2026年5月19日火曜日

小泉八雲&外国語HAIKU&寺山修司の短歌

ニトリ創業者を詠む

弱点を強みに変えた茂(しげり)かな

特性を逆手に取りて夏の富士

営業ができなかった土用鰻

夏の月虐めにあったことさえも

行動力と発想力で花火

 

■偉人の年収How much?作家 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)

ハーンが初めて日本に就いたときに放った言葉

この神々の国では、樹木は人間から大切に育てられ、

可愛がられてきたので、木にも魂が宿り、愛される女のように

樹木はさらに美しさを増して、人間への感謝を示そうとするのであろうか。

「知られぬ日本の面影」より

 

巫女舞

その一挙一動が、詩のように優雅で美しい。

その舞いは、西洋人のいうダンスという言葉では

とてもいい表せるものではない。

「知られぬ日本の面影」より

 

日本人はなぜ悲しい時でも笑顔なのか?ハーンが導き出した答え

この笑いが意味しているのは、「あなた様におかれては、

私どもに不幸な出来事が起こったとお思いになりましても、

どうぞ、お気に煩わされませんようお願いいたします。

失礼をも顧みず、このようなことをお伝えいたしますことを、

お許しください。」という内容なのである。

「知られぬ日本の面影」より

 

日本の文化は道徳面では進んでいた

1894年 ハーン44歳 「知られぬ日本の面影」出版

日本の風景と心を世界に伝える紀行文学

初版 26回増版 大ベストセラー

❝未知の国❞日本の心を世界に伝えた最初の作家

ハーンは日本人の情愛を詩的に描くことにあった

 

「雪女」「耳なし芳一」「むじな」「ろくろ首」など17編を収録

1904年アメリカで出版「怪談」

怖いよりも美しく悲しい

世界で読み継がれるロングセラー

 

セツ「私に学問があればもっとお役に立てたでしょうに」

ハーン「誰のおかげで生まれた本ですか?学問のある女性だったら

    幽霊の話もお化けの話もばからしい話と言って笑うでしょう

    この本 みんなあなたの良きママさんのおかげで生まれた本です

    世界一のママさんです」

 

小泉八雲1904(明治37)54歳 心臓発作のため

 

1人のアメリカ軍人の心を動かす

マッカーサーの側近 ボナー・フェラーズ

戦後の日本の在り方について考えた

日本人の世親の根幹には先祖を大切にする心があること

天皇の祖先神をまつる信仰 天皇や皇室への敬愛の念として根付いている

 

フェラーズからマッカーサーへの提案

天皇の責任を問えば日本は混乱します

天皇の力を民主的に生かすべきです

 

象徴天皇制に影響を与えたとも言われています

 

八雲が愛し書き残した日本の心は日本の未来へと響き続けているのでは…?

 

根幹に根付いている本当に大事にしている精神性 そこを蔑ろにしたら

国として成り立たなくなる 立ち行かなるっていうことを側近が言ってくれた

そしてその大元になっているのが ハーンが残した文学だった

日本の文学の本質を理解してくれていたからこそ西洋の文化に人に

本質として伝えることができた

 

■ギュッと!四国 愛媛HAIKUで向き合う心

外国語HAIKU

cloudy sky

occluded by

cloud pines

雲のよな松の隠せし空の雲 ホリー・エヴェレット(30歳 イギリス出身)

 

外国語俳句は3行である事 季語はなくて良い 英語でなくても良い

 

地衣類発見

大切にしている事は探しているのは

見過ごしてしまいそうな存在に目を向ける事

あくまでも私の考えですが「普通じゃないもの」に

目を向けることが大事だと思うんです 小さいものとか

俳句を考えるとき私の体は花や蜂 トカゲでいっぱいになります

人との関わり方に難しさを感じていました

自然のはかなさ 移ろいに心を動かされる

俳句は物事の移ろいを評顔します 自然を相手にしますから

俳句をつくる時は感情が整理されます

私はこれまで自分を人間だとは感じられませんでした

私以外の人はみんな ❝ゲームのルール❞を知っているのに

私だけ教えられていないような気分でした

「これもまた過ぎ去る」楽しみも悲しみもいつかは過ぎさるのです

日本にやってきた時、痛みや疲労を感じる難病を発症 

杖が離せなくなりました 

毎日 痛みで目が覚め 痛みとともに眠りにつきます

病気そのものの痛み できない事が増える さらに「若さを失った」

という感覚もあります 

塞ぎこむ中、出逢ったのが正岡子規(1867-1902)

