.Hegel
自由と共同性を両立する世界を築くにはどうしたらよいのか❓
キーワードは「然(しか)り」
対立するAとBが互いの矛盾を考え抜き両者を統合する「アウフヘーベン」
この「然り!」こそが ヘーゲルの示す弁証法的展開なのです
斎藤幸平 八嶋智人 伊集院光 阿部みちこ
良心
「相互承認」に現代社会の分断を乗り越えるヒントがある
道徳的社会観
カント(1724-1804) 定言命法
嘘をついてはいけない 嘘をつくな
自己が正しいと考えた判断が普遍的な意味を持つためには
「なぜ正しいのか」を皆に説明しその判断に従って果たすべき行為-
“純粋義務”を自ら皆に実践して見せ賛同してもらう過程が必要になる
「良心」の意識とは?
「良心」も伝統や宗教などに従うのではなく 自分が正しいと思うことを
自らの判断で行うという点においてはカント的な共通点がある
しかし何が正しいかは見方や立場によっても変化する
だとすれば良心は単に自分が「正しい」と思うからやるだけでは不十分
他の人たちにも善であることを承認して貰って普遍性が獲得される
対話型の道徳論
行為する意識 評価する意識 偽善と偽善
よく知り、より知っていると うぬぼれているにすぎないのに、
現になされたことを散々こき下ろし、じぶん自身をその所業の
上に置いて、みずからのなにもなさない語りが、卓越した
現実と受け取られることを要求しているわけである。
先に動くのが「行為する意識」⇨「悪である」と自己批判する
告白
告白は教養や啓蒙の意識にはなかった新たな行為
然り
相互承認が生まれる
赦さない人を「かたくなな心情」と呼ぶ
相互承認は強制できるものではない
赦してもらうことも相手に強制できないので
むしろ(相手が)逃げ出してしまう可能性もある
しかしヘーゲルは私たちの中には他の人たちと社会の中で
生きていきたいという欲求があるのでそこに「告白」と
「赦し」を通じた相互承認が成立する可能性を見いだしていた
この赦しとは自身を断念し、みずからの非現実的な本質を
捨てさることであって、この本質のかたわらに、後者の意識は
問題の他者をーこちらが現実的に行為することであったのだー
同等のものとして定立し、思想にあって行為することがまとう
規定からすれば、悪と名ざされていたものを、「善」として承認する。
弁証法に似ている 伊集院
最初はお互いが「自分が善」「相手が悪」固定化して非難しあっていたが
「自分の善は悪」「相手の悪は善」と
弁証法的に転倒させることで両者が統合される
これがヘーゲルのアウフヘーベン
相手が譲歩してきたから自分が悪だったことを
認めてやろうという横暴な行為―
これはつまりヘーゲルのいう相互承認ではありません
相互承認に必要なのは「自己批判して双方が対照的に
変わっていく」という過程 「進撃の巨人」が紹介されました
「進撃の巨人」にみる相互承認
ガビ 告白
ニコロ 告白
カヤ 赦し
三者の間で相互承認 憎しみ合う関係から助け合う関係へ
「森から出られなくても出ようとし続けるんだ」
ヘーゲルも相互承認で万事解決とは言っていない
有限で様々な判断をする個人が集まる現代社会で
必ず対立そのものはなくならない
だからこそ森から出続けようとする
ともに変わっていこうとする姿勢こそが欠かすことができない
批判とそれに対する応答を歴史的に繰り返す
それがなぜ起きるかというと私たちは社会の根底に
相互承認関係をひいているから
新しい知に開かれた始まりの状態
絶対知
私たちは有限性を受け入れたうえで
それぞれが普遍的に正しいと思うことを主張していく
でもそれが完全に普遍でない以上相手の反論を踏まえながら
修正しつつ自分の正しいと思うことを打ち出していく
このプロセス自体はずっとなくならない
人間が本来持っている反省という力を手放して
動物に戻ろうとする事態になってしまう
社会の共同性を壊して自由を手放すことになる
ヘーゲルは自由を実現しようとする人間の力を信じていたと思う
どうするかは生きている私たち自身の選択にかかっている
18世紀に始まった人権問題 最初は白人男性の問題だった
それが広がり女性、有色人種、黒人、LGBTひいてはITへ
心を込めた声受けとめてぬくし
春望や胸を開きて尻閉めて
一音を繋げる作業春陽かな
柔らかな音に声載せ春日向
■100分de名著
ヘーゲル❝精神現象学❞(4)それでも共に生きていくー「告白」と「赦し」
ヘーゲル(1770-1831)G.W.F.Hegel
自由と共同性を両立する世界を築くにはどうしたらよいのか❓
キーワードは「然(しか)り」
対立するAとBが互いの矛盾を考え抜き両者を統合する「アウフヘーベン」
この「然り!」こそが ヘーゲルの示す弁証法的展開なのです
斎藤幸平 八嶋智人 伊集院光 阿部みちこ
良心
「相互承認」に現代社会の分断を乗り越えるヒントがある
道徳的社会観
カント(1724-1804) 定言命法
嘘をついてはいけない 嘘をつくな
自己が正しいと考えた判断が普遍的な意味を持つためには
「なぜ正しいのか」を皆に説明しその判断に従って果たすべき行為-
“純粋義務”を自ら皆に実践して見せ賛同してもらう過程が必要になる
「良心」の意識とは?
