夏の(動物)園狸四匹生まれけり
黙ってりゃいい気になって雲の峰
夏の空何度も言うと複数に
何となく引き合う孤独夏木立
暑き夜や満腹なれどもの足らず
■NHK俳句 兼題「香水」
選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣
年間テーマ「もっと俳句のコリをほぐします」
コリの悩み 歳時記ごとに季語が違う
季語はどうやって誕生する?
上記の季語は歳時記に載った理由が違う
俳壇の権威者の勧め(高浜虚子 水原秋桜子 山本健吉など
それぞれの時代に歳時記を編む人たち)
パイナップル ハイビスカス(夏の季語)
名句は広く認知される
万緑(夏の季語)語源は中国の詩
万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男
この句がきっかけでみんなが「万緑」で句を作り始めた
苦があってから歳時記に入る事が多い
歴史的な出来事から生まれる
原爆忌(秋の季語) レノンの忌(冬の季語)
流行・文化から生まれる
ボジョレーヌーボー(冬の季語) ヴィシソワーズ(夏の季語)
季語が消えて行くこともある
①
食べたかず串で数へて焼鳥屋 鷹羽狩行
焼鳥 冬の季語 本来の「焼鳥」は野鳥を山や野原で焼いたもの
生活の変化で季語の意味やイメージが変わった
②
休日は老後に似たり砂糖水 草間時彦
季語は砂糖水 夏の季語
歳時記に載っていても使う時にリスクがある
歳時記に載らなくなってしまう可能性がある
③
逢うときは目をそらさずにマスクとる 仙田洋子
マスク 冬の季語 「マスク」という言葉に冬のイメージはない
季語の「季」が揺らぐこともある
ツボポイント 季語は変質する
・実践
風走る 歳時記には掲載されていない
冷蔵庫 夏の季語 歳時記には入っている
ハロウィン 秋の季語 最近歳時記に入った
ハンカチ 夏の季語 汗拭ひ(夏の季語)
ゲリラ豪雨 歳時記には入っていない
まとめ 季語に絶対はない
・特選六句発表 兼題「香水」(夏の季語)
香水の消えて二人目退職者 小林さおきち
香水の霧にフォーレの音の形 西﨑秋雲(しゅううん)
(フォーレ フランスの作曲家)
香水や検閲されし夢のあと 灰島りんこ
香水や陸に上がりし日の記憶 二階堂慧(さとし)
香水は奪ふよ贅沢は敵だ IquedaQuenshi(いけだけんし)
ガス室のボタン香水つけて押す 真夏乃雪
柴田 庄司の歩み
柴田英嗣 季語を知って時代を知る
庄司浩平 移ろいゆく季語柔軟に捉える
■NHK短歌 テーマ「雷」
選者:横山未来子 レギュラー:横田真子 司会:ヒコロヒー
年間テーマ「三十一音、次の扉へ」
今回のテーマは「表記の工夫」
・三十一音次の扉へ
くたびれたカバンを抱え一本の橋渡る時切なかりけり
田中拓也「直道」
鞄 かばん カバン 表記でそれぞれに印象が変わる
黒板ノ化学式消ス永遠ヲ消スはるかなる秋の教室
小島ゆかり「はるかなる虹」
紙の袋にからだををさめたる猫のおのがぬくもりのなかにやすらふ
横山未来子「午後の蝶」
―*と蜘蛛たれてきて寒がりな振子時計を演じ始めぬ
笹井宏之「八月のフルート奏者」
・入選六首 テーマ「雷(かみなりカミナリ)」
一席 一心に乳を飲む子の足の指時々ひらく雷の夜
すずきなずな
猫舌の君を待つ間に今日もまたラーメン鉢の雷紋数える
遠藤恵子
春雷が亀裂のように走る夜この世がスノードームなら出して
石川真琴
擂(す)り鉢の胡桃の音はごおろごろ山の向こうの雷になる
森岡さや
僕たちはうまくいかない新品の浴衣を雨で濡らして帰る
桃園ユキチ
かみなりを遠くに聞いたあの夏のそばにいたのにもういない犬
カワシマサチヨ
・歌人への道
「雷(かみなりカミナリ)」を入れて詠む!
バリバリとガラス引き裂くカミナリが安らぐまでに固く瞑する
横田真子 添削⇩
バリバリとガラス引き裂くカミナリが安らぐまでに固く目を閉ず
カミナリに撃たれたくなる長い夜超えて私は朝に出掛ける
菊池銀河 添削⇩
カミナリに撃たれたくなる長い夜超えて私は朝へ踏み出す
白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう
斎藤史「魚歌」
・いちご摘み
たましいを祈りを時を託さんとトックリキワタの白が舞い落つ
屋良健一郎
⇩
紫陽花の白へ手出しをしたのちに鏡にどこか色が足りない
早月くら(好きな俳人 笹川諒)
摘んだのは白 紫陽花のミステリアスな魅力です
しなやかなめまいがあって手をついた場所から果樹が広がってゆく
歌壇2024年2月号本阿弥書店より
短歌ですと思い出して自分でまた組み立て直す再生することができる
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