2026年6月4日木曜日

100分de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞④

思い切り嘴(くちばし)開けた大瑠璃よ

船窪の赤を満喫オンツツジ

人知れず斜面に自生神領百合

三十八輪息を潜めて神領百合

完成を目指すことなく夏の空

 

100de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞④社会を想像し直す

河野真太郎 伊集院光 阿部みちこ

 

今や彼に対する嫌悪感はすっかりなくなっていた。

私の手を握っているこの男は、私に恩を施そうとした人間であり、

長年の間ずっと私に対して豊かな愛情と、深い感謝と、

寛大な気持ちを抱いてきた人間だった。

ジョーにあんな仕打ちをした私よりも、彼の方がはるかにいい人間だった。

「あなたには昔子供がいましたね。()

彼女は死ななかったんです。()今でも生きているんですよ。

とても上品な女性で、美しい方です。僕は彼女を愛しています!」

彼は最後に弱々しい力をふりしぼって()私の手を自分の唇へと運んだ。

白い天井を見上げる。穏やかな表情が一瞬蘇って、消え去った。

彼の頭は静かに胸の上に落ちた。

 

ピップ自身の社会が拡張された

二人の関係が示すもの

脅されながらも利他的な行動をとったピップ

投機 贈与 

贈与という行為の大切さ

 

「今回一緒に過ごした時間はずっと僕の心に残ると思うよ、ジョー。

昔の思い出で、しばらくの間忘れていたこともあるけど、

今度のことは絶対忘れない」

ジョーは困惑し、少々慌てたように見えた。

「俺たち、一緒にうんとこさ楽しい思いをした。

あれはあれでちゃんと消えずに残ってますよ」

 

ピップとジョーの間には修復できない溝が生れてしまっている

Commn 共有の、共通の 社会を共有するという価値観

uncommn

 

11年後 

「わたし、自分が苦しんだせいで、どんな教えを受けるよりも

はっきりと、あなたの気持ちがわかるようになったの。

わたしは捻じ曲げられ、押しつぶされてしまった。

でも、おかげで、前よりはいい人間になったと思うの。

どうか、昔のように、やさしく、親切にしてちょうだい。

わたしたちは友達だと言って」

「離れていても、ずっと友達よ」

目の前に開けた静かな月明かりの中に、彼女からもう一度

離れることになると私に告げるものは何もなかった。

 

ディケンズが考えていた もう1つのエンディング

エドワード・ブルワー=リットン(1803-73)小説「ポンペイ最後の日」等

に、読ませたところ、結末が悲し過ぎると指摘を受け書き直しました。

 

「わたし、すっかり変わってしまったでしょ。()

その可愛らしい子を持ち上げて、キスさせてちょうだいな!」

(彼女はピップを私の子供と思ったようだった。)

会えてよかった、と私は後になって思った。

苦しみはミス・ハヴィシャムの教えよりも強く、

それを通じて彼女は昔の私の心が理解できる心を獲得した

―そのことが彼女の表情と、声と、手にはっきり現れていたからだ。

 

河野さんは二人がそれぞれの道を歩む方を支持したいと…。

 

現行版では初めてエステラが自分で自分の内面について語る

エステラが主体性を持って自ら語る存在となっている

 

ピップは社会を拡張し想像し直すことができた

愛と優しさとユーモアをもって相手を見つめる

2026年6月3日水曜日

わたしの日々が、言葉になるまで 綿矢りさ こっちのけんと

彩りを緑に添える谷空木(たにうつぎ)

赤蕎麦や風に輝き委ねをり

今年から見られないのね楠(くす)若葉

夏の庭残り香を聞く楠(くす)若葉

(くす)若葉吾との間の除草剤

 

■わたしの日々が、言葉になるまで ネガティブなとき思い出したい言葉

綿矢りさ 杏 こっちのけんと 劇団ひとり 桐山照史

 

自分の事が好きになれない 杏

自分を傷つけていってる方が安心する 杏

疑い続けるのがしんどいから何でもいいから信じたい 綿矢

自身の生きづらさを綴った「はいよろこんで」徹底解説 けんと

「危なくなったら助け呼べよ」人に言われたくなかった けんと

ネガティブな気持ちが働かないと生きている気がしない ひとり

 

ネガティブになったとき言葉ができることって?

