亡き人をまだかまだかと吾亦紅(われもこう)
山道を駆けていく人秋の雨
懸命に生きる人富士の初雪
(広重)秋暮るや余白の空を色付けん
秋陽射し雲ひとつない青空よ
■プレバト纏め 2026年11月5日
秋のサービスエリアで一句
特別永世名人のお手本の締めの一句 梅沢富美男
トラックを降りる秋気の仮眠開け
(スッキリしていた 前半で人物と動作 後半で季語と状況
すべての情報が重複しない 正しい位置に置かれている
素直にこういう句が書ける)
1位 こたけ正義感
起こされて秋風頬に知らぬ土地
(自分の体験を率直に書く 率直に書いたものが詩になっている
ぼんやりと目覚めていって知らないところだと思う
時間経過がとてもリアル この人は本物 楽しきなってきたと夏井先生)
2位 ゆうちゃみ
海老名でぱくり肉巻きにぎり秋日和
添削(海老名と入れたことで距離感サービスエリアがわかる
情報が多い時は上五で処理をする 惜しいのは語順
肉巻きのアップから行ったほうが良い
季語が地名の中に入ってくるので整う インパクトのある語順
海老名:遠い 肉巻き:近い 句またがりを使うと語順の幅が広がる)
肉巻きをぱくり海老名の秋日和
3位 岩田明子
助手席には取材鞄秋夕焼
添削(「には」説明的になる 665足せば17音にはなる
助手席の取材鞄や秋夕焼
助手席の取材鞄と生きて秋
4位 ウエンツ瑛士
母帰宅みやげは小布施栗かの子
添削(栗:秋の季語 「みやげ」とあれば「帰宅」はいらない
栗かの子を季語として立てようとしたのは解る 小布施堂の栗かの子
商品名のように読まれる可能性がある 商品名と読んだ人は「あれ?
きごは?」ってなる そこが弱い 母の旅は毎年恒例
これが俳句のひとつのやり方)
母の秋みやげは小布施の栗かの子
5位 小橋共作
秋深しアイス売り場に客はなし
添削(季語の問題 季語がふたつ 秋とアイス ただの報告
季語を合体させるやり方 他の人はいない俺だけ
季節の違う季語をくっつける
秋深きアイス売り場に一人立つ
・キングオブコント2026 蓮見翔
秋時雨暫定席に椅子八つ
(具体的に映像を切り取る まさにこういうこと
季語が動く:他の季節の季語でも成立する
あの状況で即座にポーンと切り取る 才能アリ)
・清水麻椰チャレンジ
生中継終へし道の駅は良夜 清水麻椰
添削
生中継終へて良夜の道の駅
次週は3時間スペシャル「冬麗戦」 阿見果凛
■100分de名著❝万葉集❞④遊び心が大切!宴会の即興芸の歌
上野誠 伊集院光 阿部みちこ
憶良らは今は罷(まか)らむ子泣くらむそれその母も我(あ)を待つらむぞ
人を楽しませないと自分も楽しめない
自分が楽しまないと人も楽しめない
我が里に大雪降れり大原の古(ふ)りにし里に降らまくは後(のち)
(天武天皇 巻二の一〇三)
我が岡の龗(おかみ)に言ひし降らしめし雪の摧(くだ)けしそこに散りけむ
(藤原夫人ふじわらのふじん 巻二の一〇四)
鶉(うずら)鳴く故(ふ)りにし郷(さと)ゆ思へどもなにそも妹(いも)に逢ふよしもなき
(大伴家持 巻四の七七五)十五歳上の紀女郎に送った歌
言出(こちで)しは誰(た)が言(こと)なるか小山田の苗代水の中淀にして
(紀女郎きのいらつめ 巻四の七七六)
遊び心で思いを伝える 逃げ道作ってやりながら追い詰めている
家にありし櫃(ひつ)に鏁(かぎ)刺し蔵(おさ)めてし恋の奴がつかみかかりて
(穂積親王ほづみのみこ 巻十六の三八一六)
醤酢(ひしおす)に蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて鯛願ふ我にな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)
(長忌寸意吉麻呂ながのいみさおきまろ 巻十六の三八二九)
ひさかたの雨も降らぬか蓮葉(はちすば)に溜まれる水の玉に似たる見む
(右兵衛 巻十六の三八三七)
宴会芸の歌 「兵衛」は警備部門の役所
無心所著(むしんしょじゃく)の歌二首
我妹子(わぎもこ)が額に生(お)ふる双六の牡(いとい)の牛の鞍の上の瘡(そう)
我が背子が犢鼻(とうさき)にする円(つぶれ)石の吉野の山に氷魚(ひお)そ懸れる
安倍朝臣子祖父(あへのあそみ こおほじ) 巻十六の三八三八、三八三九)
意味の通じない歌二首
わが女房殿の、額に生えた、双六盤の、大きな牡牛の、鞍の上にある瘡。
わが夫が、ふんどしにする、丸石の、吉野山に、氷魚がぶらりを下がっている。
試験に出したら「解釈できません」が正解かも知れない
打ち羽振(はふ)き鶏は鳴くともかくばかり降り敷く雪に君いまさめやも
(内蔵伊美吉縄麻呂くらのいみきなわまろ 巻十九の四二三三)
憶良らは今は罷(まか)らむ子泣くらむそれその母も我(あ)を待つらむぞ
(山上憶良 巻三の三三七)
宴の終わり 宴の主人 大伴坂上郎女 宴の客 大伴家持
我が背子が着(け)る衣(きぬ)薄し佐保風はいたくな吹きそ家に至るまで
(大伴坂上郎女 巻六の九七九)
大伴家持が因幡の国に赴任していて お正月に郡司がみんな集まってくる
新(あらた)しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事(よごと)
(大伴家持 巻二十の四五一六)
新しい、年のはじまりの、初春の、
今日降る雪のように…、よいことが重なれよー。
新年の宴会でリップサービスをするのも大切な仕事
「『万葉集』を読む人はみんな
雪が降り積もっていくように良いことが重なれよ」
「日本は歌の国ですよ」というメッセージがあって歌集を締めくくりたい
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