2021年4月30日金曜日

喜多川歌麿の言葉

花過ぎて先立つ人の意思新た
春の鳥波打つ岩よ満月よ
開店を春の陽射しと待つ時間
ぎこちない蕪村や春の山水画
朧月ヘタウマ蕪村の俳画かな

喜多川歌麿 曰く
「近頃、蟻のように湧き出した
 木っ端絵師どもが、ただ色彩を頼りに
 下手くそな絵を描き異国にまで
 恥をさらしているのが嘆かわしい。
 私の美人画の神髄を見せてやる。」

2021年4月29日木曜日

題「教室」

春の窓ピンクムーンがゆらゆらと
春の空心の中の獣道
君の目がもがく犬かき春日向
胎盤はウイルス由来春の闇
不活性化のみの生き方春の暮 

NHK短歌 題「教室」
胸像の名はアグリッパ教室に居りし古代のローマ人なり 
佐伯裕子

放課後はほとんど美術室にいてひかりのような一年だった
土岐友浩

お気に入りだった短歌

カンカンとチョークが黒板たたく音私は一番前で戦う
京都府大谷高等学校 吉田歩実

黒板の別れの言葉読みながら生徒の椅子にぽつんと座る
和歌山県新宮市 三木小夏

窓際の席にいたから雲のことなんでも聞いて地学の時間
滋賀県草津市 野間星射矢

添削は上達の種
どうしたのお客さんがまな真顔ふぇふぇふぇ自ら苦笑い 小島よしお
添削
どうしたの観客席がみな真顔ふぇふぇふぇ苦笑いする

今日のポイント
定型 五・七・五・七・七 言葉を詰めすぎない 
字足らずは不安定、余る方が良い。

目の前で黒板の文字消されてくまだ書いてますそう言えなくて 小澤愛美
添削(リフレイン)
黒板の解答の文字消されてくまだ読んでますまだ書いてます

昼休みうしろの小さな黒板に散りばめられた「〇×ゲーム」 小島よしお
添削
教室のうしろの小さな黒板に散らし書きした「〇×ゲーム」

十六時西陽眩しい二階で運動場の君を探した 小沢一敬
添削
午後四時の西陽眩しい二階で運動場の君を探した

表現のバリエーションが学べそうです。
嬉しい…。
佐伯裕子先生!期待しています!

2021年4月28日水曜日

兼題「草餅(蓬餅)」

永き日や見えないものは見なくても
時重ね存在感を増す桜
春灯りヴォルティス遂に合流す
土匂ふ初陣飾れずとも拍手
解職は会食にあり春かなし

NHK俳句
兼題「草餅(蓬餅)」
草餅木箱にひとつ残りをり   いとうまい子
添削
草餅木箱にひとつ残りをり

晩春狭庭の花も咲きにけり   いとうまい子
(切字は一つ。狭庭は聖なる場所)

草餅千切って食ぶる姉妹かな   塚地武雅
添削
草餅千切って食ぶる姉妹かな

うたた寝の右の頬だけ暖かし   塚地武雅
(暖かしは体には使えない。気温の時に使う。季語の理解をする。)
季語は生もの。現在形で使う。回想に使ってはいけない。

たくましき母のかひなや草の餅 青森県平川市 工藤悠久
(因果関係は詠まない方が良い。)

俳句、二歩目へ ちゃんと数えてる?
十七音であり、十七文字ではない。

俳句ドリル
行く春や水屋の茶菓子尽きにけり   塚地武雅
添削(行く春とは切ない季語である。)
行く春や水屋の茶菓子尽きたると

行く春や看板のう掃(はら)ひたる   櫻井紗季
行く春や看板のう掃(はら)ひたる

行く春や草に転がるランドセル   いとうまい子
(大きな季語には小さな事象が合う。)

行く春や俳句のごとく吹くボレロ   田中要次
添削(俳句の中に俳句と言う名詞を入れない。)
行く春や詩歌のごとく吹くボレロ

行く春や料理雑誌の角を折る   マネージャー

今期から様相が変わり添削が増えました。
これは嬉しい。
学びが多いと期待しています!