「良心」も伝統や宗教などに従うのではなく 自分が正しいと思うことを
自らの判断で行うという点においてはカント的な共通点がある
しかし何が正しいかは見方や立場によっても変化する
だとすれば良心は単に自分が「正しい」と思うからやるだけでは不十分
他の人たちにも善であることを承認して貰って普遍性が獲得される
対話型の道徳論
行為する意識 評価する意識 偽善と偽善
よく知り、より知っていると うぬぼれているにすぎないのに、
現になされたことを散々こき下ろし、じぶん自身をその所業の
上に置いて、みずからのなにもなさない語りが、卓越した
現実と受け取られることを要求しているわけである。
先に動くのが「行為する意識」⇨「悪である」と自己批判する
告白
告白は教養や啓蒙の意識にはなかった新たな行為
然り
相互承認が生まれる
赦さない人を「かたくなな心情」と呼ぶ
相互承認は強制できるものではない
赦してもらうことも相手に強制できないので
むしろ(相手が)逃げ出してしまう可能性もある
しかしヘーゲルは私たちの中には他の人たちと社会の中で
生きていきたいという欲求があるのでそこに「告白」と
「赦し」を通じた相互承認が成立する可能性を見いだしていた
この赦しとは自身を断念し、みずからの非現実的な本質を
捨てさることであって、この本質のかたわらに、後者の意識は
問題の他者をーこちらが現実的に行為することであったのだー
同等のものとして定立し、思想にあって行為することがまとう
規定からすれば、悪と名ざされていたものを、「善」として承認する。
弁証法に似ている 伊集院
最初はお互いが「自分が善」「相手が悪」固定化して非難しあっていたが
「自分の善は悪」「相手の悪は善」と
弁証法的に転倒させることで両者が統合される
これがヘーゲルのアウフヘーベン
相手が譲歩してきたから自分が悪だったことを
認めてやろうという横暴な行為―
これはつまりヘーゲルのいう相互承認ではありません
相互承認に必要なのは「自己批判して双方が対照的に
変わっていく」という過程 「進撃の巨人」が紹介されました
「進撃の巨人」にみる相互承認
ガビ 告白
ニコロ 告白
カヤ 赦し
三者の間で相互承認 憎しみ合う関係から助け合う関係へ
「森から出られなくても出ようとし続けるんだ」
ヘーゲルも相互承認で万事解決とは言っていない
有限で様々な判断をする個人が集まる現代社会で
必ず対立そのものはなくならない
だからこそ森から出続けようとする
ともに変わっていこうとする姿勢こそが欠かすことができない
批判とそれに対する応答を歴史的に繰り返す
それがなぜ起きるかというと私たちは社会の根底に
相互承認関係をひいているから
新しい知に開かれた始まりの状態
絶対知
私たちは有限性を受け入れたうえで
それぞれが普遍的に正しいと思うことを主張していく
でもそれが完全に普遍でない以上相手の反論を踏まえながら
修正しつつ自分の正しいと思うことを打ち出していく
このプロセス自体はずっとなくならない
人間が本来持っている反省という力を手放して
動物に戻ろうとする事態になってしまう
社会の共同性を壊して自由を手放すことになる
ヘーゲルは自由を実現しようとする人間の力を信じていたと思う
どうするかは生きている私たち自身の選択にかかっている
18世紀に始まった人権問題 最初は白人男性の問題だった
それが広がり女性、有色人種、黒人、LGBTひいてはITへ
2025年4月5日土曜日
回転寿司で一句&「PHシリーズ」ポール・ヘニングセン
石鹸玉所詮ドラマは作り物
春かなし打たれて強く生き抜かん
人はみな多面的なり春の草
人生の九割苦労春の月
星朧表二割のお付き合い
■プレバト纏め 2025年4月3日
回転寿司で一句 2時間スペシャル
特別永世名人のお手本 梅沢富美男
亀鳴くや光封じる寿司カバー
(亀鳴く:春の季語 亀の鳴き声が聞こえるかのように静かなこと
空想的な季語 季語がそぐわない)
寿司カバーに針魚(さより)のひかり封じたり
永世名人を目指す昇格試験 中田喜子
白きねたはんなり握り桜どき
(白きねたが何なのかが気になる
花鳥賊(はないか):春の季語桜が咲く頃にとれるイカ)
花鳥賊の白し寿司飯はんなりと
一位 大西流星
祝日の回転寿司や夏近し
(ストレートに詠嘆しただけで描きたい映像が描けている
夏近しは映像を持たない季語 全部を包んでくれる
季語の選び方で成功した)
二位 AYANE
念願の当たりの文字ぞ初桜
添削(回転寿司と分からない 当たりを「」囲む 初桜では野外を想像する)
ビッくらぽん!「当たり」の文字ぞ桜咲く
三位 高島礼子
〆の皿名脇役やわらび餅
添削(回転寿司だと分からない)
回転寿司〆は人気のわらび餅
四位 知花くらら
額(ぬか)寄せて蛤の沁む卒園日
添削(季重なり蛤と卒園 潮汁:魚介類のだしに塩で味付けた汁物)
額寄せて卒園の日の潮汁
五位 稲田美紀
それ取って!くらでもおかんはいなり寿司
添削(全体が散文 詩情に乏しい)
稲荷寿司ばかり回転寿司の母
■新美の巨人たち【北欧生まれの心地よい灯り「PHシリーズ」】
技術者たちは昔から夜を昼に変えてしまいたいという
夢を抱いているが、それは間違いで創造性を欠いている。
私は夜が昼になってしまうのはイヤだ
眩しすぎる 眩しさは敵だ! ヘニングセン
建築家 映画製作 デザイン批評家
多彩な分野で才能を発揮 中でも証明のデザインに最も力を注ぎました
ポール・ヘニングセンは
「彼女(母)がきれいに見えるような照明を作ってあげたかった」
1925年パリ万博で「パリランプ」を発表
1926年フォーラムランプを作製 3枚のシェードで眩しさを排除
対数螺旋(らせん)を用いた
光をコントロールして下に光を形づくる
同時に形づくられたランプ自体も照らす
今日の電球工場はバルブの内側をフロスト加工して
不正確極まりない光線を発する電球ばかりを生産している。
だから電球丸ごと包み込んでやるのだ。ヘニングセン
そして「PH5」が作られた
PHアーティチョーク(1958) 72枚のシェードで光を隠した
憤りから生まれたランプ
照明器具として必要な機能を達成するためにデザインされた結果できた形
人間は爽やかな昼の光から暖かみのある夕暮れの光の移ろいに、
ゆっくりと順応するようにできている。ヘニングセン
俵屋旅館 およそ300年前 江戸中期1704年頃に創業
スティーブ・ジョブズの定宿 錦市場から徒歩8分
PH2/1ステム・フィッティング(2004)
アーネスト・スタディー
場所がものを引き寄せる -俵屋旅館11代目当主 佐藤年-
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」(1933)中央公論新社
美というものは 常に生活の実際から発達するもので
暗い部屋に住むことを餘儀なくされた われ〱の先祖は
いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に
添うように 陰翳を利用するに至った
Hygge ヒュッゲ デンマーク語で「居心地がいい空間」
「楽しい時間」「幸せを感じること」などを意味する言葉
北欧全般ですけど夜をしっかり受け入れて特に
冬は長い時期がありますので その中でどう灯りを
