春の野や命支える命あり
生れきた新たな命春日和
ミスワクで歯を磨きたし春の朝
望まれて期待されても花曇
忘れたい忘れられない春の情
■モーリス・ベジャール特集!「3つの視点」
モーリス・ベジャールの言葉
人生には常に驚かされます 驚きに満ちた素晴らしい冒険だからです
音楽は私の❝呼吸❞です 無しでは生きられません
魚にとっての❝水❞です だからミュージカルや音楽が題材の劇が大好きです
私のステージの音楽には新たに委託した曲もあります
色あせない過去の音楽もあり 作曲家が生きているかのように
❝対話❞しながら取り組みます
●ディオニソス組曲
元気ですか?
我らギリシャ人には必要なものがある
ワイン 音楽 太陽 海 そして神々
ギリシャのいにしえの神々は今でもいる
今でもこの地に我らのそばにいる
村々にあらゆる酒場にあらゆる踊りに
神々は永遠に生きている
クレタ島はなんと美しいのか もし私が鷲だったら空を舞いながら
すべてを眺められるのに 不憫なクレタ島よ 長い年月
お前は叫んでいるが 誰か聞いているというのか 奇跡を起こすためには
神でさえ自ら力をふるう 奇跡を起こすためには 神でさえ自ら力をふるう
我らも立ち上がれ! 不屈の力を持て!
神々の王ゼウスは人間に変身する しかし 人間の女は神としての
姿を見たがる 彼は拒む 女は そのギリシャの女は愛ゆえにー
雷神でもあるゼウスに焼かれて死ぬ しかし その子どもは生き続ける
永遠に… ディオニソス!
モーリス・ベジャールの言葉
バレエ作品の命も人の一生のようにさまざまで 長短があります
バレエにも生と死があり死は他の芸術より急に訪れます
絵画・彫刻は空間の芸術ですがバレエは時間の芸術です
具現化するダンサーの肉体と その時代に結びついています
ダンサーや振付家の命とバレエの結びつきはしばしば突然失われます
●これが死か
薄暗い墓の中で私はずっと夢見ていた 春よお前の木々や青い空
その香りや鳥のさえずりを 今お前は私の目の前にいる
輝きながら誇り高く あふれるほどの光に包まれて
奇跡のように存在している 今お前は再び私を見いだし
優しく私に誘いかける 神々しいその姿が私の全身を震わせる
なんと貴き その姿よ
庭は悲しみに沈み 雨が冷たく花々に降り注ぐ
夏は自らの終わりを悟り 静かに身を震わせている
背の高いアカシアの木から 金色の葉が一枚 また一枚と散る
夏は驚きつつも弱々しく微笑む 消えゆく庭の夢の中で…
それでも夏は暫くバラの傍らにたたずみ 休息を取る
そしてゆっくりと 疲れ果てたその目を閉じる
今日はとても疲れた 星降る夜空よ 疲れきった子どもを見守るように
私の願いを聞き入れておくれ 手はあらゆる動きを止めよ
頭はあらゆる考えを捨てよ 今私の体中の感覚が眠りにつくことを
望んでいる
私の魂は誰に見張られることもなく自由の翼を羽ばたかせ
空を漂うことだろう 夜の魔法の世界の中で 私の人生は深く
何千倍も豊かに生きるのだ
私たちは苦しみも喜びも共にし 手に手に携えて歩んできた
今は放浪の旅から解放され 静かな土地で休んでいる
渓谷では日が沈みかけ辺りはすでに暗い ただ2羽のヒバリだけが
夕靄の中で夢見るように羽ばたいている こちらへおいで
好きなだけ飛ぶがいい じきに眠る時間になる 私たちは
この孤独の中で 道に迷わぬようにしなければ ああどこまでも
静かな平穏よ 夕映えの空に染み渡っている 私たちがどれほど
旅に疲れているか もしやこれが死というものだろうか
モーリス・ベジャールの言葉
ブーレーズは重要な存在です フランスの現代音楽があるのは
彼のおかげです 現代音楽への関心を呼び起こしました
偉大な作曲家であり現代の作曲かすべてに影響を与えました
私が音楽から知ったすべてはブーレーズのおかげです
若さの役で大橋真理さんが踊っておられました。素晴らしかった…。
●マラルメⅢ
モーリス・ベジャールの言葉