2021年4月27日火曜日

四月の正岡子規

東電の膿(うみ)の溜まりて砂あらし
ウェルカムライトの出迎え朧月
造られた灯りが創る春夜かな
しみじみとたそがれ時の春薄暮
人生のトワイライトよ春茜

夏井いつき俳句チャンネル
【四月の正岡子規】一物仕立てについて解説します

一物(いちぶつ)仕立てとは
季語の成分だけで一句が出来上がっている句

若鮎の二手になりて上がりけり   正岡子規
石手川・出合渡と前書きが書かれている。
若鮎と言う季語のことだけで一句ができている。
推敲前は「流れけり」だった。
最後の描写(動作)が若鮎という季語を立てている。

飛び込んで泥にかくるる蛙(かわず)哉   正岡子規
泥と言う場所を特定している。

蜂の巣に蜂の居(お)らざる日和かな   正岡子規
蜂の巣が季語+日和かなと言う周辺の状況
日和は天文に分類される。

板の間にひちひちはねるさくらだい   正岡子規
さくらだいが季語 場所板の間が入れられている。
板の間と言う場所によってさくらだいが見えてくる。

夕桜何がさはつて散りはじめ   正岡子規
夕桜が季語 
作者の感じたことが詠まれている。

花御堂の花しほれたる夕日哉   正岡子規
花御堂が季語。
夕日哉は季語に含まれていない時間と映像と言う情報。
最後に背景・映像・時間が入って来ている。

2021年4月26日月曜日

ヴィム・ヴェンダースとアリストテレスの言葉

半仙戯矛盾に満ちた現実よ
春の月対話はいずこ貝となり
移ろいに置いてけぼりの八重桜
ウイルスはエコラジカルの優等生(無季句)
変異株変わり身早し朧月

ヴィム・ヴェンダース 曰く
「持論を持てば持つほど、ものが見えなくなる。」

アリストテレス 曰く
「欲望は満たされないことが自然であり、
 多くの者はそれを満たすためのみで生きる。」

2021年4月25日日曜日

舞名言

春心見せる不器用愛おしく
石鹸玉(しゃぼんだま)吾にだけ見せる仕草あり
へんろみち蕨(わらび)と独活(うど)と石楠花(しゃくなげ)と
春見っけローディーの森の石楠花
SDGs掲(かか)げ目指さん春北斗

舞名言和訳bot @danceable_me より

ナン・キーティング 曰く
「ほとんどの人はバレエをチュチュを着た小さな子供と考えています。
 彼らはそれが汗、血、涙であることを知りません!」

ボブ・フォッシー 曰く
「観客のために踊るな。自分のために踊れ。」

2021年4月24日土曜日

読者プレゼント当選

ダンスビュウさまの読者プレゼントに当選しました❣
嬉しい❣
籤運のない私にとっては奇跡に近いような…。
筍御飯も炊き上がりました❣
美味しく炊けました❣

ボトルガムで一句

うららけしスタグフレーションまっしぐら
春の泥CPUが固まりて
光なき青の世界で鳴く蛙
春疾風青で描いたカサヘマス
春嵐青の時代のカサヘマス

プレバト纏め 2021年4月22日
ボトルガムで一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
球春やベンチ入りするボトルガム
添削
球春やベンチの端ボトムガム
球春やベンチの端ボトムガム

特待生昇格試験
藤本敏史
ガムを噛む子等とバス待つ日永かな

1位 福田麻貴
朧夜や四つ目のガム母まだか
添削(「四つ目」の数詞と「ガム」という物によって
   時間と映像が一緒に表現できている。)
四つ目のガム朧夜を母まだか

