春の月ハローグレアの輝かん
(チーイリチャー)春日和鳴き声以外すべて食う
春の沖縄大蒜も味噌も血も
濃厚なコクと旨味の春を食う
金武町(きんちょう)の田いもと豚の春の膳
■NHK俳句 兼題「島」
選者:高野ムツオ 司会:柴田英嗣
ゲスト:能町みね子 関取花 黒岩徳将 山西雅子
年間テーマ「語ろう!俳句」
島というと松島とか大島とか熟語で表現したくなる
今回はハードルを上げて島だけで作ってもらいました
①
雨繁き島の細道蝮(まむし)草 山西雅子
(蝮は夏の季語 蝮草は春の季語 屋久島)
②
予定より予感ばかりの夏の島 関取花
(バリ島 俳句というよりキャッチフレーズ感が強い 島の夏)
③
春風やオムレツに似て島の山 黒岩徳将
(瀬戸内海の島 島にある山を「島山」と呼ぶ
この島は孤島もしくは島ひとつくらいが良い)
④
島の人に叱られ野掛(のがけ)中断す 能町みね子
(時間経過のある句 俳句はシャッターを1回切ったら
一つの写真として止まるように作った方が良い 真面目過ぎる
俳人の俳は「人に非ず」と書く)島の名前が聞きたかった。
⑤
春の蠅ぶむぶむぶむと島に生く 高野ムツオ
(蠅は夏の季語で春の蝿は春の季語 西表島
春になって生まれた蝿は蠅あるるとか蠅生るという季語がある
ぶむぶむぶむは萩原朔太郎が「青猫」の中にある詩で使っているフレーズ)
・特選三席発表 兼題「島」
一席 髭爺(ひげじい)のひげのわしゃわしゃ島のどか 高祖(こうそ)桃香
二席 若布売(わかめうり)婆(ばば)になつても島娘 井田君枝
三席 新社員三合呑みて島言葉(しまくとぅば) 渡邉憲史
・兼題「島」特選
星すべて宇宙の孤島天の川 小島ただし
夕凪の島を離るる柩(ひつぎ)かな 熊谷有史
島の子を乗せて渡船は夕虹へ 鈴木蛍之
桜島デカ大根にチビ蜜柑 西野康子
海鳥の糞(まり)にものの芽火山島 真野充治
暮の春一筆書きの島の道 白石良一
■NHK短歌 テーマ「色」
選者:土岐友浩 ゲスト:蓮沼執太 司会:尾崎世界観
年間テーマ「わたしの宮沢賢治」生誕130周年 宮沢賢治×短歌
蓮沼執太
言葉が音でできている やっていることが幅広い
根底にあるのは日常の生活から森羅万象まで
あらゆることを描写する事に長けている
土岐友浩
最初に作っていたのは短歌
宮沢賢治の創作の原点 短歌
14歳から作り始め25歳までに約900首詠んだ
青年期の宮沢賢治の言葉は短歌しか残っていない
色を通してどういうことを表現したのか
そらいろのへびを見しこそかなしけれ学校の春の遠足なりしが
宮沢賢治
短歌を作り始めて最初の時期に詠まれた作品
赤字は過去の体験を表す助動詞
回想して心の中にあるへびのイメージを歌った歌ではないか
石川啄木(1886~1912)賢治と同じく岩手に生まれた
明治末期の歌人・詩人「一握の砂」などで知られる
・入選九首 テーマ「色」
これはどう現品限りの炊飯器ワインレッドよワインレッドか
白山遼一
東京の天津飯は赤色でやれんのかって言われています
中村マコト
傘立てにいつの間にやら溜まったの透明だけどすべてあなたの
二席 安井武昌
私 生涯をほとんど空に費やして色えんぴつの青は短命
葉村直
葉村直(はむらなお)氏は、現代の俳句シーンで活躍する気鋭の俳人。
「日常の詩情や鮮烈なイメージを描く作風が特徴。
代表的な句と特徴
葉村氏の句は、鮮明な映像と独自の視点が評価されている。
「爽やかや我の視界に我はゐず」(神野紗希選・青嵐俳談)
自己の存在を消し去るような、澄んだ視界を詠んだ一句。
「溺死者のあぶく海月の横を過ぐ」(通販生活・俳句生活)
死を連想させる冷たい美しさを描写。
「アレクサと会話する日よ雪つもる」(第5回おウチde俳句大賞)
現代的な日常と静かな雪の対比。
「野遊の母の戻らぬ早さかな」(俳句ポスト365)
「母」を「舟」に見立てるなど、詩的な発想が評価された。
フラミンゴ立たせておけばコンビニはたぶん一生ピンクのままだ
澤田悠生
一席 ゆくすゑの憂ひひとつも持たぬころ蛍光色のひよこ求めき
るい
三席 藤色のランドセルならもう少し行っただろうか 母校を眺む
吉村亨子(きょうこ)
色鉛筆全然減らない白色で「イェイイェイ」と書く力強く書く
辻佐和子
カーテンのすきまが春のいろだった 目覚めてからもしばらくは見た
