2026年1月3日土曜日

新ジャポニズム 時代劇

Routineはいつもと同じ三が日

初景色流れ穏やか吉野川

晴れやかに最後となった年賀状

 

■新ジャポニズム 第7集 時代劇 世界を魅了するタイムトラベル

 

ジャパニーズ・カルチャー

SHOGUN 将軍」エミー賞史上最多18部門受賞

真田広之

「これは日本の時代劇というか歴史的な物語ですが その歴史で何が起こったかを

知っている方でも 新鮮に驚いて興奮していただける」

須藤泰司

「とにかく誰かがどこかで始めないともうなくなるぞという危機感」

渡辺謙

「大きなターニングポイントを迎えている 旧態依然とした時代劇を

撮っていたら 今のお客様に飽きられてしまう」

世界を熱狂させる魅力とは

サムライの精神 時代劇ならではの刀を使った殺陣

 

時代劇の心

今から130年前映画発祥 その地パリ

アートハウス・フィルムズ(映画配給会社)

「碁盤斬り」草彅剛 主演

誠実 誇り 誠実 忠誠 などといった価値観が注目を浴びた

 

これらの美徳を死ぬまで貫いた武士

社会における道徳というのは寓話を介して表現されることが多い

現実の世界で何かをそのまま描くのではなく

(時代劇という)架空の世界を舞台にすることで伝えたいメッセージを

より自由に表現できるということです 時代劇は古臭いと感じていた

美意識を新しい現代によみがえらせているのです

 

映画は「誇り」「誠実」といった私たちにとって根源的な価値観を

描かなくなりました だからこそその根源的な価値観を

時代劇の中で見ることは非常にPositiveなのです 全てをNegative

捉える現代社会において時代劇はなにかPositiveな展望を

与えてくれるものなのです 

 

時代劇の表現

 

時代劇の俳優が台詞ではなく存在そのもので演じている事

どこで笑うか どこで立つか どう立つか 肩の位置 そして表情

細かい所作を通じて表現している 

 

時代劇のキャラクターがもつ精神や考え方 そして全体の空気感を

自分の演技にも宿らせたい 

「ああ自分もこういうキャラクターを演じたい」と思う

 

SHOGUN

完璧な”本物“に到達するなんてこと 不可能だと分かっているけれど

でも“本物”に近づけば近づくほど物語を具体的に語れて より記憶に

残るものになる 日本の映画製作者たちの技と芸術性といった

時代劇が持つ日本独自の表現は失われないだろう 

 

SHOGUN 将軍」には長年にわたって時代劇を人気Genre

にしてきた要素 セット 小道具 衣装 キャラクターという

強みがあります それは私が「美的」と呼ぶ感性 時代劇にこそ

見出される美意識です そこには絵画的な優雅さがあり美しさ

があります それはまさに”日本の美意識“を反映しています

自然と芸術を調和させ そして自然を芸術へと昇華させる

日本らしさが表れているのです 

 

時代劇の挑戦 太秦

 

「木挽町のあだ討ち」

自分たちの信じる正義とかそういうことに加担していく 

やってることとか 描きたいことは 変わっていない 

永遠不変というか その時代の 人間の持っている価値感とか 

 

時代劇復活

最盛期の20分の1となった時代劇

 

明快に時代劇は流行らないから 作らないというスタンスでやっていた

東映が時代劇というものを この3年位作っていつのは本当に数本です

東映だけじゃなくて日本映画が時代劇をコンスタントに作らなくなって

ご存じの通り久しいですけど とにかく誰かがどこかで始めないと

「もうなくなるぞ」という危機感がありました

 

京都文化博物館

 

戦前で昭和恐慌のころ 食べるものがない 仕事のない時代

(現代劇で)警察官を直接殴ってしまったら それは検閲でカット

ところが時代劇の場合は御用ちょうちん「御用だ御用だ」御用ちょうちんを

持った捕り手に囲まれて 最後に主人公がその捕り手を刀で斬る

これはOKだったんです 今生きている人たちの不満とか寂しさ

つらさというのに寄り添えるのが現代劇ではなしに逆に時代劇のほうが

寄り添えてた 

 

西洋人が最初の日本映画を見たのは時代劇です フランスで配給された

最初の日本映画は黒澤明監督の「羅生門」でした フランスや西洋の

観客にとって時代劇はとても魅力的でした そこで全く別世界を

目にしたわけですから 人間のキャラクターやサムライだけでなく

草を揺らす風にも 同じように意識が向けられています こうした

時代劇のすべての要素に意味を持たせる演出が実に魅力的なのです

 

ジョージ・ルーカスは黒澤明の「隠し砦の三悪人」に

インスピレーションを得て「スターウォーズ」を製作しました。

セルジオ・レオーネは「荒野の用心棒」で「用心棒」を

リメークしました 他にもたくさんの例があります

 

