2026年6月11日木曜日

旗&田中角栄&「瓢虫」&「芒種」

雲の峰継いだ名前は與喜郎

風青し抜苦与楽(ばっくよらく)を実践す

青嵐周りをいつも与喜とする

ドア透かしオープン今かと夏の朝

見たことのない自転車の手信号(無季句)

 

■「旗」城山三郎

旗振るな

旗振らすな

旗伏せよ

旗たため社旗も

校旗も国々の旗も

国策なる旗も

運動という名の旗も

ひとみなひとり

ひとりには

ひとつ

生きるには

旗要らず

 

あらゆる権威や組織、思想のシンボルを否定し、

個人の尊厳を最優先する反戦・平和のメッセージが込められた作品

 

背景と意義

17歳で海軍の少年兵に志願した城山三郎は、

戦時中の過酷な軍隊体験を原点としています。

戦勝後に手のひらを返して反戦や民主主義を叫んだ大人たちの姿勢に

深い違和感と怒りを抱き続けていました。

この詩には、「組織」や「大義」という名の旗に

人々が盲従することへの強い警戒心と、

一人ひとりの「個」としての生き方を大切にしたい

という気骨ある作家の哲学が表れています。

 

■日本人同士の論戦で日本語が通じないって、

論点をはぐらかした時は議長は速やかに注意すべきでは?

 

「戦争を知らない世代が

 政治の中枢になった時はとても危ない」

 

田中角栄元首相の予言が

現実になりませんように…。()

 

202665日の国会のかみ合わない言葉の応戦を見て

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「瓢虫(てんとうむし)

 

普段「瓢虫」という名前を聞く時に よく見かけるのはカタカナ表記

または天道虫と書いての「瓢虫」という表記を見かけることが

多いんじゃないかと思いますが 実はこの2文字でも

瓢虫てんとう虫と読むんですね

別名「ひさごむし」と言う傍題もあったりします

見た目にも可愛いですし 指に乗せても先っぽまで歩いて行った

「瓢虫」がピュっと飛び立つとか そんな風にして

観察した人も多いかと思います

じつはこの「瓢虫」は農家にとって良い利益をもたらす

益中でもあったりします

「瓢虫」はいろんな所にわくあぶらむしをよく食べてくれる虫なんです

あぶらむしはいろんな物を食害する虫なものですから

そのあぶらむしを食べる「瓢虫」は益中というわけです

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「芒種」

 

二十四節気のひとつになります 時候の季語です

手紙をよく書かれる方は時候の挨拶として 芒種の頃と

いったような書き方をなさる方もいるかもしれませんね

この「芒種」いつ頃かというと 現在の暦でいうところの

66日頃からになっています

(のぎ)のある植物 稲とか米とかを播き始める時期

という意味になってきます

農家が忙しくなってくるのもこの位の時期からといわれています

またこの「芒種」という季語を使うにあたって

この芒というイメージを踏まえた句を作る

というやり方もあるわけです

鷹羽狩行さんの有名な句に

「芒種はや人の肌さす山の草」という一句もあったりします

芒のイメージがしっかりいきていますね

2026年6月10日水曜日

あの本、読みました? 凪良ゆう

夏の朝励み一割旨として

うねる髪根性だせよ梅雨じめり

夏の風止めた車を旋回す

暑き日や花より車道改修を

夏の月慈愛に満ちた笑み浮かべ

 

■あの本、読みました? 小説に見る「結婚」の多様化~凪良ゆう話題作「多類婚姻譚(たん)

凪良ゆう 鈴木保奈美 山本倖千恵 

 

「流浪の月」 「汝、星のごとく」本屋大賞受賞

一人一人価値観も考え方もバラバラな時代 結婚は我慢と譲り合い

27歳というと自分の人生が定まる切っていない

 

人気作家が描いた結婚にまつわる小説 スペシャル

「成瀬シリーズ」著者宮島未奈 

「婚活マエストロ」宮島美奈著/文芸春秋

 

「恋」「欲望」小池真理子著/新潮文庫 恋愛小説界の巨匠 小池真理子

「ウロボロスの環」小池真理子著/集英社

 

「最終便に間に合えば」「不機嫌な果実」林真理子著/文春文庫

「皇后は闘うことにした」林真理子著/文藝春秋

 

「多類婚姻譚(たん)」凪良ゆう著/講談社

タイトルの由来 異類婚姻譚(いるいこんいんたん)

執筆のきっかけ 

 