うまくやっていくか そんなあたりは日本の昔と
かなり似ているやり方だと思いますし グラデーションを
もって闇に消えていくのを好んでいるところがあります 小泉隆
新しいPH5は光源を作るメーカーへ追随ともいえる
これは以前と同じシェードでできている
それぞれ上中下のシェードがあるが追加部分がある
1967年 ポール・ヘニングセン 没72歳
影があるからこそ灯りというものに価値があって
人間がそこでくつろいだり 安らいだりするっていうことに
光というのが大きな影響を与えている実感した 田辺誠一
春かなし打たれて強く生き抜かん
人はみな多面的なり春の草
人生の九割苦労春の月
星朧表二割のお付き合い
■プレバト纏め 2025年4月3日
回転寿司で一句 2時間スペシャル
特別永世名人のお手本 梅沢富美男
亀鳴くや光封じる寿司カバー
(亀鳴く:春の季語 亀の鳴き声が聞こえるかのように静かなこと
空想的な季語 季語がそぐわない)
寿司カバーに針魚(さより)のひかり封じたり
永世名人を目指す昇格試験 中田喜子
白きねたはんなり握り桜どき
(白きねたが何なのかが気になる
花鳥賊(はないか):春の季語桜が咲く頃にとれるイカ)
花鳥賊の白し寿司飯はんなりと
一位 大西流星
祝日の回転寿司や夏近し
(ストレートに詠嘆しただけで描きたい映像が描けている
夏近しは映像を持たない季語 全部を包んでくれる
季語の選び方で成功した)
二位 AYANE
念願の当たりの文字ぞ初桜
添削(回転寿司と分からない 当たりを「」囲む 初桜では野外を想像する)
ビッくらぽん!「当たり」の文字ぞ桜咲く
三位 高島礼子
〆の皿名脇役やわらび餅
添削(回転寿司だと分からない)
回転寿司〆は人気のわらび餅
四位 知花くらら
額(ぬか)寄せて蛤の沁む卒園日
添削(季重なり蛤と卒園 潮汁:魚介類のだしに塩で味付けた汁物)
額寄せて卒園の日の潮汁
五位 稲田美紀
それ取って!くらでもおかんはいなり寿司
添削(全体が散文 詩情に乏しい)
稲荷寿司ばかり回転寿司の母
■新美の巨人たち【北欧生まれの心地よい灯り「PHシリーズ」】
技術者たちは昔から夜を昼に変えてしまいたいという
夢を抱いているが、それは間違いで創造性を欠いている。
私は夜が昼になってしまうのはイヤだ
眩しすぎる 眩しさは敵だ! ヘニングセン
建築家 映画製作 デザイン批評家
多彩な分野で才能を発揮 中でも証明のデザインに最も力を注ぎました
ポール・ヘニングセンは
「彼女(母)がきれいに見えるような照明を作ってあげたかった」
1925年パリ万博で「パリランプ」を発表
1926年フォーラムランプを作製 3枚のシェードで眩しさを排除
対数螺旋(らせん)を用いた
光をコントロールして下に光を形づくる
同時に形づくられたランプ自体も照らす
今日の電球工場はバルブの内側をフロスト加工して
不正確極まりない光線を発する電球ばかりを生産している。
だから電球丸ごと包み込んでやるのだ。ヘニングセン
そして「PH5」が作られた
PHアーティチョーク(1958) 72枚のシェードで光を隠した
憤りから生まれたランプ
照明器具として必要な機能を達成するためにデザインされた結果できた形
人間は爽やかな昼の光から暖かみのある夕暮れの光の移ろいに、
ゆっくりと順応するようにできている。ヘニングセン
俵屋旅館 およそ300年前 江戸中期1704年頃に創業
スティーブ・ジョブズの定宿 錦市場から徒歩8分
PH2/1ステム・フィッティング(2004)
アーネスト・スタディー
場所がものを引き寄せる -俵屋旅館11代目当主 佐藤年-
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」(1933)中央公論新社
美というものは 常に生活の実際から発達するもので
暗い部屋に住むことを餘儀なくされた われ〱の先祖は
いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に
添うように 陰翳を利用するに至った
Hygge ヒュッゲ デンマーク語で「居心地がいい空間」
「楽しい時間」「幸せを感じること」などを意味する言葉
北欧全般ですけど夜をしっかり受け入れて特に
冬は長い時期がありますので その中でどう灯りを
うまくやっていくか そんなあたりは日本の昔と
かなり似ているやり方だと思いますし グラデーションを
もって闇に消えていくのを好んでいるところがあります 小泉隆
新しいPH5は光源を作るメーカーへ追随ともいえる
これは以前と同じシェードでできている
それぞれ上中下のシェードがあるが追加部分がある
1967年 ポール・ヘニングセン 没72歳
影があるからこそ灯りというものに価値があって
人間がそこでくつろいだり 安らいだりするっていうことに
光というのが大きな影響を与えている実感した 田辺誠一
2025年4月4日金曜日
南総里見八犬伝 祖父江慎&山を音訓で詠む
陽春や肌が喜ぶ歌声を
春昼へ包み込むよに歌い出す
風光るコーラス圧倒指揮の声
春の風団員威圧指揮の声
春鳥よスタッカートよ軽やかに
■夏井いつき俳句チャンネル
【一句一遊】お便り紹介13【「山」にまつわる話・山の季語と音訓】
山四大季語
山笑ふ
山滴る(夏山の形容を山滴るという。水の滴りとは関係なく、
青葉の蒼翠滂沱たる姿を讃える言葉である。)
山粧う(秋の山の姿を「秋山明浄にして粧うが如し」と比喩したものが出典。
晩秋の紅葉に彩られた美しさ。)
山眠る(落葉し尽くした山々が冬の日を受けて静かに眠っているように見える)
山をやまとさんで詠んでみる
カメアシと石鎚山(さん)の山(やま)開き 家藤正人
山(やま)滴る山(さん)岳隊のお弁当 夏井いつき
富士山(さん)を見上げているのは山(やま)本君 夏井いつき
父さんが月(つき)から帰る月(げつ)曜日 家藤正人
月(げつ)桂樹匂やかにして春の月(つき) 夏井いつき
月(がつ)山に満月(げつ)月(つき)野博士の死 家藤正人
■知恵泉 べらぼう時代のソフトパワー「南総里見八犬伝」曲亭馬琴
祖父江慎 品川祐 板坂則子
絵の大切さに気づいた馬琴は葛飾北斎と組む
最初の頃は北斎も二流 馬琴も二流
10年間一緒に仕事したことで二人とも見事の花開き超一流に
「椿節弓張月」曲亭馬琴 文 葛飾北斎 絵 文章と絵が超一流
二人は10年間一緒に仕事をして成功を収めたが
以後2度と協力することはなかった
不得意を克服せず 得意技で勝負しろ!
祖父江慎
不得意なものに対して得意になるのは無理
苦手なまま突き進めば苦手な人の賛同が得られる
時代は動くから追いつくのか追いつかないのかたまたま乗るか分からない
いいとされているものに“乗っかる”のは良くない
馬琴は読本に辿り着くまでが大事だった
自分の得意技が何なのか見つけるのは難しい
品川祐
馬琴は自分が読みたいものを書き それが時代に刺さったのでは
祖父江慎
発見が次の発見を生む そのものと向き合った時
今まで思ってなかった大切なことが見える
48歳で「南総里見八犬伝」に取り掛かる
水滸伝にアイデアを借りながら日本の歴史や伝承をかりファンタジーを記した
1973-1975連続人形劇 新八犬伝 脚本:石山透
妥協せず理想を追えば大業につながる!
