2025年12月6日土曜日

あの人に会いたい 藤村志保

レベル下ぐ好かれなくとも帰り花

小春空素泊まり宿が駅前へ

池田町ニホンカモシカ出現す

茶の花やひっそりとかつ凛と咲く

蒼き空色無き街の雪化粧

 

■あの人に会いたい 藤村志保(俳優)

2025(令和7)年 86歳没

 

仕事ごとに違う人物になるわけですね 

もう何百とおりの人間になったかわからない

やはり俳優としての仕事はとても魅力的だと思います

 

みつばちマーヤなんかやりましてね 地声が大きい

大きな会場でも声がビーンと通るんです

ですから小さいときも学芸会でヒロインになったりしました

 

19歳で日本舞踊の名取に

アメリカ留学を決意

 

私のたった一人の兄が1か月での闘病生活で亡くなってしまった

それで私のアメリカ行きの夢がどうしても行けない状態になりまして

私としては兄を失った悲しみと自分の1つの青春をかけた夢が

壊れたという 何とも気持ちの中でおさまらない 何かに

ぶつけたいっていうことになりまして 

 

1961(昭和36)年 大映京都撮影所演技研究所へ

翌年、市川崑監督作品「破壊」でデビュー

市川雷蔵の恋人役でした

 

15メートルぐらい奥から走ってきて 

カメラ1メートルぐらい前で止まって

見つけて「あ」って言ってから 恥ずかしそうに去るまでの

何秒 何十秒までいきますかね ほんの短い(シーン)ですけれど

リハーサル リハーサルで とうとう監督さんが何十回かの

リハーサルのうち「〇回目がいい」とおっしゃったんです

でも私 自分で全然わかりません そうしましたら雷蔵さんが

「新人の子に〇回目がいいなんて無理だよ 監督さん」って

おっしゃってくださいまして 

 

昭和40

(島崎)藤村の作品でしたのでね 藤村に読ませていただいて

役名の志保をいただいて 藤村志保ってなったんです

 

ちょうどその頃はテレビに出てはいけないと言われていたのね

私たち映画の人は でもNHKの方が一生懸命粘ってくださって

「太閤記」に出られるようになりました

 

映画は1カメでしょ カメラが1台で でもテレビに来たら

こういうふうにスタジオの中に今日も4台あって あっという間に

ワンシーンが撮れてしまう カットを割らない それから

あらゆるジャンルの俳優さんが集まっている 映画は大映でしたら

大映専属(俳優だけ)ですから なかなか共演できない よその方と

ご一緒したり とっても刺激的でした

 

大河ドラマ「太平記」1991年 では小道具への拘りも見せました

小道具の地蔵菩薩 

(清子は)地蔵信仰ということを尊氏に教えて戦乱の時代は

救いがなければいけないんだみたいな 精神的なものを

伝えていく役だったものですから 尊氏が念持仏として持っていた

お地蔵さんが鎌倉の宝戒寺というお寺にあるんです でも 本物を

お借りしてくるわけにはいきません それで私が彫刻家の方に

模刻していただいた原寸と同じに

 

てるてる家族 2003

練習のときは人肌にいちいち練習したら大変です こういうパフね

自分用の鍼管と鍼を置いて常にね 大阪へ行く新幹線の中で

ちょちょちょんちょん 練習しながら新幹線に乗っていたの

 

舞台「北越誌」2006

私の目の角度というか位置ね お人形さんと本当に2人が

話をしているように 見えるかどうかが 一番難しい所ね

 

藤村志保著「脳死をこえて」昭和60

兄の死とか それから自分の病気とかね そういう事が重なって

生きることのありがたさというか 当たり前のことなんですけど

1人でも多くの方にもしものことがあったら お互いに苦しんでいる

人を助け合いましょうっていう 気持ちを皆さんに

持っていただけるように 

 

さらに絵本の読み聞かせにも挑戦、熱心に取り組まれました

 