100-0でポジティブ 桐山

まずいこと言っちゃったかな~って何日も引きずったり ひとり

まずいこと言ったな あした謝ろっ 桐山

言い切れるのが凄い 杏

ポジティブにみられるけどネガティブ 杏

基本自分の事が好きになれない 杏

超ネガティブ 全て嘘に思う位ネガティブ けんと

ネガティブなタイプですがネガティブでいるのも体力っているじゃないですか

体力さえなくなってきて優しい嘘は全部信じたい 疑い続けるのがしんどいから

何でもいいから信じたい 綿矢

僕はネガティブかもしれない 落ち込んでいる時の自分も嫌いじゃない ひとり

 

弱った時に少しだけ勇気をくれる近年話題の韓国文学

ハン・ガン著「菜食主義者」「別れを告げない」

 

仕事人間だった作者が限界を感じ活動休止 決意の文章

レディーダック著「私は私に時間を上げることにした」の一文

ずっと長い時間歩いていかないといけないから

私は私を待ってあげることにしました

 

遊んだり休むのも仕事 杏

双極症(双極性障害):気分が高揚する「躁状態」と

落ち込む「うつ状態」が繰り返される精神疾患

テンション高いのも病気なのが意味が分からない

元気なのにこれも病気なんですか? けんと

社会はせかしたり使い捨てにしたりする 自分自身は自分をせかさないし

搾取しすぎない 自分自身が自分の一番の見方だと決めた文章 綿矢

 

ネガティブになったとき言葉はどこまで有益?

沈んでいる時は自分から摂取しに行かない

ふいに入ってきたことでしか救われない 待つしかない けんと

 

―こっちのけんと「はいよろこんで」

生きづらさや迷いを言葉にした楽曲

差し伸びてきた手 さながら正義仕立て

嫌嫌で生き延びて わからずやに盾

「はい喜んであなた方のために」

「出来ることなら出来るとこまで」

あと一歩を踏み出して 嫌なこと思い出して

奈落音頭奏でろ「…」

もう一歩を踏み出して 嫌なこと思い出して

鳴らせ君の36マス 「…―――…」

 

うつ状態になったとき手を差し伸べてくれる人がいた

その手を握ろうとは思わなかった ちょっと回復してきて

手を握れた「じゃあ仕事何する?」と言われた

自分が嫌だったところに連れて行く手だった けんと

人間社会って本当に不自然な所がいっぱいある

暗さと明るさの真ん中で目まぐるしく生きている感じ 綿矢

「肯定して奏でようぜ」みたいな 心に響いてくる 杏

嫌なことをみんな忘れようとする また嫌なことに出会った時に

そのことを忘れているから また嫌な結論に至っちゃう

嫌だった思い出を残しておくと次ちゃんと避けられる けんと

君の36マス:心電図36は正常値 3未満だと頻脈 6マス以上だと徐脈

…―――…」:モールス信号で「SOS

何でこんな遠回しの言い方をしているか 「危なくなったら助け呼べよ」と

人に言われたくなかった 「呼べねーよ」と思っていた

言葉を置いておいてあげたい 言葉をあげるのではなく置いておく

ふと その言葉に出会うかもしれないから? ひとり

そうです けんと

縦型ショート動画で急にこの曲が出た時に「助けて」って

言ったらいいんだと思えたらと思って この時代に届けたい

 

・会話劇の名手がつづった人生の受けとめ方

坂本裕二 何気ないドラマの会話から 人生の機微を描き出す

2022年放送 初恋の悪魔

「負けてる人生って、誰かを勝たせてあげてる人生です。

最高の人生じゃないですか」

 

こう考えられるまでには時間がかかる 桐山

しぼり出した余裕で何とか自分を助ける 

人のために何かをやってあげられている 

自分の外も含めて自分の人生と思えることも大切 けんと

 

