2025年12月2日火曜日

小林カツ代&太田南畝&「亥の子」&「晩三吉」&おしゃべり俳句

ワオキツネザルを詠む

冬を生くアリコとローラ寄り添いて

忘れない授乳時の恩冬陽ざし

冬の道追い出されても二人して

探します落ち葉に隠るタマリンド

冬空や鳶から守る子の命

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「亥の子」

 

十二支の亥の子供と書いてはいるんですが

これは亥の子供であるウリ坊を意味する言葉ではないのです

この「亥の子」というのは冬の行事になってくるんです

無病息災や多産などを祈る行事として

主に西日本を中心に見られる風習です

昔は宮中や武家から端を発しているらしいのですが

西日本の農村ではこの「亥の子」の亥の子歌というのを

歌いながら各家々を回って石や藁などを使って

その家の庭先で歌を歌いながら地面を突いたりするのです

それによってお祈りといいますか お祈りをするという行事です

私も愛媛県で育ったもので子供の頃から沢山

この「亥の子」はやりました

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「晩三吉(おくさんきち)

 

この「晩三吉」というのは何ものかというと

冬になる梨の品種の名前になります

季語の傍題としましては「冬の梨」という傍題も

歳時記には記載されています じゃあ何故その冬の梨が

こんな名前になっているのかというと

この晩という字は遅くなって実るもの これを晩生(おくて)

といったりするんですが その晩(おく)の字からきて

「晩三吉」になっています もともと早くなる

品種のことを早生(わせ)といったりするのですが

その早生三吉という別の品種がありまして

そこから派生して生まれてきたのが後になってから生()

「晩三吉」という梨だそうです なかなか大きく育つ

梨のようで汁も多くて美味しいらしいです

 

■夏井いつき俳句チャンネル

【第15回おしゃべり俳句】優秀句発表です!【後編】

 

スプーンの涙を拭いて黒豆を   りん4

秋風や明るい色は幼いの   隈埃9

ちいさいころすみれだったの春の径   かりん4

 

■知恵泉 小林カツ代

中学高校で犯罪を犯した子供たちの学校へボランティアで

料理を教えに行った 何がいいか❓おむすびにした

彼氏ができたら彼に作ってあげるとか 彼ができなければ

誰か友達に作るとか いつでもあなたたちは優しくなれる

誰かにおむすび作ればって話をしたら その時には

全員が優しくなるんです 何がうれしかったっていうと

「おむすびおいしかった でも…」「先生の話が一番心に響いた」って

 

この番組が放送されて4か月後、カツ代はくも膜下出血で倒れます。

そして 8年半に渡る闘病後 惜しまれながらこの世を去りました

病床にあっても最後まで料理の力を信じ続けた76年の生涯でした

 

平成26(2014)小林カツ代 死去(76)

 

料理は人に与える力もあるし 自分が生きるエネルギーも持てる

原点がある と感じた 本田明子

 

料理することの意味 自分が生きているんだというような実感

お料理することは自分を大切にすること 

おじいちゃんたち 開眼していますよね 土井善晴

 

やさしいい肉じゃが 本田明子さんレシピ

ポイント1 水分の多いメークインを使う

ポイント2 玉ねぎを増やし飲み込みやすくする

ポイント3 甘みを強くする

 

昔あった美味しい料理も伝えながら今に合った料理も伝える 

本田明子

 

■べらぼう より

五月雨の日も竹橋の反古(ほご)のしらべふけふもふるちやうあすもふるちやう

五月雨の日もたけ橋の反古(ほご)調べ 今日もふる帳あすもふる帳

「杏花園」は太田南畝の別号

大田南畝の辞世の句

今までは人のことだと思うたに 俺が死ぬとはこいつはたまらん

生きすぎて 七十五年食ひつぶし 限り知られぬ天地の恩

(生前(文化4)に、75歳まで生きられたことへの感謝と、

これまでの人生への感慨を込めて詠んだ歌)

2025年12月1日月曜日

俳句✖SDGs&真鍋淑郎&Paul Gauguin

黒炭で描くベニヤ板冬の海

葉桜になってしまった海馬かな

冬の陽よ日々老いが迫り来る

冬の蝿忘るることの多かりき

冬の蚊や憎まれながら今日も生く

 

■夏井先生の出張授業!俳句×SDGsの未来教室 第2

紅葉で詠んだ俳句

750ccのアクセル戻し紅葉踏む   千原ジュニア

SDGsからみると

温暖化の影響で紅葉する前に葉が枯れてしまう

 