 

エヴェレットさんの右腕には 「私が一番好きな俳句です」英語で

again and again I ask how high the snow is

いくたびも雪の深さを尋ねけり

家族に雪の深さを何度も尋ねる様子を詠んだ句

 

子規は衰弱していて窓の外を見ることもできませんでした

それでも雪を見たかったのです 彼にとって「自然」が

どれほど大切だったか示しています ユーモアがあります

母親の立場で想像すると「どれくらい積もった?」と

繰り返す聞かれる訳ですから 彼は早世しましたが 最後まで

ユーモアを持ち合わせていました 障害があっても悲観することなく

奏した姿勢を持ち続けることの大切さをこの句は示していると思います

 

May you liken

言うなれば

The lichens

地衣類の中に

To enlightenment

悟りのこころ   ホリー・エヴェレット

 

(この句のテーマは)「平穏」ですね

私の病気に治療法はありませりまんが 

(俳句が)心の回復をもたらしてくれています

体は常に痛いですがだからといって

常に苦しんでいるわけではないのです

 

May you liken

The lichens

To enlightenment

言うなれば地衣類の中に悟りのこころ   

ホリー・エヴェレット

 

■寺山修司の短歌

かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭 

2026年5月18日月曜日

兼題「更衣(ころもがえ)」&題「表」

夏の空背徳感に支配され

手は腰にグリーンコーラ夏を飲む

蒼空よ樫の新芽の染める山

新緑や若き命のそこかしこ

目を閉じん酢橘の花の甘き香

 

NHK俳句 兼題「更衣(ころもがえ)

選者:小川軽舟 ゲスト:吉岡更紗 司会:柴田英嗣

年間テーマは「暮らしを思い出す」

 

紫草:むらさきと読む 表面から出ている時は紫の色はない

この時期に咲くのですが 花は白 根は紫っぽい色をしている

そこから色を出して染める 記録上は奈良時代ぐらいから

 

「日本の色」吉岡幸雄著/紫紅社

「あさぎいろの空」という言い方をする

「あさぎ色」って浅い葱の色と書く 綺麗な水色

浅葱色 水浅葱 水色 甕覗

基本的には藍染め 蓼藍という葉から青い色素を取り出す

いろいろ濃淡を染め分ける 30色ぐらい藍系の色はある

昔の方は位によって切る色が決まっていた

「浅葱色」は低い目の位の方がお召しになる色

位の中では一から九の一番低い方 一の位は紫

 

・兼題「更衣(ころもがえ)

「更衣(こうい)」ということばが中国から漢詩の世界で入ってきて

意味は「ころもがえ」ということで

そのまま「更衣」を読むのが伝わってきた

生活の中の一つの区切り目 暮らしの中で実感のある季語

更衣を済ませて身軽になった状態の気分の良さも「更衣」として詠める

使い勝手の良い季語

 

名句鑑賞

「越後屋に衣(きぬ)さく音や更衣(ころもがえ)   其角」

其角は松尾芭蕉の一番弟子

越後屋は日本橋にあった呉服屋 今の三越百貨店の前身

越後屋は呉服商として商いの仕方を革新した店

それまでは武家を対象にお得意様にサービスする商売の仕方

値札をつけて店で買えるシステムに変えた

呉服屋の敷居を下げて大繁盛した

 

「衣をさく」のは裁断している音? 吉岡

鋏で切るのではなく衣を裂く

音から更衣の季節の清々しさを表している 

感覚的にも優れた名句 小川

 

「更衣済ませての妻の逝きにけり   益成栗人」

「更衣」に切なさがある

作者の妻は急に亡くなった

(妻の葬式が終わって)ふと箪笥を開けたら

夏物がきれいに畳んでしまわれていた 引き出しを開けたその瞬間の

作者の驚き そのシーンまで見えるような句

 

「サラリーマンあと十年か更衣   小川軽舟

 

更衣は一年の生活の節目になる 

人生を顧みるそういう気分になるところがある

そういう雰囲気に誘うところがこの季語「更衣」にはある

 

・暮らしの中に俳句のタネを見つけよう!