出会いと言うことが大事なのね 新しい自分 気づかなかった面が

出てくるみたいな楽しさがありますから いつもいつも自分だけの

発想の中で 「私のできるのはこういう役柄」「これはできない」

とか言っていないでね 全く新しい血というか 方たちと

出会うことで 1歩も2歩も前へ進めるとしたら その出会いは

すばらしいし そういうお仕事がしたいな

2025年12月5日金曜日

高い買い物で一句

冬天や道具造りの竹探し

息白し竹の命は短くて

冬陽射し朽ちゆくものへ美を求め

冬の灯や四百年の重みかな

冬の水世界に向けてジャポニズム

 

■プレバト纏め 2025124

高い買い物で一句

梅沢富美男 横尾渉

 

特別永世名人 梅沢富美男 締めの一句 

初買は即決トラック11

(最後にくる驚き 夏井いつき先生の言葉

新年らしい勢いとめでたさ後半の展開に意外性

最後に数詞を持ってきた これが良かった 

大きさ迫力値段がリアルに想像できる 実体験はやはり強い)

 

永世名人 横尾渉 傑作50

風花の三鷹の森やセル画買う

(風花:冬の季語 雲のない晴天にちらつく雪

 あえてジブリと書かない企み 光景を詠んだ句かな?

 詠嘆「や」上の言葉を強調「!」のような効果

セル画というものに映像が切り替わる

三鷹の森のジブリ美術館かも知れない 

風花とセル画の透明感も響き合う)

 

一位 安藤和津

バーキンの爪痕はこのかじけ猫

(かじけ猫:冬の季語 冬の寒さに縮こまっている猫

 映像から猫ちゃんの表所まで詠んでいる

 バーキンという固有名詞が持っている情報量が一句の肝

 指さすような書き方も良い 俳句でどこまでやれるかを解説

ニュアンスが変わる あ!コイツが! 

俳句は助詞12つでドラマを変えることもできる)

バーキン爪痕さてはかじけ猫

 

二位 二階堂高嗣

冬の虹贈る新居や両親に

添削(俳句としては平凡 語順 季語が前へ出てくれる

   詠嘆「や」が強くなる)

両親送る新居や冬の虹

 

三位 ベッキー

寒厨や五口コンロで気満ちたり

添削(寒厨:冬の季語 冬の寒々とした台所・厨房

   数詞が映像になっている 「で」という助詞が散文的

   感想ではなく映像にする 熱 皮膚の感じ 湯気 見えてくるもの

   俳句は感想ではなく映像)

寒厨や五口コンロの熱と湯気

 

四位 おいでやす小田

冬の朝錆びた7鉄出番待つ

添削(凡人は擬人化したらやった気になる 出番待つ

   青空のゴルフ場 晴)

お守りの錆びた7鉄冬の

 

五位 石田健

凍て空や格子の名札まだ匂ふ

添削(言葉の選び方のミス 格子は乱暴 名札ではわからない

   町屋の大きな光景から表札にカットが変わる

   「新しい」を「まだ匂ふ」で表現 型も勉強している

   将来性のある才能ナシ 「化ける有望株見つけた」この句

   あと1回か2回やったら二階堂君はすぐ追い越す)

凍空の町屋表札まだ匂ふ

 

清水麻椰チャレンジ

冬夕焼のパリ不慣れな一眼レフ 

2025年12月4日木曜日

芸能きわみ堂 遊女&夏井いつきのよみ旅!in宮島

イゾラドを詠む

マシコ・ピロ原初を保ち生きる人

守るべき原初を暮らすマシコ・ピロ

イゾラドや弓矢放たん対岸へ

文明に姿現すマシコ・ピロ

集落に近づく熊とイゾラドと

 

■芸能きわみ堂 名作の地を訪ねて 大阪・江口~伝説の遊女ゆかりの地~

舞踏 長唄 時雨西行

西行法師は江口の里で雨にあい一夜の宿を乞う

しかし遊女・妙はその願いを断る

「世の中をいとふまでこそ難からめ

 仮のやどを惜しむ君かな」

「家を出づる人とし聞けば仮の宿に

 心とむなと思ふばかりぞ」

遊女・妙が普賢菩薩へと姿を変える

「今までありし遊女の姿

 たちまちに 普賢菩薩と現じたまい」

 