2位 二階堂高嗣
春日傘原宿からやNHK
添削
原宿からNHKへ春日傘

3位 相田翔子
晩春や座して止まらぬ筆とガム
添削(中七は要らない。)
  (私なら…。春夜ガムひたすら噛みて握る筆) 
春夜ガム噛むひたすらに筆走らせ

4位 中村ゆりか
春惜しむガム食べ過ぎて味忘れ
添削
ガムの味薄るるごとく春惜しむ

5位 加藤清史郎
天辺を開けて飛び込む秋の山
添削
秋の山みたいにボトルガムとりどり

来週は「俳句の名人査定スペシャル」
お題は「分別タイプのゴミ箱」
梅沢富美男氏と東国原英夫氏だとか…。
期待大!


2021年4月23日金曜日

花烏賊

春光や試練を糧に漕ぎ出さん
人生と名付けられた絵春かなし
底辺の心の炎春の渦
遍路杖挫折の中の希望かな
遍路道振り向くことはなかりけり

1分季語うんちく 
「花鳥賊(はないか)」

桜の咲く頃に産卵のために沿岸の方に寄ってくる烏賊のこと。
烏賊を茹でて赤くなることから、甲烏賊、槍烏賊、蛍烏賊などを
地方によっては「花烏賊」と呼ぶこともある。

注意点は「花烏賊」という和名を持った
特定品種の烏賊が存在します。
季語の「花烏賊」がさすのは
あくまで桜の咲く頃に沿岸に寄ってくる
産卵の烏賊ですよというのが
「花烏賊」と言う季語の示すところです。

2021年4月22日木曜日

舞名言

鳥獣戯画の最後は仔犬夏近し
行く春や丸き仔犬に見送られ
春深し孤独の影が忍び寄り
亀鳴くやワクチンナビで予約とは
忘れ霜塗りつぶされた青い過去

舞名言和訳bot @danceable_me より

カート・ヴォネガット
「踊れ。
 たとえできる場所がリビングだけだったとしても。」

クリストファー・モ 曰く
「ダンスは女の子にとっては素晴らしいトレーニングだ。
 男が何かする前にそれを推測することを学ぶ最初のレッスンになるからね。」

2021年4月21日水曜日

題「心」

花篝(はなかがり)容易く踊る人がをり
追い込まずいい加減にて春の雨
マスクから鼻出し熱弁長閑なり
マイルス(・デイヴィス)が居間を占領春の朝
令和三年猛威ふるわん変異株

NHK短歌
題「心」
心底と言うとき急に深くなるこころに沈めたし観覧車
大森静佳

お気に入りの入選句
足裏に心が落ちてきてしまい一歩も歩くことができない
東京都西東京市 小林礼歩
心にもないことを言う時の君の目はうつくしい犬かきをする
新潟県十日町市 砂崎柊
がらんどうを確かめられた夕暮れの郵便受けのような心地す
三重県松阪市 こやまはつみ

ポイントで改作
心が見えるように詠もう!

元歌
心から言葉が見える不思議なりじっと見ており君の瞳を
改作①
君の眼(め)にうつる心の饒舌を春のベンチのじっと見ており
改作②
何もかもわかってしまう向き合えば君の眼に濡れた心が見えて

今日のメッセージ
心の「内と外」から光をあててみよう!

まだ、大森静佳先生がどのような人なのか解りません。
1年間じっくりと学ばせてもらいます。
宜しくです!