和紙染めて干す工房や風薫る   小川軽舟

「風薫る」は夏の緑の木々を渡る薫るような風という綺麗な季語

 

・特選句 兼題「更衣(ころもがえ)

教室の眩しき更衣初日   加藤カキコ

ワイパーに合はすハミング更衣   三輪美奈子

年々に脛(はぎ)の細さや更衣   冨田裕明

更衣昼はオムライス一択   石浜西夏(せいか)

更衣ポニーテールは肩を跳ね   相内あみ
娘なき母の一生更衣   加藤且行

 

・特選三席 兼題「更衣」

一席 窓開けて渡る鉄橋更衣   荒井東(あずま)

二席 更衣東京遠くなりにけり   小畑昌司

三席 暑がりと寒がりが住み更衣   竹内美代子

 

・はみだせ!教室俳句

滋賀県 長浜市立びわ中学校 岡崎隆祥(たかよし)先生

交流 俳句というのは表現活動ですので伝えたいことが

相手に伝わらないと勿体ない 交流してもらって「これわかる?」

って聞いたりしながらじゃあどうしたらいいかなって一緒に

確認してもらえたらいいかな?

 

春の宵あの子と同じ帰り道⇩添削

春の宵あの子と話す帰り道

 

秋麗ホールに響く友の声⇩添削

秋麗ホールに響くハーモニー

 

・染色家 吉岡更紗の一句

藍染に黄色重ねて更衣   吉岡更紗

自然界には植物で緑がたくさんあるけれど 緑の色素を持っていない

いったん藍染をしてから「きはだ」という黄色の色素を持っている樹木

それを使って(藍色)に黄色を染め重ねて緑にする

(食物の緑は)葉緑素で形成されている 生命を断つと緑は消えてしまう 吉岡

 

生きているだけの色なんですね 小川

 

「黄色重ねて」というところが気になる 小川

日本の色の名前はたくさんある その中で「黄蘗」を使っている 

分かりやすくするため「黄色」にしたと思う

染色家らしく表現にしては?

 

添削

藍染に黄蘗(きはだ)かさねて更衣   

「黄蘗」は色辞典に出ている 色の名前

「藍染に黄蘗かさねて」と遠慮しなくていい

 

来週のゲストに徳島県立城東高等学校の先輩である大高翔さまです。

俄然楽しみです。徳島県立文学書道館で講演を拝聴して以来です。

 

 

NHK短歌 題「表」

選者:大辻隆弘 ゲスト:永井沙耶子 司会:尾崎世界観

年間テーマ「伝統的なことばを生かして」

今月のポイント「文語の小気味よさ」

しゃべり言葉はダラダラしている

文語 今朝雨降りぬ歩みが困った 

短歌は31文字なので長々かけない

文語の小気味よさは短歌を作る時に武器になる

 

あの夏数かぎりなそしてまたたつた一つの表情をせよ

小野茂樹「羊雲離散」

あの夏の数かぎりないそしてまたたつた一つの表情をしろ

祈りみたいなものがストレートに胸に入ってくる

奥深くの芯の強さみたいなものが文語から出てくる

 

・入選九首 題「表」

五段下に君を探した中華屋の廊下に貼ってあるシフト表

大津穂波

うつくしいスイカざくざく切りながら表現の自由とは何者か

青木日向子

二席 表には樫の木裏には花梨の木でも豊かではなかったわが家

笠原誠

私 座礁したクジラの横で夜の海を見るようだったピアノ発表会

麻倉遥

三席 私 夕方の光を浴びた本棚がある日わたしの年表になる

塚柊那(しゅうな)

一席 耳切りて包帯姿の自画像にゴッホは何を表したか

白浜尚子

表札のあなたはとうに色褪せていたのだ これで黄昏になる

赤城条治

煮出されし繭のにおいは家内(やぬち)から沁み出し表へほそく流るる

関口京子

涙湖(るいこ)より溢るる父の無念さを指の表でそっと拭きやる

山口範子

 

・短歌魔改造ラボ

背表紙が色褪せていゆくようにして母が言葉を忘れる夕べ

住吉和歌子

背表紙が色褪せていゆく少しづつ母が言葉を失ふ夕べ

(公式文書やビジネス文書、学術論文などでは「少しずつ」を使用することが推奨。

ただし、「少しづつ」が完全な誤りというわけではない。)

原作でと比喩の歌になっている「背表紙が色褪せてゆく」

という時間の経過を表す情景があるので実景にしてみてはどうか?

2句切れの歌にする

 

「少しづつ」がいいなと思った 尾崎

「色褪せていゆく少しづつ」「少しづつ母が言葉を失ふ」

二つを結びつける役割を果たしている

 

「忘れる」という言葉が強い 永井沙耶子

「少しづつ失ふ」とすることで柔らかさが出る

消えていない 少しずつ失われているけど消えていない

 

・永井さんが歴史時代小説を書く時に言葉遣いで気をつけている点は?