髙山准
・わたしの宮沢賢治
蓮沼執太
宮沢賢治の故郷 岩手県花巻市で毎年「イーハトーブフェスティバル」
というお祭りが行われている
「詩ノート」宮沢賢治の未発表の詩をまとめた草稿文
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/47029_46743.html
霜と聖さで畑の砂はいっぱいだ
影を落す影を落す
エンタシスある氷の柱
そしてその向ふの滑らかな水は
おれの病気の間の幾つもの夜と昼とを
よくもあんなに光ってながれつゞけてゐたものだ
砂つちと光の雨
けれどもおれはまだこの畑地に到着してから
一つの音をも聞いてゐない
「宮沢賢治トラヴィデブラ」エスペラント語で「透明」を「トラヴィデブラ」
「透明」をテーマにパフォーマンスをしてみた
詩ノート「断章六」
新らしい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則から
この銀河系統を解き放て
新らしい時代のダーウヰンよ
更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って
銀河系空間の外にも至って
更にも透明に深く正しい地史と
増訂された生物学をわれらに示せ
衝動のやうにさへ行はれる
すべての農業労働を
冷く透明な解析によって
その藍いろの影といっしょに
舞踊の範囲に高めよ
素質ある諸君はたゞにこれらを刻み出すべきである
おほよそ統計に従はば
諸君のなかには少くとも百人の天才がなければならぬ
詩ノート七四五〔霜と聖さで畑の砂はいっぱいだ〕
霜と聖さで畑の砂はいっぱいだ
影を落す影を落す
エンタシスある氷の柱
そしてその向ふの滑らかな水は
おれの病気の間の幾つもの夜と昼とを
よくもあんなに光ってながれつゞけてゐたものだ
砂つちと光の雨
けれどもおれはまだこの畑地に到着してから
一つの音をも聞いてゐない
二人の朗読の言葉が反射している感じがした 土岐友浩
自分の鏡 蓮沼執太
・賢治の短歌×色
へびを見た時に普通は「怖い」と感じるが
「悲しけれ」という気持ちが出るのが不思議
宮沢賢治は色を通して生き物の「いのち」を見ていたのではないか
とりて来し白ききのこを見てあればなみだながるる寄宿のゆふべ
宮沢賢治
きのこをじっと眺めているうちに涙が流れてきてしまった
連想したのが斎藤茂吉の「赤光(しゃっこう)」という歌集にある作品
わが目より涙ながれて居たりけり鶴のあたまは悲しきものを
斎藤茂吉
たまたま斎藤茂吉が鶴を見た時に涙が止まらなくなってしまったという歌
なぜ涙が出てきたのか?三首を並べると…。
きのこの白さや鶴の頭の赤さに「いのち」の悲しみのようなものを
見てしまったのではないか
宮沢賢治への返歌というつもりで歌を作った 土岐友浩
青空を青いまま撮る いまはもうオフィスになっている映画館
土岐友浩
賢治がその時どんな空を見上げていたのか
一見すると爽やかに感じるけど 過去を懐かしんでいたり悲しかったりする
「青」と言ったもみんな同じ「青」ではない 言葉は一つなんだけど
同じ色なんてあり得ない みんなそれぞれが「青」を考える 蓮沼執太
読者の想像に委ねる色の表現 土岐友浩
余白が大事 世界観
・いちご摘み
なにしてもなにしなくてもともだちね長い映画は見ない もうねよ
小原晩(好きな歌人 穂村弘)
⇩
映画化はしないさせない夜二時のお前と肉まん食った十字路
久永草太(好きな歌人 若山牧水)獣医をしながら歌人として活動
第一歌集「命の部首」数々の賞を受賞
満月をわけあうようにわたしたちそれは大きな文旦食べる
「命の部首」本阿弥書店より
「三世代のいちごつみ」伊藤一彦 乃上あつこ 久永草太 著
2年間毎日 歌を回しあうっていう 眠れない夜が何回あったことか
深夜になって(短歌が)ようやくきた24時間以内に次の歌を
作らなきゃいけない 自転車操業だったので 瞬発力は凄い
鍛えられたなって思いますね
本当にいい思い出とかいい小説を読んだりした時って
映画化して欲しくない 自分の想像とか気持ちの中にある
この映像だけで完結して欲しい あの時の肉まん
すごく寒かったよなとか 相手も覚えてたらいいな
つんだのは映画 詠んだのは友達 巧い!巧すぎる!さすが…。