2021年4月20日火曜日

兼題「日永・遅日(ちじつ)」

軸なきはダンスに非ず春の虹
不条理を楽しむ余裕春の潮
朧月先行く事実待ってくれ
春時雨心静かに引き受けて
母子草今年も咲きて見飽きられ

NHK俳句 
兼題「日永・遅日(ちじつ)」

サンフランシスコの永き日なりけり   岸本尚毅

第3週のテーマは俳句と想像力
今回は時間と想像力
例句
遅き日のつもりて遠きむかしかな   蕪村

お気に入り入選句
象鯨鳴きかはしをり日の永し 
静岡県静岡市 宮崎泉
(若冲の象と鯨屏図を詠んでいる。)

四歳と七十歳の暮れかぬる
兵庫県赤石市 酒井健次

モジリアニの絵に首まげる日永かな
奈良県斑鳩町 内田良平

岸本教官の添削道場
永き日の大黒天の淡き影   中田喜子
添削
永き日や大黒天は影淡く

タクアンと番茶飛び交う花筵   金原亭馬路
添削
タクアンと番茶と我ら花筵

永き日や巡礼向かふ直一寺
添削
永き日をゆく巡礼のなお一寺

岸本尚毅先生の添削がまた拝見できるなんて…。
嬉しい…。
楽しみでなりません。
今回も秀逸でした。

2021年4月19日月曜日

小林正観と斎藤一人

一瞬の煌めき記さん春日和
春落葉先を競いて風と舞う
異能持つ人に憧れ桃の花
夏隣理想の子にはなれなくて
渇望と恐怖のはざま夏近し

小林正観 曰く
「誰もが怒るようなとき
 イライラするようなときに
 ニコニコして穏やかでいられるか
 それがその人の
 本当の価値を決める。」

斎藤一人 曰く
「やればやるほどおもしろくなるもの 
 それを仕事という。」

2021年4月18日日曜日

斎藤一人と勝海舟

長閑なりピントの合わぬスマホかな
行く春や渇望すれど時は過ぎ
花のころ閉ざした心言葉とす
頬に風春の陶器と陽射し浴び
山門を遍路と共に散る桜

斎藤一人 曰く
「やってやれないことはない。
 やらずにできるわけがない。」

勝海舟 曰く
「生業に貴賤はないけど、
 生き方には貴賤がある。」

2021年4月17日土曜日

リュックで一句

孤独愛すもたまにお喋り残る鴨
行く春や生まれた街で生き続け
木炭の一筋の線豆の花
木炭の強弱の線落花かな
遅桜孤独の壁を乗り越えて

プレバト纏め 2021年4月15日
リュックで一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
飯盒を逆さにしばし揚げ雲雀
添削
飯盒を逆さに蒸らし揚げ雲雀

特待生昇格試験
森口瑤子
花疲れリュックの底の底に鍵

1位 本上まなみ
ちびリュック中身はオムツ山笑う

2位 石塚英彦
旅支度真の雪解(ゆきどけ)待つばかり
添削
旅支度整う雪解(ゆきげ)待つばかり

3位 鷲見玲奈
旅鞄枕に寝て見る朧月
添削
朧月旅の鞄を枕とし

4位 二階堂高嗣
春鱚釣想い昂る亡き父
添削
春の鱚釣りしよ父の在りし日よ

5位 稲田直樹
春粉がリュックの色に顔染めて
添削
花粉症の顔もリュックも同じ赤

レベルの低い闘いでした。

来週のお題は「ボトルガム」
佳き俳句と巡り合えますように…。

2021年4月16日金曜日

徒然草

花の雨短所を誹(そし)る人がをり
竹の秋長所を伸ばす人のをり
吾の為に使う時間や里桜
コロナ禍の科学と祈り花の冷え
自らに科した抑圧春の果(はるのはて)

徒然なるままに、日暮らし硯(すずり)に 
向かいて、心に映りゆく由無し事を  
そこはかとなく書きつくれば、  
怪しうこそ物狂おしけれ  

出典 : 徒然草
作者 : 吉田兼好(兼好法師)

意訳
なんとなく戯れに一日硯に向かって、
心に浮かんだ事をとりとめもなく書き始めたら、
まるで何かに憑かれたように筆が止まらない。

あ~私も一日中俳句に時間が費やせたならと…。
今を大切にしないと取り返しがつかなくなるような…。 
最近、そんな気がしています。

2021年4月15日木曜日

お花見から筍まで…。

筍!第一弾が届きました。
ブルーベーリーがこんなに花を咲かせているのですが…。
桑もすくすくと成長しているのですが…。

菊芋もこんなに芽を出しているのですが…。

果たして収穫はできるのでしょうか?

