2026年4月15日水曜日

100分de名著 ウィトゲンシュタイン

山笑う想い届きて今日を生く

春疾風(はやて)嘘だったのか?隠したの?

椿落つ生き抜く力ともに落つ

陽春や言葉の宇宙彷徨わん

やわやわの春人参や喉通過

 

100de名著 ウィトゲンシュタイン

❝論考❞❝探求❞①言語の限界はどこにある?

古田徹也 伊集院光 阿部みちこ

 

ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン 哲学者(1889-1951)

「倫理哲学論考」「哲学探究」

語りえないことについては、沈黙しなければならない

 

❝言語と世界❞の関係を追い求めた

生家にはブラームス マーラー ロダン クリムトが出入りしていた

グスタフ・クリムト

「マルガレーテ・ストンボロー ウィトゲンシュタインの肖像」

 

1914913日 

ロシア軍がすぐ後ろに迫っている。恐ろしい光景を目撃した。

もう30時間寝ていない。とても衰弱していて、

外的な希望は見えない。

もし、いまここで私の人生が終わるのなら、

どうか、我を忘れず、良い死に方をしたい。

決して自分自身を見失うことがありませんように。

1914914

我々は敵のすぐ近くにいる。気分は良く、再び仕事をした。

私がいま一番仕事ができるのは、ジャガイモの皮をむいているときだ。

私はいつもこの作業に志願する。私にとってこれは、

スピノザにとってのレンズ磨きと同じことなのだ。

 

「論理哲学論考」

一世界は、成立していることの総体である。

一・一世界は事実の総体であり、ものの総体ではない。

一・一一世界の諸々の事実によって規定される。()

一・一三論理空間のなかにある事実が世界である。

一・二世界は、諸々の事実へと分解される。

二成立していること、すなわち事実とは、事態の成立のことをいう。

二・〇一事態とは、対象(もの)の結合である。

 

これらを通じて 世界と言語の関係を明確にしようとした

世界=成立していることの総体 虚構も事態と呼んだ

これを論理空間と呼んだ

 

世界と言語の関係とは

世界の可能性=論理空間

「論考」の真の目的はーもっと明確に定義する

有意味な言葉と無意味な言葉を区別できる

哲学の多くは無意味な言葉で語られている。

よって哲学を終わらせようとした

模型()「水の上に船が浮かんでいる」

なぜ世界は存在するのか?という問いには答えられない

これは無意味は命題なのである

 

言語に反映されていることを、我々は描き出すことができない。

言語において自らと姿を現すこと、

それを我々が言語で表現する事はできない。

世界がどのように存在するかが神秘なのではない。

世界が存在するという、そのことが神秘なのである。

 

命題()―事態を写しとっている像(模型)⇒写像理論

命題=事態を表す文

成立していない事態(虚構)を表すには模型が必要

言語はもっとも便利で強力な模型作成ツール

「言語」という模型作成ツールの問題点

命題もどきを簡単に作れてしまう

「言葉遊び」と同じ

 

「論理哲学論考」

四・一二一言語に反映されていることを、

我々は描き出すことはできない。

     言語において自ずと姿を現すこと、

それを我々が言語で表現する事はできない。

 

六・四四世界がどのように存在するかが神秘なのではない。

    世界が存在するという、そのことが神秘なのである。

 

本質と異なる議論になっていく

最後の最後に大どんでん返しが待っているとか…。

2026年4月14日火曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 有楽苑

羽海野チカ女史を詠む

地下鉄の通路で迷子春の夢

後戻りできないあの日春の雪

山帰来(さんきらい)の花ゴールを違えるな

花曇りこれでいいの?吾のゴール

3月のライオン」を読め!しけこむな

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 有楽苑(うらくえん)

村雨辰剛

愛知 国宝 犬山城

有楽苑ではぜひ露地を見ていただきたい 日本庭園をたしなむ上で必須

日本庭園は大きく分けて形式がある 池泉庭園 枯山水式庭園 露地

小石川後楽園(池泉庭園) 妙心寺塔頭退蔵院(枯山水) 愛知有楽苑(露地)

国宝茶室 如庵(じょあん) 造形の天才 大茶匠 織田有楽斎

 