NOMI RESTAURANT 

長男 遊士丸(24) 次男 陽之進(22) 三男 凛志郎(19)

NOMI gibier

https://nomigibier.com/restaurant/

所在地: 〒620-1313 京都府福知山市三和町下川合710

電話番号: 0773-59-2255

おまかせコース29,700 (税込) /

 

食の拘り

舌にシルクめく人参の断面   三宅香帆

引き切りの鱧はふぁさっと解けゆく   玉巻映美

山菜を食うて赤身の濃き猪ぞ   三宅香帆

細胞を潰さず胡瓜切る薄刃   玉巻映美

 

NOMI RESTAURANT メニューの名前

A cucumber that doesnt realixe its being cut

切られたことに気づいていないきゅうり

 

きゅうりとか植物は外から刺激を受けたとき

「やめてほしい」と物質を出したり香りを出して身を守っている

きゅうりの匂いは細胞が傷つくことで発生する

調理人はできるだけ潰さないよう刃付けをして青臭さが出ない

 

新米で詠んだ俳句

新米の艶は光を芯として   三月兎(視覚)

新米や鼻に抜けたる陽の匂ひ   岸来夢(嗅覚)

新米のみづ吸う音よ夜明け前   髙田ちぐさ(音の感覚)

 

温暖化で米が危機!

今世紀には稲穂が35%減少し品質も低下(農研機構のシミュレーション)

白未熟粒

高温や日照不足などの影響で澱粉が十分に蓄積されずに白く濁った米粒のこと

NOMI RESTAURANT お米を1粒ずつ選定して提供している

米として実らない不稔

コシヒカリは暑さに弱い 

品種改良で生まれてきたとき日本の夏は今より3°C涼しかった

コシヒカリは日本の気候に適していないと言わざるを得ないかもしれない

温暖化は品質の低下 供給量・等級に影響を与えている

米の問題は価格と収量の2つがあるのだが 消費者立場で考えると

報道も含めて米の価格に集中してしまう 

周りの議論がなされないといけない

どうしていつまでもコシヒカリを植え付けているのか?コシヒカリ信仰があった。

消費者生産者はある種の試行停止に陥ってしまった側面もある

 

気候変動への対応 身近な食を通した話し合い

 

麻婆豆腐には雪若丸

カレーにはきぬむすめ

豚汁には さがびより

 

企業の取り組み

フードロス削減 カーボンニュートラル 国産食材 

再生可能エネルギー プラスチック削減 共感できる店選び

 

バナナにもSDGsの視点が

バナナ配るベスト4への円陣へ   坂野ひでこ

飛車を取りゆるゆると剥くバナナかな   無弦奏

哺乳びん煮沸する間のバナナかな   げばげば

 

日本が抱える環境問題

日本人が食べているバナナは99.9%が輸入

年間100万tを輸入 地産地消は大事

主な産地 アボカドはメキシコ サーモンはノルウェー 梅おにぎりは日本

課題 国産食材を意識して注文

 

NOMI RESTAURANTは海産物以外は半径50㎞以内の食材を使用

 

■木村多江のいまさらですが

地球温暖化 私たちにできることは

真鍋淑郎氏

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9E%E9%8D%8B%E6%B7%91%E9%83%8E

1931年に愛媛県生まれ、東京大学で理学博士号を取得後、

アメリカ合衆国国立気象局に勤務。

1960年代からコンピューターを用いた気候モデル開発に取り組み、

二酸化炭素の増加と地球温暖化の関連性をいち早く予測したことで、

現代気候研究の基礎を築く。

その功績が評価され、2021年ノーベル物理学賞を受賞。

アメリカ国籍を取得した理由は、

「日本の人々は、いつも他人を気にしている」

「私はまわりと協調して生きることができない。

 それが日本に帰りたくない理由の一つです」

 

Paul Gauguin

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」1897

2025年11月30日日曜日

茶の湯の求道者・京都「千家十職」

(つぐみ)食むナワシログミやアキグミや

(アクロス)福岡の中心街を眠る山

オオタカ来えさ場とならんアクロスよ

キジバトの羽の飛び散るアクロスよ

那珂川とアクロス山の冬支度

満月の夜に泡吹くカブトガニ

 

■茶の湯の求道者・京都「千家十職」密着記録・世界に響く❝神髄❞

ベルギー ス・グラーヴェンヴェーゼル城(11世紀築)

アクセル・ヴェルヴォールト(美術商)

私が大好きな十五代樂吉座衛門の茶碗です

樂の茶碗は千利休の精神を体現したものです

つつましいものですが 心の豊かさを感じるのです

 