2021年放送 大豆田とわ子と三人の元夫

「確かに色々あっての結果ですけど、私自身今楽しくやってますし、

なんだったら なかなか面白い人生だなって思ってます。(中略)

失敗なんてないんですよ。人生に失敗はあったって、

失敗した人生なんてないと思います」

 

失敗を点で捉える 人生全体を失敗することはあり得ない 

等身大の前向きさのある文章 綿矢

 

けんとさんは嫌なことをメモする習慣がある? ひとり

嫌なことはメモしてストック 嫌なことがあった時に出た出たこれ持っとこ

コレクションとして持てている けんと

「不正解」って言われたくない よして欲しい「残念」と言って欲しい

「不正解」は「正解」に聞こえるから

 

羽生善治「大局観 自分と闘って負けない心」

勝負の世界で戦い続ける一流のメンタルを整える言葉

羽生善治(30年トップクラスを守り続けた)

将棋界には、「反省はするが後悔はしない」という言葉がある。

確かに反省は必要だが、それが済めばいつまでもうじうじと

後悔する必要はなく、その経験や体験を自分自身の実力を

上げていくうえで必要不可欠なプロセスとして受け止め、

消化し、昇華させることが大切なのである。

 

派手な言葉ではなく 堅実な一言 杏

ネガティブだからこそ反省もするし後悔もするし後悔したい

実力をあげようと思った時に 後悔「もっとうまく歌えたら良かったな」

反省「歌えなかった。なんでだろう…」 けんと

ネガティブな気持ちが働かないと生きている気がしない ひとり

ネガティブはいい仕事への大切な要素 ひとり

うじうじと後悔を書くことが仕事の一部 

後悔を悪い感情と思ったことがない 綿矢

羽生さんも将棋に関してはだと思う ひとり

本当に後悔してないやつってヤバい 桐山

 

・直木賞作家が実際の経験から見い出した絶望との向き合い方

乳がん 8カ月の治療記 死の危機 当時を振り返った言葉

西加奈子 著者初 ノンフィクション作品「くもをさがす」

 

西加奈子著「くもをさがす」

がんになって良かったことは、「それの何が悪いねん」、

そう思えるようになったことだ。みっともなく震えている自分に、

「分かるで、めっちゃ怖いよな!」、そう言って手を繋ぎ、

肩を叩きたくなる。(中略)

でも、やはりどこかにはうっすら、その感覚は残っているのだった。

それは恐怖や苦しみからくるものではなく、

乖離、というほどの強さでもない。それでもやはり、

「もう一人の自分」と呼ぶほかない存在が自分にはいて、

今ではその自分が、何より、誰より私の味方をしている。

 

体はどれだけ逃げていても向き合わないといけない最終の場所 綿矢

自分を突き落とすのも拾いあげるのも自分 

もう一人の自分が寄り添って一緒にそう思えないと進めない 杏

自分だけが自分を責めていることありますよね ひとり

自分を傷つけている方が安心する 杏

自分の病気 嫌な所は 風船を持っている感覚 ずっと持っていたい

これの何が悪いねん この病気と共に最後まで生きたい けんと

 

・人間の孤独と弱さを見つめた作家がたどり着いた傷つくことの理由

結核 神経症に充ちた人生だった 作品には痛み・苦しみがリアルに表現

高見順 第一回芥川賞候補「故旧忘れ得べき」

高見順著 小説「仮面」の一節

傷ついたのは、生きたからである。

 

「生きたから」という点でも傷を捉えられる

重たい言葉なのに体に入った時に軽くなれる けんと

輝きが凄い 杏

 

・どうしてもポジティブに考えられない時に思い出したい言葉

❝私❞は大河の一滴である。 自分は小さいし自分は大きい 杏

死ぬなよ。 父親に言われた言葉 自分の中で最後の砦ができた 

「でも死ななければいっか。」この言葉のおかげで頑張れている。 けんと

脱走兵になろう。 綿矢

ほんと俺って頭よすぎるんだよな ひとり

 

