2026年5月4日月曜日

兼題「葉桜」&テーマ「数字を入れて詠む」

腹に一物五穀豊穣春を射る

春の陽や一人一手の矢を放つ

風光る的に命中百々手式(ももてしき)

春の風トルコギキョウの香はいずこ

春の夕騒音のごとアナウンサー

 

NHK俳句 兼題「葉桜」

選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣

年間テーマ「もっと俳句のコリをほぐします」

 

コリのお悩み 子季語の使い方がわからない

歳時記に小さく書かれているのが子季語 大きく書かれているのは親季語

夏の季語 親季語 紫陽花(あじさい) 

子季語 四葩(よひら) 七変化

子季語は親季語のVariation

少しニュアンスは違うが同じものを指している

 

使い分けは?

 

   紫陽花のパリーに咲けば巴里の色   星野椿

日本から来たものだけどフランスっぽさがある

和でもなく完全にフランスでもない色になっている

わざわざ紫陽花以外の他の言い方をする必要はない

 

   あぢさいに触れて鋏のくもりけり   髙田正子

 

ツボポイント 基本的に親季語を使う

親季語だと大体みんな知っている言葉

 

   兄亡くて夕刊が来る濃紫陽花   正木ゆう子

濃紫陽花は紫陽花の子季語 音の数 紫陽花の濃さに叙情が生れる 

Kの音も踏んでいる 音も合っている 音数もぴったり 

 

   七変化住み替えはりしはいくたびぞ   西村和子

 

   四葩咲きよべの涙を忘れしむ   文挾夫佐恵(ふばさみふさえ)

「よ」を重な停る 「咲き」が必然 昨日は咲いてなかった今朝咲いた

「咲き」が入ると3音しか入らない

 

親季語 おでん

子季語 おでん鍋 関東煮(かんとうだき) おでん屋 おでん酒

関東煮(場所の情報を含む) 

おでん屋 おでん酒(親季語に関連する物事を指す)

 

ツボポイント 子季語は音や情景にあわせて必要な時に選ぶ

 

・実践

親季語 雷

子季語 雷鳴 雷雨 遠雷 鳴神(なるかみ) はたゝ神

A 遠雷やひとり昼餉の青菜汁   石橋秀野

  (青菜:春の季語)

B かみなりへ走る帰宅となりにけり   五島高資

C 空港のごつた返せる雷雨かな   長谷川櫂

D 鳴神(なるかみ)や暗くなりつつ能最中   松本たかし

  (野外能)

 

まとめ 詠みたい情景に最もあう子季語を選ぶ

 

   特選六句の発表 今週の兼題「葉桜」初夏の季語

葉桜をフェラーリぬるり通りゆく   来地宇須(らいちうず)

着ぐるみの今日葉桜を忘れない   今井祐希(ゆうき)

花は葉に君はマリアでユダだけど   ノセミコ

(ユダ:イエス・キリストの十二使徒でイエスを裏切ったもの)

葉桜や僕はなんで働けない   パプリカまめ

履歴書は文字の自画像花は葉に   玉木たまね

爆風に揺れる葉桜だったもの   東沖和季(ひがしおきわき)

 

・柴田 庄司の歩み

柴田 子季語にチャレンジ‼

庄司 親と子の関係って、複雑デスヨネ…。

 

 

NHK短歌 テーマ「数字を入れて詠む」

選者:横山未来子 レギュラー:菊池銀河と横田真子 司会:ヒコロヒー

年間テーマ「三十一音、次の扉へ」

 

数字を入れると具体性が加わるので印象的な作品になる

 

歳はテレビ寄席が好き歳にちょいとおまいさんなどと呼びかけ

駒田晶子「光のひび」

数字を入れることでリアリティのある歌になっている

 

八月二十九日のあせりそのままのかたちで雲がふくらんでゐる

荻原裕幸「永遠よりも少し短い日常」

数字によって多くの人が共有して持っている

イメージを取り入れることができる

 

空占めて幾千の実を揚げたし樹下(じゅか)のひとりとねむりのために

横山未来子「樹下のひとりの眠りのために」

樹下:大切な人 幾千はたくさんの数を

イメージさせる象徴的な言葉として使った

それぞれの数字が持っている意味やイメージを意識して使ってみる

そのイメージによって短い言葉の中にも表現できるものが広がる

 

・入選六首 テーマ「数字を入れて詠む」

一席 観覧車ふたりで乗った十五番ちいさくなって月に近づく

村山雅俊

一日を咲いて萎(しお)れて朝顔のようにわが子は夜を眠りたり

小松百合華

電話切る君が生み出す四秒の優しい沈黙耳すませ聴く

坂田萌

産声も白かったろう父生()れし百年前の大寒の夜

渡部美智子

おしゃべりな兄さんにしては短めの八分二秒の最後の通話

笠原明子

アイラインまっすぐ作りこんでゆくただ一本のあなたへの道

玖嶋(くしま)さくら

 

・菊池銀河と横田真子の歌人への道

地球には82億もの人がいるはずなのに孤独になるよ

菊池銀河 添削

地球には82億もの人がいるはずなのに空を見上げる

 

何歳か尋ねてみるとピースサイン年齢不詳の無口な3

横田真子

何歳?とたずねてみればピースサイン作る無口なきみは3

 

・名歌鑑賞 歌人への道

一本の蠟(ろう)燃やしつつ妻も吾も暗き泉を聴くごとくゐる

宮柊二「小珠」

 

・いちご摘み

映画化はしないさせない十二時のお前と肉まん食った十字路

久永草太

の窓に寄りてしばらく聞く雨に月砕かるる音の混じれり

船田愛子(好きな歌人 薮内亮輔)

71回角川短歌賞受賞

雪には雪の時間のありて山茶花の葉に積もりゆきやがてこぼるる

連作「雪の影」より

 

曖昧な感情であったり考えを短歌にすることで

さらに深めて捉えることができる

現実と非現実が混ざり合う瞬間が好きなのでこの歌を詠みました

私は夜は自分自身と向き合うような静かな時間だと感じています

積んだのは「夜」静かな一人の時間

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