寂光寺

白洲正子(19101998)著「西行」

ごたごたした町中に入ると「君堂」と記したバス停がある

即ち「江口の君堂」なのであるが凡そそうした名前に

ふさわしくない殺風景な雰囲気である

江口の君堂は今は寂光寺という日蓮宗の寺に変わっていて

さすがにその周辺だけは静かで案内を乞うても答える人もいない

どこもかしこも裏ぶれた感じなのが

却って遊里の旧跡には似合っており

本堂の前に江口の由来を書いた立札が建っている

境内を一巡した後 私は淀川の堤へ上がってみた

堤の上から眺める風景は驚くほど美しかった

美しいという形容には適さないかもしれないが

大阪の市街は夕靄(もや)の中に沈み

東から西へ流れる淀川は悠々と迂回して

末は海へ一つとなって消えて行く

 

遊女の人たちって「流れの君」・「流れの女」と言われていた

川竹の流れの身() 浮き沈みする一種の無常観

 

水無瀬神宮 後鳥羽天皇 わがふるさと 燈心席

 

地唄 江口の君

天下る 紫雲の小袖 糸竹の声も身に染む

雪の照り 三五の月か 常ならで 

二八 十六で 文つけられて 

四五の二十なら いちぶに一度

わしゃ 帯解ぬ 辛気え 花ひとさかり 桜どき 

 

谷崎潤一郎(18861965) 「蘆刈(あしかり)

かのおんなどもが その芸名に仏くさい名前を付けていたのは

(いん)をひさぐことを一種の菩薩業のように

信じたからであるというが おのれを生身(しょうしん)

普賢になぞらえ またあるときは貴い上人にさえ

礼拝されたという女どものすがたをふたたびこの流れの

うえに しばし うたかたの結ばれるが如く 

浮かべることは出来ないであろうか

 

客殿(重要文化財)

豊臣秀吉が寄進し 

福島正則が造営したと伝わる桃山時代末期の建築

神門には石川五右衛門が改心の証につけたという手形が残る

 

能 江口~観世流

江口の君こと妙が2人の遊女をつれて舟で現れる

遊女の罪業を訴え世の無常を感じ執着を捨てようする妙

人をも慕はじ 待つ暮れもなく 別れ路も嵐吹く

花よ紅葉よ月雪のふることも あら由なや 

 

野崎観音 慈眼寺 文楽 歌舞伎 落語の舞台にもなった寺

江口の君堂 八百年前を生きた遊女・妙

 

ゆかりの地がある それを芸能にして舞台で私たちが見る

芸能を見る喜びって歴史の長い長い流れを見ている気がする

 

■夏井いつきのよみ旅!in宮島編 

世界遺産・厳島神社と神秘の絶景を満喫!広島で俳句旅

 

公認ガイド 石角剛

石角さんMEMO

宮島島内の小・中学校で校長をつとめた

 

1/5句目

秋の潮夜風に揺らぐ頼母船(たのもさん)   舩附(ふなつき)洋子

頼母船:旧暦の81日に行われる宮島の祭り 対岸地域の五穀豊穣を祈る

 

2/5句目

新涼や外()つ国人(くにびと)に席譲られ   川近輝子

 

3/5句目

「初弁当どう?」のメールや青蜜柑   かつたろー。

かつたろー。MEMO

弁当作りは今年で11年目 お嬢さん 

(ひなた)さんの句

 

満喫!人力車で宮島巡り

人力車ガイド 高野龍馬

 

初紅葉縁結びゆく神の島   高野龍馬

龍馬さんMEMO

野球プロの夢ケガで断念

 

龍馬駆()く秋の時雨をひた駆()くる   夏井いつき

 

4/5句目

空澄みて涙にとけて深い海   横田益子

 

地球の中心って宮島だった 横田益子

 

5/5句目

秋の虹老残(ろうざん)ひとり厳島   川﨑淳一

長女・山本詩野

川﨑さんMEMO

29歳の時妻と出会い結婚 妻・淳与(あつよ)

80代の今が最高といえる 淳与さんの著書のコピー

奥さまの余命を聞かされた時には、

厭世的(えんせいてき)になったご主人

コロナの時だったので奥さまが亡くなられるまで会えなかった

でも、手紙のやり取りはありました

キミがチェロを愛した理由を聞きたいな

映画のあらすじ、覚えているかい?