1970年代以降 時代劇がほぼ消滅してしまったのは事実です

(若者は)サムライや将軍といった昔話は見たくなく 現実に根差した

映画を求めるようになったのです 

 

今作る時代劇をいろいろまだ模索しているんですよ ようやく再開

したばかりなので 今回はそれにミステリーっていうのがあるので

その斬新さにかけてみようと 

 

時代劇×謎解き

柄本佑  

また新たに時代劇というものを出会い直すようなアプローチがどこかで

できたら 時代劇もどんどん活気が出てくるんじゃないかと思う

渡辺謙

すごく大きなターニングポイントを僕は迎えているような気がするんですよ

継続してやっていくためには今までの伝統だけではもの足りない

時代劇としてもっともっとトライしてほしいとは思うんですよね

ある種(時代劇は)けれんみだと思うんですよね 驚くというのかな

サプライズがあるのが“けれん”だと思うので 結構ばかばかしかったり

するじゃない でも それって飛躍できるのよ 時代劇だと

お芝居の仕方もオーバーにやるというのではなくて 普通に

「こうやるだろうよね」っていうことから ちょっとはみ出したり

ずらしたり そういうことが時代劇って わりかし踏み込めるんですよ

それをやっぱり体現できるのが 所作のひとつひとつだと思うんですよね

 

峰蘭太郎(所作指導)

自らも俳優として60年以上時代劇を作り続けてきた生き字引

こうして礼をしないで ここから 

正座からあぐらに変わるときの動き方というか ひざがボンと

浮いた形になったので そうじゃなくてひざをついたままで

正座からあぐらに変えられる そういうやり方があるので 一応

元は武士(という役)なので そういった心得も知っているという

前提を それをお伝えして反映していただくようにして 

(武士としての身なりということですね)

武士は体幹でずっと動いている体なので”なごり“として

ちゃんと残っている

 

太秦の技

 

装飾 三木雅彦(装飾)

ここだけでは収まりきらないので 56か所に分散して 

纏めてあります

空間を作ることが大事なので 監督さんによっては「こっち(見えない所)

という人もいますけど四方八方作り込んであったらその中で

雰囲気に浸って演出なり 演技なり カメラワークなりが

できるんじゃないかなと 江戸時代の雰囲気を作り上げた中へ

みんなを放り込んであげる 

 

結髪 山下みどり(床山)

(頭の形が)いびつな人は綿の位置が変わってきたりするんですけど

きれいに(かつらが)乗るように微調整 つぶしは代々先輩から教わって

夏は硬く 冬は柔らかくしてます はげ そった跡を作ります

お年寄りの人は薄くして 若い人は濃くしています とばし

目が変わりますね 俳優さんはね メークしてかつら乗せたら

顔変わる人やっぱり多いです 日常じゃないからこそ入り込み

やすいのかもしれない ただ単に侍だから侍の顔とかじゃなく

その人の顔に合うために もうちょっと鬢を膨らましたほうが

いいとか 色気出すためにシケを出したほうがいいとか 

 

衣装 大塚満(衣装)

町娘も若い娘さんなので 明るい色目 あとは着物とのバランスで

襟の合わせ方でも若い人 年配の人 もっと年配の人で全然

変えてはいる 結婚式とか写真館はきれいに見せるための

着付けなので がんじがなめなんですよね 体が動かなくても

いいように でも僕らの着付けというのは 普段着ているような

着付けとといったらいいですかね 自分が着て その体に

合わせたりとか 日に焼いたりとかをしながら その本人が

ずっと着ていたっていう形に作り上げるようなことをしています

 

エマニュエル・オセイ=クフォー 映画監督 「将軍」第8話の監督

これは京都フィルムメーカーズラボの写真です 初めてロケハンを

した時の写真だと思います 

当時私は時代劇を「アメリカの西部劇の日本版」だと思っていました

つまり歴史上の激動の時代を舞台にしているだけの歴史劇だと

でも京都フィルムメーカーズラボに参加して より多くの

サムライ映画を見るようになってから 時代劇には全く違う側面が

あることにきづきました 殺陣を学べたことは本当に貴重な

経験だったと思います 私にとって殺陣は単なる剣術やアクションの

振り付けではありませんでした むしろ戦いの前の静けさや

ひとつひとつの動作に込められた意図を学びました そこで日本の

映画がもつ独特の感触を深く理解できたと思います 「多くのことが

起きなくても緊張感は生まれる」という感触です

このシーンは妻と夫が再び心を通わせる場面でもあります 第8話の

 