有楽苑 福田孝美

有楽苑 1972年 開苑 犬山城を借景として取り入れている

京都 建仁寺塔頭 正伝院 如庵を愛知 犬山に移築

敷地面積 約4,000坪 重要文化財 旧正伝院書院 国宝 如庵

元庵(大阪天満にあった織田有楽斎の茶室を古図から復元)

豊臣秀吉の息子秀頼の来訪 織田有楽斎は織田信長の実弟(おもてなし)

弘庵 

 

織田有楽斎の遺した言葉

それ茶の湯は客をもてなす道理を本意とする也

 

玄関から路地がのぞける構造 広間から見える露地

 

たしなみポイント

こも巻き 木の幹にワラを巻き害虫を誘い込んで春先に燃やす伝統的な害虫対策

客人に季節を感じてもらう「おもてなし」

露地の景色から主人の心遣いを読み取る

 

もてなされる側ももてなす側の心をくみ取って 

お道具なり露地なりからもてなしの心を感じ取っていただく

お茶室はみんな平等 商人も侍も貴族も 茶室に入ればみんな同じ

茶道の精神は「和敬清寂(わけいせいじゃく)

露地:屋外の自然でお茶会への心構えをして貰う庭 

比較的狭くこじんまりとした庭

 

小さな庭に自然を取り込む 自然の中で徐々に心を清める

外腰掛 いわゆる待合 腰掛待合 

主賓が座る位置は主客石(正客石)主賓の席に据えられた石がある所

役石:日本庭園の中で特別な機能を持った石 

お手洗いの使用禁止を示したりする

関守石:景観を損なわずに通行を制限する「結界」の役割を持つ

客が待っていると鳴り物でお知らせ

 

おもてなしポイント

蹲踞(つくばい):立場に関わらず 謙虚に身をかがめて心を整える

手水鉢(ちょうずばち) 湯桶石(ゆおけいし) 手燭石(てしょくいし)

前石(まえいし) 聖域に入るから清めて入る

お茶室が聖域に当たりますので清めてお茶室へお向かいになる

躙口(にじりぐち) 縦:約71㎝ 横:約66㎝ 平等の精神

躙口:どんな人も頭を下げ身体を縮めて入ることで平等の精神を表す

 

手がかり:開いていると中に入ってもいいよという合図

 

元庵を「年来、数奇の巧者」と豊臣秀吉が褒めると

千利休が茶の極意を相伝した と言い伝えられている

 

有楽斎のおもてなしの心

窓が多く 明るくて開放的な茶室

 

千利休作と伝わる茶室 国宝「待庵」は約2畳 「元庵」は約4

有楽斎は 茶室に竹を使うことを好んだ

千利休はここまで竹を多用していない

 

千利休とは異なる試みをした理由は?

「工夫をしなさい」「まねごとはダメです」

「これからは自分のお茶を突き詰めていきなさい」

守破離(しゅはり)守 師の教えと基本を守ること

        破 基本を破り応用する事

        離 師の教えから離れ独自の考えを生み出す事

有楽斎独自のおもてなし 明るく広く意匠でもてなす

 

造形の天才 デザインの秘密

国宝茶室 如庵(織田有楽斎 最晩年の茶室) 露地 犬山に移築

蹲踞(つくばい)の手水鉢(ちょうずばち)

如庵露地 蹲踞 釜山海(ふざんかい)

加藤清正が釜山沖から持ち帰った水穴石

 

外観のこだわり

下地窓:茶室の壁の下地(竹などの格子)をあえて露出させた窓

下地窓にはさらなる有楽斎の工夫が

西日がこの窓を通して躙口の上の窓に採光がある

 

たしなみポイント

斜めの壁

入った瞬間 独特の作りで広がりを見せる 斜めの壁 

給仕さんの導線の確保も斜めの壁でできている

給仕の導線と奥行きの効果を両立

窓の配置に注目

躙口から奥に向かって窓の位置が高くなっていく

窓の大きさも奥に行くほど小さくなっている

遠近法を強調 躙口からの視点

 

たしなみポイント

障子の様々な色が映る 虹窓とも言われている

 

