(Meryl Streep女史)行動は心のままに春の月
春北斗汝の敵はイランに非ず
春陰やエプスタインファイルが敵
扉を開けたシットキングス遅春
シッキンの十六年や春の潮
■NHK俳句 兼題「四月」
選者:小川軽舟 ゲスト:後藤瑞穂(樹木医) 司会 柴田英嗣
年間テーマは「暮らしを思い出す」
俳句は暮らしの何でもない1コマが詩になる そういう文学
日常のちょっとしたことを思い出してそれが俳句になって
読んだ人が共感できた時俳句は詩になる(日常の暮らしを)
思い出すという事をキーワードに俳句を考えていきたい
「四月」月の名前は全て季語 四月の暮らしの転機になることが多い月
桜も咲いて印象的な月
樹木医は四月には「御礼肥(おれいごえ)」をする
御礼をするように肥料を与える事
樹木によって事故が異なるので季語にはなっていない
・「四月」の名句鑑賞
教室に世界地図ある四月かな 明隅(あけずみ)礼子
四月なり希望失望こもごもに 大牧広
(四月は新しい暮らしが始まるフレッシュなイメージがある
必ずしも晴々と四月を迎えられない人もいる
受験に失敗した 会社勤めで遠くに飛ばされた
人間模様を描いた「希望失望こもごもに」これも四月らしい)
レタス買へば毎朝レタスわが四月 小川軽舟
(単身赴任の暮らしの発見)
・暮らしの中に俳句のタネを見つけよう!
四月に体調の悪さを取り合わせて読者に「自分も経験あるな」
と思ってもらえると俳句になる
胸やけが毎日続く四月かな
桜咲く犬も喜び歩きけり
季語が大事で季語が読む人の想像する手がかりとなる
・特選三席 兼題「四月」
一席 海見ゆる街に降り立つ四月かな 西嶋佳子(よしこ)
二席 四月始まる学生寮の洗濯機 中野こと子
三席 ポップコーン弾けるやうに四月来る 山口誠
・特選六句 兼題「四月」
時給百十円上がる四月かな 山内基成
歯車の音四月来て四月逝(ゆ)く 押見げばげば
背番号いきなりもらふ四月かな 佐藤茂之
音読に言葉かがやく四月かな 天地(てんち)わたる
私 スキップの先に四月の光あり 古賀かつよ
復職のシャツ新しき四月かな 中島紺
・はみだせ!教室俳句
滋賀県 長浜市立びわ中学校 岡崎隆祥先生
「語感を磨く」
ステップ①
尻から俳句 上五は季語 中七は下五の説明 下五は季語じゃない名詞
ステップ②
考えた五音を七音で説明する
ポイント:描きたいイメージが伝わるように言葉を選ぶ
俳句を学ぶに留まらず俳句❝で❞学ぶ
「いろんな言葉を知りたいな」とか「こういう表現もあるんや」とか
俳句を通して言葉の勉強を深めて欲しい
・樹木医 後藤瑞穂の一句
花便りホット一息おつかれさま 後藤瑞穂
(四月は治療した桜の花がどのくらい咲くのか気になる月
自分が頑張ったなという気持ちが「ホット一息」
樹木自体本当に頑張った それに対するいたわりの気持ちを込めて作った)
季語の花便りが上手く使われいて樹木医ならではの作品になっている 小川
添削⇩
花便り届き花にもおつかれさま
■NHK短歌 題「雨」
選者:大辻隆弘 ゲスト:児玉雨子 司会:尾崎世界観
年間テーマ「伝統的なことばを生かして」
短歌は文語
私たちは現代語を話しているのでちょっと縁遠い
縁遠いからこそ新鮮な驚きや感動がある
文語かっこええやんと言われたい
児玉雨子
(短歌に)対抗意識を燃やしながら作詞をしていた
最近は形の力が抜けてきて 豊かな世界だなと思う出した
大辻隆弘
出世したなあ短歌も
尾﨑世界観
短歌に伝統的な言葉を生かすための今月のポイントは?