武士から町人になった
武士の身分を捨てたことを後悔していた
名誉・勇気・忠義を持つより道徳・正義を持ち
社会のお手本となるそういうものに私はなりたい
武士の身分に戻る事が大きな目的となっていく
息子宗伯に期待をかける 医師として松前藩から扶持
しかし病死 そこで孫に託す
御家人株 生活に困った御家人が身分や役職を株化して売れるようにした
そこで130両を工面しようとした
八犬伝の世界の中へ理想を映し出そうとした
天保11年(1840)74歳 目が見えなくなる
八犬伝を諦めるわけにはいかないので アルバイトを雇って
口述筆記させたがすぐに辞められてしまう
困り果てた馬琴を助けたのは息子宗伯の妻お路でした
水戯自得(すいれんじとく)の老婦(おうな)にあれば
一字一句教え膨大な時間をかけて八犬伝を書き上げました
天保13年(1842)完成
祖父江慎
話の作り方の巧さ 書きっぷり 原文は怖い
お路がお路らしく生き出したのは夫が死んだあと
生きていく目的を見出した
戯作の地位が上がっていく
鴎外や漱石のような立派な地位の人が小説を書いても恥ずかしくない
馬琴が小説家の地位を上げた
自分の本が世の中を変えていく 人間を高みに連れて行く
稗史七則 馬琴がまとめた小説の創作技法
隠微(いんび) 作者が書いた文章に隠されている本当に伝えたいメッセージ
百年後も読まれ続けその時代の読者にも自分の真意を届けたい
祖父江慎
ほどほどに妥協は必要 妥協しつつもそれに伴う残念と向き合い続ける
馬琴の周りは大変だった
板坂則子
馬琴の一生は挫折の連続 本当に自分がダメになってしまいそうな
挫折にあった時 どうやって自分を信じるか 自分の力を信じて立ち上げるか❓
大業を成し遂げる人との違い
祖父江慎
うまくいかないことが多い程、わくわくしてしまうのでは❓
思った通りのものが出てくると楽しくない
馬琴もうまくいかないことを楽しんでいたかも❓
上手にいくと退屈
品川祐
馬琴は48歳から書き始めたんだから
52歳だから書ける事ってあるよなあ
春昼へ包み込むよに歌い出す
風光るコーラス圧倒指揮の声
春の風団員威圧指揮の声
春鳥よスタッカートよ軽やかに
■夏井いつき俳句チャンネル
【一句一遊】お便り紹介13【「山」にまつわる話・山の季語と音訓】
山四大季語
山笑ふ
山滴る(夏山の形容を山滴るという。水の滴りとは関係なく、
青葉の蒼翠滂沱たる姿を讃える言葉である。)
山粧う(秋の山の姿を「秋山明浄にして粧うが如し」と比喩したものが出典。
晩秋の紅葉に彩られた美しさ。)
山眠る(落葉し尽くした山々が冬の日を受けて静かに眠っているように見える)
山をやまとさんで詠んでみる
カメアシと石鎚山(さん)の山(やま)開き 家藤正人
山(やま)滴る山(さん)岳隊のお弁当 夏井いつき
富士山(さん)を見上げているのは山(やま)本君 夏井いつき
父さんが月(つき)から帰る月(げつ)曜日 家藤正人
月(げつ)桂樹匂やかにして春の月(つき) 夏井いつき
月(がつ)山に満月(げつ)月(つき)野博士の死 家藤正人
■知恵泉 べらぼう時代のソフトパワー「南総里見八犬伝」曲亭馬琴
祖父江慎 品川祐 板坂則子
絵の大切さに気づいた馬琴は葛飾北斎と組む
最初の頃は北斎も二流 馬琴も二流
10年間一緒に仕事したことで二人とも見事の花開き超一流に
「椿節弓張月」曲亭馬琴 文 葛飾北斎 絵 文章と絵が超一流
二人は10年間一緒に仕事をして成功を収めたが
以後2度と協力することはなかった
不得意を克服せず 得意技で勝負しろ!
祖父江慎
不得意なものに対して得意になるのは無理
苦手なまま突き進めば苦手な人の賛同が得られる
時代は動くから追いつくのか追いつかないのかたまたま乗るか分からない
いいとされているものに“乗っかる”のは良くない
馬琴は読本に辿り着くまでが大事だった
自分の得意技が何なのか見つけるのは難しい
品川祐
馬琴は自分が読みたいものを書き それが時代に刺さったのでは
祖父江慎
発見が次の発見を生む そのものと向き合った時
今まで思ってなかった大切なことが見える
48歳で「南総里見八犬伝」に取り掛かる
水滸伝にアイデアを借りながら日本の歴史や伝承をかりファンタジーを記した
1973-1975連続人形劇 新八犬伝 脚本:石山透
妥協せず理想を追えば大業につながる!