脚本を読んだ時に気づいたのはページに書かれている事よりも

「書かれていない事」が重要だということでした 静けさに

重みと意味を持たせるよう意識しました 台詞よりもむしろ

それが重要でした 静けさが非常に重要です 他の文化では

夫が妻の心を取り戻そうとするシーンは 全く違う形になるでしょう

色々な意味で時代劇は日本文化 そのものを映し出すレンズです

時代劇は日本映画の基盤であり太秦のような場所は存在し続ける

必要がある 

 

須藤泰司

すべて京都のスタッフで映画を作ることが今できております

京都撮影所の技術をやっぱり継承していかなきゃいけないと

(時代劇を)日本映画の中に人気のあるジャンルとして残るように

作りたいと思います

 

エキストラも絵に画面の力として出てくる 役者とエキストラの

相乗効果は大きい

 

渡辺謙

久々に東映の京都に来られて 時代劇 やっぱりこいつらの

やる気は本物やなと 身にしみて思いました 久々に江戸時代に

浸れて…。

 

源孝志(監督)

日本人が失ってしまったものというか そういうものがたくさん

時代劇にはあって 人間のマインドだったり 倫理観だったり

正義感だったり どっかDNAの中にあると思うんですよね

そういうものを見せられると理由もなく心が動いたりとか

 

須藤泰司(プロデューサー)

時代劇の”時代“っていうのは ”今の時代“ということじゃないかなと

思うんです 時代劇だってお客さんが作られる 内容のものを

ちゃんと作れれば 自動的に作ってくれって話になると思うんです

昔のように量産されることはないにしても 次に続く人たちに

渡していかなければならないし やっぱりきちっと日本映画の

ひとつの伝統として作られていくようになればいいなと思っています

 

ジョグジャカルタ

アジアフィルムマーケット

日本時代劇×インドネシアホラー

 

パリ

「陽が落ちる」

配給会社代表

日本市場で知られていない映画を発見するのは嬉しい これは挑戦なんです 

私たちはただ日本の市場をコピーするのではありません

(時代劇の)紋切り型のイメージに陥らずにそこから脱出したかった

2026年1月2日金曜日

追悼 谷川俊太郎

青き空多忙極めて年来る

年新た今年こそはとまた決意

二日には面白きこと願います

 

■追悼 谷川俊太郎さん~Nコン合唱曲 子どもたちへのことば~

 

Nコン課題曲を作詞

「青空のすみっこ」

「生きる」

「いのち」

「信じる」

「とどいてますか」

 

(詩を)読む人 聞いてくれる人に なにか感動を与えたい

笑いであっても 涙であってもいい 言葉の意味だけでなく

日本語の響き 音を大事にしている 本能的ですけど

 

「とどいてますか」

こんにちは とどいてますか わたしのこえ 

こんにちは とどいてますか ぼくのこえ

わたしたち ホモサピエンス ちきゅうというなの

うつくしいほしに いきています

くさやきや けものやとりや さかなやむしの

いきものなかまと おおむかしから 

うちゅうにひろがる そらのしたで

わたしたちうたいます いろんなこえで あなたにむかって 

わたしたちきょううたいます あしたにむかって

 

合唱に限らず子ども一人一人がなにかいう時や歌うとき

相手に「とどいているか」をいちばん気にしないといけない

みんなSNSとかあるから 本当に言いたい放題になりかねない

でも すごく言いたいことがあっても それが相手に

とどいているかどうかが 言葉の一番大事なところ

だから「とどいてますか」っていうのは 僕にとっては

すごく基本的なことば 

 

「青空のすみっこ」1974年中学校の部課題曲

青空のすみっこで ひらひらの雲が湧いた

とどきそうで とどかない 

青空のすみっこで ひらひらの雲が消えた

青空のすみっこを 一羽の子鳥が飛んだ

つかめそうで つかめない

青空のすみっこに 一羽の小鳥が消えた

 

「生きる」1995年高等学校の部課題曲

空の樹にひとに 私は自らを投げかける

やがて世界の豊かさそのものになるために

…私は人を呼ぶすると世界がふり向く

そして私がいなくなる

生きているということ いま生きているということ

泣けるということ 笑えるということ 

怒れるということ 自由ということ

人は愛するということ あなたの手のぬくみ いのちということ

やがて世界の豊かさそのものになるために

空の樹にひとに 私は自らを投げかける

やがて世界の豊かさそのものになるために

 

〈六十二のソネット〉から「62

世界が私を愛してくれるので(むごい仕方でまた時にやさしい仕方で)

私はいつまでも独りでいられる

 

私に始めてひとりのひとが与えられた時でも 

私は世界の物音ばかりを聴いていた

私には単純な悲しみと喜びだけが明らかだ

私はいつも世界のものだから

空の樹にひとに 私は自らを投げかける

やがて世界の豊かさそのものになるために

…私は人を呼ぶすると世界がふり向く

そして私がいなくなる

 