「多類婚姻譚(たん)」の一文 凪良ゆう著/講談社

実をいうと働くのは嫌いじゃない。今の会社では無理でも、

頑張れば手の届くところで正社員として勤めたい。

でも今のままじゃ厳しいから資格を取ろうと思っている。

節約のために図書館で本を借りて勉強してる。

絵美ちゃんから図書館なんて使うんだって驚かれたけど、

本も最近高いんだよ。(中略)

じゃあ服やメイクの分を勉強に充てる?でももう27歳で、

婚活市場での売れ時はあと少しだから外見に手を抜けない。

今は結婚にこだわる時代じゃないって言う人がいるけど、

たいがい実家が太いか一流企業勤めなんだよ。

わたしはどちらの保険もない。そもそもわたしは結婚したいんじゃ

ないんだろうな。ただ普通に働いていたら普通に生きていけるという

権利がほしいだけなんだろうな。頼るものがないまま一生ひとりは怖い。

助け合えるパートナーがほしい。そのための制度が結婚しかないのがつらい。

出産という問題もある。これは期限が来ると剥奪されるカードだから、

逆算するとやっぱり今は婚活に集中する時期だと思う。

それで三十歳になっても結婚できなかったらキャリアアップに

切り替える?そうなっても婚活は並行してがんばらなくちゃいけない。

結婚、出産、仕事。正しい優先順位はどれ?相手関係なく自分ひとりで

がんばれるのは仕事だけれど、三十歳からでも間に合う?

わたしより若くて、わたしより優秀な子なんていくらでもいるのに。

 

27歳 地方出身女子のリアル「Beautiful Dreamer

40代不倫カップルの恋「Cest la vie

 

「多類婚姻譚(たん)」の一文 凪良ゆう著/講談社

若いころは四十代は立派な大人で大人を越したおばさんおじさんで

恋なんてしないと思っていた。

映画の中で美しく年を重ねた俳優たちが恋を語るのは納得できるのに、

自分の両親や上司が恋をしているなんて想像もせず、代わりに自分が

持っていない家庭や子供や仕事の地位があって、恋なんていう光の

瞬き脳ような不安定なものが入る隙間などないほど

人生は完成されていると思っていた。

四十七歳になった今、仕事もお金もある大人だけれど人生は完成されておらず、

五歳年下の男と不道徳な恋をしている。同世代の独身の友人も当たり前に

恋をしているし、結婚している友人も秘密の恋人が高確率でいるし、

いない人はもう一度恋がしたいと言っている。

ここまで生きてわかったことは、人生は永遠に完成などしないという事実だ。

 

・本好きさんと本屋さんぽ

「多類婚姻譚(たん)」三部「小鳥たち」

離婚後に実家の書店を継いだ主人公のもとに初恋の人が現れる

 

「赤い月の香り」千早茜著/集英社文庫「燻る骨の香り」千早茜著/集英社

 

「ぬるい眠り」江國香織/新潮文庫

 

「沈黙の春」レイチェル・カーソン著 青樹簗一訳/新潮文庫

 

「タイタン」野﨑まど著/講談社文庫

 

「殺人出産」村田沙耶香著/講談社文庫

 

100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」福井県立図書館著/講談社文庫

 

・鈴木保奈美が最も読みたくなった1冊とは?

「ぬるい眠り」江國香織/新潮文庫

「透明な夜の香り」千早茜著/集英社文庫

2冊が今週はセレクトされました。

2026年6月9日火曜日

あの人に会いたい 尾崎将司&松尾芭蕉

半袖でペダル踏み込むお兄ちゃん

山風や陽射しは夏へ変わりけり

肩の凝り歯槽膿漏疼く夏

夏陽射しちりちり焦がす背と腕と

万緑へ向かい打ち込むクラブかな

 

■あの人に会いたい 尾崎将司(プロゴルファー)

2025(令和7)年 78歳没

 

俺の場合は勝つっていうことに対しての執念

人に負けるっていうことは嫌だから

ただ勝ちたいっていう願望だけではなく

勝つためではなくどうしなければいけないかということをね

自分でやって それをものにして初めて

難しいコンディションの中で それ(実力)が発揮できるわけだから

 

もう わんぱく ガキ大将そのものですね

そのころから野球ということに関しては非常に興味を持って

遊ぶ時間の中には野球は随分あったよね

 

そんなに楽しかったなという印象はない

結局マイペースっていうのかな

形の中に入れられて いろんなことを

指示されて動くのが あまり好きではなかった

 