武士から町人になった
武士の身分を捨てたことを後悔していた
名誉・勇気・忠義を持つより道徳・正義を持ち
社会のお手本となるそういうものに私はなりたい
武士の身分に戻る事が大きな目的となっていく
息子宗伯に期待をかける 医師として松前藩から扶持
しかし病死 そこで孫に託す
御家人株 生活に困った御家人が身分や役職を株化して売れるようにした
そこで130両を工面しようとした
八犬伝の世界の中へ理想を映し出そうとした
天保11年(1840)74歳 目が見えなくなる
八犬伝を諦めるわけにはいかないので アルバイトを雇って
口述筆記させたがすぐに辞められてしまう
困り果てた馬琴を助けたのは息子宗伯の妻お路でした
水戯自得(すいれんじとく)の老婦(おうな)にあれば
一字一句教え膨大な時間をかけて八犬伝を書き上げました
天保13年(1842)完成
祖父江慎
話の作り方の巧さ 書きっぷり 原文は怖い
お路がお路らしく生き出したのは夫が死んだあと
生きていく目的を見出した
戯作の地位が上がっていく
鴎外や漱石のような立派な地位の人が小説を書いても恥ずかしくない
馬琴が小説家の地位を上げた
自分の本が世の中を変えていく 人間を高みに連れて行く
稗史七則 馬琴がまとめた小説の創作技法
隠微(いんび) 作者が書いた文章に隠されている本当に伝えたいメッセージ
百年後も読まれ続けその時代の読者にも自分の真意を届けたい
祖父江慎
ほどほどに妥協は必要 妥協しつつもそれに伴う残念と向き合い続ける
馬琴の周りは大変だった
板坂則子
馬琴の一生は挫折の連続 本当に自分がダメになってしまいそうな
挫折にあった時 どうやって自分を信じるか 自分の力を信じて立ち上げるか❓
大業を成し遂げる人との違い
祖父江慎
うまくいかないことが多い程、わくわくしてしまうのでは❓
思った通りのものが出てくると楽しくない
馬琴もうまくいかないことを楽しんでいたかも❓
上手にいくと退屈
品川祐
馬琴は48歳から書き始めたんだから
52歳だから書ける事ってあるよなあ
2025年4月3日木曜日
こころの時代 西田幾太郎
仲春や背を伸ばしたる高き声
春日和臍から胸が声ださん
背中から遠くへ声を風光る
春の空抑揚揃え歌い出す
芳春や字面を肌で感じきる
■こころの時代 西田幾太郎 悲しみの❝底❞をみつめて
西田幾太郎(明治三年~昭和二十年)
我々の現実の世界 日常の世界が何であるかを
よく摑(つか)んで見なめればならない。
そして其処から学問、道徳、宗教などの
立場を考へていかなくてはならない。
我々の最も平凡な日常の生活が何であるかを
もっとも深く摑むことに依つて最も深い哲学が
生まれるのである。(歴史的身体)
純粋経験
経験するといふのは事実其儘に知るの意である。
全く自己の細工を棄て、事実に従うて知るのである。
例えば、色を見、音を聞く刹那、未だ之が外物の作用であるとか、
我が之を感じて居るとかいふやうな考のないのみならず、
此色、此音は何であるといふ判断すら加はらない前をいふのである。
(善の研究 第一編 純粋経験)
主体 客体 主客未分 純粋経験
平常無事の時には何事も分つた様で容易なる様であるが、
一旦不慮の不幸に際会し実地に此身此心を苦しめる時には
心底に潜伏せる疑問は蜂の如くに起りて忽(たちま)ち暗澹たる
疑惑の深抗に陥らぬ者はないのである、(略)
生は何処より来り死は何処へ去るのであるか、人は
何の為に生き何の為に働き何の為に死するのであるか、
これが最大最深なる人心の疑惑である。(人心の疑惑)
哲学の動機は「驚き」ではなくして
深い人生の悲哀でなければならない
理性の上よりして云へは軍人の本懐と申すへく当世の流行語にては
名誉の戦死とか申すへく女々しく繰言をいふへきにあらぬかも知らねと
幼時よりの愛情は忘れんと欲して忘れ難く思ひ出つるにつれて
堪え難き心地致し候 昨日満身元気 意気揚々として分れし者か
今は異郷の土となりて屍たに収むるを得す(略)
人生はいかに悲惨なるものに候はすや(明治三十七年山本良吉宛て書簡)
今まで愛らしく話したり、歌つたり、遊んだりして居た者が、
忽ち消えて壷中の白骨となると云ふのは、如何なる訳であらうか。
若し人生はこれまでのものであるといふならば、人生ほど
つまらぬものはない、此処には深き意味がなくてはならぬ、
人間の霊的生命はかくも無意義のものではない。死の問題を
解決するといふのが人生の一大事である、死の事実の前には
生は泡沫のごとくである、死の問題を解決し得て、
始めて真に生の意義を悟ることができる。(「国文学史講和」の序)
西田さんはボクもよみ出した えらい人がえらい事を
し出したもんだと思つて驚嘆しながらよんでゐる
実際こつちの不真面目な所へ棒喝を食つてゐるやうな気がするね
(大正六年 松岡譲宛て書簡)
死にし子の夢よりさめし東雲の窓ほの暗くみぞれするらし
(大正九年の初夏の頃 長男謙の死にあひて 自撰詩歌集)
運命の銕(てつ)につなかれてふみにしられて立つすべもない
(大正十一年十二月 自撰詩歌集)
悲しみ×運命
人間の存在自体が持つ悲しみ
わが心 深き底あり よろこびも 憂の波も とゝかじと思ふ
(大正十二年二月二十日 自撰詩歌集)
わからない=「無」 絶対無
世界と云ふものは絶対無い、無である。併し無であると云ふこと
それが即ち 我々の個物を成立たしめるところの意味を
有つて居る本当の世界である。かう云ふ風に見える。
(現実の世界の論理的構造 第二講)
戸坂潤 三木清 田邊元
無の論理は論理ではない、なぜなら、それは存在そのものを
考えることは出来ないのであって、ただ存在の「論理的意義」だけを
しか考え得ないのだから(「無の論理」は論理であるか)
我々の自己は此の世界から生れ、此の世界に於て働き、
此の世界へ死に行くのである。(略)此故に我々の自己は、
創造的世界の創造的要素として歴史的世界を形成し行くのである。
(哲学論文集第四補遺)
限定
世界 ⇨ 個人
相互限定
人間は新しい世界・歴史的世界を創造していく
世界=自己を殺すもの 生むもの
矛盾的自己同一的現在として、自己自身を形成する世界は、
多と一との矛盾的自己同一世界であり、かゝる世界の個物として、
何処までも自己自身を限定する我々は、無限なる欲求で
なければならない、生への意思でなければならない。
而して世界は我々を生むと共に我々を殺すものでなければならない。
世界は無限ある圧力に似て我々に臨み来るものである、何処までも
我々に迫る来るものである。我々は之と戦ふことによつて生きるのである。
(絶対矛盾的自己同一)
人間の尊厳
ブリーフケア 深い悲しみを抱えた人に寄り添う
我々の自己は物となつて見、物となつて働くと云ふ、
物来つて我を照らすと云ふ。
此処では、我々は物を自己から離して、対象的に見て居るのではない、
身心一如的である。(知識の客観性について)
無心に 物来つて我を照らす しないわからないまま聞く
エンドオブライフケア
自己の永遠の死を知ることが、自己存在の根本的理由であるのである。
何となれば、自己の永遠の死を知るもののみが、真に自己の個たることを
知るものなるが故である。それのみが真の個である、
真の人格であるのである。死せざるものは、一度的なものではない。
