2026年5月12日火曜日

あの本、読みました?夏川草介と洞本昌哉

人知を超えた破壊奇獣や夏の空

死と生が混然となる薄暑かな

今もなお問いかけ続く夏きざす

母の日や数多の虐め今更に

誕生日消えぬ思いよ母の日よ

 

■あの本、読みました?

京都が舞台の小説なぜ多い?~京都本特集 夏川草介インタビュー

テーマ「旅と本」第二弾

洞本昌哉 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

京都にまつわる小説

京都本大賞:過去1年間に発刊された京都府を舞台にした小説の中から

地元の人々に最も読んでほしい作品が選ばれる文学賞

 

2025年「第13回京都本大賞」

「六月のぶりぶりぎっちょう」万城目学著/文藝春秋

 

「ふたば書房」代表 「京都本大賞」実行委員長 洞本昌哉

毎年発刊される京都本は約100

 

「ぼくは明日、昨日の君とデートする」の一文 七月隆文著/宝島社文庫

ローソンを横切り、駅に向かって三条大橋を渡る。

橋の下を流れる鴨川沿いに、カップルたちが並んで座っている。

今日は休日で暖かいから、とても多い。

僕はこれから福寿さんとデートすることを意識し、また緊張した。

京阪の三条駅の階段を下り、待ち合わせ場所に指定した

「クネクネした三本柱」へと向かう。

 

「京都寺町三条のホームズ」の一文 望月麻衣著/二葉文庫

京都寺町三条の賑やかなアーケードを歩いていると、

軒を連ねる商店の中に、それは小さな骨董品店があった。

看板には「蔵」という一文字。これが店名らしい。

(中略)

お店の前でこそこそと中を窺っていると、通り過ぎる人たちが

チラチラとこちらを見ていることに気が付いた。

 

「ライト商會 三条店」(骨董品店「蔵」モデル)

1987年に骨董品店として開業し その後喫茶店としても営業

2018年に小説がアニメ化されるとファンが訪れる聖地として話題に

 

「京都寺町三条のホームズ」の一文 望月麻衣著/二葉文庫

決して高くない天井には小ぶりのシャンデリア。壁には大きな柱時計。

店の奥のたくさんの棚の上に並ぶ骨董品に雑貨。

入り口から見たら小さな店だったけど、随分と奥まっているようだ。

(中略)

そのままなんとなく店の奥へと足を向けた。

「…わぁ」と思わず声が漏れる。ズラリと立ち並んだ棚に、

それは綺麗に並べられた壷や茶椀。(中略)たくさんの品物が

置いてあるものの雑然とした感じはなく、それは綺麗に並べられている。

とても大切に扱われている、そんな感じがした。

 

京都は歴史のミルフィーユ

小説家・クリエーターとしてはパズルの合わせ方が面白いんだと思う

 

2024年「第12回京都本大賞」受賞 夏川草介 インタビュー

「スピノザの診察室」終末医療をテーマにした感動作

 

なぜ京都を舞台に書いたのか?

私が生まれ育ったのは大阪 大阪の高槻 京都が一番近い遊びに行く街

書こうとしたテーマと京都の風景がマッチ 「人の生と死」

「大きな時の流れの中でどう生きるか」京都は凄く後押ししてくれた

風景から丁寧に作り込む夏川作品

スピノザ:17世紀オランダの近世合理主義の哲学者

 

世界遺産 下鴨神社の敷地内にある糺(ただす)の森 参道が凄く明るい

こんなに明るい神社があるのか

 

「スピノザの診察室」の一文 夏川草介著/水鈴社刊

「ここにくると、色々と忘れかけていたことに気づくことができる」

「忘れかけていたこと?」「人間は本当に小さな存在だってことだよ」

(中略)「人間はとても無力な生き物で、大きな世界の流れは

最初から決まっていて、人間の意思では何も変えられないと言った

思想家もいたんだ」(中略)龍之介がふと気づいたように顔を上げた。

「それがスピノザですか?」哲郎は微笑を浮かべたまま、白砂の上に

歩を進めていく。「こんな希望のない宿命論みたいなものを提示しながら、

スピノザの面白い所は、人間の努力というものを肯定した点にある。

すべてが決まっているなら、努力なんて意味がないはずなのに、

彼は言うんだ。“だからこそ”努力が必要だと」(中略)そこから先は

参道が左右に広がり、木々が両脇に遠のいて燦燦たる日差しが

降り注いでいる。輝く白砂の向こうに見えるのは、朱の鮮やかな楼門だ。

 

夏川草介の思いが詰まった描写

1番好きなのは日本酒 甘いものも凄く好き いつか和菓子屋の

美味しさを小説の中で書いてみたい 

主人公・哲郎は大の和菓子好き 

「長五郎餅本舗」(主人公・哲郎の大好物)

お餅のお菓子の中では1番好き 

書けば書くほどもっと食べさせてあげたくなる 主人公に食べてもらいたい

長五郎餅に出逢った時の感動

 

「スピノザの診察室」の一文 夏川草介著/水鈴社刊

ピンポン球程のその餅菓子は、北野天満宮の名物のひとつで、

雪のように白い餅皮と甘みを控えた漉し餡が絶品である。

厳選された自然素材を使用し、ふわりと溶けていくような食感の餅皮と、

雑味のない透き通った甘みの餡の組み合わせが希有な逸品だ。

哲郎の大好物なのである。

 