1964年センバツ高校野球で優勝

1965Pro野球 西鉄に入団

 

自分で差を感じれば感じるほど もっと自分を生かせるものが

ないのかなっていうような ゴルフというものに出会って

「あっこれだ!これは自分のすべてを生かせるものである」と

僕が練習場で打っていて そこの支配人とかいろいろな人が

僕の飛距離を見て「すごい!」と

 

23歳でプロ入り

翌年1971年 日本ゴルフ選手権で初優勝

30歳を過ぎた頃

自分の(身体)能力だけでやってきて それなりの答えが出てきた

そうするとどうしても慢心が出てくる なんで慢心が

出て来たかというのは 俺は子供の時から 練習嫌いだったわけだよ

練習せずにうまくいく方法を自分でいつも考えるタイプだったわけ

プロ野球選手 そういうような❝貯金❞でね バーンといけた

そういうことは全く忘れて俺はゴルフに合っているわけだから

ゴルフをいちから積み重ねていこう ただ それだけだよ

 

ハゴミントン

 

自分で考えた時に これはもう1回 神様が僕にチャンスを

くれているんだな あと23年遅くね そういう時期(スランプ)

きたら 僕は立ち直れなかったと思うんです 

 

1982年 関東オープンゴルフ選手権 で復帰の兆し 19カ月ぶりの優勝。

 

やっぱり世界というものに対しての期待 自分も期待しているし

結果を出さなければいけないと 世界のひのき舞台で頑張っている姿を見て

応援してください

 

1995(平成7)年 全米オープン選手権

首位と2打差で迎えた8番ホールでした

結局順位を落とし32位に後退 海外メジャー制覇の夢が消えました

 

感覚のずれが原因と尾崎は分析

 

自分の頭から指令されたものが 指先に伝わってそのまま

動いていかなければいけない これがだんだん ずれてくる

これは本当 事実 このギャップっていうのは 大変な辛さがある

 

今までのスタイルに近いもので いかにうまくストロークできるか

もう研究ばっかりだよ 嫌になるぐらいね だから夜寝られない

 

1996年 通算100勝を達成

 

僕はプロになって第1回目にここで優勝した そういう節目でこういうこと

(100)を成し遂げるということは 運命的なことを感じるしね 

本当にありがたい事です

 

中島常幸 青井功 と「AON」として一時代を築く

 

2018(平成30)年 ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー設立

63歳の時にはゴルフの世界殿堂入り

 

俺みたいなタイプは一生現役 どうこうできるような

そういう器用な人間じゃない 選ばれた人間というのは

自分が選ばれた道を全うするしかない それは自分ですごくわかる

 

■田一枚植えて立ち去る柳かな   松尾芭蕉

2026年6月8日月曜日

第27回NHK全国俳句大会①&第27回NHK全国短歌大会①

夏の夜に叫声(きょうせい)上げるスマホかな

台風最中(さなか)避難しろとはこれいかに

真夜中の避難命令過疎の夏

台風に愛車水没午前二時

夜明け前台風去りて高湿度

吹き返し梅雨の晴れ間となりにけり

 

NHK俳句 第27NHK全国俳句大会①

大会選者 西村和子 星野高士 夏井いつき 

大会リポート:庄司浩平 司会:小林千恵

 

選者 夏井いつき 星野高士 西村和子 堀田季何 小川軽舟 

井上弘美 小澤實 岸本尚毅 神野紗希 阪西敦子 和田華凜 高野ムツオ

龍太賞 選考委員 髙柳克弘

 

題詠 自由題 龍太賞

 

題詠「口」

星野高士選

シーサーの口の奥まで大西日   花輪朋子

 

井上弘美選

箱わなの口の大きく冬ざるる   村山恭子

小澤實 「大きく冬ざるる」切れない 

穴の中に引きずり込まれるような怖さが書かれている

岸本尚毅 「箱わなの大きな口や冬ざるる」だったら特選にはならない

夏井いつき ぼんやりとした映像しかない季語を主役に立てようと

したんじゃないか ワンカメショーだったら 中七で「や」で

切ったりしたら意図が変わってくる 西村和子 ポイントがずれる

星野高士 「大きく」が少し常套的 言葉を置きにいっちゃった

「箱わなの口は黙(もだ)して」とか

 

小澤實選

吹替と口ずれてをり夜の秋   根岸哲也

西村和子 夜の秋:夏の季語だけど次の季節を予感するような季語 季節の

行合(ゆきあい)の季語を巧く使うとニュアンスを含んだ良い俳句になる

「秋の夜」だったらとらなかった

星野高士 「夜の秋」だと読書の秋とかいろいろかかる

夏井いつき 吹替と口がずれていることはどうでもいい些細なこと

俳句をやっている人たちは面白みとして捉える その小さなズレと

秋という言葉が入っているのに夏の季語という小さなズレ それが

この作者が取り合わせとしてやりたかったことだと思う

西村和子 とても説得力があります 夏井いつき やったぁ

 

庄司浩平 大きな季語をどう使う?

