2025年10月8日水曜日

新美の巨人たち 柳宗悦

秋暑し車の中の待つ2

秋陽射し体動かす前の汗

ぽたぽたと落ち行く汗よ秋晴る

時間通り行くはずもなく秋の雲

月白よ窓に頬杖潤む目よ

 

■新美の巨人たち【柳宗悦のプロデュース術】

歌麿の美人画 写楽の役者絵 手がけたのは蔦屋重三郎

喜多川歌麿 東洲斎写楽 山東京伝 恋川春町 朋誠堂喜三二

等をプロデュース

昭和の時代にもそれに匹敵する美術のプロデューサーが名を柳宗悦(1889-1961)

 

染色家の芹沢銈介、版画家の棟方志功 を世に送り出した

卓越した審美眼の持ち主でした

美が凝縮してあるものを見抜く目 美の巨匠

名もなき職人の手仕事に光を当てた 民藝=民衆的工藝

今年は「民藝」誕生100

 

昭和の蔦重!柳宗悦のプロデュース術×田辺誠一

高円寺のcotogoto(日本の手仕事・くらしの道具店)

 

「日本民藝館」駒場 1936年設立

 

私の眼に映る最大な工藝は名もなき大衆の間から発した。

意識らしい意識さえないあの無心の境から発した。

 

美が凝縮してあるものを見抜く目っていうのが柳にはあって

それを産地行った先々でもう瞬時に判断していく

美というものが一番根底にあった そこが重要

 

民藝運動

旧柳宗悦邸 「工藝」第1~3号1931

表紙を手掛けたのは、のちに人間国宝となる芹澤銈介(1895-1984)

柳宗悦 昭和の大プロデューサー

本の装幀

柳と芹沢が会ったのは1927年 商業デザインをしていた芹澤を尋ねた

芹沢は型染めの技を磨いていった

「芹沢の道で危険な道があるとすれば、形に収まり易いことである。

 すべての無駄を取り去ろうとするから、ややもすれば

動きのとれないところまで来て了(しま)う。」

紅型を芹沢に見せるために一緒に沖縄へ行った。

技術の話だけではない 生活とか生きることがあって初めて

あの紅型の素晴らしさが生まれてくることを身を持って体験して

柳が心配していたところを見事に脱却していく

 

棟方志功(1903-1975)

自らを板極道と称した 1936年初めて棟方の作品を目にする

「美は作り出すものではなく、与えられるものだ。

 自分が仕事をするのではなく、自分を超えた何か大きな力が、

 仕事をなしてくれるのだ。」

他力の美 後に世界に羽ばたいていった

心偈頌「今日モアリ オホケナクモ」1957年 二人の合作

版画は直接 絵を描くのではなくて 板を彫ってすることで生まれる

 

1889年 海軍将校の三男として東京・麻布に生まれる

1910年雑誌「白樺」を創刊 

志賀直哉・武者小路実篤・高村幸太郎などが参加

ゴッホやセザンヌを日本に紹介した

ロダンと交流を持ったことが人生を大きく変えた

朝鮮人が手土産に「染付秋草文面取壷」18世紀前半朝鮮時代 を持参

柳が「これはどんな作家がつくったものか」って尋ねたら

「作家が作ったものではなくて朝鮮半島で日常に使われているものなんです」

っていうので、これをきっかけに日常の中にある美しさを

生み出す力に心が向いていく

これがきっかけで民藝 もっと素晴らしいものがあるんじゃないか

知りたいっていう 

それから柳は何度も挑戦を訪れ無名の職人の作った工藝品を収集

その過程で濱田庄司・河井寛次郎・バーナード・リーチと意気投合

1925(民衆的工藝)民藝という言葉を生み出した

鳥取 福島 北海道 青森 秋田 山形 へ

 

「こんなものを用いて暮らす其の暮らしを、

只粗野とか田舎臭いとか云って過ごしていいだろうか」

 

兼子曰く

「それは面白うござんしたよ。…三人で嬉しそうに話してね、

『あっ』とか『ああっ』とか、あっち指したり、こっい指したり。」

 

兵庫県丹波市 丹羽布伝承館 

1920年偶然朝市でその布を見た柳は

「余り味が豊かで、まるで茶人たちが特別に注文して作らせたと

 思わせるほどであった。初めて見たこの布に、

 大いに心惹かれ、見かけるごとに逃さず買い漁った。」

 

復活した「民藝」

手紡ぎ 草木染め 手織り 

その美しい布を「丹羽布」と名付け雑誌や展覧会で紹介。

丹羽布夜具地(たんばぬのやぐち)(布団地)

1957年に国指定選択無形文化財に指定

 

大分県日田市 小鹿田焼

1931年この地に辿り着き、この佇まいに心を打たれた柳

1951年に小鹿田(おんだ)を訪れる「世界一の民陶」と称賛

全国にその魅力を伝えた

1995年重要無形文化財に指定

名もなき職人の誇り

2023New Balanceのコンセプトストア

T-HOUSE New Balance〉とコラボレーション

やっぱり食事を一人でもみんなと食べる時でも

楽しめるためのものとしてあれば 小鹿田焼って

知らないけれどいいから使っていた でもうれしいですし

と職人さんの言葉…。

 

100年前に柳宗悦が見出した民藝 巡り巡って

今再び人々の心を捉えています

忙しない世の中だからこそ普遍の美をその手の中に…。

 

上野樹里女史のナレーション、素晴らしかった…。

 

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