2025年9月14日日曜日

私の日々が、言葉になるまで 金原ひとみ

怒りは燃やし赦しは溶かす秋の声

秋茜戸にしがみつき雨宿り

思い出のスイッチ入れん秋の浜

半田そうめん元祖を守る孫の秋

薩摩芋うすむらさきの花揺らせ

 

■わたしの日々が、言葉になるまで 自己肯定感が低い私が 自信が持てる言葉

劇団ひとり 金原ひとみ 倉科カナ 吉澤嘉代子 桐山照史

 

自己肯定感:ありのままの自分を肯定する感覚

❝自己肯定感❞が低い私が自信を持てる言葉をください

もともとは心理学用語として使用されていた言葉

 

前向きなんてそもそもありえるんですかね❓by金原ひとみ

 

自己肯定感の低い主人公の気持ち

 

私なんて、私なんて、

そうやって薄笑いで築いてきた自分の砦を

切り崩してくるライに救われる自分と

そのまっすぐさに恐怖を感じる自分がいて、

そしてこうして私の砦を慮ってくれる

アサヒに救われている自分と

そんな自分でいちゃ駄目だと思う自分とがいる。

金原ひとみ「ミーツ・ザ・ワールド」集英社

 

自分を蔑むことが最後の砦 削りに削られた人の悲しさ 吉澤嘉代子

 

わかんないからこそ書いてみたい 

相手の心を少しずつ開いていく 「同化」していった 

自分の視点だけで書いているとかける物語が狭ばまってしまう 金原

 

言語化のヒント

自分の視野だけではなく同化することで物語の幅を広げる

 

歌詞の中で表現された自分を肯定するための考え方

大人になって何度目だろう声を殺して泣くのは

「抱きしめたいの」吉澤嘉代子

自分のために書いた楽曲 肯定するための考え方

 

鏡に映った 誰でもない私を 今日はまだ 心から

愛せなくても 許せなくても 私がいちばん 抱きしめたいの

私がいちばん 抱きしめたいの 抱きしめたいの 抱きしめたいの

 

抱きしめる=他者に対する行為

自分のことは責めてしまうけど 友達とか家族に対しては肯定できる

人にできることを自分にもできるように 

 

優しい丸い感情がスゴく伝わる 

本人がいちばん自分を認めてあげたい 

鏡を見ながらずっと言っているイメージ 桐山

 

誰かに求めるのは難しいけど 自分では抱きしめられる 倉科

 

小説は同じ言葉や表現は使わない 重複を避ける傾向がある

歌声によって「抱きしめたいの」が一つ一つが沁みてくる 金原

 

Liveでは終わりを決めていない Xタイム メンバーと自分の気持ちが

あまりにも「抱きしめたいの」すぎると終わらない 吉澤

 

Nah YOUには本物すぎたかも Good bodyユニークなこのお顔

絶対曲げないこのプライド 臆病な奴ほど言うNONONO

ちゃんみな「NG

 

「あなたにはこの価値がわからないのね」倉科

 

「この顔がいい」「この顔はダメ」物差しをぐるっと裏返す

価値観の転換を起こしている強さ 物差しを押し付けてくる世間への怒り

蹴散らしてくれる ちゃんみな 「生き方」「歌」で現わしてくれる 金原

 

ジェーン・スーがつづった❝自分を好きになるための考え方❞

第二の思春期40代 ユーモラスに描いたエッセイ

自分を好きになるきっかけの言葉

 

肉体にしろ精神にしろ、変わるも変わらないも本人の自由。

しかし、自分の身を粗末に扱う自暴自棄と

不足があってもそれで良しと自己受容する朗らかな諦観は

やっぱり別物で、その違いは「自分のことが好きか」ではなく、

「自分に好きなところがあるか」なのかもしれません。

ジェーン・スー「ひとまず上出来」文藝春秋

 

「自分に好きなところがあるか」

落ちる前に回避してくれるパワーワード 桐山

 

自己肯定感が低いとき❝自分を好きでいるため❞にかける言葉

明日はもう変わっているからな 桐山

10年前の自分へ「大丈夫だよ」「そのまま行け」 

今も10年後の自分が自分を見たら

「大丈夫」って言ってくれるんじゃないかな 

10年後の自分が応援してくれている 吉澤

 

帰省した時に感じる気持ち

安心と苦々しい気持ち 色んな感情が出てくる 複雑な心境にはなる 倉科

私はなるべく帰らないようにしています ヒリヒリする 

匂いと共に立ち上る 吉澤

裸足で走り回っていた記憶 彼氏を追いかけていて 

ロータリーを見るたびによみがえって いたたまれない気持ち 

14歳とか… 怒りで頭がおかしくなりそうで 金原

 

気が進まないまま帰省した主人公が地元に帰ったときの気持ち

高齢の父親に運転を辞めさせようと奮闘 心温まる家族小説

 

そんなことを朝からずっと考えていて

気持ちはどんより曇っていた…はずだった。

それなのに、列車からホームに降り立った途端、

ゆったりとした優しい気持ちに変わった。

毎度のことながら不思議だ。

田舎の空気のせいなのか、それとも見渡す限り

緑の山々と田んぼしかない風景のせいなのか、

それとも草いきれの青臭い匂いが

都会生活でささくれ立った神経を宥(なだ)めてくれるのか。

垣谷美雨「うちの父が運転をやめません」角川文庫

 

自分が頑張った証拠 桐山

草いきれ:夏に一面の草が日の光に照らされて出す熱気。

小説中で香りの描写は使う

嫌なニュアンスで使うことが多い 性搾取で告発される男性という設定

周りの人が「この人臭い」と思っている 油が腐ったみたいな… 金原

 

言語化のポイント

嫌な要素を足すために香りの描写を使う

 

「懐かしい」だけではない!

直木賞作家が表現する地元に帰ったときの気持ち

 

シングルマザー 離島の実家に帰る 

フェリーを降りて目に飛び込んできた景色

 

十年前と全く何も変わっていないことに、

驚くというよりは恐怖を覚える。

船着き場のわきにある古びた待合室、その隣の洋品店。

めったにこない観光客用の、さびたレンタル自転車の列。

積み上げられたみかんのケースに、橙色の郵便ポスト。

十年前の正月と、今、その間には本当にいろんなことがあったのに、

この場所だけは、その十年間を

のりしろでぴたりと貼りあわせてしまったみたいだ。

角田光代「ロック母」講談社

 

あの時は大変だったね これからも向き合っていこう!倉科カナ

全てが変わった…でもそれでいい。

食器だけが「おかえり」って言ってくれる 桐山照史

ずいぶん遠くまで歩いてきたようだ

となりにはスタートダッシュを切るいつかの私が見えて 吉澤嘉代子

アスファルトが刺す足裏、叶(きょう)声が焼いた喉、割れた爪。

よみがえる痛みと共に、自分は地獄の季節を生き延びたのだと

安どと空白を感じる。 金原 14歳の夜

たいした店じゃなかった 劇団ひとり

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