西村和子 取り入れようとしちゃいけない 今年の夏の終りに実感して

ほしい 実感した時の事を詠めば自然といい句は出来ます

星野高士 関わりがあるものを持ってくると俳句は説明っぽくなってしまう

関わりがないもの 場面を想像する

夏井いつき 残りのフレーズの中にほんのひとかけらでいいから映像だったり

音だったり匂いだったり具体的なものを盛り込む 

 

小川軽舟選

竜天に登るや河口波立ちて   坂本たか子

春分:竜天に登る 秋分:竜淵(ふち)に潜む 両方とも想像のもの

「河口波立ちて」は現実 その取り合わせがさすがだなと思った

空想力を働かせて作りたいと思う季語の一つ 「や」の切れ字は

ただ「竜天に登る」に「や」をつけただけではない

言葉の勢いで「登るや否や」(ととれる)登るや否や地上の河口は波立っている

星野高士 言葉はわかるが季節感として見えない 「登る」と「立つ」

両方勢いがある 勢い同士のぶつかりになっている

西村和子 壮大に季語はこのくらい勢いがなければ使いこなせない

夏井いつき 壮大な面白い季語だと思う 「竜天に登る」は春の季語

春としての季節感が残りのフレーズで具体的に何かあって欲しい

「河口波立ちて」は想像の部分の波立ち 

春のくさびを1本打ってくれれば良かった 

 

神野紗希 高野ムツオ選

大口の真神の息や月氷る   清正風葉

西村和子 「大口の真神」という言葉は万葉集にも使われている

とても文学的 想像力空想力の豊かな作者 

「月氷る」はかっこよすぎますよね

星野高士 現実感があまり感じられない

夏井いつき 「月氷る」までやっちゃうと リアリティーの部分が

少し食い足りない かっこいいけど…みたいな

星野高士 狼は冬の季題 剥製の狼を見たんだけど そこにはおのずと

季節感が出ちゃう 「月氷る」も仮想の季題っぽい 実体験を

もう少し追いかけてもらいたかった

西村和子 天体も凍るような寒い時期の季語だから仮想ではないと思う

夏井いつき 高野さんと神野さんが(特選に)とるのはよく分かる

 

庄司浩平 想像力を働かせて作る場合 どういうアプローチで作る?

西村和子 高浜虚子は客観写生が大事と説いていたけれど虚子の句は

物凄く空想の句 季語が生きていれば空想の句も作りたい

夏井いつき 「絶滅寸前季語辞典」何割かはもう今の段階で

見ることも体験することもできない 脳内吟行 脳の中で

吟行ができれば小さなリアリティーのひとかけらを

とってくることはできると思う リアリティーって物事の細部に

宿っている リアルの想像したら小さな材料を持って帰れる

 

 

NHK短歌 第27 NHK全国短歌大会①

俵万智 荻原裕幸 寺井龍哉 司会:石井かおる

 

選者 

永田和宏 俵万智 山崎聡子 荻原裕幸 小島ゆかり 小池光 

木下龍也 佐佐木頼綱 永田紅 松村正直 米川千嘉子 寺井龍哉

 

今年の特選受賞作品

幼き日「夜の口笛は河童呼ぶ」と言われし真夜の風呂のしたたり

羽田任木子

出席簿の欠席理由に「あわび口開け」の文字あり水産高校

髙鳥ふさ子

「ええやん」と「なんでやねん」が口癖の人に「なんでやねん」と言われる

竹中英雄

三人の息(そく)を育てしこの乳房 両手に抱けば口よみがえる

森﨑美栄子

死火山の火口のような父だった解けない問いをただただ抱いて

稲山博司

「それじゃあ」と短き旅に出るような口ぶりで子は嫁ぎゆきたり

芳賀真由美

 

題詠 自由題 近藤芳美賞

 

題詠「口」

小島ゆかり選

幼き日「夜の口笛は河童呼ぶ」と言われし真夜の風呂のしたたり

羽田任木子(まきこ)

 