(作曲した)新実さんがこの二つを結びつけたのはちょっと

意外だったんですけど 読んでみるとね (二つの詩には)同じような

テーマがあるんですね 人間というのは一人で生きていながら

必ずどこかで ほかの人と 自分の愛する人と繋がっているし

その人を通して もっと広い世界につながっている というのは

共通のテーマでね そういうことを 自分のことばで 歌って

もらえるといいなと思う 人の書いたことばを歌うというのではなく

自分のことばに翻訳して 歌ってもらうといい

 

誰かの声で 自分の詩が広まることは 新鮮な体験でした

75NHK放送文化省 受賞Message(20243)

 

私は自分では演奏しませんが 音楽が大好きで

自分の詩が歌になることはいつでも歓迎していました

 

「課題曲を歌おう」20043月放送

「信じる」2004年中学校の部課題曲

笑うときには大口あけて

おこるときには本気でおこる

自分にうそがつけない私

そんな私を私は信じる

信じることに理由はいらない

地雷をふんで足をなくした

子どもの写真目をそらさずに

黙って涙を流したあなた

そんなあなたを私は信じる

信じることでよみがえるいのち

葉末(はずえ)の露がきらめく朝に

何をみつめる小鹿のひとみ

すべてのものが日々新しい

そんな世界を私は信じる

信じることは生きるみなもと

 

「信じる」っていう抽象的なことばだけではちからがないと思ったので

なにか具体的なことを書きたいと思った 第一に「自分を信じる」って

いうことを ことばにしたくて 今の子どもたちは 自分を信じ切れない

子どもたちがいるような気がする 真実ということは 自分を

肯定する事でもあるし 自分を愛する事でもある 人間って そういう

ところから始めた方がいい という考え方が まず頭にありました

信じるっていう行為の中には 感情がすごく感情が入っていると思う

感情抜きでは語れない事だから 感情というのは 理由を考えても

わからないもの 理由がない激しい感情 強い感情 深い感情

そこのところを書きたいなと思いました

 

はじめ この詩を「信じよう」ってかたちで書きだしたんですね

だけど それがどうしてもうまくいかなかった 信じるっていう

心の働きは すごく心の深いところで起きるものだろうと思うので

だから 松下さんが曲の終わり方を歌い上げないで すごく静かに

終えてくださったことが 僕はうれしかった 信じる働きというのは

とても静かで深いものだと 頭に入れて歌ってもらえるうれしい

 

「いのち」

命の多様性ということを 具体的に歌詞の中で出せたらいいな

相当 試行錯誤した 大きな象と小さなアリみたいな対比をすることで

命の多様性を出そうと思った 

 

「いのち」

サバンナに立つ象の足元

アリが一匹迷子になっている

太平洋の青い深みで

イワシの群れが銀にひらめく

コンクリの割れ目に咲いて

たちまちに踏まれた花も

大空に輪を描くトビも

みんないのち いのちをうたう

 

いのちがいのちを奪うときも

いのちからいのちは生まれ

いのちがいのちと争うときも

いのちはいのちとむすばれている

 

ホモサピエンスであるより先に

ヒトもひとつの無名のいのち

生きとし生けるもののふるさと

地球は生きていのち育む

 

のびやかに地を蹴るいのち

ひたむきに夢見るいのち

いま響くこの歌声も

みんないのち いのちをうたう

 

初めて聴くんです きょう すごくダイナミックで

スケールが大きいというのが第一印象ですね

ことばが立ち上がって 空へ飛び立ったみたいな

そういう印象になる 

 

Q.お二人にとって「いのち」とは?

難しいよね ひとことで言うのは いのち=波動

人を好きになったときに 好きになった気持ちって

全然目に見えないんだけど ちゃんと どこかにある

心と体の中にある 波動的なものが「いのち」

波動的なものが 植物になったり動物になったり

人間になったりしていると考えると 「いのち」は

すごく広く 考えられるんじゃないかと思う 

 

Q.「いのちをうたう」とはどういう意味?