今年初のイタドリです!
こんなにたくさん蕨が収穫できました。
枝垂桜の見事だったこと…。
史跡公園の桜です。
昨年と同じところでお花見とは…。


 

ピーター・ドラッカーと渋沢栄一

春の朝うごめく草の喋り声
ざわつけど視線上げれど花曇
死は社会が決める羅生門蔓(らしょうもんかずら)
ふふむ芽や陽射しと風と春の鳥
養花天一層今朝は見え辛く

100分de名著 より
ピーター・ドラッカーが嫌った人は
ヒトラーとスターリンと毛沢東。
一つの原理で皆殺しにしたから…。
ピーター・ドラッカーは渋沢栄一を尊敬していた。
それは…。
「論語」と算盤と言う対極的なものを持つ思想だからこそ
社会全体を包摂できるという思想を持っていたから…。

渋沢栄一 曰く
「悲観的な人は残酷である。」

2021年4月14日水曜日

題「握る」

コロナ禍を監視し合って春を生く
傾斜地にしがみつくよにサトザクラ
行く春や知って初めて好きになり
新緑とカミヤマシダレ共演す
養花天心にかかる暈(かさ)のあり

NHK短歌 題「握る」
出てこない名前の淵をなぞりつつ祖母が幾度も握るフェイジョア
佐佐木頼綱

逆上がりできず一人泣いた日と同じ強さで握るつり革
宮城県仙台市 真島朱火

握ることできぬ手と手を拳にしトライのたびに大空を打つ
東京都文京区 佐復桂

スポーツと日常
暗闇で握るぶ厚い奥襟の小さな揺れがお前の心
初瀬勇輔

頼綱さんの!短歌かかって来なさい!
松本薫(かおり)さんを詠む キーワードは「野獣」

野獣だと天才なんだと言い聞かせ畳を蹴った、赤い静寂
佐佐木頼綱

殊更の野獣となりて前傾す一番以外ビリと同じだ
星野真里
添削 「は」は要らない。

2021年4月13日火曜日

兼題「菜の花」

なり止まぬ電話放置や春半ば
春の星唯一無二の人であれ
暮れかぬる古機種のスマホ持つ辛さ
治まらぬざわめき見つむ春終る
開花宣言の日満開のさくら

NHK俳句 兼題「菜の花」
遠足が真昼の山に来てもどる   鴇(とき)田智哉
菜の花や蹴散らし笑う長靴魔   岩崎う大

「句のひとみ」になって読む じっと見る「句のひとみ」

霜掃きし箒(ほうき)しばらくして倒る   能村登四郎

菜の花に向うを向いて人ひとり 東京都杉並区 矢野美智子
菜の花を怒りの色と思ふまで 神奈川県大和市 佐藤直哉
作業着を開け菜の花に食べ終はる 大阪府大阪市 上羽遼治

タイムラプスで一句
花人の連なるさまの蛇腹めく   鴇田智哉
(長い時間を読む。時間を引くことで自由さを表現。)

2021年4月12日月曜日

兼題「楊梅」

新緑へ染まる春山天を衝く
歳重ね色は薄れど山桜
亡き人の想い出手繰る桜散る
もくれんげ同じ悩みを共にせん
嘘重ね騙し続けて春深む

ギュッと!四国
夏井いつきの俳句道場 より
兼題「楊梅(やまもも)の花」

選句ポイント
「季語の特徴を映像化せよ!」

ギュッと!特選
避難塔仰ぎ見る楊梅の花   ねじり花

入選
楊梅の花やここには雄木(おぎ)ばかり   ひでやん
目印の楊梅の花奥の院   戦後生まれZ
楊梅の花の丘まで1000(せん)ヤード   おぼろ月
楊梅の花バンジーの順を待つ   伊予吟会 宵嵐
楊梅の花咲く空き家Iターン   餓昇
楊梅の赤き雄花序(ゆうかじょ)撓(たわ)みけり   蒼求