繰り返されるもの、一度的ならざるものは、個ではない。
永遠の否定に面することによって、我々の自己は、真に
自己の一度的なることを知るのである。故に我々は自己の永遠の
死を知る時、始めて真に自覚するのである。
(場所的論理と宗教的世界観)
日常の底を生きる
昭和20年6月7日没 享年75
神は美しき詩の如くに 対立を以て世界を飾った、
影が画の美を増すが如く、若し達観する時は
世界は罪を持ちながらに美である。
(善の研究 第三編 善)
春日和臍から胸が声ださん
背中から遠くへ声を風光る
春の空抑揚揃え歌い出す
芳春や字面を肌で感じきる
■こころの時代 西田幾太郎 悲しみの❝底❞をみつめて
西田幾太郎(明治三年~昭和二十年)
我々の現実の世界 日常の世界が何であるかを
よく摑(つか)んで見なめればならない。
そして其処から学問、道徳、宗教などの
立場を考へていかなくてはならない。
我々の最も平凡な日常の生活が何であるかを
もっとも深く摑むことに依つて最も深い哲学が
生まれるのである。(歴史的身体)
純粋経験
経験するといふのは事実其儘に知るの意である。
全く自己の細工を棄て、事実に従うて知るのである。
例えば、色を見、音を聞く刹那、未だ之が外物の作用であるとか、
我が之を感じて居るとかいふやうな考のないのみならず、
此色、此音は何であるといふ判断すら加はらない前をいふのである。
(善の研究 第一編 純粋経験)
主体 客体 主客未分 純粋経験
平常無事の時には何事も分つた様で容易なる様であるが、
一旦不慮の不幸に際会し実地に此身此心を苦しめる時には
心底に潜伏せる疑問は蜂の如くに起りて忽(たちま)ち暗澹たる
疑惑の深抗に陥らぬ者はないのである、(略)
生は何処より来り死は何処へ去るのであるか、人は
何の為に生き何の為に働き何の為に死するのであるか、
これが最大最深なる人心の疑惑である。(人心の疑惑)
哲学の動機は「驚き」ではなくして
深い人生の悲哀でなければならない
理性の上よりして云へは軍人の本懐と申すへく当世の流行語にては
名誉の戦死とか申すへく女々しく繰言をいふへきにあらぬかも知らねと
幼時よりの愛情は忘れんと欲して忘れ難く思ひ出つるにつれて
堪え難き心地致し候 昨日満身元気 意気揚々として分れし者か
今は異郷の土となりて屍たに収むるを得す(略)
人生はいかに悲惨なるものに候はすや(明治三十七年山本良吉宛て書簡)
今まで愛らしく話したり、歌つたり、遊んだりして居た者が、
忽ち消えて壷中の白骨となると云ふのは、如何なる訳であらうか。
若し人生はこれまでのものであるといふならば、人生ほど
つまらぬものはない、此処には深き意味がなくてはならぬ、
人間の霊的生命はかくも無意義のものではない。死の問題を
解決するといふのが人生の一大事である、死の事実の前には
生は泡沫のごとくである、死の問題を解決し得て、
始めて真に生の意義を悟ることができる。(「国文学史講和」の序)
西田さんはボクもよみ出した えらい人がえらい事を
し出したもんだと思つて驚嘆しながらよんでゐる
実際こつちの不真面目な所へ棒喝を食つてゐるやうな気がするね
(大正六年 松岡譲宛て書簡)
死にし子の夢よりさめし東雲の窓ほの暗くみぞれするらし
(大正九年の初夏の頃 長男謙の死にあひて 自撰詩歌集)
運命の銕(てつ)につなかれてふみにしられて立つすべもない
(大正十一年十二月 自撰詩歌集)
悲しみ×運命
人間の存在自体が持つ悲しみ
わが心 深き底あり よろこびも 憂の波も とゝかじと思ふ
(大正十二年二月二十日 自撰詩歌集)
わからない=「無」 絶対無
世界と云ふものは絶対無い、無である。併し無であると云ふこと
それが即ち 我々の個物を成立たしめるところの意味を
有つて居る本当の世界である。かう云ふ風に見える。
(現実の世界の論理的構造 第二講)
戸坂潤 三木清 田邊元
無の論理は論理ではない、なぜなら、それは存在そのものを
考えることは出来ないのであって、ただ存在の「論理的意義」だけを
しか考え得ないのだから(「無の論理」は論理であるか)
我々の自己は此の世界から生れ、此の世界に於て働き、
此の世界へ死に行くのである。(略)此故に我々の自己は、
創造的世界の創造的要素として歴史的世界を形成し行くのである。
(哲学論文集第四補遺)
限定
世界 ⇨ 個人
相互限定
人間は新しい世界・歴史的世界を創造していく
世界=自己を殺すもの 生むもの
矛盾的自己同一的現在として、自己自身を形成する世界は、
多と一との矛盾的自己同一世界であり、かゝる世界の個物として、
何処までも自己自身を限定する我々は、無限なる欲求で
なければならない、生への意思でなければならない。
而して世界は我々を生むと共に我々を殺すものでなければならない。
世界は無限ある圧力に似て我々に臨み来るものである、何処までも
我々に迫る来るものである。我々は之と戦ふことによつて生きるのである。
(絶対矛盾的自己同一)
人間の尊厳
ブリーフケア 深い悲しみを抱えた人に寄り添う
我々の自己は物となつて見、物となつて働くと云ふ、
物来つて我を照らすと云ふ。
此処では、我々は物を自己から離して、対象的に見て居るのではない、
身心一如的である。(知識の客観性について)
無心に 物来つて我を照らす しないわからないまま聞く
エンドオブライフケア
自己の永遠の死を知ることが、自己存在の根本的理由であるのである。
何となれば、自己の永遠の死を知るもののみが、真に自己の個たることを
知るものなるが故である。それのみが真の個である、
真の人格であるのである。死せざるものは、一度的なものではない。
繰り返されるもの、一度的ならざるものは、個ではない。
永遠の否定に面することによって、我々の自己は、真に
自己の一度的なることを知るのである。故に我々は自己の永遠の
死を知る時、始めて真に自覚するのである。
(場所的論理と宗教的世界観)
日常の底を生きる
昭和20年6月7日没 享年75
神は美しき詩の如くに 対立を以て世界を飾った、
影が画の美を増すが如く、若し達観する時は
世界は罪を持ちながらに美である。
(善の研究 第三編 善)
2025年4月2日水曜日
松平定信&無季の話&明月余情
幸せに気付かぬ人よ春の雲
幸せな心描きて長閑なり
芳草や市井の女を演じ切る
春潮や全ての女(ひと)をリスペクト
眼力と画力を持ちて春の浪
■偉人・敗北からの教訓 第85回「松平定信・度が過ぎた寛政の改革」
定信「ならば幕府を支える立場で
権現様や吉宗公のように歴史に名を残そう」
門閥「我々の抹持米まで減らすなど聞いておりませんぞ!」
定信「領民の為だ 倹約質素は我を手本にせよ」
「宇下人言」より意訳
定信「仙台では40万人が亡くなったと聞くが
我が領国では餓死者は出なかった」
「宇下人言」より意訳
定信「女を増やし結婚を推奨しなければ
人口も年貢も増えない」
定信「金銭 穀物が滞りなく流通し世が平穏になるよう
自分の一命のみならず 妻子の命もかけて乞い願う」
「御年若し 末頼もしく思ふものは松平中守(定信)」
定信「これまでは橋に無宿人たちが連なっていたが
今はいない 盗賊なども減ったと聞く」
松平定信 敗北の伏線
改革を進めるには強い使命感と有力者への根回しが重要!