「ネガティブとは」って話したことなかった 貴重な機会だった 杏

ネガティブになった時の心構えとか言葉は

ポジティブな時に用意しておく ひとり

防災備蓄 杏 

2026年6月2日火曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 醍醐寺

風薫る百工比照(ひゃっこうひしょう)ひも解けり

夏涼し百工比照(ひゃっこうひしょう)基礎残す

夏の月絶望抱き立ち直る

ハンタウイルス地球を制覇するか?夏

病葉(わくらば)やハンタウイルス脅威かな

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 醍醐寺

村雨辰剛

 

豊臣秀吉が最晩年に仕上げた一世一代の大イベント 醍醐の花見

七百本の桜が植えられた 日本史上豪華絢爛伝説の花見

その舞台となったのが 世界遺産 総本山 醍醐寺

 

圧巻の桜並木 異彩を放つ庭 三宝院庭園(豊臣秀吉が基本設計)

国の特別名勝 庭の中心には究極の名石

(天下人が代々お持ちになっていた名石) 天下の名石

 

総本山 醍醐寺 岡田文史

 

昔から桜の名所 醍醐の花見 慶長3(1598)一度きりの花見

この寺は貞観16(874)のできた

応仁の乱で荒廃していた醍醐寺を秀吉は「醍醐の花見」を機に復興させた

桜を700本ほどこちらへ持ってこられた スケールの大きな花見

 

紙本著色醍醐花見図屏風 花見の参加者 約1,300

二度のお色直しがあった

山の中腹のあたりから下の境内をご覧になった 

花見のために茶屋や休憩所を設置

見下ろすと下が真っ白 雪のようだった 山から桜の海を見下ろす

秀吉自ら花見の準備を指示

 

三宝院(さんぼういん)

弥勒菩薩坐像 快慶作 重要文化財

特別名勝 特別史跡 三宝院庭園(秀吉の庭)

醍醐水 池泉(ちせん)庭園

醍醐:仏教において牛乳を精製して得られる最上の味 

また 仏の教えが最上であるという意味

醍醐寺開山 理現大師(りげんだいし)聖宝(しょうぼう)

醍醐味(だいごみ)老人が飲んでいた水を讃えていたことから由来

 

池の中に2つの島があります 亀島(静寂) 鶴島(躍動感)

秀吉が縄張りをした

縄張り:石や池の位置などを現場で定め庭全体の骨格を決める工程

慶長3(1598)作庭開始 天皇を招く計画があったと伝えられている

 

立体的 醍醐は水が有名 水を流すことによって立体感もより表れている

醍醐の山を望む庭(借景)

 

たしなみポイント

賀茂の三石 石の形や模様で賀茂川(鴨川)の水の流れを表現

(水が素早く流れていく様子) 中央(水がよどんだ様子) 

(水が割れて砕ける様子)

自分で見て気づくもの 想像して気づくもの 教えられて気づくもの

池泉庭園と枯山水を組み合わせている

 

たしなみポイント

二つの島に渡る橋が造られている その材質は 木橋 石橋 土橋

材質の違う橋 橋の見た目と素材を変えることで目を楽しませる

橋の下を舟が通れるようになっている 岡田 舟遊式でもある 村雨

お月見なんかも考えておられたかも? 岡田

舟で庭を巡る構想

静けさの中に水の音 鳥の声 音でも楽しむ庭

 

三宝院庭園の木々の特徴 桜の木が一本もない

春は外の桜を楽しみ その他の季節には三宝院庭園を味わう

全ての季節を醍醐寺で楽しめるようにしてある

 

主人石(しゅじんせき) 藤戸石(ふじといし)

天下人が代々お持ちのなっていた天下の名石

天下を治める者が所有すると言われる名石 藤戸石

 

天下の名石 織田信長足利義昭のため旧二条城に設置⇩

豊臣秀吉 聚楽第(じゅらくだい)

三宝院庭園

 

