電線にしがみつきたる春の鳥
閉じた目や鳥を直撃春の風
鳥の恋気配感じて距離保ち
好き勝手生きる人生石鹸玉
無駄遣いさせる人をり春の暮
■NHK俳句 兼題「春泥」
選者:高野ムツオ ゲスト サンキュータツオ 浅川芳直 角谷昌子
レギュラー:中西アルノ 司会:柴田英嗣
年間テーマ「語ろう!俳句」
春泥:田んぼや山の泥より町や都会の泥といったイメージ
比較的新しく使われた季語 いろんな場面・シチュエーションで
春の雪解けの泥なので今まで凍っていたところがゆったりと
軟らかくなったというイメージで詠むと良い
① 春泥をミッキーマウス歩きにて 高野ムツオ
② 春泥の祝福受けてボンネット サンキュータツオ
③ 春泥の湖国(ここく)に訪(と)へり観世音 角谷昌子
④ 春泥の行手(ゆくて)かがやく人も木も 浅川芳直
⑤ 春泥や荼毘(だび)の煙も雲になり 中西アルノ
・特選三席発表 兼題「春泥」
一席 春泥を見合い話のやって来し 冨田裕明(ひろあき)
二席 会葬のみな春泥の人となる 原田香伯(こうはく)
三席 春泥に逢う東京のど真ん中 荒木信夫
特選
春泥や嘶く長き睫毛にも 松﨑映子
春泥に刺さる新聞紙のつるぎ 葉村直
泥や二人ではこぶベビーカー 木原真一郎
国生みの名残のごとく春の泥 川嶋克弘
引越しの荷に春泥の指の跡 阿部勉
春泥をひらり出生届手に 仮名鶫
参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/pXr090lNaR/
■NHK短歌 テーマ「ありがとう/うれしいです」
選者:枡野浩一 ゲスト:大島育宙(やすおき) 東京大学出身
寺井舘哉氏(NHK短歌の選者)は双子の兄 司会:尾崎世界観
年間テーマ「あなたへの手紙 かなたへの手紙」
Positiveな肯定的な言葉を短歌に入れ込む試み
誕生日ありがとうまた再会のように初めて会えますように
枡野浩一
大島育宙氏の感想
枡野さんの短歌には発明とか工夫が具体的に入っている
鑑賞はできるけどまねはできない もどかしさを感じる
・31音の手紙 入選九首 テーマ「ありがとう/うれしいです」
二席 連絡をとってよかった友達のとまらぬ話をほくほくと聞く
葉月ままこ
うれしいを連呼してます坂道をでんぐり返りする勢いで
常田瑛子
昨日から私彼女になったからございますって付けなくて済む
仲川暁実
バスを降りる誰もが「ありがとう」を言うこういう町に暮らしてみたい
中村聡
三席 ありがとうミスやピンチで現れてヒントをくれた小太りの人
高垣満枝(みつえ)
食卓に夫(つま)が胡桃を割りはじめ子栗鼠の気分でまてる私
鈴木綾子
喜びが収まりきれずはみ出してしまったようなたい焼きの餡
富尾智佐
ありがとういいねを押してくれた他人午前三時にも世界はあるのね
さとうきいろ
一席 私 母さんはここに写ってないけれど居るってわかるみんなの顔で
葉山あも
・改悪添削
頭髪の奇抜な人にありがとう地球(地獄)に彩(さい)を与えてくれて
藤木真紀
頭髪の奇抜な人にありがとう地元に彩(さい)を与えてくれて
いろんな規模で考えていくのが大事
自分と違う価値観の人に届くかどうか気にして欲しい
当たり前のように良いことだと思ってしまっていると
そう思っていない人たちを説得できない
この言葉で人の気持ちを変えることができるかを意識する
大島育宙氏の短歌
手震わせ光の中で囁いた君の5文字は僕の5文字だ
大島育宙
踏ん切りをつけることが苦手
いくつかの候補からどのように決断するのか❓
日常会話に求められている厳密性とは違う世界
枡野浩一
人生につまづいて挽回しようとするときに表現が生まれる
短歌はたくさん作って良いものだけが残っていく
尾崎世界観
出てこなくなるまでやる
・言葉のバトン
志望校僕だけ落ちて歯を見せる
麻布競馬場(小説家)
⇩
あらたな道へ心機一転
八木冨美子(江北氷川神社名誉宮司)
奉排
焦らずと心にきざみ慌てずに諦めることなく侮らず
汝こそ数多の苦難ふみこえて輝いてみよや人の世の道
人はみな歩む早さはちがっても人それぞれにそうた早さで
足立区 江北氷川神社名誉宮司 八木冨美子
(浮かんだ言葉を)書いていたら短歌になったって感じでしょうかね
私感
大島育宙氏の大ファンになってしまいました。
素晴らしい解釈に聞きほれてしまいました。
また、大島育宙氏の歌われた短歌には感動。
またのご出演を楽しみにしています。
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