重要なのは私の❝作品❞ではなく 私がダンスへの関心を広めた事でしょう
振付家が突然注目され 担い手や志望者が増えているのは重要な変化です
もし私が後世に記憶されるなら20世紀半ばにダンスへの関心を
復活させたことを語られたいです 個々の作品ではなく… どれも
改めて見ると陳腐に感じます 全てを振り返っても残しておきたいものは
少なく減る一方です 保ち続けたいのは ただ 動きへのある種の衝動です
自分は芸術家だとは思いません 根柢の所で芸術には興味がないからです
芸術的にはなれません 結局 美的感覚がなく センスもない
唯一あるのはダンスの真実に対するある種の感覚です
カップルで岸本英雄さん 若い男で武岡昂之介さんが踊っておられました
感動しました
2025年6月19日ボーリュ劇場(ローザンヌ)
■「M」モーリス・ベジャール振付 東京バレエ団
三島由紀夫(1925年1月生まれ)
1993年7月 初演時リハーサル
モーリス・ベジャール(1927-2007)(1927年1月生まれ)
フランスの振付家
「春の祭典」「ボレロ」など多くの画期的な作品を創作
東京バレエ団オリジナル作品は「ザ・カブキ」に続いて2作目
モーリス・ベジャールの言葉 1993年7月
重要なメッセージとして今から25年程前に私が三島という
大作家を知り三島の戯曲を舞台作品として演出したのです
人間として作家として三島に心から感嘆しています
私は三島が世界中の人々にもっと知られて欲しいと願っています
三島の分身 Ⅰ-イチ Ⅱ-二 Ⅲ-サン Ⅳ-シ(死)
聖セバスチャン 三島の理想
音楽を手掛けたのは黛敏郎(1929-1997)
20世紀を代表する作曲家 管弦楽曲のほか
日本の伝統音楽を取り入れた楽曲も多く作曲
黛敏郎の言葉
彼(ベジャール)の注文で20曲ぐらい
5分間の日本の伝統音楽を基調に開いた曲を作ってくれと
能楽のリズムがもとになっています
和のリズムというのは洋楽と全く違ってアンバランスな8拍子
それを見事に舞踊家しているということにも新たに感動を受けました
東京バレエ団
1964年創立 現代作品まで幅広いレパートリーを持つ
聖セバスチャン 樋口祐輝
踊りの技術だけじゃなく内面を出していかないと役として成立しない
その内面を自分の踊りでどう表現していくか 内面を作るのは楽しい部分
芸術監督 佐野志織
女性合ってない呼吸
初演「Ⅲ-サン」役 後藤晴雄
初演「Ⅱ-二」役 木村和夫
ベジャールさん 居るだけでダンサーの気持ちを
1つに引っぱっていける力があった
彼が残した偉大な作品と精神的な部分は
日本人の大切な中身の部分を表現している
これからの人たちがちゃんと受けとって
次の世代に渡していってもらいたい
Ⅳ-シ(死) 池本祥真
「シ」は多面的な存在であると言われ踊ってみると
いろいろな顔を見せるシーンがある
自分は今 三島の中の一部分なんだなと思うときもあれば
「死」そのものとして存在しているんじゃないか
しっかり指導してくださった形を自分がとることで
その魅力が出てくるんじゃないかな
Ⅰ-イチ 柄本弾
与えられた振りの中でダンサーがどう演じるか自由
ダンサーの技量が測られるような作品
ベジャールさんが与えてくださった振りの中で
自分がこの作品の中でどう演じていこうか
日に日に感じることが変わってくる
楽しみつつ本番までにブラッシュアップしていきたい
現代バレエの父モーリス・ベジャールが三島由紀夫を題材に創作
ストーリーはなく三島の人生・思想・著作をまるごとバレエ化した
三島の分身
Ⅰ-イチ 柄本弾
Ⅱ-二 宮川新大
Ⅲ-サン 生方隆之介
Ⅳ-シ(死) 池本祥真
三島の理想 聖セバスチャン 樋口祐輝
少年時代の三島 少年 岩崎巧見
禁色 午後の曳航 鹿鳴館 鏡子の家 金閣寺 豊饒の海
https://www.nbs.or.jp/stages/0510_m/story.html