行く秋や淡々が生む民藝よ
淡々と轆轤(ろくろ)回さん秋深む
淡々と指動かさん紅葉月
秋の夕焼け手仕事は(世界の)共通語
菊の酒肌の色合い鬼霰(おにあられ)
■新美の巨人たち
オトナの歌舞伎を描く!土佐の天才・絵金の魅力
映画「国宝」の大ヒットで令和の歌舞伎ブームが到来!
江戸の歌舞伎人気を支えたのは役者絵でしたが、
それと正反対の絵が南国土佐で生まれていた。
天才絵師・絵金が描いた怖くて美しいオトナの芝居絵の魅力に迫る。
絵金は若くして土佐藩の御用絵師に上り詰めながら、
ある事件(贋作)に巻き込まれて追放され、町絵師として再起をかけた。
歌舞伎の演目を題材に人間の情念を
ユーモア溢れるタッチで描き一躍人気を博した。
<Art Traveler>尾上右近
<ナレーター>上野樹里
https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/ より
役者絵
絵師金蔵
土佐藩の御用絵師
城下追放 作風激変
これぐらい見せちゃう歌舞伎があってもいい 右近
土佐赤岡絵金祭り 毎年7月第三土日に開催
パンクのような暴力的な怒りみたいな表現の強さを感じる
どういう人生だったのか 何を思って描いたのか
人間性とか人生観とか背景を知りたくなる 右近
王道の美しく様式で見せる歌舞伎ではなく
ドスのきいた毒の部分を表現 右近
細部はリアルで道理にかなっている 嘘がない
中央の提灯をもって橋を渡ってる人
異時同図法 という描き方で表現
絵金は若い頃に江戸に出て狩野派で画法を学んでいる
当時の主流だった狩野派
天才絵師 栄光と挫折
18歳で江戸に出て狩野派で修業
町人から御用絵師という異例の出世
33歳の時 人生は暗転
身分剝奪され城下追放
狩野探幽の贋作事件に巻き込まれた説が有力
町絵師として再起
赤岡町の道沿いには芝居絵が並べられる
ろうそくも立てられるが力強い色彩も
ろうそくの炎などで鑑賞するのも想定
力強い色彩を選んでいる
お若えのお待ちなせえや 雉も鳴かずば撃たれまい
色っぽさとか艶やかさもある
白井権八役 五代目 岩井半四郎
幡随院長兵衛役 七代目 市川團十郎
絵金の歌舞伎 誕生の秘密
武士の子供として教育されているたたずまい
感情を表に出してはいけないって
教育されている中でこぼれる感情
晩年、利き腕でない左手で描いた一枚の美人画
常盤御前図
病気で利き腕が効かなくなり左手で描いたとされる
それでも圧倒されるこの出来栄え
享年65
人間の情の部分がすごく前に出てる 右近
恐ろしくも美しい唯一無二の世界 上野
みんながやってることをやってもしょうがない
自分にしかできないことを見つめる力も
絵金からすごくもらえます
R指定歌舞伎っていうものをやりたい
今まで紡いできた歴史の中にあるエッセンスを盛り込んで
深夜歌舞伎みたいなものをやりたいなと 右近
波乱万丈の人生を歩んだ絵金は まさに歌舞伎者
その道のりを描いた歌舞伎があったならぜひ見てみたい 上野