詩の場合は いろんな比喩的な言い方というのがあるからね

あなたは 自分はいのちでしょ 人間なんだけど 元をたどればいのち

今 歌ってたじゃん そういうあなたのことだと思うといいんじゃないの

 

全国コンクール高等学校の部 201010月放送

パックンのインタビューでは谷川氏「優劣付けたくないですね」

きょう 入場料払ってないのが 申し訳ない気がして

やっぱり(11校の演奏が)微妙に違うんですよね 

それがすごくおもしろい

作曲されると 詩に潜んでいるドラマみたいなものが

音楽によって出てくる そのドラマの解釈が 

ひとつずつ(学校によって)違う

昔 これはうちの父が覚えていたんですけど うちの庭で

犬がカマキリかなんかを ちょっかい出して殺そうとしていたら

幼児の僕がすごい勢いで泣いたんですって 僕 わりと

子どもの頃から 生き物を殺すのが苦手だった 僕 ゴキブリと

同居している 殺しにくい ネズミもいるんですけどね

できるだけ邪魔にならないよう 時々 食べ残しを置いといて

やったりして 飼ってるっていうわけじゃないけど その方が

気持ちが楽 殺すよりも 

 

身体をすこやかに 魂もすこやかに 生きていってください

これからの未来は きっと大変なことがあるだろうけれども

それに負けずに 生きていってほしいと思います

 

誰かが歌っていると 自然に自分もそこに参加したくなる

一人の自分の歌が そのまま何人もの違う自分の歌になる

それが合唱の始まりです 単数のメロディが 複数の

ハーモニーになることで生まれる美しさ それは人間社会の

ありかた そのものではないでしょうか  

2026年1月1日木曜日

謹んで初春のお慶びを申し上げます

ふたりきり今年もよろしくお正月

雑煮餅ついに一つとなりにけり

祝い膳いつまで書ける?箸袋

 

謹んで初春のお慶びを申し上げます

笑顔にあふれ幸多き年でありますよう心からお祈りしております

お体を大切にお過ごしください

本年も宜しくお願い申し上げます

 

令和八年元旦 天河水 丙午




2025年12月31日水曜日

兼題「首」&テーマ「あったらいいなと思うもの」

 行く年や残るマニキュア除光液

買物難民タクシー使う年の暮れ

スーパーの餅売り切れてはしごせり

晦日蕎麦上あご火傷水膨れ

餅のなき正月前のパンの香


NHK俳句 兼題「首」

ゲスト:大熊光汰 藤田直子 能町みね子 かわにしなつき 司会:中川緑

年間テーマ「語ろう!俳句」

 

   老犬の首傾げをり冬銀河 中川緑

   くびもとのやわき結びや冬びより かわにしなつき

   地吹雪や吾 ()は生きて居る首の脈 能町みね子

   冬銀河船首に立ちて仰ぎけり 藤田直子

   首冷やす風が後ろの枯木より 大熊光汰

 

・特選三席発表 兼題「首」

一席 首据わる冬の陽浴びるうんちする   古谷野(こやの)るる

(短文を三つ並べた独特な表現 どれも赤子の行動であるところに

  赤子が日一日と育っていくさまが手に取るようだ ことに三つ目の

 「うんちする」が成長する命のありのままを伝えています)

二席 バーコード巻きたる手首春を待つ   みづちみわ

三席 首たたみ蕾のかたち浮寝鳥   花見鳥

 

特選

コスモスの首のあたりの風きれい   池之端モルト

不合格首で伝えて寒昴   山崎力

天高しキリンは首で愛し合ふ   曽根新五郎

首元へファスナー一気年の市   石井公子

待春や連獅子の首振り揃(そろ)へ   円堂実花

折鶴のまつすぐに春を待つ   中路修平

 

NHK短歌 テーマ「あったらいいのになと思うもの」

選者:木下龍也 ゲスト:坂口涼太郎 司会:尾崎世界観

年間テーマ「“伝える”短歌 “伝わる”短歌」

 

涼太郎の短歌 涼短歌

「えーえんとくちから」笹井宏之著

1パージを開いた時に 宇宙と思い 自分も作りたいと思った

ベランダに出て夕日を見ながら作り始めた 坂口

選ばれし者 木下

 

今回は未来の話 アイデアの話を送って貰いたいと思った

 

・入選九首 テーマ「あったらいいのになと思うもの」

私 はなびらの落ちる香りを嗅ぎわける散るときそばにいられるように

玖嶋(くしま)さくら

もう少し空くでしょ海馬藤本の鼻血を選択、Shift,Delete

白波はるよ

リカちゃんのクローゼットにきっとある人の形をしている喪服

糸田つぶさ

なんかもう分からないので支払っておいてくださいお金は出すので

梅田エルマ

三席 真夜中に微(かす)かに響くなきごえが猫か子どもか分かる脚注

大森渓瑚(けいこ)

一席 私 捨てるときかるく心が痛むから「おわり」の文字の浮き出るパンツ

たんかちゃん

シャンプーの泡に合わせて「後ろにはなにもいない」と教えておくれ

藤井喜楽(きらく)

私 コンビニでビニール傘が消えるから私の顔を覚えさせてる

青山英敏(えいびん)

二席 一文字でパンを表す漢字欲し麦のやうなる雲のやうなる

安達随石(ずいせき)