土佐を去る路傍(ろぼう)見送る楊梅の花   文明
添削
土佐を去る日よ楊梅の花赤し
土佐を去る日よ楊梅の花高し
土佐を去る日よ楊梅の花暗し
または、「知らず」とするのもありかな。と、組長。

夏井いつきの「きょうのユニー句」
記すに及ばず…。

NHKさま!ありがとうございます!
https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/

2021年4月11日日曜日

アナ・パヴロヴァの言葉

意味不明閉じるアプリや桜散る
不具合に翻弄されて桜舞う
開花宣言前に散る桜かな
白球を投げて追いかけ甲子園
時間泥棒されて見上ぐる春の風

舞名言和訳bot @danceable_me より
アナ・パヴロヴァ 曰く
「技術をマスターし、
 それから全て忘れて自然体になりなさい。」

アナ・パヴロヴァ 曰く
「才能は神が与える。
 それを努力が天才に変える。」

2021年4月10日土曜日

あくびで一句

桜舞う待っていました初勝利
雨の降るシダレザクラや明王寺
風光る絵画も音も俳句なり
春日和スマホショップの待ち時間
満開の桜横目に待つ時間

プレバト纏め 2021年4月8日
あくびで一句(欠伸は春の季語ではない。)

永世名人 富美男のお手本
やわやわと陽のあくび巻く春キャベツ
添削(季語を信じて欲しい)
おひさまのあくびを巻いて春キャベツ

特待生昇格試験
立川志らく
春眠「カイロの紫のバラ」
添削(読み手に寄り添ってあげて欲しい)
春眠とは「カイロの紫のバラ」

1位 石野真子
アイフォンに桜蘂降るハチ公前
(桜蘂(しべ)降るが春の季語。映像の作り方が巧い。)

2位 勝村政信
公魚(わかさぎ)の欠伸気づかぬ太公望
添削(太公望とは釣り人の事で中国の故事に由来する。)
太公望たいくつ公魚の欠伸

3位 早見あかり
春暁の実家オムツは3枚目
添削
春暁のあくび三回目のオムツ

4位 宮田俊哉
花の宴欠伸潤む19時半
添削(「で」と「に」の違いは、
   「~で」は後ろに動きがある動詞「あくびで笑う」など、
   「~に」は後ろに静かな動きの動詞「潤む」などがくる。
花疲あくび潤む十九時半

5位 マヂカルラブリ―村上
眠たさと手のひらに土春の昼
添削
土手に手をついて眠たき春の昼

来週のお題は「リュック」

梅沢富美男さんの俳句の添削にしびれました。
今週は夏井いつき先生の添削の素晴らしさに感動しました。

2021年4月9日金曜日

方丈記より

花の鈴純粋ゆえに棘となり
強調よ切り取り方よ花の冷え
弦月(げんげつ)や春雨のやむこっそりと
木蓮や春を待てずにほころびて
亀鳴くや卒(お)える日は始まりの日

知恵泉より

混迷の中、心静かに生きる!と言う生き方…。

方丈記 鴨長明
「事を知り、世を知れれば、願はず、わしらず、
 ただ静かなるを望みとし、憂へ無きを楽しみとす。」

「世にしたがへば身苦し。したがはねば狂せるに似たり。
 いづれの所を占めて、いかなるわざをしてか、
 いばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき。」