腰張り:着物の帯や裾が土壁にこすれて

傷んだり汚れたりすることを防ぐ和紙

30㎝位の高さが一般的なんですけれど 

これは総張りといって窓の下まで張り巡らされている

しかもこれ古い暦 腰張りに古歴を再利用

 

村雨辰剛

こういった工夫が優しさ 

おもてなしがベースにあってのことと考えると

自分も同じくらい気持ちを自然と返したくなる

2026年4月13日月曜日

兼題「春風」&テーマ「初めて会った時」

風光るデータを超えた生命力

せっかくの独りの時間春陽射し

春深し相手侮りへこまされ

広告は欲しいものへと春北斗

春の月弱い大人がいっぱいだ

 

NHK俳句 兼題「春風」

選者:星野高士 レギュラー:松井玲奈 司会:柴田英嗣

年間テーマは「虚子の近代俳句」

 

近代を代表する俳人 高浜虚子(星野高士先生のひいじいさん)

本名 高浜清(正岡子規がつけた俳号が虚子)

身長 165

好物 煮物(おでんが好きだった)

1874(明治7)年 愛媛県松山市生まれ

1959(昭和34)年 死去 享年85

 

虚子が同近代俳句に影響を及ぼしたか

4月 ホトトギスを継ぐ

春風や闘志いだきて丘に立つ   高浜虚子

虚子が39歳の時に詠んだ俳句

 

中学生の頃、俳人 正岡子規と出会い俳句を始める

明治27(1894)上京 この時行動を共にしたのが河東碧梧桐

同級生の河東碧梧桐と虚子はすごい才能があった

この時詠んでいた俳句は 定型を破ったような句を作っていた

怒涛岩を噛む我を神かと朧の月   高浜虚子 22

神仙体(しんせんたい)(自分を)神格化して俳句を作る が流行っていた

虚子としては自由にやりたい そういう気持ち額に出ていた

遠山に日の当たりたる枯野かな   高浜虚子 26

(自分の事を枯野に仮身と思って作った)

自分は遠山にちょっと日が当たる枯野のような人生でいい

自分を直接的に書くのではなく 裏側に実は人(自分)がいる

表に自分が出ちゃうとダメ

 

子規が結核を患っているとき二人は競い合っていた

子規は死期を悟り虚子にホトトギスを継がせた 虚子24歳の時でした

明治31(1898)俳句雑誌「ホトトギス」の発行人を引き継ぐ

「ホトトギス」明治4412月刊

いかに高浜虚子が小説に力を入れていたか分かる

「ホトトギス」令和83月号

俳句⇨小説 碧梧桐は新しい俳句を発表」⇨新傾向俳句 人気を集める

碧梧桐がやっていたのは 季語(季題)もいらない 字数も自由 字余りでもOK

(それに疑問を持った)虚子が伝統俳句の五七五や季語一つ(という決まり)を守った

日本文学の伝統を守るために虚子は俳壇に復帰 守旧派と呼ばれている

「春風や闘志いだきて丘に立つ   高浜虚子」

39歳でこの句を詠んだ意味が分かったと柴田英継

39歳で決めた行く道を俳句をやろうと 立ち返った かなりの決意

春風という季題 季語の力が強い 春風は穏やかに吹いて

たまに早い風も吹く 春嵐とか 「闘志いだきて」は凄い決意

それが(春風と)ぶつかりあっている 

雰囲気が上の句と下の句で変わっている印象

「しゅんぷう」という読み方もある 「しゅんぷう」は音が力強い

それと闘志が一緒(の意味) 私は逆に「はるかぜ」で

穏やかなところと対比で闘志だと思う 私は「はるかぜ」と読む

 

・特選三席 兼題「春風」

一席 人間の笑う力や春の風   梅澤春雄

二席 春風にやがて相寄る川ふたつ   高橋充

三席 春風(しゅんぷう)や輪郭緩みゆく池心(ちしん)   沼本美穂

(句またがり 写生の句)

 

・特選句 兼題「春風(はるかぜ)

「春風」穏やかな風 息吹が満ちている 強いけど優しい

秋風だとちょっと勢いが弱くなる 木枯らしだと寒い

「春風」は未来への予感

 

春風やガイドブックに載らぬ町   真砂(まさご)光子

春風や初めて並ぶ献血車   板井すみ江

知恵の輪のことりと外れ春の風   ピアニシモ

春風や戸締りなんぞ知らぬ島   坂口峰子(ほうし)