永井

感情を乗せて読んでほしい部分は今と同じ言葉を使う

注目してほしい部分はわざと文語っぽい言葉にする

大辻

程よい形で文語が入っていることで心に響く

「木挽町のあだ討ち」語りの豊かさに惹きつけられた

最初のフレーズでその人物像が立ち上がってくる

「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざりぢつと手を見る

石川啄木」

その人がポツリとつぶやいた独り言が短歌

永井

(短歌は)言葉をカッティングしていく

大辻

短歌は逆に強みもあって凄く余白が多い

(情景を)想像する それを自分の体験と照らし合わせる

永井

短歌は共感してもらえる幅が広い

 

・いちご摘み

ゆるめれば観覧車めく花束よ見ようとすると窓はあらわる

霧島あきら

夕闇に木々は果実をゆるめゆきその音楽に翼はふるふ

金田光世(好きな歌人 永井陽子)

現在スリランカでお住まいになられています

69回現代歌人協会賞を受賞

根をなくした。そして歩けるやうになり、何時となく人知れずたなびく

「遠浅の空」青磁社

もし短歌に出会っていなければ 見ることができなかったり感じたり

表現することができなかったようなものを 詰め込むことが

できたんじゃないかと思っています

スリランカには鳥が物凄くたくさんいる島なんですけれども

動物が果物や木々を思う気持ちということを表現したいなと思って

果物が出している匂いとかエネルギーとか得体の知れないもの

っていうのが 人間が捉えているもので何か表現するとすれば

音楽に近いかもしれない

2026年5月17日日曜日

知恵泉 与謝野晶子

ニトリ創業者を詠む

障害(ADHD)を味方につけて青嵐

炎天や会社をも乗っ取られ

旺盛な忘却力よ雲の峰

汗みどろ集中力の欠落よ

汗の香や整理整頓できなくて

 

■知恵泉 がむしゃらに軽やかに 新時代を駆ける 与謝野晶子(1878-1942)

ヤマザキマリ 迫田孝也 松村由利子

やわ肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

与謝野晶子

みだれ髪 11人の子供を持つワーキングマザー 時短 

ジャーナリスト ファッションリーダー 教育者

 

情熱 情動 大胆さ そういったものが横溢(おういつ)しているイメージ

100年以上前に無痛分娩を試している 新しいものへのチャレンジ精神

繊細な面と大胆な面と両方あってお喋りではなかった

 

明治11年堺件に生まれる(現在の大阪府堺市)

晶子の兄は帝国大学工科大学(東京大学工学部)

楽しみは読書 古典文学を愛読しお気に入りは源氏物語だった

与謝野鉄幹との出会い

花がたみ 鳳晶子 明星に寄稿

みだれ髪を京の島田にかへし朝ふしてゐませの君ゆりおこす

この年恋焦がれていた鉄幹と結婚 22

経済的苦境に陥る 11人の子供

ロマン主義から自然主義へ 明治41年「明星」廃刊

鉄幹の収入がなくなり与謝野家大ピンチ

家事の省力化 ちゃぶ台 大皿料理

生涯に詠んだ歌は3万首とも…。

旅稼ぎ

短所だらけである私の特に最も短所なのは口舌で述べることである

1900年パリ万博博覧会の渡航費を捻出するため 百首屏風を販売

とうじ100円 今で言うと100万円くらい 高価なものだった

現状を打破するにはやり過ぎも必要

 

ヤマザキ

自分のあるままを認めてもらっていない 

孤独や疎外感を何で補っていたかというと読書

後はチラシも裏に絵を描く

絵が好きだから描くんじゃなくて寂しさを払拭するための行為

子どもが生まれた時に漫画を初めて描いた 

何十足もわらじを履いていた 全部子どもの為

誰かを頼らずに育てるためには なんでもやらなければいけない

 

晶子は生涯で170回以上 旅に出て110か所ほどの温泉地を訪れた

全国各地に与謝野晶子の歌碑が二百数十基残っている 松村

 

焦り汁:焦るほど焦り汁が分泌されて凄いエンジンになる ヤマザキ

 

欧州の女は何うしても活動的であり東洋の女は制止的である 

自分は日本の女の多くを急いで活動的にしたい

 

ジャーナリストとして原稿依頼

人生の後半こそ仕事を選ぶな 未来はどんどん広がっていく

 

全世界でスペイン風邪が流行

 