私は茶の湯が大好きです

そこには尊敬すべき何かがあります

古びた様子を見ると心が落ち着きます

 

サミュエル・モース アマースト大学教授

ハイテク化が進む現代において

手作りの茶道具は整った美しさではありません

❝不完全な美❞を大切にします

それは今の西洋の人々にとても魅力的に映っています

 

千家十職[職家]

 

十六代 大西清右衛門(せいうえもん) 釜師

十三代 土田半四郎 袋師

十八代 永樂善五郎 土風炉・焼物師

十三代 中村宗哲 塗師(ぬし)

表千家 十五代家元 千宗左

 

千宗左

根幹にあるのは職家さんのお道具 利休さんのお茶を受け継いできた

周囲の人々の尽力があって 今の表千家のお茶の姿がある

 

樂家 十六代 樂吉左衛門 茶碗師

樂直入(じきにゅう) 十五代 樂吉左衛門

手始め式

長男 燈馬(1) 長女 ましろ(6)

 

手びねり❞で僕らは作っている 茶碗って人が出やすい

自分自身の向き合い方が弱いと茶碗にもそれが出てくるので

すぎばれてしまう 釜場に入った時の写真が残っていて

釜場の雰囲気を小さいながらに感じたのか 

おしっこをたらしてしまって 

 

万代屋黒 初代長次郎作

樂直入(十五代 樂吉左衛門)

長次郎の茶碗はね利休さんの茶碗だね 真っ黒 どうして真っ黒なんだ

色ばっかりじゃないですよ ❝装飾❞も捨てましょう

❝表現❞も捨てましょう 価値観そうしたものを全部捨てていく

じゃあ捨てて捨てて捨てて捨てて 極限まで捨てていったい

何が残るんですか? というのが長次郎茶碗が

我々に問いかけていること 根本ですよ

 

青山 三代 道入作

亀毛 五代 宗入作

古稀七十之内 九代 了入作

焼貫茶碗 十五代 直入作

 

形じゃない 中のもの 中に入っている精神 考え方というのか

そうしたものが重要 自分がどのように制作していくか

どう自分が生きようとしているのか ということが問題だね

 

今焼 十六代 樂吉座衛門作

 

竹細工・柄杓師 十四代 黒田正玄

自然の光の影が大事なので曇っていても明かりはつけない

 

竹をあえて利休は選んだ 竹入

竹一重切花入 十四代 黒田正玄作

朽ちていくものに美を見出す 黒田家はその技を研ぎ澄ましていた

一瞬だけ使われるものではないのでこういう形で油を抜いて

材料にすると昔から伝わっている

 

帰雁 初代 黒田正玄作

 

千利休の月命日 大徳寺 聚光院(じゅこういん)

表千家 十五代家元 千宗左

表千家、裏千家、武者小路千家は今も祈りをささげる

 

塗師 十三代 中村宗哲

玉ノ絵平棗 十三代 中村宗哲作

これは家が一番大事にしているもの 切り型

甲の角度はここでぴったり ここが胴のカーブ この刻みで盆月の幅

幅と高さがわかるようになっている これが立ち上がりの高さと角度

 

利休形中棗 初代 中村宗哲作

 

ポルトガル アジュダ図書館

これは「日本教会史」の写本で

ジョアン・ロドリゲス神父が書くいたものです

日本の茶の湯について初めて細かく記された本です

 

取るに足らない陶土でできているにもかかわらず

123万クルザード さらにそれ以上の価格の達するものもある

1万クルザード=金36kg

ほかの民族がこのことを聞けば狂気で野蛮なことと思うであろう

日本人はあらゆる人工的なもの華麗なもの見せかけ偽善装飾を

大いに嫌う 彼らの言葉で「軽薄」という

万事にわたって節度を保ち 自己の技量や力量を誇示することなく

有り余るよりもむしろ足りないほうを望む

 

フランス パリ 

茶の道具は400年の時を経て今、響き始めている

ネシム・コーエン(34) マーストリヒト大学客員講師

ソフィー・ユバッツ パン職人

 

人々はきれいなものを求め 年老いて汚れることから目を背けています

時代を超えて残った道具は落ち着きを与えてくれます

「大丈夫だ そのままでいい」と死をも受け入れさせる美学です

 

アメリカ シカゴ

シアスター・ゲイツ 現代アーティスト

私は日本の茶道具から本当に多くの影響を受けています

茶杓を見ると思うのです この一本を一つの家が

300年かけて磨き上げてきたのだと 私にとって茶道具は

そこに宿る知恵の深さ 職人技の深さ 哲学の深さ そして

ひとつの道を貫く覚悟の象徴だと思うのです その姿勢は

私が常に心の中で大切にしている信念でもあります

 