 

・坂口涼太郎さん「あったらいいのになと思うもの」

将軍よ、もう令和です。わたくしが忘れな内閣総理大臣♡

玄関でアラベスクその指先に日々を振り向くための栞を

花を華とする枝葉の不可欠を教えてくれる軽い峰打ち

 

・坂口涼太郎さんの作られた作品

尾崎さんに贈る涼短歌

リユウには尻尾があって世界から観測されず、声は厄介

 

木下さんに贈る涼短歌

木の下で泣いてるきみを救うべく「我はことばの龍である也」

 

・ことばのバトン

そっくりな猫と出会ってしまった日

仁尾智(さとる)(歌人)

米はあるかとメールを送る

小池理雄(精米店3代目店主)

 

「高いとか安い以前の問題でお米がなかった

備蓄米出すってところから備蓄米じゃないお米も普通に出てきた」

「いろんな方々が危機の時じゃなくって

平時からお米について興味を持ってもらいたい」

2025年12月30日火曜日

国本武春&俳句道場

武相荘白侘助のお出迎え

冬の空しがみつくよに萱に苔

武相荘次郎と正子冬を笑む

いらっしゃい釣り花活けで待つあけび

武相荘本白玉よ清らかに

 

■あの人に会いたい 国本武春(浪曲師)

1960-2015(平成27)年 55歳没

そこに当り前じゃない風を起こしたいじゃないですか

日本にこんなに凄いエンターテインメントがあるぞということを

日本の中だけじゃなく外国にも言いたい

「面白いね なるほどあれだったらいいね」っていうのを

受け入れていかないと悔しいんですよね 

そういうものをまずは細々でいいから作っていって

それを段々広げていきたいなと思うんですよね

 

たまに三味線の師匠が遊びに来たりしていましたけど

ずっと子どもの頃から聴いているわけでも何でもないんですよ

 

アメリカのカントリーミュージックから派生 

こんなすごい音楽があるのか ちょうどバンジョー(弦楽器)の速弾きが

タンタカタカタカという速弾きがそういうのが耳に残りましてね

これはすごいなといってもう 虜になって 

 

高校時代「寿ブラザーズ」を結成

(演奏の)合間に水戸黄門 銭形平次 時代劇とかね 色々織り交ぜながら

寸劇みたいなものを入れたりして 笑っていただこうというような

そうすると ワッと受けるわけですよ 

 

三味線が入って歌って語ってストーリーがあって ドラマがあって

泣かせるところがあって これは1人でやる話芸としては

最高の形なんじゃないかなと思ったんですよ

 

1981年 浪曲師 東家幸楽に弟子入り

入った頃はまったくその客席に若い人がいませんでしたから

聴いてる人は7080代なんですよ これはね将来的な心配が

すごくありまして これは開拓をしていかないと 少しその開拓を

するというか 自分のお客さんをね いろいろこう見つけていかないと

(浪曲が)なくなっちゃうんじゃないかなという 

 

長唄とか民謡ばかりじゃなく ロック ブルース バラード

いろんなものを三味線で歌ってみようじゃないか (浪曲は)

もっと広がりがあってどこから入っても入れるようなね

間口の広い芸であると思うんですよ 浪曲の要素というのは

現代に通用するし 逆に今それがかっこいい時代になっていくんじゃ

ないかなと期待はしているんですけどね 

 

2000(平成12)年 ブロードウェイ・ミュージカル

「太平洋序曲 Pacific Overtures」に出演

 

「にほんごであそぼ」(2008) うなりやべべん で登場

(私これはしっかり記憶していて 大好きなキャラクターでした)

 

(浪曲師は)みんなオリジナルを作るんですよ 自分のスタイルを

自分のスタイルを作ったものが勝つという 先輩たちが寛大ですから

「昔はいろんなやつがいたんだ 大いにやれ」と「浪曲という

名前が出るだけでいいから頑張れ」 もう本当に応援してくださって

 

芸術選奨文部大臣新人賞 文化庁芸術祭演芸部門新人賞など

数々の賞を受賞

 

2010(平成22)年 ヘルペス脳炎と診断される

 

2011年 舞台に復帰

 

2012年 大病から奇跡の復活! 