愛する人と逢える日が、待ち遠しい!

楽しい思い出は病室に飾られていました

「本当に素敵な女性でしたよ」

骨密度120%だとか…。

これでは死ねませんよねと淳一さん

 

おまけ

秋暑し遮光フィルムの児童館   和泉園実

天狼や君の働くコロンビア   坂野ひでこ

母校いま万葉歌碑と木々さやか   たかみたかみ 

2025年12月3日水曜日

あの本、読みました?太宰治

イゾラドを詠む

アマゾンの今を奥地で生息す

イゾラドや最後の森を生きる人

文明と旧い言葉で意思疎通

国境の森(ブラジル・ペルー)隔絶された人々よ

イゾラドや野蛮な人と揶揄されて

 

■あの本、読みました?「人間失格」「走れメロス」昭和の文豪・太宰治が愛される理由

亀田誠治 綿矢りさ 菊池良 鈴木保奈美 角谷曉子 林祐輔P

 

恥の多い生涯を送って来ました。

自分には、人間の生活というものが、

見当つかないのです。

「人間失格」の一文 太宰治著/新潮文庫

 

今年は昭和百年

三島由紀夫 志賀直哉 川端康成 石原慎太郎

 

昭和の文豪 太宰治特集

芥川賞作家 綿矢りさは

「それはスゴうみたいなファンなんでベタ褒めみたいな論文」

太宰の文体にハマり小説を書くきっかけに

文体というのもすごく身近な感じで書いてくれたので

これなら自分も気張らずに書いても

小説というものが出来上がるんだなと思って

書くようになりました

 

音楽プロデューサー亀田誠治も太宰治にハマったひとり

とにかく僕はもう沼にハマっている

(太宰の)全部が愛おしくてしょうがない

ヒット曲誕生の裏には太宰文学が!

アゲインストが吹いてきてもちゃんと届けていくんだという

情熱と優しさが入っている小説

 

ヒット作「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」

著者菊池良は太宰の文体の特徴を明かす

読み手を意識して語りかける(文体)というのが

太宰の一番の特徴だと思います

 

(太宰)本人の文章を読むよりも分かりやすく

個性が出てるから面白いなって思います

 

太宰治にハマった人々が語る 深き太宰沼の世界

 

桜桃忌(619)太宰が入水自殺を図り遺体が発見された日

死の年に発表した短編「桜桃」より命名

 

「すべてはここから…私の初読本」

「人間失格」二人とも

・綿矢りさ 中学生で読んだ 高校生で再読して太宰治にハマった

 

太宰の文体を見て小説を書き始めた 

 

「人間失格」の一文 太宰治著/新潮文庫

そこで考え出したのは、道化でした。

それは、自分の、人間に対する最後の求愛でした。

自分は、人間を極度に恐れていながら、それでいて、

人間を、どうしても思い切れなかったらしいのです。

 

太宰作品によく出る「道化」の意味とは

 

・亀田誠治 姉に勧められた「人間失格」

主人公は「自分そのもの」 人生の黒未来を予測 

 

「人間失格」の一文 太宰治著/新潮文庫

その生徒(姓はいま記憶していませんが、名は竹一といったかと覚えています)

その竹一は、れいに依って見学、自分たちは鉄棒の練習をさせられていました。

自分は、わざと出来るだけ厳粛な顔をして、鉄棒めがけて、えいっと叫んで

飛び、そのまま幅飛びのように前方へ飛んでしまって、砂地にドスンと

尻餅をつきました。すべて、計画的な失敗でした。果たして皆の大笑いになり、

自分の苦笑しながら起き上がってズボンの砂を払っていると、いつそこへ

来ていたのか、竹一が自分の背中をつつき、低い声でこう囁きました。

「ワザ。ワザ」自分は震撼しました。ワザと失敗したという事を、

人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。

自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上がるのを

眼前に見るような心地がして、わあっ!と叫んで発狂しそうな

気配を必死の力で押さえました。

 