春風に昔の背広着て街へ   堀田福朗

春風に捲(めく)れる地図を押さへけり   檜垣幸雄(ゆきお)

 

・はみだせ!教室俳句

愛媛県愛媛大学 全国教室俳句コンテスト表彰式 日本俳句教育研究会

俳句を使った優れた指導法を表彰

 

宇和島市立明倫小学校 芳谷あゆみ教諭

学級経営の中に俳句という筋を通して 「100句作って卒業しよう」

という目標を 頭から揚げるというのも 1つのアイデア

先生を褒めるコンテストを立ち上げたい 全国の先生を応援したい

アイデアの評価 それを共有して広めていきたい

 

千葉大学教育学部付属中学校 大澤由紀教諭 

タブレットを使った句会

 

済美平成中等教育学校 堀雄貴教諭

AIと俳句をつくる

 

このコンテストの狙いの一つは「はみだすこと」

俳句をやったことで結果 言葉の力がついて

それが心を育てることに繋がる この図式が一番大事

俳句ありきではなく 言葉を育てるために俳句が使える

生成AIを使って タブレットを使って 現状に即した

新しいアイデアをどんどんひねり出していく

ひとりの先生のアイデアと工夫 ワークシートを作る労力

それをみんなで今日共有すれば もっと簡単にやれる

共有しましょうというひとつの教育運動がこのコンテストを

きっかけに広がっていってくれたら 国語科に俳句を

閉じ込めたくない 全ての教科 全ての学校教育活動に

俳句をアイテムとして使っていただきたい 

 

・松井玲奈 今月の一句

春風を顔にうけつつ犬笑う   松井玲奈

(全部言ってしまっている 余韻 見せないというのが俳句の美学

 全部言うと日記になってしまう 日記から俳句 詩の方に変化させる

 何かが余計 「犬笑う」で「顔」の意味は出ている

添削

春風をうけつつ犬の笑うごと

(「ごと」というのは「ごとく」比喩 俳句での使い方は難しい

俳句は省略の文学)

今月のポイント 「省略」

 

NHK短歌 テーマ「初めて会った時」

選者:千葉聡 ゲスト:長嶋有 司会:ヒコロヒー

年間テーマは「きょうの放課後 いつかの放課後」

 

フォルテとは遠く離れてゆく友に「またね」と叫ぶくらいの強さ

千葉聡

 

・入選九首 テーマ「初めて会った時」

母さんにあの世で初めて会ったならあんたは誰とまた言われそう

樋口勉

一席 永遠の類語と思ういつ来ても初めてみたいに思える海は

田中佳(よし)

三席 意外にもポートボールが上手かった自称太宰の生まれ変わりは

立田渓

二席 月光のナイフを胸に抱いているようなあの日のあなたでしたね

星川郁乃(いくの)

皆地方出身なれば唱和する「いらっしゃいませ」から渋谷に染まる

小林竜太

君は僕に弾いて欲しいと言ったよねイシバシ楽器の壁に吊るされ

岩本朗(あきら)

見つめあうと乱反射するようだったきみもわたしも眼鏡かけてた

石川真琴

風の寄り合い所のようなバス停で羽ばたく文字をなでていた指

十条坂(のぼる)

美術室に駆け込む僕ら石膏のシーザーは背後から見ている

里見脩一

 

・ちばさとの放課後短歌部

ゲストの放課後にまつわる思い出を短歌にしていく

長嶋さんの思い出「パソコンと初めて会った時」

 

ちばさとの注目ポイント

多分本人が忘れている最初の出来事

 

ひらがなのキーを探せば「ぬ」はあるが「ぬま」と打つのか、今この俺が

千葉聡

1人で「ぬま」と打ってにんまりわらったかもしれない という事を歌にした

 

短歌づくりのヒント

「初めて会った時」の心に残ったディテールを詠むと良い歌になる

 

Q.短歌や俳句は定型があるから必ず終わりがくる

小説の終わりはどのように決めている?