定信「皆 大飢饉の時の混乱を忘れてしまったのか❓」
幕府重鎮「あと10年はお勤め頂きたい」
「宇下人言」より意訳
定信「ならば引き続き緊縮を進め 歴史書に倣い
9年の凶作にも耐えうる国を目指しましょう」
「政語」より意訳
定信「中国の為政者はまず飢えと冷えから民を守り
その上で道徳を説き国を豊かにした」
「政語」より意訳
定信「そもそも酒というものは高ければ飲むことが少なく
安ければ飲むことが多くなるものだ」
「宇下人言」より意訳
白河の清きに魚も棲みかねてもとの濁りの田沼恋しき
幕府重鎮「定信の老中首座 将軍補佐の職を解く」
松平定信 敗北の瞬間
命を大切にした政策はお見事 しかし過信し やり過ぎてしまった
未だ欲を無くすことが出来ない
ことに名誉欲は金欲や色欲よりも強いものだ
「修業録」より意訳
「世の中に蚊ほどうるさきものはなし
ぶんぶ(文武)というて寝てもいられず」
狂歌師 太田南畝
松平定信の敗北から学ぶ教訓
時代の流れを見極める
■夏井いつき俳句チャンネル
【一句一遊】お便り12【無季の話「季語ってなくていいの?」】
「季感がある」
明確な季語は無いけれど、季節の気分は十二分に感じられる、
というのは一つのジャンルとして俳句では認められている
季語有グループ 季語がある
季語無グループ 季感はあるけど季語はない
季語や季感はないけど詩になっている
「無季」
しんしんと肺碧きまで海の旅 篠原鳳作
有季定型で詠んで欲しい 夏井いつき先生 家藤正人先生
■べらぼう~蔦重永華乃夢噺~(12)俄なる「明月余情」
鳥が啼く東の華街(いろざと)に
速戯(にわか)をもてあそぶこと
明月の余情(よせい)を儲(もう)けて
紅葉葉の先駆けとせんと
ある風流の客人(まれびと)の
仰(おう)せを秋の花とす
我と人と譲りなく
他(ひと)と我との隔てなく
俄(にわか)の文字が調(ととの)いはべり
朋誠(ほうせい)しるす
「べらぼう」一話より拝見していますが初めて
胸が熱くなり涙が零れ落ちました…。感動致しました…。
幸せな心描きて長閑なり
芳草や市井の女を演じ切る
春潮や全ての女(ひと)をリスペクト
眼力と画力を持ちて春の浪
■偉人・敗北からの教訓 第85回「松平定信・度が過ぎた寛政の改革」
定信「ならば幕府を支える立場で
権現様や吉宗公のように歴史に名を残そう」
門閥「我々の抹持米まで減らすなど聞いておりませんぞ!」
定信「領民の為だ 倹約質素は我を手本にせよ」
「宇下人言」より意訳
定信「仙台では40万人が亡くなったと聞くが
我が領国では餓死者は出なかった」
「宇下人言」より意訳
定信「女を増やし結婚を推奨しなければ
人口も年貢も増えない」
定信「金銭 穀物が滞りなく流通し世が平穏になるよう
自分の一命のみならず 妻子の命もかけて乞い願う」
「御年若し 末頼もしく思ふものは松平中守(定信)」
定信「これまでは橋に無宿人たちが連なっていたが
今はいない 盗賊なども減ったと聞く」
松平定信 敗北の伏線
改革を進めるには強い使命感と有力者への根回しが重要!
定信「皆 大飢饉の時の混乱を忘れてしまったのか❓」
幕府重鎮「あと10年はお勤め頂きたい」
「宇下人言」より意訳
定信「ならば引き続き緊縮を進め 歴史書に倣い
9年の凶作にも耐えうる国を目指しましょう」
「政語」より意訳
定信「中国の為政者はまず飢えと冷えから民を守り
その上で道徳を説き国を豊かにした」
「政語」より意訳
定信「そもそも酒というものは高ければ飲むことが少なく
安ければ飲むことが多くなるものだ」
「宇下人言」より意訳
白河の清きに魚も棲みかねてもとの濁りの田沼恋しき
幕府重鎮「定信の老中首座 将軍補佐の職を解く」
松平定信 敗北の瞬間
命を大切にした政策はお見事 しかし過信し やり過ぎてしまった
未だ欲を無くすことが出来ない
ことに名誉欲は金欲や色欲よりも強いものだ
「修業録」より意訳
「世の中に蚊ほどうるさきものはなし
ぶんぶ(文武)というて寝てもいられず」
狂歌師 太田南畝
松平定信の敗北から学ぶ教訓
時代の流れを見極める
■夏井いつき俳句チャンネル
【一句一遊】お便り12【無季の話「季語ってなくていいの?」】
「季感がある」
明確な季語は無いけれど、季節の気分は十二分に感じられる、
というのは一つのジャンルとして俳句では認められている
季語有グループ 季語がある
季語無グループ 季感はあるけど季語はない
季語や季感はないけど詩になっている
「無季」
しんしんと肺碧きまで海の旅 篠原鳳作
有季定型で詠んで欲しい 夏井いつき先生 家藤正人先生
■べらぼう~蔦重永華乃夢噺~(12)俄なる「明月余情」
鳥が啼く東の華街(いろざと)に
速戯(にわか)をもてあそぶこと
明月の余情(よせい)を儲(もう)けて
紅葉葉の先駆けとせんと
ある風流の客人(まれびと)の
仰(おう)せを秋の花とす
我と人と譲りなく
他(ひと)と我との隔てなく
俄(にわか)の文字が調(ととの)いはべり
朋誠(ほうせい)しるす
「べらぼう」一話より拝見していますが初めて
胸が熱くなり涙が零れ落ちました…。感動致しました…。
2025年4月1日火曜日
あの人に会いたい やなせたかし&スプリングパーティー
亀鳴くや西行のごと逝けたなら
地蔵院五色の八重よ散椿(ちりつばき)
蜆花(しじみばな)ちらちら揺らす春の風
信長や三月に切る蘭奢待(らんじゃたい)(天正2年正倉院収蔵香木)
(武相荘)木瓜(ぼけ)、椿、梅に桜に李(すもも)咲く
■あの人に会いたい やなせたかし(漫画家)
漫画家 やなせたかし 2013(平成25)年 94歳没
正義の味方なら そこにひもじい子どもがいれば
食べる物をあげるのがいちばん正しいと思った
怪獣をやっつけるというより おなかがすかないように
してあげるのが正しいと思った
正義っていうのは逆転する 僕らは兵隊にいって
向こうにやられたときに 「これは正義の戦いで
中国の民衆を救わなきゃいけない」と言われた
ところが終わってみれば 俺たちが非常に悪いやつで
侵略をしていたってなる だから要するに
戦争には真の正義というものはない
アンパンマン「さあおれのほっぺたをすこしかじれよ
えんりょするな ガブリといけ
正義を行なう人は自分が傷つくことを覚悟しなくちゃいけない
だからアンパンマンは自分の顔をあげる自分のエネルギーは
落ちるんだけど それはそうせざるをえない そうしなくては
しかたがないという そういう正義には一種の悲しみというか
傷つくところがある そんなに格好いいものじゃない
そうだ おそれないで みんなのために
愛と 勇気だけが ともだちさ
69歳でつかんだ代表作でした
なんのために生れて なにをして生きるのか
こたえられないなんて そんなのは いやだ!