アーティストとの関係にも影響

 

「仮面の告白」解説:中村文則の一文 三島由紀夫著/新潮文庫

あと敢えて言えば、「仮面の告白」の前年に発表された、三島が

否定したはずの太宰治、その「人間失格」の気配もまとっているように思う。

 

ケンカするほど仲が悪かった太宰治と三島由紀夫だが…

似たもの同士だからこそ一緒にされたらいやな二人

 

2人のアーティストから同時期に似たような作品が

 

「卒業論文のテーマは太宰でした…」綿矢りさ

ドイツの詩人・シラーの詩を基にした「走れメロス」

フリードリヒ・フォン・シラーの詩「人質」

https://schubertiade.jp/houshi/buergschaft.htm

人を共感させる太宰のテクニックに感動

 

亀田誠治 自分が「走れメロス」になってしまう

鈴木保奈美 「走れメロス」は音読がおもしろい

 

「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」

著者 菊池良

もし太宰治が「カップ焼きそば」の作り方を書いたら

 

「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」の一文

神田桂一 菊池良著/宝島社文庫

焼きそば失格【第二の手記】

私は賭けに出て、最後の戸棚を開きました。

カップ焼きそばがありました。

カップ焼きそばはまずお湯を入れなければいけません。

私に立ちはだかったこの厳然たる事実は、

私を湯の沸騰へと向かわせました。

点線までを開け、かやくを振りかけて、お湯をかける。

そうれ、俺ならできる。自分で自分を鼓舞しながら、

私はお湯を注ぎ込みました。

私に湯切りをする資格があるでしょうか。

きっとあるのです。あるはずなのです。「許してくれ」

そう呟きながら、私はお湯を捨てました。

 

「斜陽」太宰治著/岩波文庫

戦後の混乱期に没落していく貴族階級の一家を描き

爆発的ブームを巻き起こした長編小説 綿矢りさが似ていると…

 

菊地良は文体の特徴は「読み手に語りかける」ところだと…

 

「これを知ったらきっと沼る!私と太宰」

「太宰の落書き」綿矢りさ

「佐藤春夫への手紙」亀田誠治

佐藤春夫 明治25年生まれ「洵情詩集」「田園の憂鬱」「晶子曼陀羅」

など 数多くの作品を世に送り出し一世を風靡した詩人・小説家

太宰の送った手紙は長さ4.1m

太宰治書簡佐藤春夫宛1936128日(封筒欠 毛筆 巻紙[18.8cm×404.0cm])

https://yokoimoppo.hatenadiary.com/entry/20151220/1450599078

 

手紙を書くのが巧い

 

川端康成に怒って書いた手紙

https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1607_13766.html

 

「人生の一冊!マイベスト太宰」

「ろまん燈籠」亀田誠治

戦争の厳しい検閲にも負けずに書いた小説

「ヴィヨンの妻」綿矢りさ

凛々しく、たくましい妻の姿が心に刺さる

 

「ここがスゴイ!心が震える一文」

 

亀田誠治

「正義と微笑」の一文 太宰治著/ゴマブックス 

学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。

けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に

一つかみの砂金が残っているものだ。

亀田誠治の向上心の原点

 

綿矢りさ 笑える箇所の多い小説

「畜犬談―伊馬鵜平君に与えるー」の一文 太宰治著/ゴマブックス

こちらが何もせぬのに、突然わんといって噛みつくとはなんという無礼、

狂暴の仕草であろう。いかに畜生といえども許しがたい。

畜生ふびんのゆえをもって、人はこれを甘やかしているから

いけないのだ。容赦なく酷刑に処すべきである。

 

他の文豪と太宰の違いは… 綿矢りさ

 

リアルな描写なのにグロテスクじゃない文章 亀田誠治

愛おしくてしょうがない 亀田誠治

息継ぎみたいな文章 綿矢りさ

品格を感じる 明るい太宰と暗い太宰がいつも喧嘩している 綿矢りさ

2025年12月2日火曜日

小林カツ代&太田南畝&「亥の子」&「晩三吉」&おしゃべり俳句

ワオキツネザルを詠む

冬を生くアリコとローラ寄り添いて

忘れない授乳時の恩冬陽ざし

冬の道追い出されても二人して

探します落ち葉に隠るタマリンド

冬空や鳶から守る子の命

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「亥の子」

 