この三宝院庭園の石は主人石:日本庭園の中心として捉えられる石

慶長3(1598)47日作庭開始 9日藤戸石設置

縦長の石なので仏様に見立てた 

高い石を阿弥陀様のお姿と低い石で阿弥陀三尊を表している

天下人の石で阿弥陀三尊を表現

 

手前を現世 池をはさんで極楽浄土を表している

藤戸石が極楽で迎える阿弥陀如来

 

なぜ徳川に藤戸石は移らなかったのか? 村雨

徳川と言えど仏様として見立てていたので寺から持ちだせなかったのかも 岡田

 

部屋の中からの景色 三宝院表書院(国宝)から藤戸石がよく見える

天下人(秀吉)だけが堪能できた景色

襖がフレームの様になってさらによく見える 岡田

 

滝の部分は一つの言葉を表している 登竜門

鯉に見立てたのが手前の石 鯉魚石(りぎょせき)

登竜門:鯉が滝を遡ることで竜となる 立身出世の関門を表現

 

完成した所を太閤殿下は見られていない

慶長3(1598)

4月 作庭開始

5月 いったん庭が完成 秀吉の訪問記録なし

8月 豊臣秀吉死去

 

当時の権力と財力というのが伺える

 

三宝院の小高い所に秀吉公をおまつりしてある

庭には向かず横を向いている おまいりした記録もない

慎重におまつりしてきた 寺領を減らされないように

 

人生のスタートからこの上に至るまでの物語でもあるのかな 村雨

 

純浄観(じゅんじょうかん) 重要文化財

表書院より一段高く作られている

建物の下にのびた池 純浄観の下を舟が通れるようになっている

茶室・松月亭(しょうげつてい)

 

たしなみポイント

池が茶室へのアプローチ

舟着き場を下りて躙口(にじりぐち)

池の中に据えられた手水鉢(ちょうずばち)

池に浮かぶ月 太閤しだれ桜

醍醐の花見の桜の子孫と言われる桜 推定樹齢170年以上

 

あらためて名を替えてみむ深雪山うづもる花もあらはれにけり

豊臣秀吉

 

秀吉ゆかりの桜を未来まで伝える試みも行われている

クローン桜「太閤千代しだれ」太閤しだれ桜のクローン

 

金堂 薬師三尊像 重要文化財 四天王立像

金堂 国宝 も次世代に残していかなければ…。

2026年6月1日月曜日

あの本、読みました?羽田圭介

鰻石積んで待つこと2週間

田植え終え鰻の遡上待ち受けん

海亀の湯治場となる海の底

海亀や埋まり温む海の岩

されし事思い出す日々竹落葉

 

■あの本、読みました?

実は読みやすい&短い!?谷崎潤一郎作品を羽田圭介が熱弁解説

羽田圭介 鈴木保奈美 山本倖千恵 石井千湖

 

短くて読みやすい谷崎作品4冊厳選

勉強のためとか経緯を感じながらじゃなくて面白いから読んでる 羽田

文章は芸術 書いていることはゴシップ 石井

SNS時代の今一番読みやすい 日本の文化人って暗いイメージ 羽田

谷崎は明るい 谷崎と川端康成は人生楽しんでる 羽田

毎日刺激がほしい方 読書生活に刺激がほしい方におすすめ 石井

令和の時代に読むのと昭和当時の人が読んだ感想はあまり変わらない 羽田

 

谷崎潤一郎

1886年東京日本橋生まれ 東京帝国大学(現在の東京大学)国文科を中退

代表作は「細雪」「痴人の愛」「蓼喰う虫」

男女の歪んだ愛を美しく描き出すことで有名

イメージを覆す一面も

 

文豪・谷崎潤一郎の印象

エロティック 食いしん坊 石井

 

谷崎作品を読んだきっかけ 

兄への増悪を滾(たぎ)らせる弟 弟を監視し支配しようとする兄

兄弟間の歪んだ闘争を描いたデビュー作

「黒冷水」羽田圭介著/河出文庫

互いに秘密を抱えるカップルの心理戦

疑念と嘘が積み重なり関係は静かに崩れていく

「隠し事」羽田圭介著/河出文庫

上記を読んだ人から下記作品に類似していると指摘される

「鉤」谷崎潤一郎著

日記に本音を綴り合う夫婦の官能と駆け引き

読まれることを前提とした秘密が欲望を掻き立てる

それまで読んでいなかった谷崎作品に嵌っていった

 