ベルギー

アクセル・ヴェルヴォールト(78) 美術商

侘び つまり❝不完全な美しさ❞です 素材や自然など

非常に簡素なものへの愛です それらに神聖ともいえる

新たな価値を与えることです 

あの木々の向こうにあるのが私の小屋です

利休の茶室に大きな影響を受けました この土地の土や

木材を使っています 瞑想や考え事をするのにとても良い場所です

目で見えるものより心で感じるもののほうがずっと多い

それはとても大切で美しいものだと思います

私たちは自然から離れ過剰に整った世界に到達してしまった

全てをコントロールしたいという人たちがいますよね

しかし 侘びの精神は正反対です それが私にとって

本当に豊かさかも知れません

 

祇園

変化する時代との戦い

 

土風炉・焼物師 十八代 永樂善五郎

金襴手葵御紋茶碗 十一代善五郎 保全作

乾山写松ニ雪ノ絵茶碗 十六代善五郎 即全作

標釉松画茶碗 十八代善五郎作

 

うちの家は華やかな世界なのでまったく子どもの時から

見たことがない世界だった 真っ黒な世界というのが

 

土風炉 三代 善五郎 宗善作

 

土風炉では生活が難しくなっていた その当時の幕末に京焼で

華やかな焼き物がはやりだして 次代の後押しで華やかなものを

作りだす 

 

土風炉の技法を再興するために テストを繰り返している

窯の技法であったり どういう焼き方をしたら

どういう色になったとか 温度によってどれくらいの変化が

出たなど まだ分かったていないことのほうが多いので

 

燻し(いぶし)

 

なぜ そこまで土風炉と向き合う?

復興したからといって 何かいいことがあるわけじゃない

理由なんて必要ない「なんで生きてるんですか?」

「生きたいから」と答えるのと一緒で理由なんていらない

そもそも 理屈を考えるとかじゃない もしかしたら

できたら理由がわかるかもしれない 

 

一閑張(いっかんばり)

こちらが十一代一閑作の張抜きの茶箱になります

 

十一代飛来一閑作 張抜き

貧乏だったので漆もたくさん買えないし 和紙を貼って漆を

1回だけ塗るというやり方で 生活の道具を作っていたと

伝わっている

 

大徳寺 高桐院

初代 飛来一閑の墓

 

夫 聡 長男 一誠(30)

松葉張込張抜四方銘々盆 十六代 飛来一閑作

試行錯誤を重ねた15年が実った

ひとつの部屋にきれいなキンキラ光ったものばかりあっても

目がキラキラするだけですし 貧乏だったところから生まれた

さびれた ぼやっとした感じが一番いい

 

土風炉・焼物師 十八代 永樂善五郎

茶色から黒に変化するような色を狙って作っている

土風炉を再興しようとした時にいろんな技法を

トライアンドエラーをしながら新しい技法を身につけながら

やっているので そういう意味では明らかに自分のものづくりの

幅が広がっている それはすごく大きい変化 ものづくりをする

人間の大事なところでもある 踏み出したことは大きい事では

あるけれど 完成できてないからね 

「完成はどのくらいを目指している?」

生きている間

 

仕覆(しふく) 十三代 土田半四郎作

袋師 十三代 土田半四郎作

長男 瑛大(あきひろ 29)

 

常に新しい使えそうなものは探さないといけない

 

滝もソフト上の定規ですっと線を引いてしまったので

きれいすぎる デジタルの均一化された整理され過ぎたというか

手癖を排除しすぎないことが土田家の仕事として

アイデンティティーがあるのかな 

 

表具師 十三代 奥村吉兵衛

掛け軸も100年とか200年単位の消耗品 

いずれはやり替えないといけない

次の人がやりやすいように ずっと受け継いでいく仕事

甥 吉良貞哉(さだちか 16)

 

表千家 十五代家元 千宗左

大量生産 大量消費の中で お茶はそれとは対極的な世界

お茶の道具は一世代だけではなく代々受け継がれていく

物質的な豊かさの対極にある❝心の豊かさ❞を追い求める時代

 

サミュエル・モース アマースト大学教授

利休はあらゆるものの中に価値を見つけられると示しています

この教えは道具の中にとどまりません 

一人ひとりがおかれる環境の中で自分なりの価値を

見出すことにつながるのです

 