 

終わりは「便宜」便宜的に終わらないといけないから終わるもの

始まりとか中間部分は「表現」 終わりはテクニック

 

ヒコロヒー著「黙って喋って」

「黙って喋って」は短編小説集だけどいろんな人物が出てくる

取材はしていないが喫茶店で盗み聞きしている

 

・いちご摘み

青空の動脈として伸びていく梅の枝から私へと春

田中翆香

⇩一語つむ

お茶請けの話が長い川岸にだんだんカリカリ梅の優勢

俵匠見(たわらたくみ)

 

カーナビがいいな、君の曲がるほうに合わせて考え直すカーナビ

俵匠見

(短歌会は)自分よりうまい人が同世代でめちゃくちゃたくさんいて

悔しい気持ちにもなるんですけど(歌会で)票がいっぱい入ったりすると

うれしいし楽しい

(大学の)研究でも友達と遊ぶのも読んだりするのも(短歌)」なので

言葉に関する事で生活できたら一番楽しいのかなと思います

 

静脈は青のイメージだけど動脈は赤のイメージで

それが梅の花の色とも合ってて 動脈で戦うと負けそうなので…。()

つんだのは「梅」 

2026年4月12日日曜日

尾崎放哉&「入学」&加賀まりこ

羽海野チカ女史を詠む

強きもの勝者にあらず雪の果

(やな)日和しんどいことを呟かん

暮の春色々な具を入れてみる

石鹸玉他人に聞かせる独り言

常軌した目の中の花春意かな

 

■尾崎放哉(自由律俳人)の俳句

咳をしても一人

入れるものがない両手で受ける

こんなよい月を一人で見て寝る

朝がきれいで鈴を振るお遍路さん

足のうら洗えば白くなる

墓のうらに廻る

ひとりだからひとりごと言う

何も忘れた気で夏帽をかぶつて

何か求むる心海へ放つ

なんにもない机の引き出しをあけて見る

背を汽車通る草ひく顔をあげず

考へ事をしてゐる田にしが歩いて居る

すばらしい乳房だ蚊が居る

なん本もマツチの棒を消し海風に話す

ぴつたりとしめた穴だらけの障子である

雪積もる夜のランプ

霜とけ鳥光る

冷え切つた番茶の出がらしで話さう

何がたのしみに生きてると問はれて居る

針の穴の青空に糸を通す

縁がわあたゝかくて居る木の葉が一枚とんで来た

春の山のうしろから烟が出だした(*辞世の句)

 

池内紀 評

死とつばぜり合いをするようにして俳句が生れた。

おのずと放哉作には死と生とが紅白日本の糸のようによじ合わされている

 

放哉が亡くなられ202647日で百年。

旧制一高、東京帝大を出たエリートでありながら

酒で失敗を重ね、身を崩し41歳で生涯を閉じられたとか…。

酒好きの亡父が好きだったことを思い出す…。

 

参照:https://www.aozora.gr.jp/cards/000195/files/974_318.html

 

■夏井いつきのおウチde俳句

一分季語ウンチク「入学」

 

この春に新一年生になられる人には 改めておめでとうございます

そんな「入学」という一大イベントも季語になっているわけです

4月頃に日本では「入学」のシーズンを迎えますけれども

この「入学」という季語の傍題として 「入学式や」

その入学する子供の「入学児」でありますとか

「新入生」や「一年生」新しく入って来る「新教師」

というのもこの「入学」の傍題であると

歳時記には分類されております

季語として使う時のポイントとしましては

どの学校への「入学」なのかという事を

他の言葉との組み合わせによって表現する

そういうバランス感覚の大事になってくる季語かもしれません

先行する有名な句としまして

「銀行に口座開きて入学す」という堀之内和子さんの名句もございます

これは銀行に口座を開くっていう状況から

あぁ大学生かな みたいな読みが強くなってくる

さすがの言葉の組み立て方でございます

 

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん

ゲストは❝和製ブリジット・バルドー❞と言われていた女優・加賀まりこさま。

色紙の言葉は「人生行って来い」

戦時中、病院の防空壕で生まれたとか…。

高校時代、友人のお父様経営の❝キャンティ❞に通っていたら、

川端康成氏や寺山修司氏や篠田正浩氏やアラン・ドロン氏からも

声を掛けられたとか…。

大物女優さんとのエピソードも凄かった。




2026年4月11日土曜日

わたしの日々が、言葉になるまで 桜の魅力

体幹に自分軸すえ春を生く

陽春や今朝が遠くの日のごとく

口開けて昼寝する夫(つま)春の怪

欲張らず身の程を知る星朧

春の月強いだけでは勝てませぬ

 

■わたしの日々が、言葉になるまで 桜の魅力をい言葉にすると?