文豪・谷崎潤一郎の印象 羽田圭介

古典を読むんじゃなくて谷崎を読む

谷崎作品はたまたま古典だった

 

谷崎と他の文豪の違い

「陰翳礼讃」

かつて漱石先生は「草枕」の中で羊羹の色を讃美しておられたことがあったが、

「青春物語」

私のこういう風な態度は、文壇の風潮を白眼に視て超然としている

漱石先生などを真似ているようにも思えたのであろう。

 

「眠れる美女」川端康成著/新潮文庫刊(変態作品)

薬で眠らされた若い女と添い寝する老人たちの秘密の館

触れることを禁じられた美に老いた男の孤独と官能が交差する

 

ガブリエル・ガルシア=マルケス

魔術的リアリズムで世界を魅了したコロンビアのノーベル賞作家

川端康成にも触発され日本文学に共感した

 

「細雪〔上〕」の一文 谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

「あの時隣に腰掛けてたら、中姉ちゃんが息するとその袋帯が

 お腹のところでキュウ、キュウ、云うて鳴るねんが」

 

代表作「細雪」は上・中・下巻に別れる長編小説

羽田さんおすすめの作品を紹介 短くて読みやすい谷崎潤一郎

1冊目

1956年発表「鍵」瘋癲(ふうてん)老人日記

老いを自覚する初老の夫とその妻が書く日記という形式の小説

お互い相手に読まれることを知りながら筆を進め続ける

 

「鍵」(「鍵・瘋癲老人日記」所収)の一文 谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

今後ハ僕ハ、彼女ガコレヲ実際ニ盗ミ読ミシテイルト否トニ拘ワラズ、

シテイルモノト考エテ、関節ニ彼女ニ話シカケル気持デ コノ日記ヲツケル

 

夫の日記より

先日、七日ノ晩ニ僕ハ既ニ 木村ニ対シ淡イ嫉妬

(淡クモナカッタカモ知れない)ヲ感ジツツアッタノニ、

―イヤソウデハナイ、ソレハ去年ノ暮アタリカラダッタ、

―ソノ半面、僕ハソノ嫉妬ヲ密カニ享楽シツツアッタ、

 

「鍵」全168ページ

 

2冊目

1924年発表

「痴人の愛」谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

サラリーマンの河合譲治は若く美しい少女・ナオミを自分好みの

「洗練された西洋風の女性」へ育て上げようとする

しかし、飼いならしていたはずの少女に いつしか支配されていく

嫉妬恋愛小説

 

「痴人の愛」の一文 谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

「どう?あたしの恐ろしいことが分かった?」

「分った、分かり過ぎるほど分ったよ」

 

私は自分を間抜けものにして、欺された体を装ってやる。

私にとっては浅はかな彼女の嘘を発(あば)くよりか、

寧ろ彼女を得意がらせ、そうして彼女のよろこぶ顔を見てやった方が、

自分もどんなにうれしいか知れない。

 

つまりこの鼻は、―この、女の顔のまん中に附着している

小さな肉の塊は、まるで私の体の一部も同じことで、決して

他人の物のようには思えません。

が、そう云う感じを以て見ると、一層それが憎らしく

汚らわしくなって来るのでした。

 

よく、腹が減った時なぞに まずい物を夢中でムシャムシャ喰うことがある、

だんだん腹が膨れて来るに随って、急に今まで詰め込んが物の

まずさ加減に気がつくや否や、一度に胸がムカムカし出して吐きそうになる、

―まあ云って見れば、それに似通った心地でしょうが、

 

つまり私とナオミでたわいのないままごとをする。「世帯を持つ」と云うような

シチ面倒くさい意味でなしに、呑気なシンプル・ライフを送る。

―これが私の望みでした。

 