シアスター・ゲイツ 現代アーティスト

私たちが作るものは完璧にはなりえません

しかしその❝不完全さ❞の中にこそより自然な美しさが宿っています

2025年11月29日土曜日

よみ旅!in広島&高野ムツオ&松原波月&ユトリロ&アートシーン

(杉本幸基投手)冬の球(たま)日本駄目なら韓国へ

冬浅し出来ないことが日々増えん

紅葉散る寝ることさえも一人では

武相荘小さき嫁菜の競い合い

純白の侘助凛と武相荘

 

■夏井いつきのよみ旅!in広島

広島編 お好み焼きにも人生あり!広島で俳句旅

 

被爆から80年 平和公園 被爆建物レストハウスが今回の俳句会場

 

1/5句目

ヒロシマを語る八歳原爆忌   八幡照子

今も亡くなった人へ「ご免ね」と思っている

俳句ひとくちMEMO 

原爆忌は広島・長崎を中心に犠牲者を追悼し平和を祈る日のこと

 

2/5句目

朝顔や長男婿に行くと言ふ   ⑦パパ

長男は12代続く医者の家系に名前を変えた

 

3/5句目

聞かずとも駅まで送らる雪の宵   紬

俳句を始めるきっかけが彼との失恋だった

東京大学大学院中退で母親との間にわだかまりができ、

いまだに会っていないとか…。

 

広島のソウルフード お好み焼き店へ

秋田七海さん

松本重訓さん お好み焼き研修センター長

 

秋の香と熱々焼ける母の顔   松本重訓

金木犀四十年の志   夏井いつき

 

4/5句目

講師より上手き語り部秋暑し   廣田美三子(みさこ)

廣田さんMEMO

18年前 脳出血で夫(裕作さん)が失語症に

 

5/5句目

句を作ると言い出す嫁御クリスマス   若宮直美

「うち癌と」狗尾草(えのころぐさ ねこじゃらし)の供に揺る   若宮文子

闘病中の文子さんから伊母さんにメッセージ

直美お母さんへ

よみ旅に選ばれてよかったね 

今は治療中で何もできなくて

心配ばかりかけてごめんなさい

クリスマスには元気になって

お母さんの好きなハイライを作るから

待っていて いつもありがとう 文子より

 

お母さんから文子さんへ

とにかく何もしなくていいから

一緒に過ごせたらいいね

頑張ってとは言えない 頑張っているから

 

今回のおまけ

アルバムを開く錫(すず)婚星月夜   るりゆるり

雪晴や明日は親知らず抜く日   平本牛車

(つま)と聞く梟(ふくろう)のこゑ龍の息  平本魚水

 

■高野ムツオ 随想「館のシンボル公孫樹(いちょう)」より

銀杏翁伐られ全霊黄葉せり

えいやつと声を掛ければ銀杏散る

銀杏金葉一気に降らし不服従

 

■徳島新聞 鳴潮 より

マフラーをロートレックの赤にせり   松原波月

 

■日曜美術館 孤独と哀愁のモンマルトル モーリス・ユトリロ

モーリス・ユトリロ自伝「幼少期から今日までの話」(草稿)1914-15

ある夏の日 退屈でたまらなかった私は ふとした衝動に駆られた

愚かだったのか それとも いい思い付きだったのか

ただ 紙と絵具を手に取り この難しくて報われない芸術

絵画に挑戦してみることにした

 

■アートシーン

・「伊勢物語 美術が映す王朝の恋とうた」展 野口剛

ちはやぶる 神代もきかず 竜田河 からくれなゐの 水くゝるとは

在原業平

不思議なことが多かった神代にも聞いたことがありません 

龍田川の流れを深紅に絞り染めにするなんて

 

源氏方の女御が出したのが「伊勢物語」の絵巻だった

「源氏物語」が書かれた11世紀初頭には

「伊勢物語」が絵に描かれ貴族の中で好まれていた

 

行く水に 数かくよりも はかなきは 思はぬ人を 思ふなりけり

流れゆく水に数を書いても跡も残らずはかないけれども

それよりもっとはかないのは私を思ってくれない人を思う事なのですね

土佐光興の作品

 

あらたまの年の三年を待ちわびてただ今宵こそ新枕すれ

三年もの間あなたを待ちわびてちょうど今夜別の方と結婚します

岩佐又兵衛の作品

 

・エドゥアール・マネ オランピア について 音ゆみ子

マネが裸婦の横に描いた黒猫も官能性を象徴する役割があった

日本の動物の絵には役割は必要なかった

 

・藤田嗣治 猫 音ゆみ子

藤田は官能性の象徴として猫を書いている

西洋の伝統も日本の伝統もわかっている

藤田であるからこそ描けた猫