土居志央梨 朝井リョウ 小渕健太郎 劇団ひとり 桐山照史

 

土居志央梨 「虎に翼」「青天を衝け」細やかな感情表現で魅了

 

朝井リョウ 「何者」「桐島、部活やめるってよ」

「イン・ザ・メガチャーチ」「生殖記」 桜とはカロリーの高い単語

リアルで鋭い心理描写 時代特有の共感を得る作品

 

小渕健太郎(コブクロ) 細部まで計算された歌詞とメロディー 

多くの人に感動を与える 時間と共に会える 枝の持つ魅力 

 

なぜ心を奪われるのか? どんな感情が? 

私たちを惹きつける桜の魅力を言葉にすると?

人が集まる理由として桜を使っている(朝井)

コブクロの「桜」のモチーフは京都の円山公園(小渕) 小渕健太郎=桜博士

 

桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ 涙と笑顔に消されてく

そしてまた大人になった 追いかけるだけの悲しみは 強く清らかな悲しみは

いつまでも変わることの無い 無くさないで 君の中に 咲く Love

作詞:小渕健太郎/黒田俊介「桜」

 

何十年、何百年の繰り返しにメッセージ

卒業の時に後輩が先輩に告白 後輩の思い 小渕

 

「桜」キレイ、美しい、切ない 小学生には衝撃的だった 土居

 

桜とはカロリーの高い単語 感情を投げ込める 

涙と笑顔が並んでいても不自然じゃない 桜のなせる業 

「強く清らかな悲しみ」も違和感なく心に入って来る 朝井

 

タイトルに「桜」がつく曲数 およそ640曲 スタッフ調べ

 

人気アーティストが表現した桜ソング

いきものがかり「SAKURA」青春時代を描いた桜の表現

さくら ひらひら 舞い降りて落ちて 揺れる 想いのたけを 抱きしめた

君と 春に 願いし あの夢は 今も見えているよ さくら舞い散る

いきものがかり(作詞:水野良樹)SAKURA

 

サザンオールスターズ 天災からの復興への思い「桜、ひらり」

桑田佳祐が描いた桜の表現
桜、希望に萌えて 今も匂ってきます ひらり 風に舞ってる

誰か未来へ言葉 うまく伝えて欲しい ゆらり 忘れえぬ面影 

柳暗花明(りゅうあんかめい)

サザンオールスターズ(作詞:桑田佳祐)「桜、ひらり」

 

桜の匂いっていう感覚はなかった 小渕 (私はあった)

「桜、ひらり」能登半島地震から円年となる2025年元日に配信 小渕

 

「君と」過去「誰か未来へ言葉」未来

託しているのは常に桜の季節に存在する

時系列でも言える 桜を背景に置くだけで10年前の思い出も

100年後の未来も隣同士 時系列を無にできる 共通言語である役割

共通言語としての強さを感じる 朝井

 

「桜が舞う」静ではなく動的 

「舞う」0でも100でもない間を表現できる言葉

舞い始めはPositiveなイメージ 

「舞い降りて」「舞い散る」100に近い終焉 朝井

 

言語化のヒント

「舞う」PositiveからNegativeまでの間のGradationを表現できる言葉

 

咲き終わった途端 誰も桜を見ない 桜の葉っぱは掌より大きい 

殆どあの時期にしか注目されないのが僕は切なくて好き 小渕

 

新海誠ワールドの原点 男女の時間と距離を描いた桜

「秒速5センチメートル」

満開の桜の木の下で交わした言葉

「ねえ 秒速5センチなんだって」

「えっ 何?」

「桜の花の落ちるスピード 秒速5センチメートル」

「ふうん アカリ そういうことよく知ってるよね」

「ふふん ねえ なんだか まるで 雪みたいじゃない?」

「そうかなー」「あっ」

「ねえ!まってよ!アカリ!」

「タカキくん 来年も一緒に桜 見れるといいね!」

 

実際、桜の花びらが落ちるスピードは秒速5センチではない!