大人数が集まる教室で子どもたちに掃除をさせる必要はない

各教室の入り口に消毒液を置いて子どもだちに手を洗わせてほしい 晶子

 

平塚らいてう との論争 

育児に追われる母親の保護 らいてう VS 男女平等・夫婦共働き 晶子

 

大正840歳 百選会 ファッションイベント ファッションリーダーに

20年間で400首以上を詠んだ

流行色のネーミング 平和色 新勝色・アラビクトリー 出藍色・サファイア

 

西村伊作 学校造り 大正10年文化学院設立

私たちの学校の教育目的は他から強要されることなしに

個人個人の創造能力を自ら自由に発揮せしめる所にあります

人間は何事にせよ自己に適した一能一芸に深く達してさえ居ればよろしい

功利的な打算を超へた高い、清い、正しい境地において

自分自らそれを楽しむ事が出来ます

 

いろんなものが西洋化したけれど日本人がまだついていけていない

引っ張っていってくれたおかげで現代があると考えてもいいのかな

勇気を持って1歩も2歩も3歩も進んでいた ヤマザキ

 

今と違って活字メディアが凄く大きな力を持っていた時代

女性向けの雑誌や新聞の婦人欄 女性を意識した紙面つくりも

始まっていて女性の書き手が求められていた 晶子自身に「書きたい」

「伝えたい」という内的な欲求があった

男女が平等であるべき思想や表現の自由は担保されるべき 松村

     

シスターフッド:共通の目的や目標を持った女性同士の連帯を示す概念

 

晶子は好奇心が旺盛な人 想像力も非常に豊かだった 読む者によって

何か違う 何を信用していいのか 自分がその中から 濾過された言葉を

組み合わせてできる考えを持っていた ヤマザキ

選ぶなということはそこから学び取れるものがあって 自分の中の

辞書の言葉がどんどん増えていく どんどん頼りがいのある自分に

なっていくから見てごらん ヤマザキ

 

自分の可能性を信じて見たかった 自分で自分を教育した 松村

当時の新しい生き方は専業主婦だった 当時の新しい女性の生き方に

異を唱えたのは面白い 松村

 

男だろうと女だろうと人間同士の共生

魅力的な人間であるかどうかの方が関心が強かったんじゃないか ヤマザキ

 

世界が広がるような生き方をしてみようかなという気持ちになった 迫田

 

「紫式部は私の恩師です」与謝野晶子

平安時代の女性たちの教養が高くて才能を伸びやかに発揮したということは

すごく勇気づけられることだった 時代を超えた視線を持てたのは

大きな強みだったと思う 今の私たちが共感する生き方や

社会のシステムを見せてくれた 素晴らしい歌人だからこそ

思い描けた想像力の産物でもあった

2026年5月16日土曜日

100分de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞①

風青し優しい嘘をついてくれ

落とした視線コントラポスト西日 

正子の嫌う躑躅の花が武相荘

見て見てと薔薇の蕾が背伸びせり

無いものねだり有るもの磨き薄暑

 

100de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞①階級社会の苦しみ

河野真太郎 伊集院光 阿部みちこ

 

チャールズ・ディケンズ(181270)

労働者階級に生まれた少年 成長物語

「僕は彼女がひどく好きだ。彼女のためにジェントルマンになりたいんだ」

 

大いなる遺産(1860年~1861年連載)

・少年ピップの成長物語 教養小説(ビルドゥングス ロマン)

・作者:チャールズ・ディケンズ(1812年~1870)

 クリスマス・キャロル

 オリバー・ツイスト

 デイビィッド・コパフィールド など

 

ビルドゥングス:形成・成長 ロマン:小説 人格形成小説

この小説が書かれたのはヴィクトリア朝時代(18371901)

ディケンズは元々新聞記者 法廷速記者として働いた

 

父の姓はピリップで、私の名はフィリップだった。

その両方を続けて言おうとすると、子供の舌では「ピップ」という以上に

長く伸ばすことも、はっきり発音することもできなかったので、

私は自らをピップと呼び、人にもそう呼ばれるようになった。

私の故郷(くに)はテムズ川下流の沼地で、川が蛇行して、海から

三十キロほど内陸に入ったあたりにある。

思うに、自分の周りの物事について、広く鮮明な印象を私が初めて

得たのは、忘れもしない、ある底冷えのする夕方のことだった。

 

1年後、ミス・ハヴィシャムの家へ

「こっちをご覧」「お前が生れてから今日までの長い間、

一度も太陽の光を見たことのない女など、怖くはないわね?」()