今を生きることで 熱いこころ 燃える
だから君はいくんだ ほほえんで
「詩とメルヘン」30年以上無報酬でイラストレーターや詩人を
目指す人たちが作品を発表する雑誌の編集長です。
世の中に出ていくときに何もないんですよね
何もないところに僕らは売りだしていくから
どこかに手がかりが欲しいんだけどなかなかない
だから僕の場合はそういう手がかりを いくらかでも
チャンスをあげられるようにしたい
2011年3月11日東日本大震災
当時、やなせさんは90歳を迎え引退を決意していました
ラジオ番組に多数のアンパンマンの反響が寄せられていた
現地の子どもから手紙が来る「私は少しも怖くない」
「いざというときはアンパンマンが助けに来てくれるから」と
書いてある そう信じているなら やっぱりなんか
それに値することをしなくちゃいけない
「ぼくが 空を とんでいくから きっと 君を たすけるから」
と、記しました
アンパンマンそのものはどうも生きるんじゃないかと思う
晩年に このヒーローにめぐりあったので もう夕日なんです
その中で 君にあえてよかったと 思っています
漫画家 やなせたかし 1919-2013
■2025年3月30日
内海ダンススクールスプリングパーティーへ
ゲストは福田裕一&エリザベス・グレイ組(Segue「鶴の恩返し」)、
立石勝也&裕美組(PasoDoble&Samba&Rumba)、
青木康典&知子組(Quickstep&Waltz&Tango)でした。
感動のダンスをご披露くださいました。
また、最高のTalkを楽しませて貰いました。
立石勝也先生の紀代先生へのお心遣いにも胸が熱くなりました。
今回の収穫は赤堀恵佑&山岡千恵組!
キレ&安定感を備えた素晴らしいCoupleでした。
頑張ってくださいね。
食事の時にはミニライブがありました。
Nuages BleuヌアージブルーVi:谷崎雅之 Gu:西平元気
「愛の賛歌」に始まり「Libertango」で盛り上げて下さり
最後は「My Way」で閉めて下さいました。素晴らしかった…。
お隣の席にいらした赤池唯人先生(医療法人赤池循環器消化器内科院長)、
仲良くして頂きありがとうございました。
嬉しかったです。
杉本順子先生のダンスを見逃したのは不覚でした。
次回は何が何でも拝見いたします。
内海紀代先生!来年(2026年3月26日)も期待しています。
感謝を込めて…。
地蔵院五色の八重よ散椿(ちりつばき)
蜆花(しじみばな)ちらちら揺らす春の風
信長や三月に切る蘭奢待(らんじゃたい)(天正2年正倉院収蔵香木)
(武相荘)木瓜(ぼけ)、椿、梅に桜に李(すもも)咲く
■あの人に会いたい やなせたかし(漫画家)
漫画家 やなせたかし 2013(平成25)年 94歳没
正義の味方なら そこにひもじい子どもがいれば
食べる物をあげるのがいちばん正しいと思った
怪獣をやっつけるというより おなかがすかないように
してあげるのが正しいと思った
正義っていうのは逆転する 僕らは兵隊にいって
向こうにやられたときに 「これは正義の戦いで
中国の民衆を救わなきゃいけない」と言われた
ところが終わってみれば 俺たちが非常に悪いやつで
侵略をしていたってなる だから要するに
戦争には真の正義というものはない
アンパンマン「さあおれのほっぺたをすこしかじれよ
えんりょするな ガブリといけ
正義を行なう人は自分が傷つくことを覚悟しなくちゃいけない
だからアンパンマンは自分の顔をあげる自分のエネルギーは
落ちるんだけど それはそうせざるをえない そうしなくては
しかたがないという そういう正義には一種の悲しみというか
傷つくところがある そんなに格好いいものじゃない
そうだ おそれないで みんなのために
愛と 勇気だけが ともだちさ
69歳でつかんだ代表作でした
なんのために生れて なにをして生きるのか
こたえられないなんて そんなのは いやだ!
今を生きることで 熱いこころ 燃える
だから君はいくんだ ほほえんで
「詩とメルヘン」30年以上無報酬でイラストレーターや詩人を
目指す人たちが作品を発表する雑誌の編集長です。
世の中に出ていくときに何もないんですよね
何もないところに僕らは売りだしていくから
どこかに手がかりが欲しいんだけどなかなかない
だから僕の場合はそういう手がかりを いくらかでも
チャンスをあげられるようにしたい
2011年3月11日東日本大震災
当時、やなせさんは90歳を迎え引退を決意していました
ラジオ番組に多数のアンパンマンの反響が寄せられていた
現地の子どもから手紙が来る「私は少しも怖くない」
「いざというときはアンパンマンが助けに来てくれるから」と
書いてある そう信じているなら やっぱりなんか
それに値することをしなくちゃいけない
「ぼくが 空を とんでいくから きっと 君を たすけるから」
と、記しました
アンパンマンそのものはどうも生きるんじゃないかと思う
晩年に このヒーローにめぐりあったので もう夕日なんです
その中で 君にあえてよかったと 思っています
漫画家 やなせたかし 1919-2013
■2025年3月30日
内海ダンススクールスプリングパーティーへ
ゲストは福田裕一&エリザベス・グレイ組(Segue「鶴の恩返し」)、
立石勝也&裕美組(PasoDoble&Samba&Rumba)、
青木康典&知子組(Quickstep&Waltz&Tango)でした。
感動のダンスをご披露くださいました。
また、最高のTalkを楽しませて貰いました。
立石勝也先生の紀代先生へのお心遣いにも胸が熱くなりました。
今回の収穫は赤堀恵佑&山岡千恵組!
キレ&安定感を備えた素晴らしいCoupleでした。
頑張ってくださいね。
食事の時にはミニライブがありました。
Nuages BleuヌアージブルーVi:谷崎雅之 Gu:西平元気
「愛の賛歌」に始まり「Libertango」で盛り上げて下さり
最後は「My Way」で閉めて下さいました。素晴らしかった…。
お隣の席にいらした赤池唯人先生(医療法人赤池循環器消化器内科院長)、
仲良くして頂きありがとうございました。
嬉しかったです。
杉本順子先生のダンスを見逃したのは不覚でした。
次回は何が何でも拝見いたします。
内海紀代先生!来年(2026年3月26日)も期待しています。
感謝を込めて…。
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