この本は恋愛中の方にはお勧めできない 石井

倦怠期を迎えている人、刺激のほしい人 意識的に物の見方を変える 羽田

 

ナオミのモデルとなった妻の妹(義妹)

自身が脚本を書いた映画「アマチュア俱楽部」で女優としてデビューさせた

 

3冊目

谷崎潤一郎が分かる一作 1911年発表「秘密」

倦怠を覚えた男が夜の町で出会った女と

お互いの秘密を通じた欲望の中で溺れていく

 

「秘密」(「刺青・秘密」所収)の一文 谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

賑かな世間から不意に韜晦(とうかい)して行動を唯徒(いたず)らに

秘密にして見るだけでも、すでに一種のミステリアスな、

ロマンティックな色彩を自分の生活に賦与(ふよ)することができると思った。

 

もう場内の視線は、一つも私の方に注がれていなかった。

愚かにも、私は自分の人気を奪い去った

その女の美貌に対して、嫉妬と憤怒を感じ始めた。

 

谷崎潤一郎は退屈が耐えられなかったタイプ 羽田

昔の文化人って暗いイメージがあるが谷崎はそうではなかった 羽田

よく知っているものを違う見方をする 羽田

 

4冊目

谷崎の執着が現れた一作「陰翳礼讃(いんえいらいさん)1933年発表

日本建築・料理・能・女性の美などあらゆる日本の美は

光ではなく影から生まれると説くエッセイ

光と影を通して人間を見ている

 

「陰翳礼讃」(「陰翳礼讃・文章読本」所収)の一文 谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

われらの祖先の天才は、虚無の空間を任意に遮蔽して自ら生ずる陰翳の世界に、

いかなる壁画や装飾にも優る幽玄味を持たせたのである。

 

(羊羹について)

玉のように半透明に曇った肌が、奥の方まで日の光を吸い取って

夢見る如きほの明るさを啣(ふく)んでいる感じ、あの色あいの深さ、複雑さは、

西洋の菓子には絶対に見られない。

クリームなどはあれに比べると何と云う浅はかさ、単純さであろう。

 

「刺青(しせい)1910年発表

刺青師が生涯をかけて求めた「傑作」とその完成の瞬間を描く 

谷崎の処女作

谷崎がこだわった女性の肌描写

執着しているものについて書かれた箇所は面白い

 

「陰翳礼讃」(「陰翳礼讃・文章読本」所収)の一文 谷崎潤一郎著/新潮文庫刊

肌の白さが最高の女性美に欠くべからざる条件であるなら、

われわれとしてはそうするより仕方がないのだし、

それで差支えのない訳である。

 

ちょっと見た時は歌舞伎の方がエロティックでもあり、

綺麗でもあるのに論はないが、(中略)

西洋流の照明を使うようになった今日の舞台では、

あの派手な色彩がややともすると俗悪に陥り、見飽きがする。

 

白人の白さは、透明な、分り切った、有りふれた白さだが、

それは一種人間離れのした白さだ。

 

主な映画化作品

「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」「刺青」「鍵」

「瘋癲老人日記」「富美子の足」「悪魔」「神と人との間」など

 

・谷崎作品から学ぶ人生の楽しみ方

知ってた物の見方を変えると全然知らないものに見える

わりやすい楽しさじゃなくても人生は退屈じゃなくなる 羽田

 

谷崎は❝刺激❞が欲しい人におすすめ 石井

2026年5月31日日曜日

村井邦彦&アントニ・ガウディの言葉&牧野邦夫&今村紫紅

街中に住処構えた大瑠璃(おおるり)

大瑠璃やアクロス山に住み着かん

青鳩(あおばと)や落ち葉の下の蚯蚓食む

青鳩は猛禽類の餌となる

暑さをも感じさせない秩序かな

 