彼女は、左の胸の上に両手を重ねて置くと、

「この手の下に何があるかわかる?」と尋ねた。

「心臓です」「踏みにじられた心よ!」

 

登場人物 ピップ 姉 姉の夫ジョー ミス・ハヴィシャム 囚人

19世紀イギリスの階級社会 

上流階級(貴族・大地主など) ミス・ハヴィシャム 

中流階級(頭脳労働者・商人など) 

労働者階級((職人・工場労働者など) ピップ 姉 姉の夫ジョー

アンダークラス(囚人)

 

エステラ「こんな下品な労働者のこと?」

「なんてごつごつした手!ひどく分厚いブーツ!」

私はそれまで自分の手を恥ずかしく思ったことなど一度もなかった。

しかし今ではとても不格好に思えてきた。

私に対する彼女の軽蔑はきわめて強く、それが私に伝染したのだった。

ジョーがもっと上品に育てられていたらよかったー

それなら自分ももっと上品に育っただろうに。

 

ビディーに勉強を教えてもらうようになった

しかし、エステラに翻弄され続ける

突然エステラが立ち止まり、振り向きざまに、

顔をぐっと近づけてあの偉そうな調子で言った。

「わたし、きれい?」「「はい、とてもきれいだと思います」

「わたしはお高くとかってる?」「この間ほどでは」

「あの時ほどじゃない?」「はい」

返事を聞くと、思い切り私の顔をひっぱたいた。

「これならどう?下品な怪物めは わたしのことどう思ってるの?」

 

ピップはそれでも見返りがあるのではないか?と屋敷に通いはじめました。

さようならピップ その期待もむなしくミス・ハヴィシャムは

突然ピップの屋敷通いを打ち切ってしまったのです。

ピップは鍛冶職人としてジョーの下で働き始めた。

 

ジョーの徒弟になり、袖まくりをして鍛冶場に入ったら

自分は幸せで特別な存在になる、と昔は思っていた。

現実を認識した今となっては、私はただ石炭の埃で

汚れているだけの人間で、日毎に気持ちは重くなり、

その重みに比べれば、鉄床(かなとこ)など羽のごときものだった。

 

自分が卑しい存在だと意識させれてしまうピップ

エステラ

下品な労働者の子 common:普通の・ありふれた(身分が低い)

ジョー

どうしてそんなに卑下しなくちゃならないんだい?

お前には断然すごいところがいくつもある。

すんごく小さいし、すんごい学者だし 

uncommon(oncommon):卓越した・非凡な

oncommon:労働者なまりのスペル 身分が高い

 

コモンな(ありふれた)存在から アンコモンな(卓越した)存在になりたい

 

ディケンズと労働者階級の葛藤

生い立ちが関わっている 元々は中流階級 父親が浪費家で借金を抱える

父親が債務者監獄に入り12歳から働きに出る 靴墨工場

社会から脱落するかもしれない 恐怖感を植え付けられていた

「大いなる遺産」Great Expectations 

遺産という意味もあるが普通は期待と訳される

遺産と期待

 

ピップが働き始めて4年経った頃

酒場で謎の紳士がジョーとピップに話しかけてきた

その紳士をミス・ハヴィシャムの家で見たことがありました。

「わしの名はジャガーズ。ロンドンの弁護士だ。()

わしはある人物の信任を得た 代理人として仕事をしておる。()

私は彼が巨額の贈与を受ける予定である旨伝えるよう指示を受けた』

「その資産は現在の保持者は、彼がこの仕事場および現在の

生活環境を出て、ジェントルマンとして、つまり、莫大な財産を

約束された若者としてー成人することを欲している」

私の夢がかなった。

ミス・ハヴィシャムからだと思ったが、

ジャガーズは持ち主の名は明かせないという。

それでもピップは申し出を受け、ロンドンへ行く事に…。

出発の朝、ジョーの付き添いは断りピップは一人旅立ちました。

 

霧の向こうは巨大な、謎めいた世の中で、そこでは自分は無知で

ちっぽけな存在であると思うと、私はたちまちどっと泣き出してしまった。

泣いた後、私は少しはましな人間になったー前よりも後悔し、

前よりも自分の薄情さを知り、前よりも心優しくなった。

もっと早く泣いていたら、この時私はきっとジョーと一緒にいたであろう。

 

語り手(ピップ)の後悔が滲み出ている

 

当時の読者はどう読んだか?

階級社会で生きている読者たちに共感や夢を与えた物語

成長の為に必要なヒントを教えている