美しく生きる生き方を物語として提示していけば

とてもいい街がたくさんある 書きたい場所はたくさんある

 

「スピノザの診察室」の続編で

2026年「本屋大賞」4位「エピクロスの処方箋」

 

「エピクロスの処方箋」夏川草介著/水鈴社刊

思想する医師・雄町哲郎は今日も京都の街をゆく。

大人気哲学エンタメシリーズ待望の第二弾

より京都の風景をしっかり書こう

続編でも気を配った京都の風景描写

エピクロス:快楽主義を提唱した古代ギリシャの哲学者

浄土宗総本山 知恩院 

 

「エピクロスの処方箋」の一文 夏川草介著/水鈴社刊

豪壮な三門をくぐった先にある急勾配の石段が男坂で

ひとつひとつの石段が大きく、手すりもない。

(中略)存外に年配者の多くもこの坂を選ぶのは、

堂々たる石積みの風景に、何か心を惹きつけるものがあるからだろう。

(中略)ようやく男坂を登り切れば、にわかに視界が開けて明るくなる。

師走の澄み渡った蒼空の下、渺々(びょうびょう)たる白砂の向こうには、

大伽藍(だいがらん)の中心たる御影堂が座している。

「幸福とはなんなのか。

こいつは人類の前に立ちはだかる最大の難問のひとつだ」

唐突の言葉に、少年の叔父は右手の下から不思議に見上げる。

(中略)エピクロスは、平穏で物静かな精神状態を快楽と定義し、

これを乱すものは、不愉快なものだけでなく、

愉快なものでも遠ざけるべきだと言っている。」

(中略)「まあ、偉そうなことを言っている私自身が、

まだはっきりした答えにたどりついているわけじゃない。ただ、そうだな…」

頭を搔いた哲郎は、いくらか照れたように笑って続けた。

「世界はそんなに哀しいことばかりじゃない。

これだけはお前に言っておきたいんだよ」

 

意志としての思いが使っている場面

 

「エピクロスの処方箋」の一文 夏川草介著/水鈴社刊

「僕はなぁ、花垣君」

小太閤は花垣の手からビール瓶を受け取って、相手に注ぎ返す。

「医師っちゅうのは、特別な仕事やと思うとるんや。

命を預かる重大な役割やとか、たゆまざる努力が必要やとか、

そういう当たり前の話やない。

医師になろうとする人間には、自分の人生を少なからず

犠牲にするだけの覚悟が必要やという話や」

(中略)

「ところが最近は、医師免許さえ取ってしまえば、

あとは自分の自由やと思うとる奇っ怪な輩が増えとる。

自分がどれだけ多くの人に支えられえきたかっちゅうことに、

気づきもせんで権利ばかりを主張しよる。

ほかの職業なら働き方を選ぶのは個人の自由かも知れん。

しかし医師は違うんや。自由ら権利やらを欲しがる人間は、

そもそも医師になんぞなったらあかん。

医師になるっちゅうことはそういうことやないか」

「しかし教授。そいつは、今の時代に大声で言うと、

なんとかハラスメントになりますよ」

「だからここで言うとるんや」

ぷっと梅干しの種でも吐き出すように言って、

飛良(ひら)泉はまたするするとビールを流し込む。

 

働き方改革がすべてではない

9時~17時で帰りたい医者が増えている

夜間当直をしてくれるドクターが減っている

グレーゾーンをみんなで埋めるという感覚を若いドクターたちに持ってほしい

医師であり作家 夏川さんの未来

100%医者優先です 今のところ何も変わっていないです

「やれる限りのことはやっていこう」

 

・なぜ作家は京都を舞台に小説を書くのか

「京都本大賞」を特集

 

「猫を処方いたします。」石田祥著/PHP文芸文庫

京都特有の住所表記「上ル」「下ル」

 

「猫を処方いたします。」の一文 石田祥著/PHP文芸文庫

「そもそもなんだよ、この住所は」

京都市中央区麩屋町通上ル六角通西入ル

富小路通下ル蛸薬師通東入ル。

教えてもらったのは、京都市内独特の住所表記だ。

正式な町名や番地があるにも関わらず、市中を横切る道路の名称を使い、

東西南北への方向を示す。

通りに沿って曲がっていけば目的地の近くまでは行けるが、

漠然とし過ぎていて、地元民以外は途方に暮れてしまう。

 

ファンも訪れる不思議な住所

物語に書かれた住所

京都市中央区麩屋町通上ル六角通西入ル富小路通下ル蛸薬師通東入ル

 

猫は京都っぽい?

 

小説以外にも京都にまつわる本の賞

「京都ガイド本大賞」2014年創設

京都の書店員が抱く熱い思い

出版社からエントリーされた京都のガイド本の中から

京都の書店員の投票によって大賞が決定

 

2025年第12回京都ガイド本大賞

「ひとりでも、京都へ。&Kyoto

 

地元の人が買う「京都ガイド本」

 

京都ガイド本大賞「リピーター賞」

 

2025年第12回京都ガイド本大賞 リピーター賞

「御朱印さんぽ 京都の寺社 ぶらり日帰りで運気アップ!」

JTBパブリッシング

 

鈴木保奈美あと書きの一言

「御朱印さんぽ 京都の寺社 ぶらり日帰りで運気アップ!」を持って

京都へ行きたい。

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