大辻隆弘
歴史的仮名遣いの魅力
平安時代の発音を基本として歴史的仮名遣いはできている
思う⇨思ふ 書く時も「思ふ」「思ふ」が言いにくいので「思う」に変わる
書き方はすぐに改まらない 書き方と発音にギャップが生まれる
戦争が終わり発音通りに文字を書く考え方が主流になって
現代仮名遣いが制定された 歴史的仮名遣い 変だけど面白い
あぢさゐにさびしき紺をそそぎゐる直立の雨、そのかぐはしさ
大辻隆弘「水廊」
歴史的仮名遣いを初めて短歌で使う時 どんなことを考えればよい? 尾崎
最初は「これ使ってみたい」「かっこいい」など
実験しながら楽しんでやっていく事が大事 大辻隆弘
古語って外国語より触れる機会が少ない 異化効果を生んで自分では
予想もつかなかった世界に行けるのが歴史的仮名遣い・古語文法の良さ 児玉
ばらばらの自由律雷雨に竦(すく)ばらずかき粉(まぎ)ればやグレーの着物
児玉雨子
・入選九首 題「雨」
海に降る雨は寂しい 好きだったクラスメートが東京へ行く
岩崎京雅(きょうが)
二席 私 文学史に啄木を残しみずからは影のごとくに宮崎郁雨(いくう)
助野貴美子
(宮崎郁雨(1885~1962)歌人 石川啄木の妻・節子の妹の夫)
駅を出て雨なり傘が無いならば草のふりして雨に打たれよ
刈田陽子(句割れ)
もう話は終わりと言われて春が来る雨が桜の枝を濡らして
下谷育正(いくまさ)
罪のないほうのぼうりょく 積む雪を静かに滅ぼしてゆく夜の雨
玄兎(くろうさぎ)
好きなのは海に降る雨ふるさとに巡りつきたる子どものようで
長澤ひかる
三席 こんなにも雨降る国に住んでいて喪服に似合う長靴は無し
芍薬
〈神様はいました〉という看板が立てかけてある雨後の電柱
富尾大地
一席 鴨が二羽ひたすら雨を浴びている近代美術館の中庭
夏野あゆね
・短歌魔改造ラボ
口語だけで歌っている方が多い
文語や伝統的な言葉遣いを使えると違う色合いの歌ができる
風穴に雨忍び入る梅雨の頃故郷の家も静かに老いる
添削⇩畑啓之(はたひろゆき)
風穴に雨忍び入る梅雨の夜故郷の家はしづやかに老(お)ゆ
(しづやか老いゆと古語にした事でゆったりと時間が経過して家が老いていく感じがした
「老いる」は文語で言うと「老ゆ」が終止形 スツとした立ち姿があらわれた
「梅雨の頃」を「梅雨の雨」にしていることで どこで老いるかが見えてくる
シャープに映像が立ち上がる 「頃」という漠然とした時間の表現ではなく
「夜」という短い時間のスパンで切ってみた 「故郷の家も」と言いたいと思うが
「故郷の家は」として家だけに焦点を当てる 1つの情景や心情を提示することで
余白を読者に感じさせることが大事)大辻隆弘
リスナーを信じて 児玉
作詞をするうえで言葉遣いで気をつけている部分は? 尾崎
役割後:~なのよ ~だわ ~だぜ 使いこなせれば面白く使えるが
まず現代で話す人はいない 歌の主人公の性別を役割語で楽して表現しない 児玉
音楽は今は日常の中で聞くもの 日常生活に聞こえる音だから気にした方が良い
手垢のついた言葉 「蝶が舞う」は注意する 排除する 既成概念を外して
ファーストインプレッションの手触りを31音に生かす
・いちご摘み
お茶請けの話が長い川岸にだんだんカリカリ梅の優勢
俵匠見(たわらたくみ)
⇩摘んだのは「長い」
なにしてもなにしなくてもともだちね長い映画は見ない もうねよ
小原晩(好きな歌人 穂村弘)
「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」 小原晩
くるしみの摩擦によって火はついてぼくの世界はこんなにあかるい
小原晩