「今、草庵を愛するも、閑寂に著するも、さばかりなるべし。
 その時、心、更に答ふる事なし。」

最近「無常観」が私を支配しているような…。
なにものにも価値を見出せません。
鴨長明より楽しんでいないような…。

2021年4月8日木曜日

神の手を決められた男の言葉

春落葉道に迷ひて独りぼち
完成の過程楽しむ穀雨かな
俯瞰する人に届けと春の風
花篝(かがり)格調高くゆらめかん
永遠に続くものなし花筏

神の手を決められた男
元イングランド代表GKピーター・シルトン氏 曰く
「マラドーナは選手としては最高だけど
 スポーツマンとしては最低!」

https://www.football-zone.net/archives/295224

確かにあの1試合だけ見たら…。
あの背景には蹴られぶつかり続けられたにも拘らず
マラドーナ自身は一度も抗議しなかったのですよね。
仲間が反則を受けた時以外は…。
あの時は世界の人がマラドーナにあげた1点だったのでは?
私はそのように理解しました。
あの神の手を決めた直後、正当にゴールを決めています。
まぎれもなく神が与えた1点だと思いました。

一分季語ウンチク
「橇(そり)しまう」

雪深い地方ではかつて交通の為
馬橇や人力橇など大型の橇が
インフラの為に使われていました。
「橇しまう」と言う季語の巨大さも
縮小しているのかもしれません。

2021年4月7日水曜日

題「飲む」

科学的政治的にも春愁う
虐待に気付かず喪服もくれんげ 
こぼれ落つ熱き涙よ木蓮よ
琴線に触れる歌声春惜しむ
春惜やズービン・メータの纏めた日

NHK短歌 題「飲む」
〈オンライン飲み〉に誘えば〈オンライン飲み〉の先約あると言う父
田村元

入選句
六人が五人四人と減ってゆきあいつの通夜に二人で飲んだ
茨木県日立市 加藤宙
飲んだっけ?ああまた春のごみ箱に小さな銀の抜け殻さがす
栃木県足利市 坂庭悦子
剪定を終えた庭師が梅の木をぐるりと廻る茶碗片手に
千葉県松戸市 をがはまなぶ
罰ゲームみたいな顔で茶道部の野点に呼ばるる野球部の子ら
岐阜県大垣市 ともえ夕夏

大久保佳代子さんが出した題「犬」
ただいまと声出す前の玄関に小さき君が尾を振る春日
カン・ハンナ
添削
ただいまと声出す前の玄関に小さき君が尾を振っている

歌人この一軒
掌の熱きいくつを握りしめ別れか去らむ数寄屋橋町
宮柊二(みやしゅうじ)
八十年の時を経てビアグラス柊二の涙ふたすぢ流す
田村元

1年間が楽しみでなりません。

2021年4月6日火曜日

兼題「入学」

黒北風(くろきた)や地雷踏まれた志
ウイズからアフター移行春愁う
藤の棚開花直前抜き取られ
桜散るゆるり花びら露天風呂
月灯り惜しむ桜や野天風呂

NHK俳句 兼題「入学」
入学の朝金色の卵焼き   片山由美子

この1年のテーマは見直し「俳句の常識」
ルールがあるから楽しいし自由!
ルールに縛られ過ぎている人。
思い込み、誤解も無きにしも非ず。
を、片山由美子先生が解いてくださるとか…。

今回は字余り!
つばめつばめ泥が好きなる燕かな   細見綾子
「つばめつばめ」が三連符みたくリズムがあって良い。
クリスマスケーキ最後に買ひて家路へと
この句も一気に読むので気になりません。

入選句
菜の花やふるさと行きの土讃線 愛知県名古屋市 山田由美子
愛犬を諭して帰す入学式 兵庫県神戸市 瀧澤久子
入学の子と門くぐる母校かな 宮城県石巻市 阿部奈津紀

子馬のこゑ野に柔かく滲みにけり   武井壮
添削(現在進行形にした方がよい。)
子馬のこゑ野に柔かく滲みゆけり

ゲストの反町恭平氏は古典を弾く時、
何色に染めて行くか?を課題にしているそうです。
片山由美子先生は反町恭平氏のピアノの音色から
Passionを感じる演奏を評されていました。
Pianoと俳句は似ている!
共通点があると言っておられました。
ご指摘の通りだと思いました。