半月ぐらいは意識がなかったわけで 意識が出てきたときにはね

だいぶ体重が減ったり 痩せたり 点滴がついたり 

いろいろしていましたけども すぐよくなるものだと

思っていたんですけど 

 

あの寄席の ちょうちんの感じ お客さんの拍手 雰囲気

自分が出てきたその様子で サーッとね 一瞬にして 何か戻るんですね

「ああ浪曲師なんだな」というのがね そのときに急に入ったんですね

それで「ああ これはいけるな」と思って 「大丈夫 大丈夫」

という感じになりました 

 

自分の力で どうにかしようとか そのためには あれもしよう

これもしよう こんな人にも会おう というようなことは すごくあって

それが体験の中で どんどんいいことが 積み重なってきて

いたりするので 僕はもう一生途中でいいと思うんですよ

やり続けていくっていうか 探し続けていくっていうか

自分の価値感というか そういうものを自分で持って

それは人がなんと言おうと 揺るぎないものがあれば

いいんじゃないでしょうか

 

■ギュッと!四国 家藤正人の俳句道場

兼題「鴨」冬の季語

傍題 青頸(くび) 真鴨 巴鴨 など

 

ギュッと!特選

みづがひかりが鴨の丸みを愛しけり   家守らびすけ

(選句ポイント) 主語の置き方が上手い

 

放送で紹介された句

佳作 ポケットに片道切符鴨が来る   クラウド坂の上

寒朝の水辺のカモに励まされ   タンポポグランマ

鴨の群れ今日は()山の池におり   立花かおる

秀作 眠そうなあれは美味しい鴨ですか   白沢ポピー

佳作 身を寄せる両国橋の鴨の群れ   ルアン

秀作 水の面()に雲の震へて鴨のこゑ   綾竹あんどれ

鴨の眼はドローン並みだね良く見える   ムレの婆さん

水田に波かけ分ける合鴨の群れ   浜松ヘイタパパ

佳作 親子でも夫婦でも良し鴨の二羽   三浦洋子

佳作 鴨群れて歳月しずか湖面澄む   桜丸

忘却を遥かに置き去り鴨来たる   四万十川翁

秀作 鴨の声がんばらないを頑張る日   沖原イヲ

 

・秀作への道「助詞を使って音数を調整しよう」

佳作 とてとてとあと追う歩み稚児と鴨   見世黙夜

添削

とてとてとあと追う歩み児と鴨と

2025年12月29日月曜日

あの本、読みました?髙橋源一郎

冬の虹メトホルミンへ賭ける人

息白しその場限りの垂らし込み

冬の空行雲流水あるがまま

冬座敷蟹じゃなかったタラバ蟹(ヤドカリ科)

冬の月楽しいことを極めたし

 

   あの本、読みました?

村上春樹・龍も受賞した新人賞~今年文学賞をとったスゴイ作品

髙橋源一郎 ピンク地底人3号 鳥山まこと 遠田潤子 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P

 

野間文芸新人賞

2025年文学賞総ざらいスペシャル

 

日本の文学賞は特殊  文学賞の種類

エンターテインメント 純文学

ベテラン作家の賞   ベテラン作家の賞

中堅作家の賞     中堅作家の賞

若手作家の賞     若手作家の賞

公募新人賞      公募新人賞

 

・吉川英治文学賞 講談社

過去受賞作家 松本清張 司馬遼太郎 東野圭吾 村山由佳 桐野夏生 

今年の受賞作 「方舟を燃やす」角田光代著/新潮社

 

・山本周五郎省 新潮社

過去受賞作家 吉本ばなな 吉田修一 伊坂幸太郎 早見和真 青崎有吾

今年の受賞作 「女の国会」新川帆立著/幻冬舎

 

・山田風太郎賞 KADOKAWA

過去受賞作家 貴志祐介 窪美澄 塩田武士 今村翔吾 米澤穂信

今年の受賞作 「神都の証人」大門剛明/講談社 

「ミナミの春」遠田潤子著/文藝春秋

 

出版社が違う作品が受賞

 

第十六回山田風太郎賞受賞作 

「ミナミの春」の一文 遠田潤子著/文藝春秋

「ねえ、吾郎さん。今度、外泊許可がおりたら買物に連れてってくれる?」

「買物?要る物があったら俺が買ってくるが」

「自分で選びたいねん。梅田へ連れてって」

どうせ外泊で家に帰るなら、残り少ない時間を春美と触れ合った方が

いいのではないか、と思ったが、美恵の意思は固いようだった。

外泊許可を取って、阪急百貨店に行った。

車椅子に乗った美恵が向かったのは子供服売り場、ファミリアだった。

「春美にはきちんとピアノを続けさせて。毎年、発表会やコンクールがあるから、

そのときには、このファミリアのワンピースを着せたげて。

ここのワンピースはね、流行に左右されへん。

上品なデザインやからずっと着られるねん」

美恵はワンピースを十一枚買った。一枚一枚サイズが違う。

一枚目はサイズ110。二枚目は120。三枚目は130だった。

「一年に一枚ずつ。必ず着せてあげてね。

あの子が十五歳になるまで揃えておく。

高校生になったら自分で選ばせてあげて。お願い」

美恵は最後のワンピースを手に微笑んでいた。

白い襟がついた紺色のワンピースだった。

小花模様の刺繡が入っている。吾郎は懸命に涙を堪え、何とか笑おうとした。

 