佐佐木頼綱選

出席簿の欠席理由に「あわび口開け」の文字あり水産高校

髙鳥ふさ子

 

俵万智選

「ええやん」と「なんでやねん」が口癖の人に「なんでやねん」と言われる

竹中英雄

大会の選者トークでも「」の使い方が議論になった

永田紅 「」をつけるとわざとらしくなってしまう場合と

つけて生きてくる場合 両方ある

俵万智 「」だけに頼っていてもだめ 私は大好きです

会話を生け捕りにする感じ 

「」の中はFreshな言葉が入っていますよという目印

寺井龍哉 「」は使わないで句読点を打つ 

〈〉山括弧 ()丸括弧は可能性がある

 

当日詠

特選 バス代が足りずに歩く帰り道月よ100円貸してください

雨雨雨汰

 

米川千嘉子選

三人の息(そく)を育てしこの乳房 両手に抱けば口よみがえる

森﨑美栄子

 

山崎聡子選

死火山の火口のような父だった解けない問いをただただ抱いて

稲山博司

 

小池光選

「それじゃあ」と短き旅に出るような口ぶりで子は嫁ぎゆきたり

芳賀真由美

松村正直 「ような」「ごとき」などの直喩は短歌ではよく使われる技法

小池光 比喩は物凄く大事 短歌の核心と言ってもよい

「ような」「ごとき」が比喩と言われるけれどもそれに限らない

すべての言葉が比喩であることを避けられない

比喩の歌でなくても比喩の歌になっちゃうところがある

松村正直 短歌に使われる言葉は普通の言葉でも比喩的な意味合いを帯びている

永田和宏 例えることは比喩の本来の使い方ではない

「風のように髪をなびかせる」は出来合いの言葉

歌の中では比喩にならない 読者にいろいろな想像をさせる「喩」

これが歌の中でとても力を持つ「喩」だと思う

俵万智 「AのようなB」と言った時 ABの距離感があまりにも

ありふれてつけすぎていると比喩としてはおもしろくない

ただあまりにも遠いと伝わらない 腑に落ちる距離感を探ることが大事

石井かおる ありふれていない 

その人だからこそ発見できた比喩を見つけるのが難しい

俵万智 それひとつあったら一首できる すごい比喩が見つかったら

いらんことしないで それを盛り立てるように他の字数を使っていい

寺井龍哉 読者に想像の余地を与える 勝手に想像していいわけではなく

少し手がかりを与える

荻原裕幸 「旅する」と言うときに実際に旅行に行ったのか

抽象的な意味でいっているのか違いがある 混ざっていて面白い歌もあるが

どちらなのかはっきりわかるように書かないと読者に伝わりにくいところがある

 

・いちご摘み

眼はつづく体育館の式典の翼を模した黒い楽器へ 

瀬口真司

のこぎりや鍋も楽器になる星で君のため吹く淡き口笛

本条恵(好きな歌人 笹公人)

「星とアスパラ」本条恵(短歌研究社)より

どんな陽を風を言葉を浴びてきたチリ産アスパラ98

 

ご近所短歌サークル たらちねmama

2026年6月7日日曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 恵林寺

夏の道夫(つま)とクラブと一時間

夏空や雑草あまた駐車場

梅雨晴間草ひき腰へ深手負う

原色のレインコートや走り梅雨

左頬口内炎の夏来る

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 恵林寺(えりんじ)

村雨辰剛

 

武田信玄の菩提寺

20263月 重要文化財に指定 武田不動尊三尊像

❝最初期の作庭家❞夢窓疎石(むそうそせき)(国師)(1275-1351)

が手掛けた庭園が残されています

 

世界遺産 天龍寺や西芳寺(苔寺)の庭園を築き上げた

作庭家としても名を残し 1330年乾徳山(けんとくさん)恵林寺創建

 

夢窓疎石の代表作 夢窓疎石のお庭は美しくないのがポイント

庭に込めた禅の思想とは

石の違いによって時代が分かる 石から庭園の歴史が

 

庭と言えば夢窓疎石 僕が大好きな武田信玄

乾徳山恵林寺貫主 古川(ふるかわ)周賢さん

 