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん 村井邦彦氏

「エメラルドの伝説」「翼をください」などを作曲、

音楽プロデューサーとして松任谷由実やYMOを輩出。

ご子息はアメリカを拠点に活躍する映像作家・映画監督の

ヒロ・ムライ(本名:村井邦啓)氏。

荒井由実さんと雪村いずみさんの「ひこうき雲」の

聴き比べは秀逸でした。

感動の1時間でした。

色紙の言葉は「美は力なり 村井邦彦」




 






「舞台」作詞:山上路夫 作曲:村井邦彦

歌:クレイジーケンバンド横山剣

私はなぜ生まれたのだろう

なぜこの世に来たのだろう

その答えは私にもわからない…。

それは幼い日ひとりあこがれた

舞台その世界

はるかなものたちに心を誘われた

そして私はここに立っている

 

「ひこうき雲」

白い坂道が空まで続いていた

ゆらゆらかげろうが あの子を包む

誰も気づかず ただひとり

あの子は昇っていく

何も恐れない、そして舞い上がる

 

空に憧れて

空をかけてゆく

あの子の命はひこうき雲

 

高いあの窓で あの子は死ぬ前も

空を見ていたの 今はわからない

ほかの人には わからない

あまりにも若すぎたと ただ思うだけ

けれど しあわせ

 

空に憧れて

空をかけてゆく

あの子の命はひこうき雲

 

空に憧れて

空をかけてゆく

あの子の命はひこうき雲

 

LPは持っているけど。聞けなくなっちゃいました。

LPレコードの聞けるレコードプレーヤーが欲しくなっています。

画面を見ながら涙がこぼれ落ちてきました。

 

■偉人の年収 How much? より

アントニ・ガウディの言葉

「私が聖堂を完成できない事は悲しむべきことではない。

このような作品は、長い年月をかけて作るべきだ

世代から世代へと受け継がれてこそより豊かになろう」

 

ガウディの死からちょうど100年、近年最新技術によって

工期は大幅に短縮され遂に20266月イエス・キリストの塔が完成予定

ガウディが人生を賭けて挑んだ大偉業 時代を超えて完成へと向かっています

 

当時 サグラダ・ファミリア建築に専従する建築家は

年収1万ペセタ(460万円)の報酬がありましたが

聖堂の建築資金が不足してしまいガウディは報酬を受け取らず建築費に回した

サグラダ・ファミリア メインタワー完成予定は20266

全てが完成するまであと10年かかる

 

■日曜美術館 内なる魂を写実する 画家 牧野邦夫

解説 山下裕二

 

牧野邦夫の言葉

頭の中 これは何だろう 目に見える自然 

それ丈(だけ)が僕は 自然の凡(すべ)てではないと思ふ

目に見えないあこがれ あるのだと思ふ

 

嬉しいことに 最近絵具の使い方に一工夫出来

新しい絵が出来上がりつつあるので張り切っている

充実した日々がこのまま続くことを祈る

 

技法が確定してくる 単純化へ向かって

 

絶対にこの戦いに勝ってみせる 絵も変わる

 

傷つける魂を抱きつつも 想ふ也

人間として生きんかな 誠実に生きんかな

我を生かすものは甲斐が也

 

■日曜美術館 暢気な破壊者 日本画家・今村紫紅

今村紫紅(1880-1916)

 

日本画なんて こんなに固まってしまったんでは仕方ありゃしない。

兎に角破壊するだけだナ…

僕は壊すから 君たち建設してくれ給え

 

一体、芸術に理屈は入らない。理屈が這入ると窮屈になる…

描くには暢気でなければならない…

ここに暢気というのは決して遊蕩(ゆうとう)せよとの意味ではない。

何物にも拘束されず、自由に、快活に自己の絵を描くということである。

実際、この心境に入らなくては生命ある絵は出来やしない。

 

今迄のものは 人に見せる絵であったが、

友達に見せるような絵を一度描いてみたい

 

岡倉天心(1863-1913) 新しい日本画を推進していた

天心に好きな画家は?聞かれて 「俵屋宗達」と答えた紫紅

原三渓(1868-1939)三溪園 「護花鈴」を購入 支援を始める

ヨーロッパ留学する時は1年分の支援金を先払いして貰い行く事に