2021年4月5日月曜日

ヘミングウェイとピカソの言葉

夏近しやっと手にした袖珍本(ちゅうちんぼん)
春暑しアカネ使ひて町興し
はねす色なかの鶯春の風
人生で一番若い日春惜しむ
虚しさに襲われし日や朧月

ヘミングウェイ 曰く
「年を重ねると、
 ヒーローを見つけるのが
 より難しくなるんです。
 でも、本当は年を重ねた時こそ、
 必要みたいです。」

パブロ・ピカソ 曰く
「人生の意味は、あなたの才能を見つけること。
 人生の目的は、それを解き放つこと。」

2021年4月4日日曜日

孔子と曽野綾子の言葉

桜散る心離れて寄り添えず
お彼岸や出汁の効いたるすまし汁
はらはらとこぼれる松葉春の朝
休雪に寝付く柳や春の風
協調性と優柔不断はるうれう

孔子 曰く
「徳ある人を見たら、
 その人に並ぶことをめざせ。
 徳なき人を見たら、
 我が身を振り返り、自省せよ。」

曽野綾子 曰く
「人生において何が正しいかなんて
 誰にもわからないのだから、
 自分の思うとおりに進んで、
 その結果を他人の責任にしないことが
 大切ではないかと思う。」

2021年4月3日土曜日

シュバイツァーとエマーソンの言葉

春天や程よいほどの寛ぎよ
坪庭や水と撓むる春の鳥
滲ませた表現もちひ鳥雲に
音読が聞こへる朝や春休み
(北野天満宮)梅の花牛車留まりて埋骨す

アルベルト・シュバイツァー 曰く
「成功は幸せの鍵ではありません。
 幸せが成功の鍵です。
 もし自分のしていることが大好きなら、
 あなたは成功しているのです。」

ラルフ・ワルド・エマーソン 曰く
「悪い人々にたいする非難や拒絶によって
 自分を浪費することがないように。
 むしろ善き人々の美徳を称えよう。」

2021年4月2日金曜日

雪岱とピカソの言葉

雪岱好みの所作を真似る春夜
朧月粋でモダンで今もなお
青柳や川面で揺らぎ揺すられて
開かれた画集に摘んだ芽留守模様
(歌川)国定の描くヤンキー夏近し

小村雪岱 曰く
「私は個性のない表情のなかに
 かすかな情感を現したいのです。
 それも人間が笑ったり泣いたりするのではなく、
 仏様や人形が泣いたり、笑ったりする
 かすかな趣を浮かび出したいのです。」

パブロ・ピカソ 曰く
「あらゆる創造活動は
 まずなによりも破壊活動である。」

2021年4月1日木曜日

菜根譚と水木しげるの言葉

泣き虫な時もたまには彼岸西風(ひがんにし)
ペーソスの中の滑稽彼岸かな
飛梅や主の願ひ叶えたり
春半ば空がなくなり3ヵ月
無機質な素材が居間を春とせん

菜根譚 曰く
「逆境にあるときは、
 身の回りのものすべてが良薬となり、
 節操も行動も、
 知らぬまに磨かれていく。」

水木しげる  曰く
「私には『驚く』力が
 常人の十倍ぐらいありました。
 81歳を超えたいまでも「フハッ!」と驚くことが
 1日に何度もあるのです。
 こうした能力は勉強しても伸びない。
 才能なんです。」

一分季語ウンチク「春セーター」
セーターだけでは冬の季語です。
その違いは生地も薄手であったり、
色も華やかで春らしい色合いになっている!
と言う季語の主成分があります。
「春何々」とつける冬の身につけるものとして
春ショール、春マフラー、春手袋などがあります。
春ならではの鮮やかさを活かしたいところです。