十二支の亥の子供と書いてはいるんですが

これは亥の子供であるウリ坊を意味する言葉ではないのです

この「亥の子」というのは冬の行事になってくるんです

無病息災や多産などを祈る行事として

主に西日本を中心に見られる風習です

昔は宮中や武家から端を発しているらしいのですが

西日本の農村ではこの「亥の子」の亥の子歌というのを

歌いながら各家々を回って石や藁などを使って

その家の庭先で歌を歌いながら地面を突いたりするのです

それによってお祈りといいますか お祈りをするという行事です

私も愛媛県で育ったもので子供の頃から沢山

この「亥の子」はやりました

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「晩三吉(おくさんきち)

 

この「晩三吉」というのは何ものかというと

冬になる梨の品種の名前になります

季語の傍題としましては「冬の梨」という傍題も

歳時記には記載されています じゃあ何故その冬の梨が

こんな名前になっているのかというと

この晩という字は遅くなって実るもの これを晩生(おくて)

といったりするんですが その晩(おく)の字からきて

「晩三吉」になっています もともと早くなる

品種のことを早生(わせ)といったりするのですが

その早生三吉という別の品種がありまして

そこから派生して生まれてきたのが後になってから生()

「晩三吉」という梨だそうです なかなか大きく育つ

梨のようで汁も多くて美味しいらしいです

 

■夏井いつき俳句チャンネル

【第15回おしゃべり俳句】優秀句発表です!【後編】

 

スプーンの涙を拭いて黒豆を   りん4

秋風や明るい色は幼いの   隈埃9

ちいさいころすみれだったの春の径   かりん4

 

■知恵泉 小林カツ代

中学高校で犯罪を犯した子供たちの学校へボランティアで

料理を教えに行った 何がいいか❓おむすびにした

彼氏ができたら彼に作ってあげるとか 彼ができなければ

誰か友達に作るとか いつでもあなたたちは優しくなれる

誰かにおむすび作ればって話をしたら その時には

全員が優しくなるんです 何がうれしかったっていうと

「おむすびおいしかった でも…」「先生の話が一番心に響いた」って

 

この番組が放送されて4か月後、カツ代はくも膜下出血で倒れます。

そして 8年半に渡る闘病後 惜しまれながらこの世を去りました

病床にあっても最後まで料理の力を信じ続けた76年の生涯でした

 

平成26(2014)小林カツ代 死去(76)

 

料理は人に与える力もあるし 自分が生きるエネルギーも持てる

原点がある と感じた 本田明子

 

料理することの意味 自分が生きているんだというような実感

お料理することは自分を大切にすること 

おじいちゃんたち 開眼していますよね 土井善晴

 

やさしいい肉じゃが 本田明子さんレシピ

ポイント1 水分の多いメークインを使う

ポイント2 玉ねぎを増やし飲み込みやすくする

ポイント3 甘みを強くする

 

昔あった美味しい料理も伝えながら今に合った料理も伝える 

本田明子

 

■べらぼう より

五月雨の日も竹橋の反古(ほご)のしらべふけふもふるちやうあすもふるちやう

五月雨の日もたけ橋の反古(ほご)調べ 今日もふる帳あすもふる帳

「杏花園」は太田南畝の別号

大田南畝の辞世の句

今までは人のことだと思うたに 俺が死ぬとはこいつはたまらん

生きすぎて 七十五年食ひつぶし 限り知られぬ天地の恩

(生前(文化4)に、75歳まで生きられたことへの感謝と、

これまでの人生への感慨を込めて詠んだ歌)

2025年12月1日月曜日

俳句✖SDGs&真鍋淑郎&Paul Gauguin

黒炭で描くベニヤ板冬の海

葉桜になってしまった海馬かな

冬の陽よ日々老いが迫り来る

冬の蝿忘るることの多かりき

冬の蚊や憎まれながら今日も生く

 