*科学的根拠はありません

 

短くて遅いことを良しとしている 一般常識とは反対である

ゆっくり歩いて行こうよ ゆっくり恋が成就するといい

とこの子は思っているのかな? 小渕

科学的な表現の違和感 劇団ひとり

 

そのモノをその言葉を使わずにどう表現するか?試されるので

数学的要素 距離の遠い単語を持ってきて桜を説明するのがお洒落 朝井

 

美しいを使わずにどう伝えるか?苦心している。

心砕いている。書き手は…。名フレーズになる要素を秘めている。 朝井

 

直木賞作家が感じた桜とは?❝桜は○○のような花…❞

千早茜「透明な夜の香り」「桜の首飾り」「男ともだち」

千早茜著「ガーデン」 

桜の美しさそのものだけではなく 心情を桜に託した表現 

長くのびた桜の枝は 風が吹くたびにゆらゆらと揺れて、

泡のような花を散らした。なんだか心許ない。

実態がつかめない。桜は不安の代名詞のような花だと思う。

 

自分の心情によって全く見え方が変わる花 別れの時期でもあるし

新たなスタートの時期でもある 不安定になりがちな時期に咲く

自分の心を灯影してみる 土居

 

1年で1番感情が動く時に咲いているもの なんにでも嵌るのかな 桐山

泡の消えるスピード 桜が散るスピード 泡っぽい花といっても桜が出てくる

 

針金1本くらいの細さの枝 命の先端 枝先は今日を生きている

そこからまだ頑張ろうとしている 切ない・不安 

元には戻れないが 空間でまた重なることがある

会えなかった人と会えるように 時間と共に会える時が来る

枝の持つ魅力 小渕

 

小説の世界ではNegativeな感情を託す花 

梶井基次郎著「桜の樹の下には」「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」

桜は不気味 ソメイヨシノはクローン

ソメイヨシノ:挿し木や接ぎ木でしか増やせないため、

遺伝的に同じ性質をもったクローン ソメイヨシノ=スミス?()

花の表現をするときに周辺の言葉から取ってきたり 色で表現する事が多い

泡というだけで白を使わずに表現 時間的な短さを表現 朝井

 

貝殻のように白く光るのは

大方さっきの桜の花がこぼれたのであろう。

芥川龍之介「運」

 

御室(おむろ)の桜も、一目見たら、春の義理がすんだようなもんや。

川端康成「古都」

 

「古都」裁判にかけられる季節 春をやった 春の義理と表すのがかっこいい

夏楽しみましたか?海行った?旅行いたの? 夏裁判

夏は義務を感じる季節 朝井

 

桜は小説家にとってどんなモチーフ?

Positiveな感情よりもNegativeな感情を乗せやすい

頂点が一瞬過ぎて 前後を描きたくなるモノ

ピエロ 真っ赤な口紅 美しいものなんだけど怖さを感じる

 

言語化のヒント

美しいものを怖いシーンに入れるなどあえて真逆の意味合いで言葉を使う 朝井

逆張りだから❝美しい❞前提はある 土居

❝美しい❞を共有している強さ 朝井

 

恋愛小説で描く狂気の桜

「ノルウェイの森()」村上春樹著

春の闇の中の桜の花は、まるで皮膚を裂いてはじけ出てきた

(ただ)れた肉のように僕には見えた。

庭はそんな多くの肉の甘く重い腐臭に充ちていた。

 

桜側に意思がある より不気味さが強く表現されている

自分が病魔に侵されていく中で桜のように生命力のあるものが憎い 朝井

いろんな角度から創作している対象 劇団ひとり

 

お花見タイム!

写真から何を受け取り どんな表現を生み出す?

「花弁で視界が覆われるそれは棺の内側のようで」朝井

満開の桜に行く手を阻まれている様子を表現 桜は不気味

 

「桜が手をつなぐ 満開のアーチの下を」小渕

散ってくれる ちゃんと散ってくれる 34月乗り越えて次頑張っていこう

短い命のようで実は1年中頑張っている 見てもらえたらうれしいな

 

最後は桜側の発言でした 朝井