四脚門 武田氏滅亡後織田信長によって消失

1606年徳川家康が再建 現在国の重要文化財

夢窓疎石(国師)の作った有名なお庭があるが

本格的に取り上げられたことがない

三門 武田菱 元々は現在の4倍か5

恵林寺の歴史において重要な門

1573年 武田信玄死去 織田信長が恵林寺に攻め入る

織田方が取り囲んで武田をかくまっていると家()探しが行われ

100名の僧侶が三門に追い上げられ火を放たれた

当時の住職 快川(かいせん)国師

快川国師の言葉

「心頭滅却すれば火もまた涼し」と唱えながら座禅しながら亡くなった

無心の境地であれば火の中でも座禅ができる

その火が本堂に燃え移り本堂が燃え恵林寺は消失

恵林寺の植木は大切なので専門の方にお願いしている

2009年から田邉(たなべ)亮さんが恵林寺の庭の手入れをしている

国の名勝 恵林寺庭園(夢窓疎石の代表作)

池の中の島は亀を模している 鶴亀の蓬莱(ほうらい)島 江戸時代

これ自体は江戸時代に造られたものじゃないかな 古川

池の上の築山は明治時代に火事で燃えて再建する時に

向こうに民家が見え始めた そこで土盛りをして直した 明治時代

夢窓疎石は鎌倉時代 700年の間に栄枯盛衰

信長の焼き討ちで消滅 夢窓疎石の庭だから特に力を入れる

世界遺産 天龍寺(京都) 西芳寺(京都)

後醍醐天皇 足利尊氏 天皇・上皇から国師号を七回授与される

手を入れてくるとその時代のいろんなものが反映される

当時の人は神様のような夢窓疎石のお庭だから

自分が見て最も素晴らしい形じゃないと変だと思った

 

たしなみポイント 時代を取り入れたお庭

 

夢窓疎石の痕跡

手が入ったと言っても夢窓疎石の造られた庭の部分は結構残されている

夢窓疎石の手の跡は石に残されていた

小さな石組がギザギザして 重なっているところがある

異様な姿のところが夢窓疎石の手が残っている場所と考えられる

乾徳山恵林寺 

夢窓疎石が若い頃 100日間 山にこもって修行した伝説がある

修行したと伝わる洞窟がある 乾徳山山頂を模している

夢窓疎石が込めた思いとは美しい庭を目指したわけでない

座禅をするために庭を造った 修行する場所としての庭

(修行にならないもの)余計なものはいらない

禅の教えを体験する場 

 

夢窓疎石の作庭

瑞泉寺(神奈川県) 永保寺(岐阜)

見るとかじゃなくて庭と自分が一つにならないといけない

 

座禅とか禅寺と考えると枯山水のイメージが強い

恵林寺は水を使っている。これも夢窓疎石の考えだったのか? 村雨

恵林寺で座禅会をすると凄く座れる これは滝の音が大きい

無音だとかえって気が散る リズミカル&ランダムが気が散らない

座禅用に設計した庭であることは間違いない

 

たしなみポイント 滝があるのは座禅のため

 

時代背景があって庭の目的がはっきりした中でいろんな形式が

進化してきた 鎌倉時代は修行のための庭

戦国時代 露地(茶庭) 江戸時代 大名庭園

歴史背景を解いていく事で目的が見えてくる 村雨

 

鶴亀蓬莱島から見る特別な景色

夢窓疎石の頃はこういう感じで見ていた 橋を渡ったところが視点場

 

さまざまな時代の石が据えられている滝の右側には江戸時代

角の取れたような石は川石 

その時の時代の事情があったと思うがこの近くに笛吹川がある

おそらくその辺りから持ってきた石だと思う 田邉亮

 

江戸時代になると運搬技術が発達 

大きく美しい石が集められるようになった

 

庭師 田邉亮さんが恵林寺に来た頃のエピソード

今見えている石はほとんど見えていませんでした

今は小さくなっていますがサツキ・ツゲ・ツツジが大きくなってしまって

全面緑まではいかないがほぼそんな感じでした

当時は「ボロ隠し」なんて言われて石が良いものだと捉えられていなかった

まずはこの石を見えるようにしよう 田邉亮

 

植木をなくすことに反対意見も…。

古い石組が見えたことで歴史が読み取れるようになった

石が採れた場所に違いが 下が川石 上が山石

夢窓疎石の石組 田邉亮

 

田邉さんがここを手入れする時はどんなことを意識していますか? 村雨

まずは夢窓疎石が意図したことがあったと思うので

それを邪魔しないような剪定をしたい 田邉亮

 

夢窓疎石の石組を生かす剪定をお手伝い

サツキ:初夏の内に剪定を行う

原型を取り戻していくのはやりがいがある 村雨

 

古い石を見ながらその時代に思いを馳せて色々考えている 田邉亮