■夏井先生の出張授業!俳句×SDGsの未来教室 第2

紅葉で詠んだ俳句

750ccのアクセル戻し紅葉踏む   千原ジュニア

SDGsからみると

温暖化の影響で紅葉する前に葉が枯れてしまう

 

NOMI RESTAURANT 

長男 遊士丸(24) 次男 陽之進(22) 三男 凛志郎(19)

NOMI gibier

https://nomigibier.com/restaurant/

所在地: 〒620-1313 京都府福知山市三和町下川合710

電話番号: 0773-59-2255

おまかせコース29,700 (税込) /

 

食の拘り

舌にシルクめく人参の断面   三宅香帆

引き切りの鱧はふぁさっと解けゆく   玉巻映美

山菜を食うて赤身の濃き猪ぞ   三宅香帆

細胞を潰さず胡瓜切る薄刃   玉巻映美

 

NOMI RESTAURANT メニューの名前

A cucumber that doesnt realixe its being cut

切られたことに気づいていないきゅうり

 

きゅうりとか植物は外から刺激を受けたとき

「やめてほしい」と物質を出したり香りを出して身を守っている

きゅうりの匂いは細胞が傷つくことで発生する

調理人はできるだけ潰さないよう刃付けをして青臭さが出ない

 

新米で詠んだ俳句

新米の艶は光を芯として   三月兎(視覚)

新米や鼻に抜けたる陽の匂ひ   岸来夢(嗅覚)

新米のみづ吸う音よ夜明け前   髙田ちぐさ(音の感覚)

 

温暖化で米が危機!

今世紀には稲穂が35%減少し品質も低下(農研機構のシミュレーション)

白未熟粒

高温や日照不足などの影響で澱粉が十分に蓄積されずに白く濁った米粒のこと

NOMI RESTAURANT お米を1粒ずつ選定して提供している

米として実らない不稔

コシヒカリは暑さに弱い 

品種改良で生まれてきたとき日本の夏は今より3°C涼しかった

コシヒカリは日本の気候に適していないと言わざるを得ないかもしれない

温暖化は品質の低下 供給量・等級に影響を与えている

米の問題は価格と収量の2つがあるのだが 消費者立場で考えると

報道も含めて米の価格に集中してしまう 

周りの議論がなされないといけない

どうしていつまでもコシヒカリを植え付けているのか?コシヒカリ信仰があった。

消費者生産者はある種の試行停止に陥ってしまった側面もある

 

気候変動への対応 身近な食を通した話し合い

 

麻婆豆腐には雪若丸

カレーにはきぬむすめ

豚汁には さがびより

 

企業の取り組み

フードロス削減 カーボンニュートラル 国産食材 

再生可能エネルギー プラスチック削減 共感できる店選び

 

バナナにもSDGsの視点が

バナナ配るベスト4への円陣へ   坂野ひでこ

飛車を取りゆるゆると剥くバナナかな   無弦奏

哺乳びん煮沸する間のバナナかな   げばげば

 

日本が抱える環境問題

日本人が食べているバナナは99.9%が輸入

年間100万tを輸入 地産地消は大事

主な産地 アボカドはメキシコ サーモンはノルウェー 梅おにぎりは日本

課題 国産食材を意識して注文

 

NOMI RESTAURANTは海産物以外は半径50㎞以内の食材を使用

 

■木村多江のいまさらですが

地球温暖化 私たちにできることは

真鍋淑郎氏

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9E%E9%8D%8B%E6%B7%91%E9%83%8E

1931年に愛媛県生まれ、東京大学で理学博士号を取得後、

アメリカ合衆国国立気象局に勤務。

1960年代からコンピューターを用いた気候モデル開発に取り組み、

二酸化炭素の増加と地球温暖化の関連性をいち早く予測したことで、

現代気候研究の基礎を築く。

その功績が評価され、2021年ノーベル物理学賞を受賞。

アメリカ国籍を取得した理由は、

「日本の人々は、いつも他人を気にしている」

「私はまわりと協調して生きることができない。

 それが日本に帰りたくない理由の一つです」

 

Paul Gauguin

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」1897