阪急百貨店のファミリア 大阪と「お笑い」

 

「ミナミの春」の一文 遠田潤子著/文藝春秋

「…ねえ、ヒデヨシ君。大昔、うちらが結婚式のネタやったん覚えてる?」

「もちろん。あれ、メチャクチャ面白くて、完成度も高くて、『はんだごて』

の目標でした。特に劇場でやったとき、あれ完璧でした。ほんま凄かった。

鳥肌立ちました」あのときの熱狂が一瞬で蘇る。

あれはみなを呑み込む圧倒的な渦で、

その中心に「カサブランカ」が君臨していた。あれはもはや芸を超えていた。

世界中の祝福を司る女神の降臨だった。

(中略)

「最高の十分間やった。でもね、終わった瞬間、呆然とした。

恐る恐るお姉ちゃんの顔を見たら、やっぱり呆然としてた。

あのときね、うちらはてっぺんと奈落を同時に味わってん」

「どういうことですか」「あのとき悟ってんよ。

…もうこれ以上のものはできへん。この先どれだけやっても、

たとえ一生漫才をやったとしても、今やった以上のものを

作りだすことはできへんのや、って」

 

極めた芸人の境地

阪神淡路大震災を描いた理由

 

2025年文学賞総ざらいスペシャル 新人部門

小説すばる新人賞 集英社

過去の受賞作家 花村萬月 村山由香 朝井リョウ 

今年の受賞作 「ギアをあげた日」平石なぎさ著/集英社

 

江戸川乱歩省 日本推理作家協会主催 賞金がめちゃ高い 5百万円

過去の受賞作家 西村京太郎 東野圭吾 桐野夏生

今年の受賞作 「殺し屋の営業術」野宮有著/講談社

 

・野間文芸新人賞 講談社の創業者 野間清治が創設 野間文化財団が主催

過去の受賞作家 村上龍 村上春樹 柳美里 中村正則 角田光代 村田沙耶香 九段理江

 

今年の受賞作 「世界99上下」村田沙耶香著 受賞

今年の受賞作 「カンザキさん」ピンク地底人3/集英社

       「時の家」鳥山まこと/講談社

 

髙橋源一郎が選考委員を務める「野間文芸新人賞」

 

「時の家」鳥山まこと/講談社

唐突な回想シーンを描いた理由

髙橋源一郎が絶賛する理由 家に記憶を託していく 記憶は物に宿る

 

「時の家」の一文 鳥山まこと著/講談社

いつの間にか空は分厚い雲で覆われ、外の光がぐっと絞られていた。

ガラスの向こうでは日向と日陰の差をなくした庭が立体感を失っている。

青年の視界の先の漆喰壁のついさっきまで白く煌めいていたはずの

表面は灰色を混ぜたように薄暗い。飾り付けも何もされていない

明度を欠いた白い壁。その余白ばかりの平面に心が吸い取られえて

ゆくようだった。真っ白の壁のように残された自分の人生の時間が

青年には時々余分に思えた。

この先に続く現実味の乏しい時間の中を自分は呆然と生きてゆくのだろうか。

給料は世間の平均よりは高く贅沢をしなければ過ごすのに困らない。

その継ぎ足しがむしろ胸の余白の質感をなくしてゆくようだった。

昔から大抵のことは器用にこなすことができ、

酷い苦労をした覚えがなかった。

でもその代わり何かで一番を取ったこともなかった。

生きてきた時間に、自分自身に、とっかかりがなかった。

 

建築士だからこそ書ける表現

 

「笑って欲しい」と思って書いた

「カンザキさん」の一文 ピンク地底人3/集英社 

モリちゃんは 自分が浮いていることに自覚的だったし、

自分の行動が周りを不愉快にさせることもよくよくわかっていた。

だから 出来るだけ自分から何かをすることを避け、とにかく

人に言われたことだけをやっていく、それが彼が長年考え

生み出した処世術だった。ただ残念なことにモリちゃんは

人に言われたことができなかったし、一度間違えたことは

何度やっても間違えた。そして間違えた時、失敗した時よく笑った。

それが周りをさらに怒らせ不快にさせていた。

「俺、何度も何笑ってんねんって怒られたり 殴られたり

しているんだけどどうしても 堪えきれないの。とにかく

笑っちゃうの。だって笑えない?俺のダメっぷり。

俺は面白いと思うなあ」

 

登場人物の作り方 初めての小説は「私小説」

髙橋源一郎が推薦した理由

 

私感

髙橋源一郎氏❣最高❣魅力全開でした。

ありがとうございました❣